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公開番号2025073439
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184228
出願日2023-10-26
発明の名称ICP発光分光分析装置
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類G01N 21/73 20060101AFI20250502BHJP(測定;試験)
要約【課題】ICP発光分光分析装置において光学素子が汚れているか否かをユーザが簡単に知ることができるようにする。
【解決手段】複数の光学素子を備えたICP発光分析装置において、所定の試料を測定して得られた現在の発光スペクトルと、過去に前記所定の試料と同一組成の試料を測定して得られた発光スペクトルである対照スペクトルとを比較し、前記対照スペクトルの強度からの前記現在のスペクトルの強度の低下度合いに基づいて、前記複数の光学素子のいずれかに汚れが生じているか否かを判定する汚れ判定部204と、前記汚れが生じていると判定された場合に、その旨をユーザに通知する通知部205、212とを設ける。汚れ判定部204では、予め定められた波長域内の長波長側よりも短波長側で前記低下度合いが大きくなっていた場合に、前記複数の光学素子のいずれかに汚れが生じていると判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
試料液を霧状にしてプラズマ炎に導入することにより前記試料液中の成分を励起して発光させる発光部と、前記プラズマ炎からの発光光を波長分散する分光器と、波長分散された前記発光光を検出する光検出器と、前記プラズマ炎から前記光検出器に至る光路上に配置された複数の光学素子と、を有する分析部と、
前記光検出器の検出信号に基づいて発光スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
前記分析部で所定の試料を測定して得られた現在の発光スペクトルである判定用スペクトルと、過去に前記所定の試料と同一組成の試料を前記分析部で測定して得られた発光スペクトルである対照スペクトルとを比較し、前記対照スペクトルの強度からの前記判定用スペクトルの強度の低下度合いに基づいて、前記複数の光学素子のいずれかに汚れが生じているか否かを判定する汚れ判定部と、
前記汚れが生じていると判定された場合に、その旨をユーザに通知する通知部と、
を有し、
前記汚れ判定部が、予め定められた波長域内の長波長側よりも短波長側で前記低下度合いが大きくなっていた場合に、前記複数の光学素子のいずれかに汚れが生じていると判定するものである、
ICP発光分光分析装置。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記予め定められた波長域が、130nm~400nmの範囲の少なくとも一部を含むものである、
請求項1に記載のICP発光分光分析装置。
【請求項3】
前記汚れ判定部が、前記波長域中に定められた基準波長よりも短波長側における前記対照スペクトルの強度に対する前記判定用スペクトルの強度の比である短波長側強度比と、該基準波長以上である長波長側における前記対照スペクトルの強度に対する前記判定用スペクトルの強度の比である長波長側強度比とを求め、短波長側強度比の方が長波長側強度比よりも小さく、なお且つ両者の差の大きさが予め定められた閾値以上であった場合に前記汚れが生じていると判定するものである、
請求項1に記載のICP発光分光分析装置。
【請求項4】
前記汚れ判定部によって前記汚れが生じていると判定された場合に、
前記通知部が、更に、前記複数の光学素子のうちユーザによるメンテナンスが可能なものに対して所定のメンテナンスを施すよう促すメッセージをユーザに通知する、
請求項1に記載のICP発光分光分析装置。
【請求項5】
ユーザから前記メンテナンスが完了した旨の入力を受け付けるメンテナンス完了入力受付部と、
前記メンテナンス完了入力受付部により前記入力が受け付けられた場合に、前記所定の試料の再測定を実行すべく前記分析部を制御する分析制御部と、
を更に有し、
前記再測定の実行後に、
前記汚れ判定部が、該再測定で取得された発光スペクトルである再判定用スペクトルと、前記対照スペクトル若しくは前記判定用スペクトル又はその両方とを比較することによって、前記複数の光学素子のうちユーザによるメンテナンスが不可能な光学素子に汚れが蓄積しているか否かを判定し、
前記ユーザによるメンテナンスが不可能な光学素子に汚れが蓄積していると判定された場合に、前記通知部が、メーカーによるメンテナンスが必要である旨をユーザに通知する、
請求項4に記載のICP発光分光分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分光分析装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ICP発光分光分析装置では、液体試料をネブライザに導入し、該ネブライザに供給されたアルゴンガスによって前記液体試料を霧化させる。霧化された試料は、アルゴンガスと混合された状態でプラズマトーチへ送られる。そして、このプラズマトーチの外周に配設した誘導コイルに高周波電力を供給することによって、トーチに導入されたガスをプラズマ状態にする。このプラズマ炎中を前記霧化された試料が通過する際に該試料の分子又は原子が加熱・励起されて発光する。この発光光を取り出して分光器により波長分散させて検出器で検出することにより発光スペクトルを取得し、その発光スペクトルに現れているスペクトル線(輝線スペクトル)の波長から試料に含まれる元素の定性分析を、スペクトル線の強度からその元素の定量分析を行う。
【0003】
こうしたICP発光分光分析装置には、プラズマ炎から分光器へと光を導く反射鏡(以下、外部ミラーとよぶ)、前記光を分光器内に取り込むための透過窓、及び分光器内に収容された反射鏡、プリズム、又は回折格子などの、複数の光学素子が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。これらの光学素子には、時間の経過に伴って徐々に汚れが付着していき、その結果、検出器に到達する光が減衰して十分な感度で測定を行うことができなくなる。
【0004】
そこで従来は、以下のような手順で、ICP発光分光分析装置(以下、単に装置とよぶことがある)に設けられた光学素子の汚れ具合の確認が行われていた。
(1)装置の据え付け直後に、メーカーの据え付け担当者が、所定の試料(評価用試料)を測定し、得られた発光スペクトルを対照データとして装置に付設のパーソナルコンピュータ等に記憶させる。
(2)ユーザが、任意のタイミングで、前記据え付け直後と同じ評価用試料を同じ条件で測定し、得られた発光スペクトルを、前記対照データと比較して光学素子が汚れているか否かを判断する。
(3)光学素子が汚れていると判断した場合、ユーザが、前記外部ミラー及び透過窓をクリーニングする(拭き清める)。
(4)クリーニング後に、前記評価用試料を再度測定し、得られた発光スペクトルを前記対照データと比較することによって、光学素子の汚れが解消した否かをユーザが判断する。
(5)汚れが解消していないと判断した場合には、分光器内部の光学素子が汚れていると判断し、メーカーにメンテナンスを依頼する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-322261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の方法では、装置据え付け直後に前記評価用試料を測定して得られた発光スペクトル(前記対照データ)と、前記任意のタイミングで前記評価用試料を測定して得られた発光スペクトルとを、ユーザが目視で比較して、両者の違いから光学素子に汚れが生じているか否かを判断する必要がある。また、ICP発光分光分析装置による測定結果(発光スペクトル)は光学素子の汚れ以外の様々な要因によっても変動する場合がある。そのため、経験の浅いユーザにとっては、上記従来の方法によって光学素子が汚れているか否かを正しく判断することは困難であった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ICP発光分光分析装置において光学素子が汚れているか否かをユーザが簡単に知ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係るICP発光分光分析装置は、
試料液を霧状にしてプラズマ炎に導入することにより前記試料液中の成分を励起して発光させる発光部と、前記プラズマ炎からの発光光を波長分散する分光器と、波長分散された前記発光光を検出する光検出器と、前記プラズマ炎から前記光検出器に至る光路上に配置された複数の光学素子と、を有する分析部と、
前記光検出器の検出信号に基づいて発光スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
前記分析部で所定の試料を測定して得られた現在の発光スペクトルである判定用スペクトルと、過去に同じ試料を前記分析部で測定して得られた発光スペクトルである対照スペクトルとを比較し、前記対照スペクトルの強度からの前記判定用スペクトルの強度の低下度合いに基づいて、前記複数の光学素子のいずれかに汚れが生じているか否かを判定する汚れ判定部と、
前記汚れが生じていると判定された場合に、その旨をユーザに通知する通知部と、
を有し、
前記汚れ判定部が、予め定められた波長域内の長波長側よりも短波長側で前記低下度合いが大きくなっていた場合に、前記複数の光学素子のいずれかに汚れが生じていると判定するものである。
【発明の効果】
【0009】
上記構成を有する本発明に係るICP発光分光分析装置によれば、光学素子が汚れているか否かをユーザが簡単に知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係るICP発光分光分析装置の全体構成図。
同実施形態において光学素子に汚れが生じているか否かを判定する際の手順を示すフローチャートの前半部分。
前記フローチャートの後半部分。
同実施形態において表示部に表示される通知画面の一例を示す図。
本発明の別の実施形態に係るICP発光分光分析装置の全体構成図。
試験例における発光スペクトルの強度比の波長依存性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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