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公開番号
2025073733
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-13
出願番号
2023184768
出願日
2023-10-27
発明の名称
電気音響変換器
出願人
株式会社デンソー
,
株式会社ミライズテクノロジーズ
,
トヨタ自動車株式会社
,
日清紡マイクロデバイス株式会社
代理人
弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類
H04R
17/00 20060101AFI20250502BHJP(電気通信技術)
要約
【課題】複数枚の圧電振動部が伸縮膜を介して相互に連結された電気音響変換器において、その伸縮膜を設けたことに起因した感度低下を抑制する。
【解決手段】電気音響変換器1において、伸縮膜30は、圧電振動部241、242よりも伸縮性が高く、圧電振動部241、242に対し機器軸方向に積層されつつそれぞれの自由端部24bに接合され、中央孔25を覆っている。平面視において、中央孔25は、第2方向D2よりも第1方向D1へ中央孔25の中心位置Pcから拡がった形状を成している。そして、中央孔25のうち孔幅が大きい一方側拡幅部252は、中央孔25の中心位置Pcに対し狭幅部251よりも第1方向D1の一方側へ離れた位置にまで及んでいる。これにより、圧電振動部241、242の自由端部24bが相互に動きやすくなり、伸縮膜30を設けたことに起因した感度低下を抑制する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
電気音響変換器(1)であって、
支持部(10)と、
圧電材料によって構成された圧電膜(21)を含み、一軸線(Lc)に沿った板厚方向を有する板状に形成され、前記一軸線まわりの周方向(Dc)に並んで配置され、前記一軸線の径方向(Dr)における外側に設けられ前記支持部に対し変位不能に連結された固定端部(24a)と前記径方向における内側に設けられ前記支持部に対し前記一軸線の軸方向(Da)に往復変位可能とされた自由端部(24b)とを有する片持ち梁状に構成された4枚以上の圧電振動部(24、241、242)と、
前記4枚以上の圧電振動部に対し前記軸方向に積層されつつそれぞれの前記自由端部に接合され、前記圧電振動部よりも伸縮性が高い伸縮膜(30)とを備え、
前記4枚以上の圧電振動部は、該4枚以上の圧電振動部によって囲まれそれぞれの前記自由端部によって孔周縁(25a)が形成され前記軸方向へ貫通した中央孔(25)を形成し、
前記中央孔は前記伸縮膜に覆われ、狭幅部(251)と該狭幅部に対し前記軸方向に垂直な第1方向(D1)の一方側に設けられた一方側拡幅部(252)とを含み、
前記中央孔は、前記軸方向と前記第1方向とに垂直な第2方向(D2)よりも前記第1方向へ前記第1方向と前記第2方向との両方向における前記中央孔の中心位置(Pc)から拡がった形状を成し、
前記一方側拡幅部は、前記第2方向の孔幅(Wh)が前記狭幅部よりも大きくなるように形成され、前記中央孔の前記中心位置に対し前記狭幅部よりも前記第1方向の前記一方側へ離れた位置にまで及んでいる、電気音響変換器。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記4枚以上の圧電振動部には、前記中央孔を挟んで前記第1方向に対向配置された前記圧電振動部(241)と、前記中央孔を挟んで前記第2方向に対向配置された前記圧電振動部(242)とが含まれ、
前記中央孔を挟んで前記第1方向に対向配置された前記圧電振動部の前記自由端部同士の相互間隔(G1)は、前記中央孔を挟んで前記第2方向に対向配置された前記圧電振動部の前記自由端部同士の相互間隔(G2)よりも大きい、請求項1に記載の電気音響変換器。
【請求項3】
前記中央孔は、前記狭幅部に対し前記第1方向の他方側に設けられた他方側拡幅部(253)を含み、
前記他方側拡幅部は、前記第2方向の前記孔幅が前記狭幅部よりも大きくなるように形成され、前記中央孔の前記中心位置に対し前記狭幅部よりも前記第1方向の前記他方側へ離れた位置にまで及んでいる、請求項1に記載の電気音響変換器。
【請求項4】
前記伸縮膜は、前記中央孔の前記狭幅部を覆う厚肉部(321)と、前記狭幅部および前記厚肉部に対し前記第1方向の前記一方側に配置され前記中央孔の前記一方側拡幅部を覆う薄肉部(322)とを有し、
前記薄肉部は、前記厚肉部よりも前記軸方向の厚み(Ts)が薄く形成されている、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電気音響変換器。
【請求項5】
前記狭幅部は、前記4枚以上の圧電振動部のうち前記中央孔を挟んで前記第2方向に対向配置され一対を成す前記圧電振動部(242)の前記自由端部によって形成され、
前記一対を成す前記圧電振動部の前記自由端部の相互間隔(G2)が前記狭幅部の前記孔幅となっている、請求項3に記載の電気音響変換器。
【請求項6】
前記圧電振動部の枚数は偶数枚であり、
前記4枚以上の圧電振動部のうち前記周方向に隣り合う前記圧電振動部同士は、該圧電振動部同士の間に形成されたスリット(26)によって前記周方向に隔てられ、
複数の前記スリットは前記中央孔にそれぞれ連結し、前記径方向に沿って前記中央孔から放射状に延伸している、請求項1、2、3、5のいずれか1つに記載の電気音響変換器。
【請求項7】
前記圧電振動部の枚数は4の倍数になっており、
前記4枚以上の圧電振動部のうち前記周方向に隣り合う前記圧電振動部同士は、該圧電振動部同士の間に形成されたスリット(26)によって前記周方向に隔てられ、
複数の前記スリットは前記中央孔にそれぞれ連結し、前記径方向に沿って前記中央孔から放射状に延伸している、請求項1、2、3、5のいずれか1つに記載の電気音響変換器。
【請求項8】
前記4枚以上の圧電振動部の全体は、前記第1方向に対称的な形状を成すと共に前記第2方向にも対称的な形状を成し、
前記中央孔も、前記第1方向に対称的な形状を成すと共に前記第2方向にも対称的な形状を成す、請求項1、2、3、5のいずれか1つに記載の電気音響変換器。
【請求項9】
前記軸方向に沿う方向視において、前記4枚以上の圧電振動部のうち少なくとも1つの前記圧電振動部では他の前記圧電振動部に対し前記自由端部が異なる形状を成す、請求項1、2、3、5のいずれか1つに記載の電気音響変換器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気音響変換器に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の圧電素子は、圧電膜を含む圧電素子部と、圧電素子部の周縁部を支持する支持部と、圧電素子部よりも伸縮性が高い伸縮膜とを備えている。伸縮膜は、圧電素子部の周縁部の内側の振動領域に設けられている。圧電素子部における振動領域には、当該振動領域を厚み方向に貫通する貫通孔と複数本のスリットとが設けられ、その複数本のスリットは、振動領域の中央に配置された貫通孔から放射状に延伸している。伸縮膜は、振動領域における貫通孔と放射状のスリットの一部分とを覆い、その貫通孔とスリットとによって分離された振動領域を一体化させるように配置されている。
【0003】
ところで、圧電膜を含む圧電素子部に貫通孔とスリットとを設けて片持ち梁構造としたこの種の圧電素子では、圧電膜の湾曲によって、実質的な梁間の隙間が大きくなり、低周波感度が低下する場合があった。この点、特許文献1に記載の構成によれば、伸縮膜を設けることで振動領域の湾曲が抑制され、梁間の隙間の増大が抑制される。また、仮に振動領域が湾曲した場合であっても、貫通孔と放射状のスリットの一部分とを覆うように伸縮膜が配置されているので、低周波感度の低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/024865号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成によれば、確かに、片持ち梁構造の梁間における隙間の増大は抑制される。しかしながら、圧電素子部においてその片持ち梁構造の梁として構成された複数枚の圧電振動部が伸縮膜を介して互いに連結されるので、複数枚の圧電振動部の剛性が増大し複数枚の圧電振動部がそれぞれ変形しにくくなる場合が想定される。そして、複数枚の圧電振動部がそれぞれ変形しにくくなることは、例えば特許文献1に記載の圧電素子など、複数枚の圧電振動部を有する電気音響変換器において感度低下を招くおそれがあった。
【0006】
また、伸縮膜の伸縮性を向上させるために振動領域中央の貫通孔を単純に大きくすることは、片持ち梁構造を成す圧電振動部の梁長さを短縮することにつながるので、これもまた、電気音響変換器の感度低下を招くおそれがある。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
【0007】
本開示は上記点に鑑みて、複数枚の圧電振動部を伸縮膜を介して相互に連結すると共に、その伸縮膜を設けたことに起因した感度低下を抑制することが可能な電気音響変換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示の1つの観点による電気音響変換器は、
支持部(10)と、
圧電材料によって構成された圧電膜(21)を含み、一軸線(Lc)に沿った板厚方向を有する板状に形成され、一軸線まわりの周方向(Dc)に並んで配置され、一軸線の径方向(Dr)における外側に設けられ支持部に対し変位不能に連結された固定端部(24a)と径方向における内側に設けられ支持部に対し一軸線の軸方向(Da)に往復変位可能とされた自由端部(24b)とを有する片持ち梁状に構成された4枚以上の圧電振動部(24、241、242)と、
4枚以上の圧電振動部に対し軸方向に積層されつつそれぞれの自由端部に接合され、圧電振動部よりも伸縮性が高い伸縮膜(30)とを備え、
4枚以上の圧電振動部は、その4枚以上の圧電振動部によって囲まれそれぞれの自由端部によって孔周縁(25a)が形成され軸方向へ貫通した中央孔(25)を形成し、
中央孔は伸縮膜に覆われ、狭幅部(251)とその狭幅部に対し軸方向に垂直な第1方向(D1)の一方側に設けられた一方側拡幅部(252)とを含み、
中央孔は、軸方向と第1方向とに垂直な第2方向(D2)よりも第1方向へ第1方向と第2方向との両方向における中央孔の中心位置(Pc)から拡がった形状を成し、
一方側拡幅部は、第2方向の孔幅(Wh)が狭幅部よりも大きくなるように形成され、中央孔の中心位置に対し狭幅部よりも第1方向の一方側へ離れた位置にまで及んでいる。
【0009】
このようにすれば、伸縮膜はそれぞれの圧電振動部の自由端部に接合されているので、それぞれの圧電振動部が伸縮膜を介して相互に連結され、圧電振動部の相互間の隙間が圧電振動部の湾曲変形などに起因して拡大することを抑制することができる。
【0010】
ここで、圧電振動部は自由端部を軸方向へ往復させるように振動するが、その圧電振動部の振動に伴って、伸縮膜のうち中央孔を覆う中央孔被覆部に引張り応力が発生する。これに対し、上記の電気音響変換器によれば、中央孔のうち孔幅が大きい一方側拡幅部は、中央孔の中心位置に対し狭幅部よりも第1方向の一方側へ離れた位置にまで及んでいる。そのため、中央孔被覆部のうち上記引張り応力が狭幅部の辺りよりも小さくなった応力緩和領域が、中央孔の一方側拡幅部に重なるように拡がって形成され、中央孔の中心位置に対し狭幅部よりも第1方向に離れた位置にまで拡がる。このような応力緩和領域を伸縮膜が含むことにより、その伸縮膜によって相互に連結された圧電振動部の自由端部が相互に動きやすくなるので、その伸縮膜を設けたことに起因した感度低下を抑制することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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