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公開番号2025075755
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187143
出願日2023-10-31
発明の名称チタン酸リチウム粉末、それを用いた電極、及び非水電解質蓄電デバイス
出願人UBE株式会社
代理人弁理士法人とこしえ特許事務所
主分類C01G 23/00 20060101AFI20250508BHJP(無機化学)
要約【課題】蓄電デバイスの電極材料として用いられ、電極密度を高めることができ、放電レート特性に優れ、かつ、高温サイクル後のガス発生量低減を両立できるチタン酸リチウム粉末、それを用いた電極、及び非水電解質蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】Li4Ti5O12を主成分とするチタン酸リチウム粉末であって、粒度分布において一次粒子の粒径の累積体積分布が50%となる点であるD50が1.4μm以上であり、かつ、窒素ガス吸着法により求められる全細孔容積が0.003~0.006mL/gであることを特徴とする、チタン酸リチウム粉末。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Li

Ti


12
を主成分とするチタン酸リチウム粉末であって、粒度分布において一次粒子の粒径の累積体積分布が50%となる点であるD50が1.4μm以上であり、かつ、窒素ガス吸着法により求められる全細孔容積が0.003~0.006mL/gであることを特徴とする、チタン酸リチウム粉末。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記チタン酸リチウム粉末の一次粒子表面にAl元素および/またはF元素が局在化して存在することを特徴とする、請求項1に記載のチタン酸リチウム粉末。
【請求項3】
前記チタン酸リチウム粉末の、一次粒子表面に局在化して存在するAl元素および/またはF元素の含有率が0.01atomic%以上10atomic%以下であることを特徴とする、請求項2に記載のチタン酸リチウム粉末。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のチタン酸リチウム粉末を活物質として含むことを特徴とする、非水電解質蓄電デバイス用の電極。
【請求項5】
請求項4に記載の電極を含むことを特徴とする、非水電解質蓄電デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスの負極活物質材料として好適なチタン酸リチウム粉末、それを用いた電極、及び非水電解質蓄電デバイスに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、全固体電池をはじめとする非水電解質蓄電デバイスの電極材料として種々の材料が研究されている。その中でも一般式Li
4
Ti
5

12
で表されるチタン酸リチウムは、電極作成時の混練容易性、充放電時の膨張収縮が小さい点から、HEV、PHEV、BEVといった電気自動車用の補助電源用デバイスの負極活物質材料として注目されている。
【0003】
電気自動車用の非水電解質蓄電デバイスは、電気自動車の走行距離延長や自動車内の電池設置スペース確保の観点から、高いエネルギー密度が求められる。加えて、充放電時間短縮の観点から更なる入出力特性向上が求められる。入出力特性が高いチタン酸リチウムを蓄電デバイスの負極活物質に用いた場合、60℃以上の高温で長期間使用されると、ガス発生などの保存安定性に課題がある。したがって、非水電解質蓄電デバイスのエネルギー密度を高めながら初期の優れた入出力特性ならびに長期での高い安定性を両立する、負極活物質材料として好適なチタン酸リチウムの開発が望まれている。
【0004】
特許文献1には、一次粒子表面にM1(M1は、Tiを除く第2族、第12族、第13族、もしくは第14族の金属元素またはモリブデン元素)のいずれか一つ以上が局在化して、かつ、一次粒子のD50や比表面積相当径D
BET
を、比較的大粒径(D50≧1.7μmかつD
BET
≧0.7μm)に規定したチタン酸リチウム粉末が開示されている。特許文献1によれば、粒径制御することで電極密度を高めることができ、かつ、一次粒子表面を改質することで、充放電レート特性とサイクル特性に優れるチタン酸リチウム粉末が開示されている。
【0005】
特許文献2には、BET法によって求めた比表面積から算出される比表面積相当径D
BET
や結晶子径D

が一定の範囲に規定され、かつ、M(Mは、Mg、Zn、Al、Ga、またはInから選ばれる少なくとも一種の金属元素である)から選ばれる少なくとも一種の局在化元素を含有し、前記元素がチタン酸リチウム粒子の表面近傍に局在化して存在していることを特徴とするチタン酸リチウム粉末が開示されている。特許文献2によれば、蓄電デバイスの電極材料として適用した場合に、初期充放電容量が大きく、入出力特性に優れるチタン酸リチウム粉末が開示されている。
【0006】
特許文献3には、平均細孔直径が50~500Åで、かつ細孔容積が0.01mL/g以上であるリチウムチタン複合酸化物粒子を含むことを特徴とする負極活物質が開示されている。特許文献3によれば、非水電解質の含浸性を格段に向上することで、これまで反応に関与していなかった部分にまでリチウムイオンを到達させることができるため、電池のエネルギー密度増大や大電流特性及び充放電サイクル特性に優れる点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2023-101247号公報
特許第5790894号公報
特開2012-109279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のチタン酸リチウム粉末に関しては、電極密度向上に伴う体積エネルギー密度の向上や、高温サイクル後のガス発生量低減に関する記載はあるものの、ハイレートでの急速充放電性能、特に充電では5Cレートの改善にとどまり、十分に満足できるレベルではない。昨今の電気自動車向け非水電解質蓄電デバイスの電極材料としては、少なくとも10Cレートでの急速充放電性能が求められており、更なる特性改善が急務である。なお、10Cの「C」とは充放電するときの電流値を表す。例えば、10Cは理論容量を1/10時間=約6分で完全充電または完全放電できる電流値を指す。
【0009】
また、特許文献2のチタン酸リチウムを負極材料として適用した蓄電デバイスでは、一次粒子径が小さい(D50=1μm前後)のため、初期に優れた入出力特性を示すものの、電極密度に関する記載はなく、初期の入出力特性と体積エネルギー密度の両立に関する知見も示されていない。なお、電極密度を上げるメリットとして、蓄電デバイスそのものの単位体積あるいは単位重量あたりのエネルギー密度向上が挙げられる。
【0010】
特許文献3のチタン酸リチウムを負極材料として適用した蓄電デバイスでは、ハイレートでの急速充放電性能は3Cレートの改善にとどまり、満足できるレベルではない。加えて高温サイクル後のガス発生量低減に関する知見は全く示されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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