TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025076349
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2024186803
出願日2024-10-23
発明の名称磁気シールド
出願人マグネティック シールズ リミテッド
代理人個人,個人
主分類H10N 60/81 20230101AFI20250508BHJP()
要約【課題】本発明は、クライオスタットを極低温冷却環境下で使用するための磁気シールドを提供する。
【解決手段】クライオスタットは、極低温で試験する対象物や動作する装置を収容するための内部空間22と、内部空間の温度を極低温まで低下させるための冷却手段と、周囲磁場の影響を打ち消すために内部空間内に磁場を生成する内部空間内のコイル巻線をそれぞれ担持する円筒形コイルフォーマー28、30、32と、内部空間内であるが、少なくとも1つのコイル巻線の外部に位置し、内部空間22に磁気シールドを提供するためのパッシブシールド24と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
極低温下で試験する対象物や動作する装置を収容するための極低温冷却された内部空間と、
内部空間の温度を極低温まで低下させるための冷却手段と、
周囲の磁場の影響を打ち消すために内部空間内に磁場を生成する極低温冷却された内部空間内の少なくとも1つのコイル巻線と、及び、
極低温冷却された内部空間内で、少なくとも1つのコイル巻線の外側に位置するパッシブ磁気シールドと、を含むクライオスタット。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
少なくとも1つのコイル巻線が、前記極低温冷却された内部空間内で、100×10
-6
T未満であり、好ましくは約22×10
-6
T~67×10
-6
Tの間である周囲磁場の影響を打ち消すためのアクティブ磁気シールドを提供する、請求項2に記載のクライオスタット。
【請求項3】
少なくとも1つのコイル巻線のうちの少なくとも1本のワイヤが、円弧状部を有するパターンでナイロンフォーマー上に支持され、前記ワイヤが、前記円弧状部に隣接して円弧の内側に位置する直立円弧状隆起部によって、所定の位置に保持される、請求項1または請求項2に記載のクライオスタット。
【請求項4】
前記直立円弧状隆起部は、その凸面側に前記ワイヤを受け入れるための細長い溝を有する、請求項3に記載のクライオスタット。
【請求項5】
互いに直交する方向に配向された少なくとも3つのコイル巻線が存在する、請求項1~4のいずれか1項に記載のクライオスタット。
【請求項6】
少なくとも3つのコイル巻線のそれぞれが、3つのナイロンフォーマーのうちの1つに取り付けられ、前記3つのフォーマーはそれぞれ円筒形部分を含み、前記3つのうちの2番目のフォーマーは、前記3つのうちの前記1番目のフォーマー内に同心状に収まり、前記3つのうちの3番目のフォーマーは、前記2番目のフォーマー内に同心状に収まるサイズとされる、請求項5に記載のクライオスタット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、規定空間における磁気シールドに関する。特に、本発明は、クライオスタットを極低温冷却環境下で使用するための磁気シールドに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
クライオスタットは、クライオスタット内の極低温に保たれた空間領域内に置かれた装置を操作したりサンプルを試験するための装置で、試料や装置が極低温に保たれるようにする。試験の精度は、周囲の磁場によって悪影響を受ける可能性がある。周囲の磁場は、いくつかの発生源から生じる。環境磁場には、地球の磁場、建物、公共インフラ、及び、計測機器の混合磁場が含まれる。物理的な物や構成要素もまた、周囲の磁場の潜在的な発生源である。地球の磁場は、22×10
-6
Tと67×10
-6
Tの間の磁場強度を有する;本明細書で使用される、「周囲の磁場」という用語は、100又は200×10
-6
T未満の強度を有する磁場を意味する。周囲の磁場を打ち消すことが望ましい環境、例えば、高感度の測定や試験手順がなされる環境では、外部の磁場から領域又は空間を隔離するために何らかの形式の装置が使用される。そのような磁気シールドはパッシブシールドとすることができ、高透磁率の金属合金を利用して磁場を合金内に引き込み、磁力線をシールド空間の周囲へと再指向させ、シールド内部の密閉空間を比較的磁束のない状態とする。この方法は、磁束シャントとして知られている。典型的には、パッシブシールドは、浮遊磁場の侵入を避けるためにシールド空間を完全に密閉することを必要とし、素材の透磁性やその局所的な磁場強度を効果的にシールドする能力によって制限される。
【0003】
アクティブシールドは、クライオスタットにおけるパッシブシールドの代替として、又はそれに加えて、使用することができる。アクティブシールドは、周囲の磁場と実質的に逆の相殺電磁場を生成することによって、シールド空間内の周囲の磁場を打ち消す。アクティブ磁気シールドは、典型的には、銅などの導電性素材のコイルを通して通電される電流を必要とする。電磁気学のレンツの法則は、印加される電流に比例する磁場がコイルの平面に対して90°で誘導されることを示す。誘導磁場の磁束密度は、大きさが等しくかつ逆の磁場を打ち消すために、コイルを通して印加される電流を介して制御され得る。典型的には、ヘルムホルツコイルまたはソレノイドが使用される。代替的に、複雑なワイヤパターンや配置が、空間内の相殺要件を微調整するために使用され得る。
【0004】
量子テクノロジーや素粒子物理学の研究における進歩により、実験室と産業の両方の環境において、クライオスタット内の磁気シールドの必要性が生じている。極低温用に最適化された高透磁性材料を用いてパッシブシールドを構築し、シールド空間を形成することが一般的である。しかしながら、ケーブルを通したり、シールド空間へのアクセスを可能とするためには、シールドに穴や他の大きな開口部がしばしば必要とされる。パッシブシールド内のこのような間隙は、シールドの性能を低下させ、シールド環境内に不要な磁場をもたらす。クライオスタット内で高度なシールドが必要とされるいくつかの状況において、シールドされた筐体内部の残留磁場をさらに低減するために、パッシブシールドに加えてアクティブシールドが使用される。クライオスタットにおいては、これは、典型的には銅などでできた電磁導電性コイルの形態とされ、シールド空間の外側の周囲に、クライオスタットの外側で、サドル型またはヘルムホルツ型で配置される。コイルから発生する熱が内部の極低温環境を損なうので、コイルをクライオスタットの外側に配置する必要がある。しかしながら、アクティブシールドをパッシブシールドの外側に配置することは、その誘導磁場がパッシブシールド材によって歪められるため、その性能が最適でないことを意味する。さらに、誘導される電磁場は、周囲の磁場によって打ち消されるだけでなく、パッシブシールド材を貫通しなければならないために高電流が必要とされ、そのため電力コストが増加し、高電流に関する安全上の懸念が高まる。コイルが小さな対象領域からかなり離れているので、対象領域内の磁場勾配を正確に制御することも困難である。
【発明の概要】
【0005】
従来技術のクライオスタットのアクティブシールドの配置に関する課題を克服する装置が必要とされている。
【0006】
したがって、本発明は、極低温下で試験する対象物や動作する装置を収容するための極低温冷却された内部空間と、内部空間の温度を極低温まで低下させるための冷却手段と、周囲の磁場の影響を打ち消すために内部空間内に磁場を生成する極低温冷却された内部空間内の少なくとも1つのコイル巻線と、及び、極低温冷却された内部空間内であるが、少なくとも1つのコイル巻線の外側に位置するパッシブ磁気シールドと、を含むクライオスタットを提供する。
【0007】
好ましくは、少なくとも1つのコイル巻線が、極低温冷却された内部空間内で、100×10
-6
T未満であり、より好ましくは約22×10
-6
Tと67×10
-6
Tの間である周囲磁場の影響を打ち消すためのアクティブ磁気シールドを提供する 。
【0008】
パッシブ磁気シールドは、理想的には内部空間内に配置されるが、少なくとも1つのコイル巻線の外側に配置される。これにより、磁気シールドの程度が増大し、少なくとも1つのコイル巻線によって打ち消されるべき背景磁場が減少し、したがって電流需要が減少する。
【0009】
電流供給部が提供され、少なくとも1つのコイル巻線に電流を供給するために内部空間の外側に配置され、内部空間のアクティブ磁気シールドを提供するための電流制御に適合されてもよい。そのような制御システムは、他の状況におけるアクティブシールドの取組からそれ自体が知られており、ここに適用することができる。あるいは、少なくとも1つのコイルは、状況に応じて、内部空間内に所望の非ゼロ磁場を確立するように制御され得る。
【0010】
少なくとも1つのコイル巻線は、好ましくはナイロンフォーマー(成形体)上に取り付けられる;これにより、コイル巻線がその所望のルートまたはパターンを保持することが可能となる。フォーマーは、PA12ナイロンであることが好ましく、体積比で30~50%のガラス強化材を有するPA12ナイロンであることがより好ましい。これは、非磁性で非導電性のフォーマーを提供し、その熱膨張係数はアルミニウム製の取付部、ブラケット、その他の支持体の熱膨張係数と充分に近く合致しており、熱収縮の差により生じる構造的な損傷の発生なしに極低温までの冷却が可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
集積回路の製造方法
1か月前
株式会社クラベ
感圧導電体
3日前
学校法人東北学院
半導体装置
16日前
個人
高性能逆導通半導体装置
24日前
日亜化学工業株式会社
発光装置
1か月前
サンケン電気株式会社
半導体装置
24日前
富士電機株式会社
半導体装置
24日前
富士電機株式会社
半導体装置
5日前
富士電機株式会社
半導体装置
25日前
キヤノン株式会社
放射線撮像装置
5日前
三菱電機株式会社
半導体装置
1か月前
三菱電機株式会社
半導体装置
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
半導体装置
2日前
株式会社村田製作所
半導体装置
9日前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光デバイス
24日前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光デバイス
2日前
日東電工株式会社
センサデバイス
1か月前
株式会社カネカ
太陽電池モジュール
9日前
三安ジャパンテクノロジー株式会社
半導体装置
3日前
株式会社カネカ
ペロブスカイト薄膜太陽電池の製造方法
3日前
日亜化学工業株式会社
発光装置の製造方法
2日前
ローム株式会社
半導体装置
16日前
ローム株式会社
半導体装置
3日前
ローム株式会社
半導体装置
26日前
ローム株式会社
半導体装置
24日前
日亜化学工業株式会社
発光装置の製造方法
16日前
古河電気工業株式会社
熱電変換モジュール
27日前
日亜化学工業株式会社
窒化物半導体発光素子
6日前
三菱電機株式会社
半導体装置
5日前
豊田合成株式会社
発光装置
16日前
日本特殊陶業株式会社
圧電素子
1か月前
国立大学法人北海道大学
薄膜トランジスタ
4日前
豊田合成株式会社
発光装置
1か月前
豊田合成株式会社
発光装置
1か月前
シチズン電子株式会社
発光装置
5日前
旭化成株式会社
深紫外線照射装置及びその製造方法
3日前
続きを見る