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公開番号2025079291
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-21
出願番号2024074536,2024502221
出願日2024-05-01,2023-12-27
発明の名称組成物の製造方法及び飲食品の製造方法
出願人株式会社ダイセル
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12P 7/22 20060101AFI20250514BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】少なくとも、そのままで又は追加のアミノ酸等の存在下で、加熱されても褐変しない、エクオール及び/又はエクオール誘導体を含む組成物の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】下記(a)工程;(b1)工程及び/又は(b2)工程;並びに(c)工程を含む、組成物の製造方法により課題を解決する。
(a)イソフラボン配糖体から、グルコースとイソフラボンアグリコンとを生成する工程;
(b1)エクオール産生能を有する微生物に、前記イソフラボンアグリコンからエクオールを産生させる工程;
(b2)エクオール誘導体産生能を有する微生物に、前記イソフラボンアグリコンからエクオール誘導体を産生させる工程;及び、
(c)前記グルコースの含有量が、前記組成物中で0g/L以上2.0g/L未満、又は前記組成物の固形分量あたり30g/kg以下となるように前記グルコースを分解する工程
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(a)工程;(b1)工程及び/又は(b2)工程;並びに(c)工程を含む、組成物の製造方法。
(a)イソフラボン配糖体から、グルコースとイソフラボンアグリコンとを生成する工程;
(b1)エクオール産生能を有する微生物に、前記イソフラボンアグリコンからエクオールを産生させる工程;
(b2)エクオール誘導体産生能を有する微生物に、前記イソフラボンアグリコンからエクオール誘導体を産生させる工程;及び、
(c)前記グルコースの含有量が、前記組成物中0g/L以上2.0g/L未満、又は前記組成物の固形分量あたり30g/kg以下となるように前記グルコースを分解する工程

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、組成物の製造方法、飲食品の製造方法及び発酵組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
大豆胚軸や大豆胚軸抽出物に含まれるイソフラボン配糖体はβ-グルコシダーゼによりアグリコンに変換された後、さらにエクオールやエクオール誘導体等に代謝される。エクオールは女性ホルモン様の生理作用が強いため、更年期症状や骨粗鬆症の予防や改善(特許文献1)、皮膚の老化及びシワの予防や治療(特許文献2)、アレルギー症状の緩和(特許文献3)等への利用が提案されている。
エクオール誘導体、特に5-ヒドロキシエクオールは、抗酸化効果(非特許文献1)や寿命延長効果(非特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2001-523258号公報
特表2002-511860号公報
特許第4479505号公報
【非特許文献】
【0004】
Archives Biochem. Biophys. vol.356, pp133-141(1998)
J. Chin. Pharm. Sci. vol.23,pp378-384(2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らがイソフラボン配糖体からエクオール及び/又はエクオール誘導体を含む組成物を製造したところ、当該組成物は加熱により褐変することがわかった。また、当該組成物を原料として、食品を製造するためにタンパク質等を含む原料と混合し、加熱したところ、加熱により褐変することがわかった。これはメイラード反応と呼ばれる還元糖及びアミノ酸の反応に起因すると考えられた。また、メイラード反応に起因して、アクリルアミド等の発がん性があると言われる副産物等が生じた可能性がある。
【0006】
本開示は、少なくとも、そのままで又は追加のアミノ酸等の存在下で、加熱されても褐変しない、エクオール及び/又はエクオール誘導体を含む組成物の製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが鋭意検討した結果、イソフラボン配糖体がアグリコンに変換される際、還元糖であるグルコースが生じ、当該グルコースが製造された組成物中に残存しているため、加熱によりメイラード反応が進行し、組成物が褐変することを見出した。さらに、組成物に含まれるグルコースを分解する工程を実施することで、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本開示は少なくとも以下を含む。
【0008】
〔1〕 下記(a)工程;(b1)工程及び/又は(b2)工程;並びに(c)工程を含む、組成物の製造方法。
(a)イソフラボン配糖体から、グルコースとイソフラボンアグリコンとを生成する工程;
(b1)エクオール産生能を有する微生物に、前記イソフラボンアグリコンからエクオールを産生させる工程;
(b2)エクオール誘導体産生能を有する微生物に、前記イソフラボンアグリコンからエクオール誘導体を産生させる工程;及び、
(c)前記グルコースの含有量が、前記組成物中で0g/L以上2.0g/L未満、又は前記組成物の固形分量あたり30g/kg以下となるように前記グルコースを分解する工程
〔2〕 前記(c)工程が、糖資化能を有する微生物を用いた発酵により前記グルコースを分解する工程である、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕 前記糖資化能を有する微生物が酪酸菌、乳酸菌、及び酵母からなる群から選ばれる1種以上の微生物である、〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕 前記糖資化能を有する微生物がクロストリジウム(Clostridium)属に属する微
生物、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する微生物、ラクトコッカス(Lactococcus)属に属する微生物、ロイコノストック(Leuconostoc)属に属する微生物、及びサッ
カロマイシス(Saccharomyces)属に属する微生物からなる群から選ばれる1種以上の微
生物である、〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕 前記(c)工程が、グルコースを分解する酵素を用いて前記グルコースを分解する工程である、〔1〕に記載の製造方法。
〔6〕 前記グルコースを分解する酵素がグルコースオキシダーゼ、及びグルコース脱水素酵素からなる群から選ばれる1種以上である、〔5〕に記載の製造方法。
〔7〕 前記(b1)工程及び/又は(b2)工程と、前記(c)工程とが同時に行われる、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の製造方法。
〔8〕 前記イソフラボン配糖体がダイジンであり、前記イソフラボンアグリコンがダイゼインである、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の製造方法。
〔9〕 前記(a)工程がイソフラボン配糖体にβ-グルコシダーゼを作用させて、グルコースとイソフラボンアグリコンとを生成する工程である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の製造方法。
〔10〕 下記(a)工程;(b1)工程及び/又は(b2)工程;(c)工程;並びに(d)工程を含む、飲食品の製造方法。
(a)イソフラボン配糖体から、グルコースとイソフラボンアグリコンとを生成する工程;
(b1)エクオール産生能を有する微生物に、前記イソフラボンアグリコンからエクオールを産生させる工程;
(b2)エクオール誘導体産生能を有する微生物に、前記イソフラボンアグリコンからエクオール誘導体を産生させる工程;
(c)前記グルコースの含有量が、(a)工程、(b1)工程及び/又は(b2)工程、並びに(c)工程を含む方法により製造される組成物中で0g/L以上2.0g/L未満、又は前記組成物の固形分量あたり30g/kg以下となるように前記グルコースを分解する工程;並びに、
(d)前記(a)工程、(b1)工程及び/又は(b2)工程、並びに(c)工程を含む方法により製造した組成物を用いて飲食品を製造する工程
〔11〕 エクオール及び/又はエクオール誘導体を含み、グルコースを実質的に含まない、発酵組成物。
〔12〕 前記グルコースを実質的に含まないことが、グルコースを0g/L以上2.0g/L未満含むことである、〔11〕に記載の発酵組成物。
〔13〕 エクオール及び/又はエクオール誘導体と、グルコースと、を含み、
前記グルコースの含有量が、前記発酵組成物の固形分量あたり30g/kg以下である、発酵組成物。
〔14〕 飲食品に用いられる、〔11〕~〔13〕のいずれかに記載の発酵組成物。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、少なくとも、グルコースの量が低減されており、そのままで又は追加のアミノ酸等の存在下で、加熱されてもメイラード反応が進行せず褐変しない、エクオール及び/又はエクオール誘導体を含む組成物の製造方法が提供できるという効果を奏しうる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。また、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
また、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味し、「A~B」は、A以上B以下であることを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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