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公開番号2025115620
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010178
出願日2024-01-26
発明の名称有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体
出願人JNC株式会社
代理人
主分類C07F 7/21 20060101AFI20250731BHJP(有機化学)
要約【課題】籠状構造頂点に非芳香環置換基を有するダブルデッカー構造シルセスキオキサン構造を有する有機ケイ素化合物、これから誘導される官能基を有するシルセスキオキサン誘導体、およびこれらの誘導体からなる重合体を提供する。
【解決手段】式(1)で表される有機ケイ素化合物。
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Rは独立してH、ハロゲン、アルキルまたはシクロアルキル等;少なくとも1つのYは-SiR1R2Zで表される基から選択される基であり、残りのYはHである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で表される有機ケイ素化合物。
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2025115620000017.tif
51
93
式(1)中、Rは独立して水素、ハロゲン、炭素数1~45のアルキルまたは炭素数4~18のシクロアルキルであり;炭素数1~45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH

-は-O-または炭素数4~18のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~18のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;少なくとも1つのYは式(2)で表される基から選択される基であり、残りのYは水素であり;そして、少なくとも2つのYが式(2)で表される基であるとき、それらは同一の基であってもよく、少なくとも2つの異なる基で構成されてもよい;
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2025115620000018.tif
20
56
式(2)中、R

およびR

は独立して水素、炭素数1~45のアルキル、炭素数6~45のアリール、または炭素数7~45のアリールアルキルであり;炭素数1~45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH

-が-O-、-CH=CH-、炭素数4~18のシクロアルキレンまたは炭素数4~18のシクロアルケニレンで置き換えられてもよく;炭素数6~45のアリールおよび炭素数7~45のアリールアルキレン中の芳香環において、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよく;炭素数7~45のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、炭素数は1~39であり、そして少なくとも1つの-CH

-が-O-、-CH=CH-またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;そして、ZはR

と同じ定義を有する基、官能基または官能基を有する基である。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
有機ケイ素化合物が、式(1)および式(2)において、R

およびR

が独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチルまたはフェニルである、請求項1に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項3】
有機ケイ素化合物が、請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数1~12のアルキルまたは炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数1~12のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH

-は-O-または炭素数4~10のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項4】
有機ケイ素化合物が、請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複素の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項5】
有機ケイ素化合物が、請求項1に記載の式(1)において、すべてのRが炭素数4~10のシクロアルキルから選択される同一の基であり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複素の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項6】
有機ケイ素化合物が、請求項1に記載の式(1)において、すべてのRが少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい炭素数4~10のシクロアルキルから選択される同一の基であり、そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複素の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項7】
有機ケイ素化合物が、請求項1に記載の式(1)において、すべてのRがシクロヘキシルである、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項8】
有機ケイ素化合物が、式(1)および式(2)において、R

およびR

が独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチルまたはフェニルであり;そして、Zが官能基または官能基を有する基であり、官能基が水素、ハロゲン、-OH、アルコキシ、アルケニルおよびフッ素化アルキルから選択されるSi原子に直接結合する基であり、官能基を有する基が2価基とこれを介してSi原子に結合する官能基とから構成される基であり、2価基がアルキレン、アルキルシクロアルキレン、アルキレンフェニレン、アルキルフェニレンおよびアルキルフェニルアルキレンから選択される2価基であり、これらの2価基中のアルキレンおよびアルキルにおいて、少なくとも1つの-CH

-が-O-で置き換えられてもよく、2価基を介してSi原子に結合する官能基が水素、ハロゲン、-OH、フッ素化アルキル、アルコキシ、カルボキシル、2-オキサプロパンジオイル、カルボン酸無水物残基、マレイミド残基、アセトオキシ、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、ポリアルキレンオキシ、オキシラニル、3,4-エポキシシクロヘキシル、オキセタニル、アルケニル、シクロアルケニル、-NH

、-CN、-NCO、-SHおよび-PH

から選択される基である、請求項1に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項9】
有機ケイ素化合物が、請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数1~12のアルキルまたは炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数1~12のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH

-は-O-または炭素数4~10のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい、請求項8に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項10】
有機ケイ素化合物が、請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複素の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、請求項8に記載の有機ケイ素化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体に関し、より詳しくはシルセスキオキサン骨格を有する有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体に関する。さらに詳しくは、籠状構造頂点に脂肪族などの置換基、好ましくは脂環式置換基を有するシルセスキオキサン構造体、およびこれから誘導されるアミノ基、ヒドロシリル基、グリシジル基、ヒドロキシル基、アセトキシ基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、クロロプロピル基、ビニル基、シロキサン基などの官能基を有するシルセスキオキサン誘導体、ならびにこれらの誘導体からなる重合体に関する。なお、本明細書において「籠状構造頂点」とは後述の式(1)において8個のRが結合する8個のSi原子を意味する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
シルセスキオキサン化合物として、ラダー構造、完全縮合型構造、不完全縮合型構造および不定形構造があると確認され、多くの研究が行われてきた。その中、最も構造制御しやすい完全縮合型構造や不完全縮合型構造シルセスオキサンが注目され、ハイブリッドプラスチック社により種々の官能基が導入されたシルセスキオキサン誘導体が市販された(非特許文献1)。
【0003】
しかしながら、従来の不完全縮合型や完全縮合型シルセスキオキサンおよびそれらの誘導体は溶解性が乏しく、塗膜部材に用いられる場合、成膜性や添加量に限界があるため、広い用途において効果的に活用することが難しいといった欠点が挙げられる。これらの欠点を克服したダブルデッカー構造シルセスキオキサン(特許文献1)が開発され、種々な材料への応用が検討されてきた。
【0004】
一方、これまで報告されたダブルデッカー構造シルセスキオキサンおよびその誘導体の多くは籠状構造頂点にフェニル置換基を有している。フェニル置換基のような芳香族構造は高耐熱性を示すが、共役環構造のため、分子間の相互作用や隣接する構造との共役を引き起こしやすく、ポリイミド材料の着色をはじめ、屈折率や誘電特性にも多大な懸念点を残す場合があり、改良する余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2004/024741号(特許第4470738号公報)
【非特許文献】
【0006】
ロナルドH.バニー、伊藤真紀、榊原昭仁および鈴木敏夫、「シルセスキオキサン」、ケミカルレビュー、アメリカ化学会、1995年、第95巻、第5号、p.1409~1430(Chem.Rev.95,1409-1430(1995))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の従来技術の有する問題点に鑑み、本発明の課題は、籠状構造頂点に非芳香環置換基を有するダブルデッカー構造シルセスキオキサン構造体である有機ケイ素化合物を提供することである。また、これから誘導されるアミノ基、ヒドロシリル基、グリシジル基、ヒドロキシル基、アセトキシ基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、クロロプロピル基、ビニル基、シロキサン基などの官能基を有するシルセスキオキサン誘導体、およびにこれらの誘導体からなる重合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、籠状構造頂点の芳香環置換基を脂肪族置換基などの非芳香環置換基に変換することで、シルセスキオキサンに期待される特性を十分に付与できる籠状構造頂点に非芳香環置換基を有するダブルデッカー構造シルセスキオキサン構造体である有機ケイ素化合物の合成に成功した。また、構造体の末端官能基をアミノ基、ヒドロシリル基、グリシジル基、ヒドロキシル基、アセトキシ基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、クロロプロピル基、ビニル基、シロキサン基などの官能基への誘導に成功し、有用な光学部材、誘電性部材、電子部品部材などの開発に用いられる重合体の前駆体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明は以下の構成を含む。
[1] 式(1)で表される有機ケイ素化合物。
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2025115620000002.tif
51
93
式(1)中、Rは独立して水素、ハロゲン、炭素数1~45のアルキルまたは炭素数4~18のシクロアルキルであり;炭素数1~45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH

-は-O-または炭素数4~18のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~18のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;少なくとも1つのYは式(2)で表される基から選択される基であり、残りのYは水素であり;そして、少なくとも2つのYが式(2)で表される基であるとき、それらは同一の基であってもよく、少なくとも2つの異なる基で構成されてもよい;
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2025115620000003.tif
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式(2)中、R

およびR

は独立して水素、炭素数1~45のアルキル、炭素数6~45のアリール、または炭素数7~45のアリールアルキルであり;炭素数1~45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH

-が-O-、-CH=CH-、炭素数4~18のシクロアルキレンまたは炭素数4~18のシクロアルケニレンで置き換えられてもよく;炭素数6~45のアリールおよび炭素数7~45のアリールアルキレン中の芳香環において、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよく;炭素数7~45のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、炭素数は1~39であり、そして少なくとも1つの-CH

-が-O-、-CH=CH-またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;そして、ZはR

と同じ定義を有する基、官能基または官能基を有する基である。
【0010】
[2] 有機ケイ素化合物が、式(1)および式(2)において、R

およびR

が独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチルまたはフェニルである、[1]に記載の有機ケイ素化合物。
(【0011】以降は省略されています)

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