TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025113213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2025006986
出願日2025-01-17
発明の名称液晶組成物および液晶表示素子
出願人JNC株式会社,JNC石油化学株式会社
代理人
主分類C09K 19/34 20060101AFI20250725BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 高い上限温度、低い下限温度、小さな粘度、大きな光学異方性、負に大きな誘電率異方性、大きな弾性定数、大きな比抵抗、光に対する高い安定性、熱に対する高い安定性のような特性において、少なくとも1つの特性を充足する、または少なくとも2つの特性に関して適切なバランスを有する液晶組成物、この組成物を含むAM素子、およびその使用を提供する。
【解決手段】 成分Aとして大きな光学異方性および負に大きな誘電率異方性を有する特定の化合物を含有し、成分Bとして高い上限温度または小さな粘度を有する特定の化合物、成分Cとして負に大きな誘電率異方性を有する特定の化合物、または添加物Xとして重合性基を有する特定の化合物を含有してもよい液晶組成物である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
成分Aとして式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、負の誘電率異方性を有する液晶組成物。
TIFF
2025113213000041.tif
26
133
式(1)において、R

およびR

は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数3から5の環状アルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、炭素数2から12のアルケニルオキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり;X

およびX

は、OまたはSであり;L

およびL

は、水素、フッ素、またはトリフルオロメチルであり;環Aおよび環Bは、1,4-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4-フェニレン、ナフタレン-2,6-ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたナフタレン-2,6-ジイル、クロマン-2,6-ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたクロマン-2,6-ジイル、フルオレン-2,7-ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたフルオレン-2,7-ジイル、ジベンゾフラン-3,7-ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたジベンゾフラン-3,7-ジイル、ジベンゾチオフェン-3,7-ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたジベンゾチオフェン-3,7-ジイル、インダン-2,5-ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたインダン-2,5-ジイル、チオフェン-2,5-ジイル、またはフラン-2,5-ジイルであり;Z

およびZ

は、単結合、エチレン、ビニレン、エチニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;aおよびbは、0または1である。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
式(1)において、X

およびX

の少なくとも一方がSである、請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
成分Aとして式(1-1)から式(1-3)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1または2に記載の液晶組成物。
TIFF
2025113213000042.tif
72
89
式(1-1)から式(1-3)において、R

およびR

は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数3から5の環状アルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、炭素数2から12のアルケニルオキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり;L

およびL

は、水素、フッ素、またはトリフルオロメチルである。
【請求項4】
成分Aの割合が3質量%から20質量%の範囲である、請求項1または2に記載の液晶組成物。
【請求項5】
成分Bとして式(2)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
TIFF
2025113213000043.tif
16
94
式(2)において、R

およびR

は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Cおよび環Dは、1,4-シクロヘキシレン、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン、または2,5-ジフルオロ-1,4-フェニレンであり;Z

は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;cは、1、2、または3である。
【請求項6】
成分Bとして式(2-1)から式(2-15)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
TIFF
2025113213000044.tif
183
112
TIFF
2025113213000045.tif
92
112
式(2-1)から式(2-15)において、R

およびR

は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。
【請求項7】
成分Bの割合が10質量%から90質量%の範囲である、請求項5または6に記載の液晶組成物。
【請求項8】
成分Cとして式(3)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1または5に記載の液晶組成物。
TIFF
2025113213000046.tif
18
112
式(3)において、R

およびR

は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、炭素数2から12のアルケニルオキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり;環Eおよび環Gは、1,4-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4-フェニレン、ナフタレン-2,6-ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたナフタレン-2,6-ジイル、クロマン-2,6-ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたクロマン-2,6-ジイルであり;環Fは、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン、2-クロロ-3-フルオロ-1,4-フェニレン、2,3-ジフルオロ-5-メチル-1,4-フェニレン、1,8-ジフルオロフェナントレン-2,7-ジイル、3,4,5-トリフルオロナフタレン-2,6-ジイル、7,8-ジフルオロクロマン-2,6-ジイル、3,4,5,6-テトラフルオロフルオレン-2,7-ジイル、4,6-ジフルオロジベンゾフラン-3,7-ジイル、4,6-ジフルオロジベンゾチオフェン-3,7-ジイル、1,1,6,7-テトラフルオロインダン-2,5-ジイル、または1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジイルであり;Z

およびZ

は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;dは0、1、2、または3であり、eは0または1であり;そしてdとeとの和は3以下である。
【請求項9】
成分Cとして式(3-1)から式(3-37)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
TIFF
2025113213000047.tif
224
110
TIFF
2025113213000048.tif
219
112
TIFF
2025113213000049.tif
231
112
TIFF
2025113213000050.tif
149
110
式(3-1)から式(3-37)において、R

およびR

は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、炭素数2から12のアルケニルオキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルである。
【請求項10】
成分Cの割合が10質量%から85質量%の範囲である、請求項8に記載の液晶組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶組成物、この組成物を含有する液晶表示素子などに関する。特に、誘電率異方性が負の液晶組成物、およびこの組成物を含有し、IPS、VA、FFS、FPAなどのモードを有する液晶表示素子に関する。高分子支持配向型の液晶表示素子にも関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示素子において、液晶分子の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)、FFS(fringe field switching)、FPA(field-induced photo-reactive alignment)などのモードである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMは、スタティック(static)、マルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMは、TFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。
【0003】
液晶表示素子はネマチック相を有する液晶組成物を含有する。この組成物は適切な特性を有する。この組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有するAM素子を得ることができる。これらの特性における関連を下記の表1にまとめる。組成物の特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は約-10℃以下である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はより好ましい。
【0004】
TIFF
2025113213000001.tif
67
154
【0005】
組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子のモードに応じて、大きな光学異方性または小さな光学異方性、すなわち適切な光学異方性が必要である。組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn×d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。積の適切な値は動作モードの種類に依存する。この値は、VAモードの素子では約0.30μmから約0.40μmの範囲であり、IPSモードまたはFFSモードの素子では約0.20μmから約0.35μmの範囲である。これらの場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する組成物が好ましい。組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧、小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、大きな誘電率異方性が好ましい。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比とに寄与する。したがって、初期段階において大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用したあと、大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。光や熱に対する組成物の安定性は、素子の寿命に関連する。この安定性が高いとき、素子の寿命は長い。このような特性は、液晶モニター、液晶テレビなどに用いるAM素子に好ましい。
【0006】
汎用の液晶表示素子において、液晶分子の垂直配向は、特定のポリイミド配向膜によって達成される。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型の液晶表示素子では、配向膜に重合体を組み合わせる。まず、少量の重合性化合物を添加した組成物を素子に注入する。次に、この素子の基板のあいだに電圧を印加しながら、組成物に紫外線を照射する。重合性化合物は重合して、組成物中に重合体の網目構造を生成する。この組成物では、重合体によって液晶分子の配向を制御することが可能になるので、素子の応答時間が短縮され、画像の焼き付きが改善される。重合体のこのような効果は、TN、ECB、OCB、IPS、VA、FFS、FPAのようなモードを有する素子に期待できる。
【0007】
TNモードを有するAM素子においては正の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。VAモードを有するAM素子においては負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型のAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。
【0008】
上記のような液晶表示素子の要求特性を満たすため、種々の化合物が検討されており、近年では硫黄を含む複素環を有する化合物が開発されている(特許文献1および2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2017-145384号公報
特開2021-165367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、大きな光学異方性、負に大きな誘電率異方性、大きな弾性定数、大きな比抵抗、光に対する高い安定性、熱に対する高い安定性のような特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を提供することである。他の課題は、これらの特性の少なくとも2つのあいだで適切なバランスを有する液晶組成物を提供することである。別の課題は、このような組成物を含有する液晶表示素子を提供することである。別の課題は、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有するAM素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

JNC株式会社
トランジスタ型センサ
23日前
JNC株式会社
トランジスタ型センサ
23日前
JNC株式会社
光硬化型導電性ペースト
2か月前
JNC株式会社
液晶組成物および液晶表示素子
1日前
JNC株式会社
アデノ随伴ウイルスの精製方法
2か月前
JNC株式会社
縮合硬化型樹脂組成物、硬化物、成形体、及び半導体装置
3日前
個人
消火塗料
3か月前
個人
粘着テープ
3か月前
ベック株式会社
被覆材
3か月前
ベック株式会社
被覆材
1か月前
ベック株式会社
水性被覆材
1か月前
ベック株式会社
水性被覆材
1か月前
日榮新化株式会社
粘着テープ
4か月前
ぺんてる株式会社
固形描画材
3か月前
アイカ工業株式会社
パテ組成物
3か月前
三商株式会社
屋外用塗料組成物
3か月前
東ソー株式会社
ホットメルト接着剤
4か月前
株式会社リコー
インクセット
1か月前
株式会社エフコンサルタント
被覆材
3か月前
ぺんてる株式会社
水性インキ組成物
1か月前
日榮新化株式会社
掲示パネルセット
4か月前
ぺんてる株式会社
水性インキ組成物
2か月前
東ソー株式会社
ゴム用接着性改質剤
1か月前
artience株式会社
印刷インキ
1か月前
東亞合成株式会社
硬化型接着剤組成物
1か月前
東亞合成株式会社
硬化型接着剤組成物
1か月前
アイカ工業株式会社
光硬化型圧着組成物
4か月前
AGC株式会社
液状組成物
4日前
コニシ株式会社
プライマー組成物
3か月前
JNC株式会社
光硬化型導電性ペースト
2か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
1か月前
マクセル株式会社
粘着テープ
1日前
株式会社大阪ソーダ
撥水撥油性表面処理剤
4か月前
花王株式会社
レオロジー改質剤
3か月前
株式会社フェクト
透明防錆塗料
1か月前
アイカ工業株式会社
バランスウエイト用組成物
4か月前
続きを見る