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公開番号2025115863
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010558
出願日2024-01-26
発明の名称超伝導安定化材、超伝導線、および、超伝導コイル
出願人三菱マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 9/00 20060101AFI20250731BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】加工後に低温条件で熱処理しても、残留抵抗比(RRR)を十分に高くすることが可能な超伝導安定化材、この超伝導安定化材を備えた超伝導線、および、この超伝導線からなる超伝導コイルを提供する。
【解決手段】超伝導線に用いられる超伝導安定化材であって、Ca,希土類元素(Yを除く)から選択される1種又は2種以上の添加元素とMgとを共に含み、Ca,希土類元素(Yを除く)から選択される1種又は2種以上の添加元素とMgの合計含有量が3質量ppm以上100質量ppm以下の範囲で、残部がCu及び不可避不純物とされた銅材からなり、GAM値が1.0以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
超伝導線に用いられる超伝導安定化材であって、
Ca,希土類元素(Yを除く)から選択される1種又は2種以上の添加元素とMgとを共に含み、Ca,希土類元素(Yを除く)から選択される1種又は2種以上の添加元素とMgの合計含有量が3質量ppm以上100質量ppm以下の範囲で、残部がCu及び不可避不純物とされた銅材からなり、
GAM値が1.0以下であることを特徴とする超伝導安定化材。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
Mgの含有量〔Mg〕と、Ca,希土類元素(Yを除く)から選択される1種又は2種以上の添加元素の含有量〔Ca,RE〕との質量比〔Mg〕/〔Ca,RE〕が、0.2以上10以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導安定化材。
【請求項3】
Ca,希土類元素(Yを除く)から選択される1種又は2種以上の添加元素とMgの合計含有量〔Mg,Ca,RE〕と、S,Se,Teの合計含有量〔S,Se,Te〕との質量比〔Mg,Ca,RE〕/〔S,Se,Te〕が0.5以上20以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の超伝導安定化材。
【請求項4】
Mgの含有量が1質量ppm以上50質量ppm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の超伝導安定化材。
【請求項5】
Fe,Ni,As,Ag,Sn,Sb,Pb,Bi,Pの合計含有量が60質量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導安定化材。
【請求項6】
残留抵抗比(RRR)が500以上であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導安定化材。
【請求項7】
超伝導体を含む素線と、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の超伝導安定化材と、を備えていることを特徴とする超伝導線。
【請求項8】
請求項7に記載の超伝導線が巻回された構造を有することを特徴とする超伝導コイル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導線に用いられる超伝導安定化材、この超伝導安定化材を備えた超伝導線、および、この超伝導線を備えた超伝導コイルに関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
上述の超伝導線は、例えばMRI、NMR、粒子加速器、リニアモーターカー、さらに電力貯蔵装置などの分野で使用されている。
この超伝導線は、Nb-Ti合金、Nb

Snなどの超伝導体からなる複数の素線に、超伝導安定化材を介在させて束ねた多芯構造を有している。また、超伝導体と超伝導安定化材とを積層したテープ状の超伝導線も提供されている。さらに安定性と安全性を高めるために、純銅からなるチャネル部材を備えた超伝導線も提供されている。
【0003】
ここで、上述の超伝導線においては、超伝導体の一部において超伝導状態が破れた場合には、抵抗が部分的に大きく上昇して超伝導体の温度が上昇してしまい、超伝導体全体が臨界温度以上になって常伝導状態に転移してしまうおそれがある。そこで、超伝導線においては、銅などの比較的抵抗の低い超伝導安定化材を、超伝導体に接触するように配置しており、超伝導状態が部分的に破れた場合には、超伝導体を流れていた電流を超伝導安定化材に一時的に迂回させておき、その間に超伝導体を冷却して超伝導状態に復帰させるような構造とされている。
【0004】
上述の超伝導安定化材においては、電流を効率良く迂回させるために、極低温での抵抗が十分に低いことが求められている。極低温での電気抵抗を示す指標としては、残留抵抗比(RRR)が広く用いられている。この残留抵抗比(RRR)は、常温(293K)での抵抗ρ
293K
と液体ヘリウム温度(4.2K)での抵抗ρ
4.2K
との比ρ
293K
/ρ
4.2K
であり、この残留抵抗比(RRR)が高いほど超伝導安定化材として優れた性能を発揮することになる。
【0005】
ここで、高い残留抵抗比(RRR)を有する銅材料としては、不純物元素を極限まで低減した純度99.9999mass%以上の極高純度銅(6NCu)等が挙げられる。しかしながら、不純物元素を極限まで低減した超高純度銅においては、銅を高純度化するために製造プロセスが非常に複雑となり、製造コストが大幅に上昇してしまうといった問題があった。
【0006】
そこで、特許文献1-3には、Ca,Sr,Ba,希土類元素から選択される1種又は2種以上の添加元素、あるいは、Mg,Mn,Ti,Y,Zrから選択される1種又は2種以上の添加元素を添加し、S,Se,Teを化合物として固定し、S,Se,Teの銅母相中への固溶を抑制することにより、純度を必要以上に高くすることなく、残留抵抗比(RRR)が十分に高い銅材料を得る技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2017-186622号公報
特開2017-186623号公報
特開2017-188339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述の超伝導安定化材では、超伝導線等の伸線加工で大きく変形することにより、実質的な加工組織となって、転位などの格子欠陥が著しく増加し、結果として抵抗が増加することになり、残留抵抗比(RRR)が低下することがあった。このため、加工後に熱処理を行うことで再結晶組織として母相中の格子欠陥を十分に低減することにより、残留抵抗比(RRR)を回復させる必要がある。
【0009】
ここで、特許文献1―3に記載された超伝導安定化材においては、超伝導線を構成した後に大気雰囲気中での加工熱処理を想定していなかった。
Ca,Sr,Ba,希土類元素、あるいは、Mg,Mn,Ti,Y,Zrといった元素は酸化しやすい元素であることから、大気中で加工熱処理した際に、酸素が超伝導安定化材の内部に拡散し、Ca,Sr,Ba,希土類元素、あるいは、Mg,Mn,Ti,Y,Zrといった元素が酸化してしまい、S,Se,Teを十分に固定できず、残留抵抗比(RRR)を十分に向上させることができないおそれがあった。
【0010】
また、熱処理温度が十分高い、例えば800℃以上の場合には、再結晶組織として母相中の格子欠陥を十分に低減することにより、残留抵抗比(RRR)を回復させることはできる。一方で、例えばNb

Sn系の超伝導線の製造工程では、超伝導特性を向上させるために600℃以上700℃以下といった低温条件であるため、安定的に残留抵抗比(RRR)が高くならないことがあった。
(【0011】以降は省略されています)

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