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公開番号
2025160876
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-23
出願番号
2025020136
出願日
2025-02-10
発明の名称
鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
33/00 20060101AFI20251016BHJP(測定;試験)
要約
【課題】鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法を提供する。
【解決手段】鉄含有物質と混合されることによって水域環境保全材料を構成する有機物について、鉄含有物質から鉄を溶出させる機能および溶出後の鉄を安定化させる機能を評価する方法であって、有機物を水中に浸漬させて得られる溶出液中に含まれる全アミノ酸を定量する、鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法を採用する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
鉄含有物質と混合されることによって水域環境保全材料を構成する有機物について、鉄含有物質から鉄を溶出させる機能および溶出後の鉄を安定化させる機能を評価する方法であって、
前記有機物を水中または海水中に浸漬させて得られる溶出液中に含まれる全アミノ酸を定量する、鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
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【請求項2】
前記全アミノ酸の定量は、前記溶出液中に含まれる遊離アミノ酸と、前記溶出液中に含まれるたんぱく質由来のアミノ酸との合計量を定量する、請求項1に記載の鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
【請求項3】
前記全アミノ酸の定量は、
前記有機物と、純水とを、有機物:純水=1:200~1:20の重量比の割合で混合し、溶存酸素量を0.2mg/L以下の条件で、48時間~36時間の範囲で振とうすることにより、前記溶出液を調製する溶出液調整段階と、
前記溶出液調整段階によって得られた前記溶出液の一部を第1サンプルとして、液体クロマトグラフィー法により前記第1サンプルに含まれる遊離アミノ酸を定量する第1測定段階と、
前記溶出液調整段階によって得られた前記溶出液の一部を濃縮乾固してから酸分解することにより第2サンプルを得るとともに、前記溶出液の別の一部を濃縮乾固してからアルカリ分解することにより第3サンプルを得たのちに、液体クロマトグラフィー法により前記第2サンプル及び前記第3サンプルに含まれるアミノ酸を定量する第2測定段階と、
により行う、請求項2に記載の鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
【請求項4】
前記全アミノ酸の定量は、
前記有機物と、海水とを、有機物:海水=1:200~1:20の重量比の割合で混合し、溶存酸素量を0.2mg/L以下の条件で、48時間~36時間の範囲で振とうすることにより、前記溶出液を調製する溶出液調整段階と、
前記溶出液調整段階によって得られた前記溶出液の一部を第1サンプルとして、液体クロマトグラフィー法により前記第1サンプルに含まれる遊離アミノ酸を定量する第1測定段階と、
前記溶出液調整段階によって得られた前記溶出液の一部を濃縮乾固してから酸分解することにより第2サンプルを得るとともに、前記溶出液の別の一部を濃縮乾固してからアルカリ分解することにより第3サンプルを得たのちに、液体クロマトグラフィー法により前記第2サンプル及び前記第3サンプルに含まれるアミノ酸を定量する第2測定段階と、
により行う、請求項2に記載の鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
【請求項5】
前記有機物が、動物由来の原料を含むことを特徴とする請求項1に記載の鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄含有物質と混合する有機物に含まれるアミノ酸を定量することで、鉄含有物質から溶出する鉄を安定化する機能の能力評価方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、水域では、生物の生育に必要な鉄分の不足による生物生産量の低下が生じている。例えば、沿岸の海域では、海藻の群落である藻場が消失し、石灰藻に覆われる磯焼けと呼ばれる現象が生じ、海藻だけでなく、そこに生息するウニ、アワビ、オキアミなど多くの水産資源の減少につながっている。
【0003】
磯焼けの原因の一つとして、海水中の鉄分の減少が挙げられる。沿岸域の鉄分は、元来河川を通じて海に供給されてきたと考えられており、海に流れ込む河川の上流における木々の伐採や荒廃によって、それまでは落ち葉が堆積してできていた腐植土中の腐植酸と土壌中の鉄が結合した腐植酸鉄ができ難くなり、藻類の生育に必要な鉄分の海への供給が減少したと示唆されている。
【0004】
ところで、海水は、そのpHが8.0~8.3で維持されているため、鉄含有物質から二価鉄の溶出が困難な環境といえる。また、鉄含有物質から二価鉄が溶出したとしても、ただちに水酸化物イオン(OH
-
)と結合し、コロイド状の水酸化鉄として沈殿するおそれがある。このように、化学的知見から言えば、鉄分の海への供給を目的として、二価鉄を海水中に供給するだけでは、海水中生育に必要な鉄分を藻類に供給できないと考えられる。しかしながら、自然界における二価鉄は、森林の腐植土壌中において生成される腐植酸とキレートを形成して安定化することで、生物に対して供給可能な状態で存在していると考えられる。このようなメカニズムに着目して、従来、施肥技術として、弱酸性の腐植酸含有物質と鉄含有物質との混合物を水域に供給し、鉄含有物質から二価鉄を溶出させ、そこに腐植酸含有物質から配位子としての腐植酸を供給して錯体を形成させることで、溶存態としての鉄分を藻類に供給する技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、透水性を有する袋材に、二価鉄含有物質と腐植含有物質とが詰め込まれている水域環境保全材料およびこれを用いた水域環境保全方法が提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、鉄含有物質からの鉄の溶出を促進すべく、酸化鉄及び/又は金属鉄含有物質(A)と、グルコン酸、グルタミン酸の中から選ばれる1種以上の有機酸(B)を含有する鉄イオン供給材料が提案されている。
更に、特許文献3では、含鉄物質と、ベンゼン環に互いに隣り合って結合する2つの水酸基を有するフェノール酸物質と、アミノ酸含有物質とを含有させた鉄分の供給材が提案されている。
【0007】
ところで、水中に鉄を溶出させ、かつ安定化させる機能をもつ有機物には、上述の通り、様々な物質が考えられ、より好適な物質を選定することが好ましいとされる。しかしながら、従来、水中への鉄の溶出を促進させるとともに鉄を安定化させる機能の評価方法がないため、当該機能に優れた有機物を選定するために、実験を繰り返して行って試行錯誤するほか選定の手段がなかった。特許文献2、3において、特定のアミノ酸を鉄含有物質に添加することで鉄溶出量が促進することは知られていたが、鉄の溶出促進機能および安定化機能を評価する方法は知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2006-212036号公報
特開2011-160764号公報
特開2016-104001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
[1] 鉄含有物質と混合されることによって水域環境保全材料を構成する有機物について、鉄含有物質から鉄を溶出させる機能および溶出後の鉄を安定化させる機能を評価する方法であって、
前記有機物を水中または海水中に浸漬させて得られる溶出液中に含まれる全アミノ酸を定量する、鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
[2] 前記全アミノ酸の定量は、前記溶出液中に含まれる遊離アミノ酸と、前記溶出液中に含まれるたんぱく質由来のアミノ酸との合計量を定量する、[1]に記載の鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
[3] 前記全アミノ酸の定量は、
前記有機物と、純水とを、有機物:純水=1:200~1:20の重量比の割合で混合し、溶存酸素量を0.2mg/L以下の条件で、48時間~36時間の範囲で振とうすることにより、前記溶出液を調製する溶出液調整段階と、
前記溶出液調整段階によって得られた前記溶出液の一部を第1サンプルとして、液体クロマトグラフィー法により前記第1サンプルに含まれる遊離アミノ酸を定量する第1測定段階と、
前記溶出液調整段階によって得られた前記溶出液の一部を濃縮乾固してから酸分解することにより第2サンプルを得るとともに、前記溶出液の別の一部を濃縮乾固してからアルカリ分解することにより第3サンプルを得たのちに、液体クロマトグラフィー法により前記第2サンプル及び前記第3サンプルに含まれるアミノ酸を定量する第2測定段階と、
により行う、[2]に記載の鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
[4] 前記全アミノ酸の定量は、
前記有機物と、海水とを、有機物:海水=1:200~1:20の重量比の割合で混合し、溶存酸素量を0.2mg/L以下の条件で、48時間~36時間の範囲で振とうすることにより、前記溶出液を調製する溶出液調整段階と、
前記溶出液調整段階によって得られた前記溶出液の一部を第1サンプルとして、液体クロマトグラフィー法により前記第1サンプルに含まれる遊離アミノ酸を定量する第1測定段階と、
前記溶出液調整段階によって得られた前記溶出液の一部を濃縮乾固してから酸分解することにより第2サンプルを得るとともに、前記溶出液の別の一部を濃縮乾固してからアルカリ分解することにより第3サンプルを得たのちに、液体クロマトグラフィー法により前記第2サンプル及び前記第3サンプルに含まれるアミノ酸を定量する第2測定段階と、
により行う、[2]に記載の鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
[5] 前記有機物が、動物由来の原料を含むことを特徴とする[1]に記載の鉄含有物質とともに水域環境保全材料を構成する有機物の評価方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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