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公開番号2025149210
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024049708
出願日2024-03-26
発明の名称鋼部品
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20251001BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】浸炭硬化層の表面の摩擦係数が十分に抑制された鋼部品を提供する。
【解決手段】本開示の鋼部品は、芯部の化学組成が、質量%で、C:0.10~0.30%、Si:0.15~1.00%、Mn:0.30~1.00%、P:0.030%以下、S:0.025%以下、Cr:0.90~2.00%、Al:0.005~0.100%、N:0.0250%以下、O:0.0050%以下、Cu:0.10~0.50%、及び、Ni:0.05~2.00%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、浸炭硬化層の表面から浸炭硬化層の深さ方向にグロー放電発光分光分析による深さ方向元素濃度プロファイルにおいて、浸炭硬化層の表面から10nm深さまでのCu濃度とNi濃度との総和である表層CuNi濃度Tsと、芯部のCu濃度とNi濃度との総和である芯部CuNi濃度Tcとが、式(1)を満たす。
Ts/Tc≧0.60 (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鋼部品であって、
浸炭硬化層と、
前記浸炭硬化層よりも内部の芯部と、
を備え、
前記芯部は、
化学組成が、質量%で、
C:0.10~0.30%、
Si:0.15~1.00%、
Mn:0.30~1.00%、
P:0.030%以下、
S:0.025%以下、
Cr:0.90~2.00%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.0250%以下、
O:0.0050%以下、
Cu:0.10~0.50%、及び、
Ni:0.05~2.00%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記浸炭硬化層の表層のC濃度が質量%で0.60~1.00%であり、
前記浸炭硬化層の表面から前記浸炭硬化層の深さ方向にグロー放電発光分光分析を実施して得られる深さ方向元素濃度プロファイルにおいて、前記浸炭硬化層の表面から10nm深さまでの領域における質量%でのCu濃度とNi濃度との総和である表層CuNi濃度Tsと、
前記芯部における質量%でのCu濃度とNi濃度との総和である芯部CuNi濃度Tcとが、式(1)を満たす、
鋼部品。
表層CuNi濃度Ts/芯部CuNi濃度Tc≧0.60 (1)
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
鋼部品であって、
浸炭硬化層と、
前記浸炭硬化層よりも内部の芯部と、
を備え、
前記芯部は、
化学組成が、質量%で、
C:0.10~0.30%、
Si:0.15~1.00%、
Mn:0.30~1.00%、
P:0.030%以下、
S:0.025%以下、
Cr:0.90~2.00%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.0250%以下、
O:0.0050%以下、
Cu:0.10~0.50%、及び、
Ni:0.05~2.00%、を含有し、
さらに、第1群~第4群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
前記浸炭硬化層の表層のC濃度が質量%で0.60~1.00%であり、
前記浸炭硬化層の表面から前記浸炭硬化層の深さ方向にグロー放電発光分光分析を実施して得られる深さ方向元素濃度プロファイルにおいて、前記浸炭硬化層の表面から10nm深さまでの領域における質量%でのCu濃度とNi濃度との総和である表層CuNi濃度Tsと、
前記芯部における質量%でのCu濃度とNi濃度との総和である芯部CuNi濃度Tcとが、式(1)を満たす、
鋼部品。
[第1群]
Mo:0.60%以下、及び、
B:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ti:0.050%以下、
Nb:0.050%以下、及び、
V:0.150%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Sn:0.10%以下
[第4群]
Ca:0.0050%以下、及び、
Mg:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
表層CuNi濃度Ts/芯部CuNi濃度Tc≧0.60 (1)
【請求項3】
請求項2に記載の鋼部品であって、
前記化学組成は、第1群を含有する、
鋼部品。
【請求項4】
請求項2に記載の鋼部品であって、
前記化学組成は、第2群を含有する、
鋼部品。
【請求項5】
請求項2に記載の鋼部品であって、
前記化学組成は、第3群を含有する、
鋼部品。
【請求項6】
請求項2に記載の鋼部品であって、
前記化学組成は、第4群を含有する、
鋼部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は鋼部品に関し、さらに詳しくは、浸炭処理が施されて浸炭硬化層を備える鋼部品に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の動力伝達機構(パワーユニット及びパワーユニットの周辺)には、歯車に代表される鋼部品が利用されている。このような用途の鋼部品では、高い面疲労強度が求められる。
【0003】
鋼部品の面疲労強度を高める方法として、浸炭処理が知られている。浸炭処理では、鋼部品の表層に浸炭硬化層が形成される。この浸炭硬化層により、鋼部品の面疲労強度が高まる。
【0004】
ところで、動力伝達機構の摩擦損失を低減させるため、鋼部品には、摺動面となる浸炭硬化層の表面での摩擦係数の低減も求められている。特開2013-083322号公報(特許文献1)及び特開2021-167395号公報(特許文献2)では、摩擦係数を低減可能な鋼部品を提案する。
【0005】
特許文献1に提案された鋼部品である歯車では、歯車の摺動面にプラトー構造表面を形成することにより、摩擦係数を低減している。特許文献2では、浸炭処理された鋼部品である歯車に、特定の化学組成を有するトライボ膜を形成することにより、摩擦係数を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-083322号公報
特開2021-167395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では鋼部品の表面形状を調整し、特許文献2ではトライボ膜の化学組成を調整して、鋼部品の表面の摩擦係数を低減している。しかしながら、他の手段によって鋼部品の表面の摩擦係数を低減してもよい。
【0008】
本開示の目的は、浸炭硬化層を有する鋼部品であって、浸炭硬化層の表面の摩擦係数が十分に抑制された鋼部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示による鋼部品は、
浸炭硬化層と、
浸炭硬化層よりも内部の芯部と、
を備え、
芯部は、
化学組成が、質量%で、
C:0.10~0.30%、
Si:0.15~1.00%、
Mn:0.30~1.00%、
P:0.030%以下、
S:0.025%以下、
Cr:0.90~2.00%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.0250%以下、
O:0.0050%以下、
Cu:0.10~0.50%、及び、
Ni:0.05~2.00%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
浸炭硬化層の表層のC濃度が質量%で0.60~1.00%であり、
浸炭硬化層の表面から浸炭硬化層の深さ方向にグロー放電発光分光分析を実施して得られる深さ方向元素濃度プロファイルにおいて、浸炭硬化層の表面から10nm深さまでの領域における質量%でのCu濃度とNi濃度との総和である表層CuNi濃度Tsと、
芯部における質量%でのCu濃度とNi濃度との総和である芯部CuNi濃度Tcとが、式(1)を満たす。
表層CuNi濃度Ts/芯部CuNi濃度Tc≧0.60 (1)
【0010】
本開示による鋼部品は、
浸炭硬化層と、
浸炭硬化層よりも内部の芯部と、
を備え、
芯部は、
化学組成が、質量%で、
C:0.10~0.30%、
Si:0.15~1.00%、
Mn:0.30~1.00%、
P:0.030%以下、
S:0.025%以下、
Cr:0.90~2.00%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.0250%以下、
O:0.0050%以下、
Cu:0.10~0.50%、及び、
Ni:0.05~2.00%、を含有し、
さらに、第1群~第4群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
浸炭硬化層の表層のC濃度が質量%で0.60~1.00%であり、
浸炭硬化層の表面から浸炭硬化層の深さ方向にグロー放電発光分光分析を実施して得られる深さ方向元素濃度プロファイルにおいて、浸炭硬化層の表面から10nm深さまでの領域における質量%でのCu濃度とNi濃度との総和である表層CuNi濃度Tsと、
芯部における質量%でのCu濃度とNi濃度との総和である芯部CuNi濃度Tcとが、式(1)を満たす。
[第1群]
Mo:0.60%以下、及び、
B:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ti:0.050%以下、
Nb:0.050%以下、及び、
V:0.150%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Sn:0.10%以下
[第4群]
Ca:0.0050%以下、及び、
Mg:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
表層CuNi濃度Ts/芯部CuNi濃度Tc≧0.60 (1)
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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