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公開番号2025121131
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2024016379
出願日2024-02-06
発明の名称鋼の製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C21C 7/064 20060101AFI20250812BHJP(鉄冶金)
要約【課題】二次精練において、フリー酸素濃度が低い場合であっても、C含有量が高い鋼種に脱燐処理が適応できる鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】真空脱ガス設備を用いて脱燐処理をする、鋼の製造方法であって、カルシウムフェライトおよびCaOを含み、カルシウムフェライト中に含まれるCaOが、全CaOのうち、質量%で、40~60%である、脱燐剤を、フリー酸素濃度が150ppm超400ppm未満で、C含有量が、質量%で、0.06%超である溶鋼に添加する工程と、脱燐剤を溶鋼に添加してから4.0分以上、環流量190ton/min以上で、真空脱ガス設備内で溶鋼を環流させる工程と、を備える鋼の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
真空脱ガス設備を用いて脱燐処理をする、鋼の製造方法であって、
カルシウムフェライトおよびCaOを含み、カルシウムフェライト中に含まれるCaOが、全CaOのうち、質量%で、40~60%である、脱燐剤を、フリー酸素濃度が150ppm超400ppm未満で、C含有量が、質量%で、0.06%超である溶鋼に添加する工程と、
前記脱燐剤を前記溶鋼に添加してから4.0分以上、環流量190ton/min以上で、前記真空脱ガス設備内で溶鋼を環流させる工程と、を備える鋼の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
鋼の製造工程において、不純物であるP(リン)を除去する工程を脱燐処理という。転炉または電気炉で製造された銑鉄から炭素等を除去して溶鋼をつくることを一次精錬という。通常、脱燐も、一次精錬で行われることが一般的である。一方、例えば、低品位の鉄鉱石を使用することにより、溶銑中のP濃度が上昇しており、一次精錬中で、十分脱燐処理できないことがある。このような場合、次工程である、二次精錬でも脱燐処理を行う。二次精錬では、通常、RH真空脱ガス設備等を用いて脱ガス処理、化学組成の調整等が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1には、真空脱ガス設備を用いて二次精錬で脱燐する方法が、開示されている。この方法では、脱燐剤として、CaOおよびカルシウムフェライトを使用して、脱燐処理をする。また、特許文献2には、真空脱ガス設備を使用し、二次精錬において、脱燐剤の組成および粘度を所定の範囲にするとともに、上吹きランスからキャリヤーガスを吹き付けることで脱燐処理を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-232157号公報
特開2019-218580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示された脱燐処理方法は、C含有量が0.06%超と高い場合には、適応できない。これは、脱燐反応を促進するために、溶鋼中の酸素活量(フリー酸素濃度)を一定以上に高める必要があるからである。特許文献2で開示された方法は、C含有量が0.7~2.0%と炭素量が高い鋼種にも適応可能であるが、設備内に設置された上吹きランスから酸素を吹き込んで、フリー酸素濃度を高める必要があり、製造性に改善の余地がある。このため、二次精練において、フリー酸素濃度が低い場合であっても、C含有量が高い鋼種に脱燐処理が適応できる鋼の製造方法が求められている。
【0006】
以上を踏まえ、本発明は、二次精練において、フリー酸素濃度が低い場合であっても、C含有量が高い鋼種に脱燐処理を適応できる鋼の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記の鋼の製造方法を要旨とする。
【0008】
(1)真空脱ガス設備を用いて脱燐処理をする、鋼の製造方法であって、
カルシウムフェライトおよびCaOを含み、カルシウムフェライト中に含まれるCaOが、全CaOのうち、質量%で、40~60%である、脱燐剤を、フリー酸素濃度が150ppm超400ppm未満で、C含有量が、質量%で、0.06%超である溶鋼に添加する工程と、
前記脱燐剤を前記溶鋼に添加してから4.0分以上、環流量190ton/min以上で、前記真空脱ガス設備内で溶鋼を環流させる工程と、を備える鋼の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、二次精練において、フリー酸素濃度が低い場合であっても、C含有量が高い鋼種に脱燐処理が適応できる鋼の製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、RH真空脱ガス設備の構造を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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