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公開番号2025002500
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102721
出願日2023-06-22
発明の名称複合材料および複合材料の製造方法
出願人国立大学法人山梨大学,東ソ-・エスジ-エム株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C01B 33/38 20060101AFI20241226BHJP(無機化学)
要約【課題】有機ポリマーに代わる材料をマトリックスとして用いた、ペロブスカイト型ナノ粒子を含む新たな複合材料を提供する。
【解決手段】本発明の複合材料は、一般式ABX3で表される組成を有するペロブスカイト型ナノ粒子およびリガンドを、層状酸化物に由来する層状酸化物構造中に含む、複合材料である。本発明の複合材料は、層状酸化物中の金属イオンの少なくとも一部がカチオンBとイオン交換された層状酸化物を得た後、層状酸化物、1価のカチオンAおよび1価のアニオンXの供給源、ならびにリガンドの供給源を有機溶媒中で混合することにより、得られる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
一般式ABX
3
で表される組成を有するペロブスカイト型ナノ粒子およびリガンドを層状酸化物構造中に含む複合材料:
ここで、Aは1種または2種以上の1価のカチオンを表し、Bは1種または2種以上の2価のカチオンを表し、Xは1種または2種以上の1価のアニオンを表し、かつアニオンXの少なくとも一部はハロゲン化物アニオンである。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
層状酸化物構造は、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、鉄、クロム、チタン、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、亜鉛、モリブデン、タングステン、ニオブおよびタンタルから選択される少なくとも1種の原子を含む酸化物である、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
層状酸化物構造は、ケイ素原子を含む酸化物である、請求項2に記載の複合材料。
【請求項4】
層状酸化物構造の少なくとも一部はケイ素酸化物である、請求項3に記載の複合材料。
【請求項5】
ハロゲン化物アニオンは、塩化物アニオン、臭化物アニオンおよびヨウ化物アニオンから選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項6】
カチオンAの少なくとも一部は、メチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジニウムカチオンおよびセシウムカチオンから選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項7】
カチオンBの少なくとも一部は典型金属カチオンである、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項8】
典型金属カチオンは、マグネシウムカチオン(Mg
2+
)、カルシウムカチオン(Ca
2+
)、ストロンチウムカチオン(Sr
2+
)、バリウムカチオン(Ba
2+
)、亜鉛カチオン(Zn
2+
)、カドミウムカチオン(Cd
2+
)、ゲルマニウムカチオン(Ge
2+
)、スズカチオン(Sn
2+
)および鉛カチオン(Pb
2+
)から選択される少なくとも1種である、請求項7に記載の複合材料。
【請求項9】
ペロブスカイト型ナノ粒子は、メチルアンモニウム塩化鉛(MAPbCl
3
)、メチルアンモニウム臭化鉛(MAPbBr
3
)およびメチルアンモニウムヨウ化鉛(MAPbI
3
)から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項10】
リガンドの少なくとも一部は、
脱プロトン化しないカルボキシル基、プロトン化しないアミノ基、ケトン基およびホスフィンオキシド基から選択される少なくとも1種の極性官能基を有する分子、
脱プロトン化したカルボキシル基、プロトン化したアミノ基、第四級アンモニウム基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基およびチオール基から選択される少なくとも1種のイオン性官能基を有する分子、ならびに
ハロゲン化物塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩およびテトラフルオロホウ酸塩から選択される少なくとも1種のイオン性化合物に由来するカチオンおよびアニオン
から選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の複合材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料および複合材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
一般式ABX
3
で表される組成(Aは1価のカチオンを表し、Bは2価のカチオンを表し、Xは1価のアニオンを表す)を有するペロブスカイト型ハロゲン化金属化合物のナノ粒子(量子ドット)(以下、「ペロブスカイト型ナノ粒子」または単に「ナノ粒子」ともいう。)は、優れた光吸収性や高い量子収率で発光する性質を示し、Xの種類や比率を変えることで、青から赤までの可視光のほぼ全領域の発光色を得ることができる。特に、発光スペクトルにおける半値全幅は狭く、色純度が高いため、ペロブスカイト型ナノ粒子は、例えば発光材料および波長変換材料などの機能性材料として多くの分野で注目されている。
【0003】
しかし、ペロブスカイト型ナノ粒子はイオン性が強く、水に対する安定性が低い。例えば雰囲気中の水分子との反応によりナノ粒子の結晶に欠陥が生じやすく、発光特性および波長変換特性などの物性が失われやすい。そこで、安定性を改善する方法の1つとして、ナノ粒子をポリマーマトリックス中に分散させてナノ粒子を雰囲気中の水分子から保護することが検討されている(特許文献1および非特許文献1)。
【0004】
特許文献1は、ペロブスカイト型ナノ粒子がポリマーマトリックスに分散した複合発光材料であって、ペロブスカイト型ナノ粒子とマトリックスとの質量比が1:(1~50)である複合発光材料を開示する(特許請求の範囲)。特許文献1の複合発光材料は、例えば、ポリマー(ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテート、ポリフッ化ビニリデンなど)を有機溶媒に溶解し、この溶液を超音波処理して第1溶液を調製し、無機金属ハロゲン化物および有機アミンハロゲン化物塩を有機溶媒に溶解し、この溶液を超音波処理し、濾過して第2溶液を調製し、第1溶液および第2溶液を混合し、超音波処理して、前駆体溶液を調製し、前駆体溶液を基材上に塗布し、乾燥することにより、製造される(実施例1など)。
【0005】
非特許文献1は、ペロブスカイト型ナノ粒子(量子ドット)を疎水性マクロスケールポリマーマトリックスでカプセル化することで、ナノ粒子の水に対する安定性が向上することを開示する(要約)。非特許文献1の複合材料は、例えば、ナノ粒子と予め合成したポリマー(ポリ(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン)など)とをトルエン中で混合し、混合液を超音波処理して分散液を調製し、分散液を基材上に塗布し、乾燥することにより、製造される(35529頁~、「材料と方法」)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2018-522959号公報
【非特許文献】
【0007】
S. N. Raja, et al. ACS Applied Materials and Interfaces 2016, Vol. 8, 35523-35533
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術では、マトリックスとして有機ポリマーを用いる。一般に、有機ポリマーは、雰囲気中の水分や光の作用に起因して劣化しやすく、長期的な安定性が十分とは言えない場合がある。有機ポリマーに代わる材料をマトリックスとして用いるペロブスカイト型ナノ粒子を含む複合材料を提供できることが望ましいと本発明者らは考えた。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有機ポリマーに代わる材料をマトリックスとして用いたペロブスカイト型ナノ粒子を含む新たな複合材料を提供することを目的とする。
【0010】
有機ポリマーに代わるマトリックス材料として無機材料が想定される。しかしながら、マトリックスとして無機材料を用いる場合、有機ポリマーをマトリックスとして用いる場合に採用されていた手法、すなわち、マトリックス材料を溶解した溶媒にナノ粒子を分散させ、これを塗布し乾燥する方法、では複合材料を製造できないため、新たな製造方法の開発が必要であった。そこで、本発明は、上記複合材料の新たな製造方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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