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公開番号2025030896
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136583
出願日2023-08-24
発明の名称金及び/又は銀の回収方法
出願人国立大学法人九州大学
代理人個人,個人,個人
主分類C22B 11/00 20060101AFI20250228BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 金及び/又は銀を含む材料から、高い回収率で金及び/又は銀を回収する方法を提供すること。
【解決手段】 チオ硫酸塩及びアミノ酸を含む浸出剤Aに、金及び/又は銀を含む材料を接触させる金及び/又は銀の回収方法である。また、チオ硫酸塩を含む浸出剤Bに、金及び/又は銀を含む材料を接触させた後、該金及び/又は銀を含む材料が接触した状態の浸出剤Bに、アミノ酸を添加する金及び/又は銀の回収方法である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
チオ硫酸塩及びアミノ酸を含む浸出剤Aに、金及び/又は銀を含む材料を接触させることを特徴とする金及び/又は銀の回収方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
チオ硫酸塩を含む浸出剤Bに、金及び/又は銀を含む材料を接触させた後、該金及び/又は銀を含む材料が接触した状態の浸出剤Bに、アミノ酸を添加することを特徴とする金及び/又は銀の回収方法。
【請求項3】
前記アミノ酸が、グリシン、ヒスチジン、アスパラギン、アラニン、システイン、バリン、及びアスパラギン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の金及び/又は銀の回収方法。
【請求項4】
前記チオ硫酸塩及びアミノ酸を含む浸出液A又は前記チオ硫酸塩を含む浸出液BのpHが、8.0以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の金及び/又は銀の回収方法。
【請求項5】
前記チオ硫酸塩及びアミノ酸を含む浸出液A又は前記チオ硫酸塩を含む浸出液Bが、銅化合物、ニッケル化合物、及びコバルト化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物と、アンモニアとを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の金及び/又は銀の回収方法。
【請求項6】
前記金及び/又は銀を含む材料が、プリント基板であることを特徴とする請求項1又は2記載の金及び/又は銀の回収方法。
【請求項7】
前記金及び/又は銀を含む材料が、破砕物又は粉砕物である請求項1又は2記載の金及び/又は銀の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金及び/又は銀を含む材料から金及び/又は銀を回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
埋蔵量の枯渇と貴金属需要の増加のため、二次資源からの貴金属の抽出は時宜を得た解決策である。有望な二次資源の一つはプリント基板(以下、PCBとも記載)である。PCBには、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)などの貴重な金属が相当量含まれているが、これらが自然界に存在する量は限られている。
したがって、使用済みの電子機器から発生する電子廃棄物のリサイクルは、天然資源の持続可能な利用を最大化し、環境への影響を最小限に抑えるために非常に重要である。
【0003】
従来の金浸出法であるシアン化法は、酸性坑廃液や有害化学物質による大気・水質汚染を引き起こす。そのため、金浸出のための代替液化剤が近年注目され、その中でも塩化物、チオ尿素、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩が最も注目されている。
塩化物による浸出方法の発展は、主にその危険な作業環境、貧弱な反応選択性、機器の腐食保護に対する高い要件により妨げられている。また、チオ尿素は発がん性が報告されており、チオシアン酸塩は温度とpHに非常に敏感である。
【0004】
一方、チオ硫酸塩による浸出は、環境リスクの低減、反応選択性の高さ、腐食性の低さ、比較的低コスト、浸出速度の速さなどから、最も有望な代替方法として広く検討されている。しかし、反応条件に高温を必要とするなど、チオ硫酸塩のみを使用する手法には、いくつかの制限があった。
【0005】
上記手法の限界を克服するため、チオ硫酸塩を用いた様々な浸出方法が開発され、その中でも、銅-アンモニア-チオ硫酸塩が広く研究されてきた。Cu
2+
を含むアンモニア-チオ硫酸塩の開発により、室温でも金の浸出が可能になった(非特許文献1参照)。Cu
2+
の存在は、金(I)チオ硫酸錯体の形成によってアンモニア-チオ硫酸塩中での金の浸出を加速することができる。なお、Cu
2+
の代用としてNi
2+
、Co
3+
、Fe
3+
が使用できることも報告されている。
【0006】
しかしながら、チオ硫酸塩濃度が高くなると、チオ硫酸塩はAuと安定な錯体Au(S





3-
を形成するものの、浸出したAuの回収を困難にする。一方、チオ硫酸塩濃度が低くなると、Auの浸出が非常に遅くなり、Au-チオ硫酸錯体の安定性を低下させる。
【0007】
また、シアン化物に代わる金浸出剤としては、グリシン、アラニン、ヒスチジンなどのアミノ酸も研究されてきた。アミノ酸は、毒性がなく、揮発性がなく、リサイクル可能な特性を持っている。
特にグリシンは、低コストで構造が最も単純であり、金属に対する親和性が高いことから、広く注目されている(非特許文献2、3参照)。このグリシンは工業的規模で容易に生産可能であり、また様々な微生物から副産物として得られ、pH、Eh、温度の広い範囲で、AuやAgと安定な錯体を形成することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Xu, B.; Kong, W.; Li, Q.; Yang, Y.; Jiang, T.; Liu, X. A Review of Thiosulfate Leaching of Gold: Focus on Thiosulfate Consumption and Gold Recovery from Pregnant Solution. Metals (Basel) 2017, 7, 222, doi:10.3390/met7060222.
Oraby,E.A.; Eksteen,J.J.The Selective Leaching of Copper from a Gold-Copper Concentrate in Glycine Solutions. Hydrometallurgy 2014, 150,14-19, doi:10.1016/j.hydromet.2014.09.005.
Oraby,E.A.; Eksteen,J.J.The Leaching of Gold, Silver and Their Alloys in Alkaline Glycine-Peroxide Solutions and Their Adsorption on Carbon. Hydrometallurgy 2015,152,199-203, doi:10.1016/j.hydromet.2014.12.015.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、金及び/又は銀を含む材料から金及び/又は銀の回収について研究されているが、その回収率は必ずしも十分であるといえるものではなかった。
本発明の課題は、金及び/又は銀を含む材料から、高い回収率で金及び/又は銀を回収する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を達成するために、チオ硫酸塩とアミノ酸とを組み合わせる本発明に想到した。
(【0011】以降は省略されています)

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