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公開番号2025034400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140760
出願日2023-08-31
発明の名称キチンから水溶性多糖を製造する方法
出願人株式会社アイシン,国立大学法人北海道大学,国立大学法人 東京大学
代理人弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類C08B 37/08 20060101AFI20250306BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高い収率にてキチンから水溶性多糖を製造することが可能な方法を提供する。
【解決手段】加熱下においてキチンを粉砕する加熱粉砕工程と、加熱粉砕工程によって得られた粉砕物に含まれる水可溶性成分を水によって抽出して分離する固液分離工程と、を実行することにより、キチンから水溶性多糖を製造する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
加熱下においてキチンを粉砕する加熱粉砕工程と、
前記加熱粉砕工程によって得られた粉砕物に含まれる水可溶性成分を水によって抽出して分離する固液分離工程と、
を含む、キチンから水溶性多糖を製造する方法。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
請求項1に記載されたキチンから水溶性多糖を製造する方法であって、
触媒及び液体の水が何れも存在しない状態において前記加熱粉砕工程を行う、
キチンから水溶性多糖を製造する方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたキチンから水溶性多糖を製造する方法であって、
前記加熱粉砕工程における加熱温度が100~200℃であり、粉砕期間が1~12時間である、
キチンから水溶性多糖を製造する方法。
【請求項4】
請求項3に記載されたキチンから水溶性多糖を製造する方法であって、
前記加熱粉砕工程における加熱温度が150~190℃であり、粉砕期間が1~12時間である、
キチンから水溶性多糖を製造する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、キチンから水溶性多糖を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されているように、近年、植物等によって生産される循環利用可能なバイオマス資源を有用物質に変換して利用する検討が盛んに行なわれている。例えば、木材、草及び稲藁等の非食料品であるセルロース系バイオマスを原料としたバイオ燃料の生産が望まれている。
【0003】
特許文献2には、セルロースを含有するバイオマス原料を加熱下において触媒を添加すること無く粉砕する加熱粉砕工程と、加熱粉砕工程によって得られた粉砕物に含まれる水可溶性成分を水によって抽出する抽出工程と、を含む、セルロースから水可溶性成分を抽出する抽出方法が開示されている。当該方法によれば、90%程度という高い可溶化率を達成することが可能であるとされている。
【0004】
一方、キチンは、N-アセチルグルコサミン(以降、「NAG」と略記される場合がある。)がβ-1,4-グリコシド結合してなる直鎖の含窒素多糖高分子であり、例えばエビ及びカニ等の甲殻類、昆虫類並びにキノコ等の真菌に含まれる、自然界に豊富に存在するバイオマスである。
【0005】
キチンの加水分解生成物の中には、多様な効果効能を有する各種機能素材として利用することができるものがある。例えば、単量体、即ち単糖であるNAGは、近年、機能性食品、医薬関連原料及び美容関連原料としての利用が期待されている。また、キチンオリゴ糖は、NAGが2~7個程度重合してなる多糖であり、NAGを得るための前駆体として有用な成分であると共に、例えば医薬用素材、機能性食品及び農業資材としても注目されている。尚、本明細書において使用される「多糖」なる文言は、グリコシド結合によって多数(例えば10分子以上)の単糖が重合してなる物質のみならず、少数(例えば2~10分子)の複数個の単糖が結合してなる二糖、三糖及び所謂「オリゴ糖」(「少糖」とも称される。)をも含む広義の意味にて使用される。
【0006】
当該技術分野においては、従来、キチンから水溶性多糖を製造する様々な方法が知られている。例えば、特許文献3には、キチンと炭素触媒との混合物を粉砕処理して粉砕処理物を得る工程と、当該粉砕処理物に水を加えて水溶性成分と固形成分とを分離する工程と、を含むキチンオリゴ糖含有組成物の製造方法が開示されている。しかしながら、当該方法は粉砕処理の際に炭素触媒を必要とするため炭素触媒を事後的に除去する必要があり、また水溶性多糖の収率は最大で34%しかなく十分なものではなかった。即ち、当該技術分野においては、高い収率にてキチンから水溶性多糖を製造することが可能な方法は未だ確立されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2014/007295号
特許第5938879号公報
国際公開第2021/140789号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、当該技術分野においては、高い収率にてキチンから水溶性多糖を製造することが可能な方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑み、本発明者は、鋭意研究の結果、加熱下においてキチンを粉砕することによって得られた粉砕物に含まれる水可溶性成分を水によって抽出して分離することにより、上記課題を解決することができることを見出した。
【0010】
即ち、本発明に係るキチンから水溶性多糖を製造する方法(以降、「本発明方法」と称呼される場合がある。)は、以下に列挙する加熱粉砕工程及び固液分離工程を含む。
加熱粉砕工程は、加熱下においてキチンを粉砕する工程である。
固液分離工程は、加熱粉砕工程によって得られた粉砕物に含まれる水可溶性成分を水によって抽出して分離する工程である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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