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公開番号2025040612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023147526
出願日2023-09-12
発明の名称潤滑油組成物
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C10M 169/04 20060101AFI20250317BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】バイオ燃料を含む燃料を内燃機関に用いても、エンジン部品に対する金属腐食を抑制できる潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】バイオ燃料を含む燃料を用いた内燃機関に使用される潤滑油組成物であって、基油(A)と、非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)と、アルカリ金属ホウ酸塩(C)と、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛(D)とを含有し、前記非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で3.00質量%以上である、潤滑油組成物とした。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
バイオ燃料を含む燃料を用いた内燃機関に使用される潤滑油組成物であって、
基油(A)と、非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)と、アルカリ金属ホウ酸塩(C)と、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛(D)とを含有し、
前記非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で3.00質量%以上である、潤滑油組成物。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
更に、ホウ素化イミド分散剤(B’2)を、前記潤滑油組成物の全量基準で1.50質量%以下含有する、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
前記アルカリ金属ホウ酸塩(C)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で0.1~0.29質量%である、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
前記第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛(D)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で0.30質量%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
前記潤滑油組成物中のホウ素含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で200質量ppm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
更に、金属系清浄剤(E)、粘度指数向上剤(F)、及び流動点降下剤(G)からなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
前記金属系清浄剤(E)として、硫化カルシウムフェネート(E1)、過塩基性カルシウムスルホネート(E2)、及び過塩基性カルシウムサリシレート(E3)からなる群から選択される1種以上を含有する、請求項6に記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
バイオ燃料を含む燃料を用いた内燃機関に使用される潤滑油組成物の製造方法であって、
基油(A)と、非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)と、アルカリ金属ホウ酸塩(C)と、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛(D)とを混合する工程を含み、
前記工程において、前記非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)を、前記潤滑油組成物の全量基準で3.00質量%以上配合する、潤滑油組成物の製造方法。
【請求項9】
バイオ燃料を含む燃料を用いた内燃機関に、請求項1~7のいずれか1項に記載の潤滑油組成物を使用する、潤滑方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオ燃料を含む燃料を用いた内燃機関に使用される潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
現在、地球規模での環境規制はますます厳しくなり、特に自動車を取り巻く状況は、燃費規制、排ガス規制等ますます厳しくなっている。この背景には地球温暖化等の環境問題と、石油資源の枯渇に対する懸念からの資源保護がある。
上記問題に対応するため、近年、石油等の化石燃料に代わる燃料として、植物等の生物資源(バイオマス)を原料としたいわゆるバイオ燃料が注目されている。バイオ燃料の燃焼により発生する二酸化炭素は、その原料となる植物が成長過程で吸収する二酸化炭素と相殺するとされている。したがって、地球温暖化の主要因である二酸化炭素の排出量削減のため、今後バイオ燃料の普及が進むと予想される。
バイオ燃料の普及に備え、従来使用されてきた石油等とは異なるバイオ燃料の特性に合わせて、自動車の内燃機関に使用する潤滑油組成物を改善しようとする試みがなされている。例えば、特許文献1には、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤を併せて配合することで、燃料中にバイオディーゼル燃料を混合して使用しても、潤滑油の劣化、特に清浄性能の悪化を効果的に抑制することができる潤滑油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-024123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内燃機関、特にディーゼルエンジンにおいては、パティキュレートマター(PM;煤)やNO

などの排出ガス成分による環境汚染が問題となる。そのため、ディーゼルエンジンを搭載した自動車にはディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)や排出ガス浄化触媒(酸化又は還元触媒)などの排出ガス浄化装置が装着されている。
一般的に、ディーゼルエンジンにDPFを装着した場合、フィルターに蓄積した煤を燃焼させるため、燃料のポスト噴射が行われている。このポスト噴射により、エンジン油への燃料希釈が増大し、エンジン油性能の低下が予想される。ここで、燃料として上記のバイオ燃料を使用した場合、特にバイオ燃料はその物性からエンジン油に容易に蓄積する。また、バイオ燃料が劣化分解した時に極性化合物が生じる。これらのことにより、ピストン等の金属製エンジン部品の腐食への悪影響が大きいと考えられる。
しかしながら、バイオ燃料の混入によるエンジン部品の金属腐食の抑制に関し、潤滑油組成物の改良は十分とはいえず、更なる性能の向上が求められている。
【0005】
本発明は、バイオ燃料を含む燃料を内燃機関に用いても、エンジン部品に対する金属腐食を抑制できる潤滑油組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた。
その結果、潤滑油組成物が、非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)を一定量含有し、更にアルカリ金属ホウ酸塩(C)及び第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛(D)を含有することで、内燃機関において、バイオ燃料を含む燃料を使用しても、エンジン部品の金属腐食を抑制できることを知見するに至った。
本発明者は、上記知見に基づき、更に種々検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明によれば、下記[1]~[3]が提供される。
[1] バイオ燃料を含む燃料を用いた内燃機関に使用される潤滑油組成物であって、
基油(A)と、非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)と、アルカリ金属ホウ酸塩(C)と、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛(D)とを含有し、
前記非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で3.00質量%以上である、潤滑油組成物。
[2] バイオ燃料を含む燃料を用いた内燃機関に使用される潤滑油組成物の製造方法であって、
基油(A)と、非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)と、アルカリ金属ホウ酸塩(C)と、第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛(D)とを混合する工程を含み、
前記工程において、前記非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)を、前記潤滑油組成物の全量基準で3.00質量%以上配合する、潤滑油組成物の製造方法。
[3] バイオ燃料を含む燃料を用いた内燃機関に、[1]に記載の潤滑油組成物を使用する、潤滑方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バイオ燃料を含む燃料を内燃機関に用いても、エンジン部品の金属腐食を抑制できる潤滑油組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載された数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「A~B」及び「C~D」が記載されている場合、「A~D」及び「C~B」の数値範囲も、本発明の範囲に含まれる。
また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は、特に断りのない限り、下限値以上、上限値以下であることを意味する。
また、本明細書において、実施例の数値は、上限値又は下限値として用いられ得る数値である。
【0010】
[潤滑油組成物の態様]
本実施形態の潤滑油組成物は、基油(A)、非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)、アルカリ金属ホウ酸塩(C)、及び第一級ジアルキルジチオリン酸亜鉛(D)とを含有し、前記非ホウ素化ビスイミド分散剤(B)の含有量が、前記潤滑油組成物の全量基準で3.00質量%以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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