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公開番号2025048757
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2024144380
出願日2024-08-26
発明の名称細胞外小胞分離用粉体
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B01J 20/10 20060101AFI20250326BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】細胞外小胞であるエクソソームを含む液体から、エクソソームを選択的かつ効率的に分離回収できる細胞外小胞分離用粉体の提供。
【解決手段】複数の無機粒子を含む細胞外小胞分離用粉体であって、無機粒子の表面の組成が、式MαOβ(OZ)γYθによって表され、式中、Mは、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Zは、水素、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Yは、炭素、窒素及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、α、β、γ及びθは、それぞれX線光電子分光法により測定される、Mの割合、Oの割合、OZの割合及びYの割合を表し、γと、α及びγの合計との比であるγ/(α+γ)が、0.01以上0.08以下の範囲である、細胞外小胞分離用粉体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
複数の無機粒子を含む細胞外小胞分離用粉体であって、
前記無機粒子の表面の組成が、式M
α

β
(OZ)
γ

θ
によって表され、
前記式中、前記Mは、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、前記Zは、水素、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、前記Yは、炭素、窒素及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、前記α、前記β、前記γ及び前記θは、それぞれX線光電子分光法により測定される、前記Mの割合、前記Oの割合、前記OZの割合及び前記Yの割合を表し、
前記γと、前記α及び前記γの合計との比であるγ/(α+γ)が、0.01以上0.08以下の範囲である、細胞外小胞分離用粉体。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
複数の無機粒子を含む細胞外小胞分離用粉体であって、
前記無機粒子は、少なくとも1種のOZ基を有し、
前記Zが、水素原子、アルカリ金属原子、又は、アルカリ土類金属原子を表し、
下記条件Aでナトリウムイオン吸着処理した後の前記無機粒子の、X線光電子分光法により測定される、ナトリウムの原子数Xと、炭素、窒素、酸素及びハロゲンを除く全ての元素の原子数の総和Yとの比であるX/Yが、0.01以上0.08以下の範囲である、細胞外小胞分離用粉体。
(条件A)
1.密閉容器中で、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液0.25mLに、乾燥させた無機粒子10mgを含浸させて、雰囲気温度25℃の環境下に4時間静置する。
2.上澄み液を除去した後、残渣に蒸留水0.3mLを添加し、雰囲気温度25℃の環境下に24時間静置する。
3.前記「2.」の操作を3回繰り返す。
4.上澄み液を除去した後、残渣を90℃で乾燥させる。
【請求項3】
前記無機粒子は、ケイ素を含み、X線光電子分光法により測定される、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及び鉄の合計原子数に対するケイ素の原子数の割合が、50%以上98.5%以下の範囲である、請求項1又は請求項2に記載の細胞外小胞分離用粉体。
【請求項4】
前記無機粒子は、さらにホウ素を含む、請求項3に記載の細胞外小胞分離用粉体。
【請求項5】
前記無機粒子の平均粒径が、0.5μm以上150μm以下の範囲である、請求項1又は請求項2に記載の細胞外小胞分離用粉体。
【請求項6】
前記無機粒子は、細孔を有し、水銀圧入法により測定される、前記細孔の平均細孔径が50nm以上1000nm以下の範囲である、請求項1又は請求項2に記載の細胞外小胞分離用粉体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、細胞外小胞分離用粉体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
エクソソームと呼ばれる細胞外小胞は、タンパク質、脂質、核酸等の生理活性分子の細胞間輸送及び生物学的障壁を越えた輸送を行うなど、細胞間コミュニケーション及びシグナル伝達を効率的に行う機能を有することで知られている。
エクソソームは、劣化し難く、また、希釈せずに長距離シグナル伝達が可能であることから、ドラッグデリバリーシステム(DDS)及び治療薬として有望視されている。エクソソームを上記のような医療用途に用いるためには、目的外のエクソソーム及び不純物の混入を低減できるような分離方法が必要となる。細胞外小胞の分離回収方法については、これまで種々の報告がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、液体サンプルから生体粒子を単離する方法であって、下記工程を含むことを特徴とする生体粒子の単離方法が開示されている。a)被験者又は細胞培養物から液体サンプルを取得する;b)結晶形成及び/又は沈殿を可能にするのに適した条件下で、上記液体サンプルを結晶/沈殿誘発剤と接触させ、それにより混合物を作成する;c)結晶形成及び/又は沈殿を可能にするのに十分な時間、上記混合物をインキュベートすること;並びに;d)上記混合物を分離して、生体粒子を含む粒子画分を得て、それにより上記液体試料から生体粒子を単離する。
また、特許文献2には、サイズ排除クロマトグラフィを用いた生体由来の微小物質の分離方法が開示されている。このようなサイズ排除クロマトグラフィを用いた分離方法によれば、各種サイズの生体由来の試料が表面多孔質粒子内の細孔内への出入りを繰り返すことで、生体由来の成分の分画(例えばエクソソームと夾雑タンパク質との分画)が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許出願公開第2017/0252670号明細書
国際公開第2019/202994号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エクソソームを医療用途に用いるためには、エクソソームをより選択的に分離回収できる方法を確立する必要がある。また、市販製剤では、多数の患者に投与されることが想定されることから、商用製剤に適用できるようなスケールでエクソソームを効率的に分離回収できる方法が求められる。
これらの点に関し、特許文献1及び特許文献2に記載の方法は、いずれもエクソソームの選択的かつ効率的な分離回収という点について、未だ課題が残されている。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものである。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、細胞外小胞であるエクソソームを含む液体から、エクソソームを選択的かつ効率的に分離回収できる細胞外小胞分離用粉体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
[1] 複数の無機粒子を含む細胞外小胞分離用粉体であって、
上記無機粒子の表面の組成が、式M
α

β
(OZ)
γ

θ
によって表され、
上記式中、前記Mは、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、上記Zは、水素、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、上記Yは、炭素、窒素及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表し、上記α、上記β、上記γ及び上記θは、それぞれX線光電子分光法により測定される、上記Mの割合、上記Oの割合、上記OZの割合及び上記Yの割合を表し、
上記γと、上記α及び上記γの合計との比であるγ/(α+γ)が、0.01以上0.08以下の範囲である、細胞外小胞分離用粉体。
【0008】
[2] 複数の無機粒子を含む細胞外小胞分離用粉体であって、
上記無機粒子は、少なくとも1種のOZ基を有し、
上記Zが、水素原子、アルカリ金属原子、又は、アルカリ土類金属原子を表し、
下記条件Aでナトリウムイオン吸着処理した後の上記無機粒子の、X線光電子分光法により測定される、ナトリウムの原子数Xと、炭素、窒素、酸素及びハロゲンを除く全ての元素の原子数の総和Yとの比であるX/Yが、0.01以上0.08以下の範囲である、細胞外小胞分離用粉体。
【0009】
(条件A)
1.密閉容器中で、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液0.25mLに、乾燥させた無機粒子10mgを含浸させて、雰囲気温度25℃の環境下に4時間静置する。
2.上澄み液を除去した後、残渣に蒸留水0.3mLを添加し、雰囲気温度25℃の環境下に24時間静置する。
3.上記「2.」の操作を3回繰り返す。
4.上澄み液を除去した後、残渣を90℃で乾燥させる。
【0010】
[3]上記無機粒子は、ケイ素を含み、X線光電子分光法により測定される、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及び鉄の合計原子数に対するケイ素の原子数の割合が、50%以上98.5%以下の範囲である、[1]又は[2]に記載の細胞外小胞分離用粉体。
[4]上記無機粒子は、さらにホウ素を含む、[3]に記載の細胞外小胞分離用粉体。
[5]上記無機粒子の平均粒径が、0.5μm以上150μm以下の範囲である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の細胞外小胞分離用粉体。
[6]上記無機粒子は、細孔を有し、水銀圧入法により測定される、上記細孔の平均細孔径が50nm以上1000nm以下の範囲である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の細胞外小胞分離用粉体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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