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公開番号2025049975
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023158522
出願日2023-09-22
発明の名称センサ付ハブユニット軸受
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16C 41/00 20060101AFI20250327BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】センサ収容部の反りや変形によるセンサ取り付け誤差への影響を防止するとともに、センサフランジ、ひいてはセンサの振動発生を抑制して、検出精度の高いセンサ付ハブユニット軸受を提供する。
【解決手段】センサホルダ付きキャップ30には、センサ70を収容可能なセンサ収容部54と、センサフランジ72を固定するナット60を保持するナット保持部57とが、底板部53からインボード側に突出して形成される。ナット保持部57のインボード側端面57a、又はナット60のインボード側端面60aは、センサ収容部54のインボード側端面54aよりインボード側に突出する。センサ収容部54のインボード側端面54aは、径方向に延びるスリット状の凹部56を有する。凹部56を含む、センサ収容部54のインボード側端面54aとセンサフランジ72との間には、センサ固定部材80が設けられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内周面に複列の外輪軌道を有する、外方部材と、
外周面に前記複列の外輪軌道に対向する複列の内輪軌道を有する、内方部材と、
前記複列の内輪軌道と、前記複列の外輪軌道との間に転動自在に配置された、複数の転動体と、
前記内方部材のインボード側端部に固定された磁気エンコーダと、
前記外方部材のインボード側端部に嵌合固定され、前記外方部材のインボード側の開口を塞ぐとともに、前記磁気エンコーダの変位を検出するセンサを保持するセンサホルダ付きキャップと、
を備えるセンサ付ハブユニット軸受であって、
前記センサホルダ付きキャップには、前記センサが前記磁気エンコーダと対向するように、前記センサを収容可能な収容孔を有するセンサ収容部と、前記センサに設けられたセンサフランジを固定するためのナットを保持するナット保持部とが、前記センサホルダ付きキャップの底板部から前記インボード側に突出するように一体にそれぞれ形成され、
前記ナット保持部のインボード側端面、又は前記ナット保持部に固定されたナットのインボード側端面は、前記センサ収容部のインボード側端面よりインボード側に突出し、
前記センサ収容部のインボード側端面は、前記収容孔から径方向に延びる少なくとも1つの凹部を有し、
前記凹部を含む、前記センサ収容部のインボード側端面と前記センサフランジとの間には、センサ固定部材が設けられる、
センサ付ハブユニット軸受。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記凹部は、前記センサ収容部の中心と前記ナット保持部の中心とを結ぶ線上を除く位置にある、
請求項1に記載のセンサ付ハブユニット軸受。
【請求項3】
センサ固定部材は、前記凹部を含む、前記センサ収容部のインボード側端面と前記センサフランジとの間に入り込み、ゴム状に硬化した封止部材である、
請求項1に記載のセンサ付ハブユニット軸受。
【請求項4】
前記センサ収容部の収容孔は、前記センサの外周面よりも大径に形成され、
前記封止部材は、前記収容孔と前記センサの外周面との間に入り込んでいる、
請求項3に記載のセンサ付ハブユニット軸受。
【請求項5】
前記センサ収容部と前記ナット保持部とは、括れ部を介して連続するように一体に形成される、
請求項1又は2に記載のセンサ付ハブユニット軸受。
【請求項6】
前記センサ収容部と前記ナット保持部とは、前記底板部の前記インボード側端面から互いに独立して前記インボード側に突出している、
請求項1又は2に記載のセンサ付ハブユニット軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するために使用されるセンサ付ハブユニット軸受に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置においては、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御するために、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が付加されたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の軸受装置100では、図8に示すように、センサ支持部110とナット保持部120とが互いに分離して形成され、ナット保持部120の端面121は、センサ支持部110の端面111より軸方向内側に突出している。回転センサ115は、センサ支持部110に支持され、回転センサ115に設けられたセンサフランジ122を介してナット保持部120の端面121に当接し、ナット保持部120に保持されたナット124に締結ボルト123により固定される。これにより、センサ支持部110が反っていたり、センサホルダが変形していたりした場合でも、回転センサ115の姿勢が傾くことを抑制でき、回転センサ115による読み取り性能への影響を防止できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-29117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のセンサ付き車輪用軸受装置100によれば、回転センサ115を固定するためのセンサフランジ122は、その一端が1本の締結ボルト123により、ナット保持部120の端面121に当接して固定され、センサ支持部110の端面111との間に軸方向隙間Cを有している。即ち、センサフランジ122は、締結ボルト123から回転センサ115までの径方向距離Lが長い片持ち梁構造であるため、タイヤからの振動によりボルトが振動すると、回転センサ115に啄木鳥のような運動(振動)が発生しやすい。また、該振動が発生すると、エンコーダとセンサ115との軸方向距離が連続的に変化して、センサ115の読み取り性能に悪影響を及ぼす虞がある。
特に、図8に示す構造の場合、センサ挿入孔112の中心とナット124の雌ねじ孔124aの中心を結ぶ線上に、センサ支持部110の底面110aまで延びるスリット113が設けられ、センサ支持部110は一対の半円筒状部で形成されていて、センサ115がスリット113の部分では保持されていないため、上記の振動が助長されやすい。
【0006】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、センサ収容部の反りやセンサホルダ付きキャップの変形によるセンサ取り付け誤差への影響を防止するとともに、センサフランジ、ひいてはセンサの振動発生を抑制して、検出精度の高いセンサ付ハブユニット軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の上記目的は、センサ付ハブユニット軸受に係る下記[1]の構成により達成される。
[1] 内周面に複列の外輪軌道を有する、外方部材と、
外周面に前記複列の外輪軌道に対向する複列の内輪軌道を有する、内方部材と、
前記複列の内輪軌道と、前記複列の外輪軌道との間に転動自在に配置された、複数の転動体と、
前記内方部材のインボード側端部に固定された磁気エンコーダと、
前記外方部材のインボード側端部に嵌合固定され、前記外方部材のインボード側の開口を塞ぐとともに、前記磁気エンコーダの変位を検出するセンサを保持するセンサホルダ付きキャップと、
を備えるセンサ付ハブユニット軸受であって、
前記センサホルダ付きキャップには、前記センサが前記磁気エンコーダと対向するように、前記センサを収容可能な収容孔を有するセンサ収容部と、前記センサに設けられたセンサフランジを固定するためのナットを保持するナット保持部とが、前記センサホルダ付きキャップの底板部から前記インボード側に突出するように一体にそれぞれ形成され、
前記ナット保持部のインボード側端面、又は前記ナット保持部に固定されたナットのインボード側端面は、前記センサ収容部のインボード側端面よりインボード側に突出し、
前記センサ収容部のインボード側端面は、前記収容孔から径方向に延びる少なくとも1つの凹部を有し、
前記凹部を含む、前記センサ収容部のインボード側端面と前記センサフランジとの間には、センサ固定部材が設けられる、
センサ付ハブユニット軸受。
【発明の効果】
【0008】
本発明のセンサ付ハブユニット軸受によれば、センサ収容部の反りやセンサホルダ付きキャップの変形によるセンサ取り付け誤差への影響を防止するとともに、センサフランジ、即ちセンサの振動発生を抑制することができ、磁気エンコーダの検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサ付ハブユニット軸受の断面図である。
図2は、図1のセンサが取り付けられたキャップの要部断面図である。
図3(a)は、図1に示すキャップの要部拡大断面図、図3(b)は、図3(a)のIII矢視図である。
図4(a)は、第1実施形態の変形例のキャップの要部拡大断面図、図4(b)は、図4(a)のIV矢視図である。
図5は、本発明の第2実施形態に係るセンサ付ハブユニット軸受の断面図である。
図6(a)は、図5に示すキャップの要部拡大断面図、図6(b)は、図6(a)のVI矢視図である。
図7(a)は、第2実施形態の変形例のキャップの要部拡大断面図、図7(b)は、図7(a)のVII矢視図である。
図8は、従来のセンサ付ハブユニット軸受の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るセンサ付ハブユニット軸受(以下、単にハブユニット軸受とも言う)について、図1~図3を参照して詳細に説明する。
なお、ハブユニット軸受に関して、本明細書及び特許請求の範囲の全体で、「インボード側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受の車体側を表し、図1中の右側であり、内側とも言う。「アウトボード側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受の車輪側を表し、図1中の左側であり、外側とも言う。
(【0011】以降は省略されています)

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