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公開番号2025073325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184000
出願日2023-10-26
発明の名称潜像画像形成体
出願人独立行政法人 国立印刷局
代理人
主分類B41M 3/14 20060101AFI20250502BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】
本発明は、判別具の使用方向に影響を受けることがなく、意匠性に優れたデザイン性を有すると共に、動画効果を発現可能な潜像画像を有する潜像画像形成体を提供する。
【解決手段】
本発明は、基材の少なくとも一部に、第1の基画像の中心点に対し、所定の回転方向、かつ、所定の角度に沿って回転して形成した第1の基画像の輪郭を表す複数の第1の輪郭基画像を、それぞれ第一の規則により分割圧縮又は圧縮して形成されたそれぞれ形状の異なる第1の潜像要素を規則的に複数配列して形成した複数の第1の潜像要素群を、それぞれの第1の潜像要素群の中心点を基準にそれぞれの潜像要素が重ならないように合成して成る第1の合成潜像要素群を有することを特徴とする潜像画像形成体である。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
基材の少なくとも一部に、第1-1の輪郭基画像、第1-2の輪郭基画像、・・・、第1-nの輪郭基画像(nは、2以上の整数)を、それぞれ第一の方向に分割圧縮又は分割された複数の潜像要素で形成し、第1-1の潜像要素群、第1-2の潜像要素群、・・・、第1-nの潜像要素群が互いに重なることなく規則的に順次配列されて成る第1の合成潜像要素群を有する潜像画像形成体であって、
前記第1-1の輪郭基画像、前記第1-2の輪郭基画像、・・・、前記第1-nの輪郭基画像は、第1の輪郭基画像の平行移動、反転、回転、拡大、縮小の少なくとも一つの連続的な組み合わせにより、位置と形状の少なくとも一方が徐々に異なることで、前記第1の合成潜像要素群が幾何学模様として形成されたことを特徴とする潜像画像形成体。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
基材の少なくとも一部に、前記第1の輪郭基画像と同一形状又は異なる形状の第2の輪郭基画像の平行移動、反転、回転、拡大、縮小の少なくとも一つの連続的な組み合わせにより、位置と形状の少なくとも一方が徐々に異なる第2-1の輪郭基画像、第2-2の輪郭基画像、・・・、第2-mの輪郭基画像(mは、2以上の整数)が、それぞれ前記第一の方向と異なる第二の方向に分割圧縮又は分割された複数の潜像要素で形成し、第2-1の潜像要素群、第2-2の潜像要素群、・・・、第2-mの潜像要素群が互いに重なることなく規則的に順次配列されて成る第2の合成潜像要素群を、更に備え、
前記第2の合成潜像要素群と前記第1の合成潜像要素群は、それぞれの中心点を基準に合成されて幾何学模様として形成されたことを特徴とする請求項1記載の潜像画像形成体。
【請求項3】
前記第1の合成潜像要素群と前記第2の合成潜像要素群は、異なる色彩であることを特徴とする請求項2記載の潜像画像形成体。
【請求項4】
前記第1の合成潜像要素群を構成している前記潜像要素群は、少なくとも2色以上の異なる色彩であることを特徴とする請求項1に記載の潜像画像形成体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止効果を必要とする銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書、通行券等の貴重印刷物(以下、「貴重印刷物」という。)の分野において、反射光下又は透過光下で、レンチキュラーレンズや万線シート等の判別具を重ねて観察した場合に、動画効果を奏する潜像画像を視認することが可能な潜像画像形成体に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年のスキャナ、プリンタ、カラーコピー機等のデジタル機器の進展により、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。そこで、前述したデジタル機器による複製や偽造を防止するため、プリンタやコピー機では再現不可能な様々な偽造防止技術が必要とされている。
【0003】
この偽造防止技術の一つとして、用紙の製造工程において、凹凸形状が形成されたロール部材により抄紙機の円網やダンディロールを用いて、用紙に厚薄を形成する「すき入れ技術」により形成されたすかし模様が存在する。円網やダンディロールによって形成されたすかし模様は、透過光下で観察した際に、相対的に用紙の厚さが薄い部分の透過光量が高くなることで明るく視認され、相対的に用紙の厚さが厚い部分の透過光量が低くなることで暗く視認され、全体としてすかし模様を視認することができる。
【0004】
また、紙等の基材の粗密や厚薄による構成とは異なり、印刷技術によって、すかし模様を形成する技術も存在する。例えば、紙等の基材に浸透する透かしインキを使用して、光の透過率を上昇させる透かし技術や、紙等の基材に遮光インキを使用して、光の透過率を低下させる透かし技術が知られている。
【0005】
なお、本明細書では、抄紙機を用いて用紙にすかし模様を施す技術を「すき入れ技術」といい、インキを用いて透かし模様を施す技術やレーザー加工により用紙を削ってすかし模様を施す技術を「透かし技術」といい、それら全てを総称して「スカシ技術」という。
【0006】
これらのスカシ技術は、通常の反射光下での観察では、すかし模様が視認できないことから、貴重印刷物の他のデザインに影響せず、一方で、一定量以上の光さえ存在すれば、あらゆる環境下ですかし模様を確認することで真偽判別が可能であり、知名度も抜群に高いことから、貴重印刷物の分野で広く用いられている。
【0007】
また、基材上に、反射光下では基材と等色で光透過性が異なり、かつ、基画像が分割及び/又は圧縮された潜像要素を複数配列して成る潜像画像を形成し、潜像画像の上又は基材の他方の面の潜像画像に重畳する位置に、潜像要素に対応した判別具を形成することによって、反射光下では、潜像が不可視であり、透過光下の観察角度の変化により画像が変化して視認される透過潜像画像形成体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、基材上に、複数の色彩を有する色彩層と、規則的に所定のピッチで形成された光輝性の蒲鉾状要素群と、基画像の輪郭線から成る画像を分割又は分割圧縮した潜像要素群を積層することによって、観察角度に応じて潜像要素群と色彩層が合成されたカラー画像が動的に視認される潜像印刷物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
また、基材上に、中心を境に対向するように配置された第1の画線及び第2の画線と、第1の方向と直交する第2の方向に沿って、中心を境に対向するように配置された第3の画線及び第4の画線とを有する画線要素を、一定のピッチで複数マトリクス状に配置し、判別具の配置角度に応じてネガポジの関係にある画像が視認されることを特徴とする偽造防止印刷物が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第6966747号公報
特許第7089250号公報
特許第4635160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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