特許ウォッチ

公開番号2025074048
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2024187262
出願日2024-10-24
発明の名称抗菌ガラス組成物及びその抗菌ガラス粉末の製造方法と、抗菌ガラス組成物を備える家電製品
出願人エルジーエレクトロニクスインコーポレイティド,LG ELECTRONICS INC.
代理人個人,個人
主分類C03C 3/16 20060101AFI20250502BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】優れた耐久性と抗菌性能が発現する抗菌ガラス組成物及びその製造方法を提案する。
【解決手段】 P₂O₅を30～70重量%;MgOを10～30重量%;ZnO及びWO₃のうち1種以上を10～35重量%;MnO₂を0.3～1重量%;及びAg₂Oを0.4～2重量%;含み、K₂O、Na₂O及びCaOを含まない、抗菌ガラス組成物、その製造方法、それを含む家電製品により達成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
抗菌ガラス組成物であって、
Ｐ
２
Ｏ
５
を３０～７０重量％；
ＭｇＯを１０～３０重量％；
ＺｎＯ及びＷＯ
３
のうち１種以上を１０～３５重量％；
ＭｎＯ
２
を０．３～１重量％；及び
Ａｇ
２
Ｏを０．４～２重量％；を含んでなり、
Ｋ
２
Ｏ、Ｎａ
２
Ｏ及びＣａＯを含まない、抗菌ガラス組成物。
続きを表示（約 1,400 文字）【請求項２】
Ｂ
２
Ｏ
３
を２０重量％以下で更に含む、請求項１に記載の抗菌ガラス組成物。
【請求項３】
前記ＺｎＯを５～３５重量％；及び
前記ＷＯ
３
を５重量％以下；で含む、請求項１に記載の抗菌ガラス組成物。
【請求項４】
抗菌ガラス粉末の製造方法であって、
（ａ）Ｐ
２
Ｏ
５
を３０～７０重量％；
ＭｇＯを１０～３０重量％；
ＺｎＯ及びＷＯ
３
のうち１種以上を１０～３５重量％；
ＭｎＯ
２
を０．３～１重量％；及び
Ａｇ
２
Ｏを０．４～２重量％；含み、
Ｋ
２
Ｏ、Ｎａ
２
Ｏ及びＣａＯを含まない、組成物を混合して撹拌し、抗菌ガラス組成物を形成する段階；
（ｂ）前記抗菌ガラス組成物を溶融させる段階；
（ｃ）前記溶融した抗菌ガラス組成物を冷却する段階；及び
（ｄ）前記冷却した抗菌ガラスを粉砕する段階；を含んでなる、抗菌ガラス粉末の製造方法。
【請求項５】
前記（ａ）段階において、
前記抗菌ガラス組成物は、Ｂ
２
Ｏ
３
を２０重量％以下で更に含む、請求項４に記載の抗菌ガラス粉末の製造方法。
【請求項６】
前記（ａ）段階において、
前記抗菌ガラス組成物は、
前記ＺｎＯを５～３５重量％；及び
前記ＷＯ
３
を５重量％以下で含む、請求項４に記載の抗菌ガラス粉末の製造方法。
【請求項７】
前記（ｂ）段階において、
前記溶融は、１，１００～１，４００℃で、１～６０分間、実施する、請求項４に記載の抗菌ガラス粉末の製造方法。
【請求項８】
家電製品であって、
樹脂材に抗菌ガラス粉末が添加されたプラスチック射出物を備えてなり、
前記プラスチック射出物は、
前記樹脂材を９５．０～９９．０重量％；及び
前記抗菌ガラス粉末を１．０～５．０重量％；含んでなり、
前記抗菌ガラス粉末は、
Ｐ
２
Ｏ
５
を３０～７０重量％；
ＭｇＯを１０～３０重量％；
ＺｎＯ及びＷＯ
３
のうち１種以上を１０～３５重量％；
ＭｎＯ
２
を０．３～１重量％；及び
Ａｇ
２
Ｏを０．４～２重量％；含んでなり、
Ｋ
２
Ｏ、Ｎａ
２
Ｏ及びＣａＯを含まない、家電製品。
【請求項９】
前記樹脂材は、ＰＰ（ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ）、ＰＣ（ｐｏｌｙｃａｒｂｏｎａｔｅ）、ＥＰＤＭ（ｅｔｈｙｌｅｎｅｐｒｏｐｙｌｅｎｅｒｕｂｂｅｒ）、ＡＢＳ（ａｃｒｙｌｏｎｉｔｒｉｌｅ－ｂｕｔａｄｉｅｎｅ－ｓｔｙｒｅｎｅ）、及びＨＩＰＳ（ｈｉｇｈｉｍｐａｃｔｐｏｌｙｓｔｒｅｎｅ）のうち少なくとも１つ以上を含む、請求項８に記載の家電製品。
【請求項１０】
前記抗菌ガラス粉末は、Ｂ
２
Ｏ
３
を２０重量％以下で更に含む、請求項８に記載の家電製品。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、抗菌ガラス組成物及びその抗菌ガラス粉末の製造方法と、抗菌ガラス組成物を含む家電製品に関する。
〔関連技術〕
本願は、韓国特許出願第１０－２０２３－０１４４８８８（出願日：２０２３年１０月２６日；ＤＡＳ：ＥＡ４６）に基づくパリ条約４条の優先権主張を伴ったものであり、本願発明は、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書、特許請求の範囲及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂される。
続きを表示（約 1,100 文字）【背景技術】
【０００２】
細菌、菌類、バクテリアといった微生物は、浄水器、冷蔵庫、オーブン、洗濯機などのように、我々の生活空間に偏在している。もし微生物が人体に入ると、これらは生命を脅かす感染の原因になり得る。よって、浄水器、冷蔵庫、オーブン、洗濯機などのような家電製品には、微生物の拡散を制御できる抗菌ガラス組成物が要求される。
【０００３】
これらの家電製品におけるプラスチック射出物が使用される部品のうち、水分に露出する部品における細菌及びカビが繁殖して、外観上あるいは使用環境に問題を引き起こす。
【０００４】
家電製品に生息する菌は、非常に様々であり、部品別に主な菌株が相違し得るものの、水分に露出する部品には一般に緑膿菌が生息する可能性が高い。
【０００５】
よって、抗菌剤は、これらの菌株に対する抗菌性能が確保されなければならない。また、抗菌剤は、人体及び環境に対する毒性が低い材料、高温に対する耐久性を確保した材料に厳しく選定されなければならない。
【０００６】
抗菌剤は、大きく無機系及び有機系に分けられる。有機抗菌剤は、抗菌性能を有する素材を、水によって表面側に溶出させて、菌に対する抗菌力を発現するため、優れた抗菌性能を示すものの、洗濯機に適用するとき耐久性が低下し得る。また、有機抗菌剤は近年、溶出した素材の人体及び環境への有害性の問題が提起されている。また、低い分解温度での射出工程時、分解されるリスクがある。
【０００７】
無機抗菌剤は、溶出性が有機抗菌剤に比べて相当低く、高温耐久性を確保することができるものの、プラスチック射出物との界面濡れ性の問題が発生し得、抗菌素材としてＡｇを用いる場合がほとんどであるため、高価であり、適用に限界がある。
【０００８】
Ａｇ成分を抗菌成分として活用する抗菌ガラス組成物が知られている。このうち、リン酸塩を主成分として用いるリン酸塩系抗菌ガラス組成物が知られている。
【０００９】
Ａｇを含有する抗菌ガラス組成物は、抗菌剤の耐久性強化と変色を防止することが重要である。しかしながら、抗菌剤の耐久性を向上させるために、通常に活用するＡｌ
２
Ｏ
３
を抗菌ガラス組成物に多量添加すると、抗菌剤の抗菌力が低下し得る。
【００１０】
他方、抗菌ガラス組成物にＡｌ
２
Ｏ
３
を除くと、抗菌ガラス組成物の融点を低下させる成分を併せて使用しなければならないが、こうなると、Ａｇの変色が引き起こされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
（【００１１】以降は省略されています）

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