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公開番号2025074510
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2023185357
出願日2023-10-30
発明の名称磁気記録媒体用スパッタリングターゲット
出願人田中貴金属工業株式会社
代理人オリジネイト弁理士法人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20250507BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】CoPt基合金からなる磁性薄膜であって、磁気的分離性が良好なグラニュラー薄膜を成膜することができるスパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】本発明は、金属成分としてCo及びPtを含み、少なくとも1種の酸化物を含む磁気記録媒体用スパッタリングターゲットに関する。本発明では、磁気的分離性を向上させる必須の酸化物としてタングステン酸化物及び/又はモリブデン酸化物を含み、この必須酸化物の含有量を15vol%以下とする。スパッタリングターゲット中の酸化物としては、B2O3等の他の酸化物を任意酸化物として含むこともでき、その場合は全酸化物含有量が20vol%以上50vol%以下とすることが好ましい。本発明では、必須酸化物の適用により、磁気的分離性を確保しながら全酸化物含有量を適切に設定することが可能となる。
【選択図】図1



特許請求の範囲【請求項1】
金属成分としてCo及びPtを含み、少なくとも1種の酸化物を含む磁気記録媒体用スパッタリングターゲットにおいて、
タングステン酸化物及び/又はモリブデン酸化物を必須酸化物として含み、
前記必須酸化物の含有量が15vol%以下であることを特徴とする磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
必須酸化物と共に前記必須酸化物と異なる酸化物を任意酸化物として含む請求項1記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
【請求項3】
任意酸化物は、B



、SiO

、TiO

、Cr



、CoO、Co



である請求項2記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
【請求項4】
必須酸化物の含有量と任意酸化物の含有量との合計である全酸化物含有量が20vol%以上50vol%以下であり、
必須酸化物の含有量が15vol%以下である請求項2又は請求項3記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、CoPt基合金からなる薄膜を成膜するための磁気記録媒体用スパッタリングターゲットに関する。詳しくは、CoPt基合金からなるグラニュラー構造を有する薄膜であって、磁性粒子間の磁気的分離性が良好な薄膜を成膜するためのスパッタリングターゲットに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記録媒体における記録密度は、従来から急速に増大しており、記録密度の高密度化の要求・傾向は今後も継続すると予測される。そして、磁気記録媒体の高記録密度化の達成のため、垂直磁気記録方式が提案されている。更に、かかる記録方式の最適化のもとでの記録密度の向上のためには、磁気記録層を構成する磁性薄膜の磁性粒子の微細化を図りつつ、粒子間相互作用を低減することが好ましいとされている。
【0003】
磁性粒子の粒子間相互作用を低減する磁性薄膜として、グラニュラー構造と称される構造を有する磁性薄膜が注目されている(以下、グラニュラー構造を有する磁性薄膜をグラニュラー薄膜と称する)。グラニュラー薄膜は、酸化物等の非磁性材料マトリックス中に磁性粒子が分散する構造を有し、前記酸化物等による非磁性粒界によって粒子間相互作用を低減するようになっている。グラニュラー薄膜においては、複数個の磁性粒子が記録ビットを構成することとなる。かかるグラニュラー薄膜を適用する磁気記録層の非磁性粒界を構成する酸化物としては、SiO

、TiO

、B



等が知られている(特許文献1、2)。
【0004】
通常、磁気記録媒体の磁性薄膜は、スパッタリング法により製造されることが多い。グラニュラー薄膜もスパッタリング法により製造可能であり、磁性材料を構成するCo、Pt等の合金又は金属と共に酸化物を含むスパッタリングターゲットが適用される(例えば、特許文献3、4)。また、グラニュラー薄膜の成膜においては、磁性粒子のエピタキシャル成長の促進作用を有するRuやRu含有合金等からなる下地層が適用される。そして、当該下地層の表面上に前述した酸化物を含むスパッタリングターゲットでスパッタリングすることで、磁性粒子及び酸化物(非磁性粒界)が二相析出することでグラニュラー薄膜が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-83411号公報
特開2001-43526号公報
特許第5032706号
特許第6317636号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冒頭で述べたとおり、磁気記録媒体における記録密度の増大には、磁性粒子の微細化が有効である。そして、グラニュラー薄膜における磁性粒子の微細化は、スパッタリングターゲット中の酸化物の含有量を増加することで可能である。酸化物含有量を増加することで、非磁性粒界の厚さを増加させて非磁性粒界を明瞭なものとし、磁性粒子が分散・分離したグラニュラー薄膜を形成することができる。
【0007】
しかしながら、記録密度の増大は、磁性粒子の微細化と共に当該磁性粒子群により構成される記録ビット間の分離性の向上によって達成されるものである。そして、ここでの分離性とは磁気的な分離性を意味する。酸化物含有量の増加により、磁性粒子は微細化し非磁性粒界が厚くなるが、このことが直ちにグラニュラー薄膜の磁気的分離性の向上に繋がる訳ではない。記録ビットが複数の磁性粒子で構成されることを考慮すると、酸化物(非磁性粒界)の量だけではなくその構成による影響も検討して薄膜全体における磁気的分離性の確保を図るべきである。
【0008】
また、グラニュラー薄膜における酸化物量を増加すれば、磁性粒子の微細化を図ることができるが、酸化物量の増加は必然的に磁性粒子の体積比の減少に繋がる。磁性粒子の体積比の減少は、グラニュラー薄膜全体の磁化量を低下させるので、記録媒体再生時の信号強度の低下の要因となり得る。グラニュラー薄膜における酸化物は、必須の構成といえるがその含有量は無制限とすることはできない。
【0009】
本発明は、上記の背景のもとになされたものであり、磁気記録媒体に最も適用されている磁性薄膜の一つであるCoPt基合金からなる磁性薄膜を製造するための磁気記録媒体用のスパッタリングターゲットに関する。そして、本発明は、磁気的分離性が良好なグラニュラー薄膜を成膜することができるスパッタリングターゲットを提供する。この課題において、本発明者等は、磁気的分離性を含む磁気特性を確保しながら、酸化物含有量を好適化できる手段を見出すこととしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等によるこれまでの検討によれば、グラニュラー薄膜の磁気的性質は、非磁性粒界を構成する酸化物の種類によって変化する。この磁気的性質には磁気的分離性も含まれると考えられるので、酸化物の種類によって同じ含有量であっても磁気的分離性に差が生じるといえる。また、磁性薄膜における各種の磁気的性質は、相反関係にあることがあり、一方の性質向上を図った結果、他方の性質低下が生じることがある。
(【0011】以降は省略されています)

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