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公開番号2025074856
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2023185937
出願日2023-10-30
発明の名称溶解原料予熱装置および予熱装置付きアーク溶解炉
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F27D 17/18 20250101AFI20250507BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】溶解原料を予熱する装置に故障が生じた場合でもアーク溶解炉の操業を継続させることができる溶解原料予熱装置を提供する。
【解決手段】溶解原料予熱装置3は炉蓋開閉機構を有するアーク溶解炉2で生じる排ガスにより溶解原料を予熱する。溶解原料予熱装置3は、立面視でみたときに、アーク溶解炉2の炉体上方と重複しないように離れて固設された予熱装置本体46と、アーク溶解炉2と予熱装置本体46とを接続し、予熱装置本体46に排ガスを導入する排ガス導入ダクト47と、を備えている。予熱装置本体46は、溶解原料を投入する原料投入口56と、溶解原料を保持する保持手段61と、排ガス導入ダクト47と接続される排ガス導入口67と、溶解原料の予熱に用いられた排ガスを排出する排ガス排出口68と、予熱装置本体46の底部において下向きに開口する原料排出口58と、原料排出口58から排出された溶解原料を受ける容器74と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
炉蓋開閉機構を有するアーク溶解炉で生じる排ガスにより溶解原料を予熱する溶解原料予熱装置であって、
立面視でみたときに、前記アーク溶解炉の炉体上方と重複しないように離れて固設された予熱装置本体と、
前記アーク溶解炉と前記予熱装置本体とを接続し、前記予熱装置本体に排ガスを導入する排ガス導入ダクトと、
を備え、
前記予熱装置本体は、
前記溶解原料を投入する原料投入口と、
前記溶解原料を保持する保持手段と、
前記排ガス導入ダクトと接続される排ガス導入口と、
前記溶解原料の予熱に用いられた排ガスを排出する排ガス排出口と、
前記予熱装置本体の底部において下向きに開口する原料排出口と、
前記原料排出口から排出された前記溶解原料を受ける容器と、
を有する、溶解原料予熱装置。
続きを表示（約 560 文字）【請求項２】
前記排ガス導入口は前記保持手段よりも下方に設けられ、前記排ガス排出口は前記保持手段よりも上方に設けられている、請求項１に記載の溶解原料予熱装置。
【請求項３】
一端が前記予熱装置本体の前記保持手段よりも下方に接続され、前記溶解原料が貯留される前記予熱装置本体内の予熱室を回避して、前記予熱装置本体に導入された排ガスを排気ダクトに案内するバイパスダクトが更に設けられている、請求項２に記載の溶解原料予熱装置。
【請求項４】
一端が前記排ガス導入ダクトに接続され、前記溶解原料が貯留される前記予熱装置本体内の予熱室を回避して、前記アーク溶解炉で生じた排ガスを排気ダクトに案内するバイパスダクトが更に設けられている、請求項２に記載の溶解原料予熱装置。
【請求項５】
前記排ガス導入ダクトは、互いに対向配置された炉蓋側ダクトの端部部材と、予熱装置側ダクトの端部部材の何れか一方が、何れか他方に対して進退可能に構成されている、請求項１に記載の溶解原料予熱装置。
【請求項６】
炉体の炉底部を支持し前記炉体を上下方向の軸線周りに回転させる回転装置を備えるアーク溶解炉と、請求項１に記載の溶解原料予熱装置とを備えて構成された、予熱装置付きアーク溶解炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
この発明は、アーク溶解炉からの排ガスにより金属スクラップ等の溶解原料を予熱する溶解原料予熱装置および予熱装置付きアーク溶解炉に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
アーク溶解炉では、炉体内に挿入された電極と金属スクラップ等の溶解原料との間にアークを発生させ、アーク熱によって溶解原料を溶解させる。このようなアーク溶解炉からは溶解の際に高温の排ガスが生じるため、この高温の排ガスを次に溶解をすべき溶解原料の予熱に利用する場合がある。
【０００３】
溶解原料の予熱に利用する予熱装置を備える予熱装置付きアーク溶解炉では、例えば下記特許文献１で示すように、筒状をなす予熱装置本体がアーク溶解炉の炉頂に設けられている。この予熱装置本体は台車により移動可能に構成されており、溶解原料を予熱するとき予熱装置本体はアーク溶解炉の炉壁近くに位置し、予熱された溶解原料を炉内に装入するとき予熱装置本体はアーク溶解炉の中央寄りに移動する。このとき予熱装置本体と炉蓋とが一体的に移動できるように、炉蓋開閉機構が予熱装置側に含まれるように構成されている。
【０００４】
しかしながら、このように構成された予熱装置付きアーク溶解炉では、予熱装置側の部位（例えば移動用の台車）に故障が生じた場合、アーク溶解炉が単独で炉蓋を持ち上げ、開閉する動作を行うことができず、溶解操業を継続できなくなってしまう問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開平１０－６８５９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は以上のような事情を背景とし、溶解原料を予熱する装置に故障が生じた場合でもアーク溶解炉の操業を継続させることができる溶解原料予熱装置および予熱装置付きアーク溶解炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
而してこの発明の第１の局面の溶解原料予熱装置は次のように規定される。即ち、
炉蓋開閉機構を有するアーク溶解炉で生じる排ガスにより溶解原料を予熱する溶解原料予熱装置であって、
立面視でみたときに、前記アーク溶解炉の炉体上方と重複しないように離れて固設された予熱装置本体と、
前記アーク溶解炉と前記予熱装置本体とを接続し、前記予熱装置本体に排ガスを導入する排ガス導入ダクトと、
を備え、
前記予熱装置本体は、
前記溶解原料を投入する原料投入口と、
前記溶解原料を保持する保持手段と、
前記排ガス導入ダクトと接続される排ガス導入口と、
前記溶解原料の予熱に用いられた排ガスを排出する排ガス排出口と、
前記予熱装置本体の底部において下向きに開口する原料排出口と、
前記原料排出口から排出された前記溶解原料を受ける容器と、
を有する。
【０００８】
このように規定された第１の局面の溶解原料予熱装置によれば、予熱装置本体は固設されており炉蓋と一体的に移動するものではないため、炉蓋を開閉する機構を予熱装置側に設ける必要はない。このため、予熱装置を備えていない通常のアーク溶解炉と同様に、炉蓋開閉機構はアーク溶解炉側に設けられることとなる。
この第１の局面の溶解原料予熱装置によれば、仮に溶解原料予熱装置が故障した場合であっても、アーク溶解炉側に設けられた炉蓋開閉機構により炉蓋の開閉を行なうことができ、炉内へ溶解原料を装入する機能は維持され、アーク溶解炉における溶解操業を継続することができる。
【０００９】
ここで、前記予熱装置本体の前記排ガス導入口は前記保持手段よりも下方に設け、前記排ガス排出口は前記保持手段よりも上方に設けることができる（第２の局面）。
このようにすれば、予熱装置本体内に導入された排ガスは保持手段の下方から上向きに流通するため、予熱装置本体内に複数段の保持手段が設けられている場合に、原料排出口に近い下側の保持手段で保持された溶解原料（次に排出される予定の溶解原料）をより効率的に予熱することができる。
【００１０】
またこの発明では、一端が前記予熱装置本体の前記保持手段よりも下方に接続され、前記溶解原料が貯留される前記予熱装置本体内の予熱室を回避して、前記予熱装置本体に導入された排ガスを排気ダクトに案内するバイパスダクトを更に設けておくことができる（第３の局面）。
このようにすれば、溶解原料の予熱を行なわない場合に、予熱装置本体内の予熱室を回避する経路で排ガスを排気ダクトに案内することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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