TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025074994
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2024186515
出願日2024-10-23
発明の名称テレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法、ポリエステルの製造方法、並びにポリエステル
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C07C 51/09 20060101AFI20250507BHJP(有機化学)
要約【課題】ポリブチレンテレフタレートの加溶媒分解において、高収率で1,4-ブタンジオールおよび/またはテレフタル酸を得る。
【解決手段】pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、および水共存下、ポリブチレンテレフタレートまたはその組成物を180~350℃の温度を含む温度域で加溶媒分解する工程を有するテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法であって、ポリブチレンテレフタレート中のテレフタル酸単位1モルに対して、pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩のアルカリ金属原子のモル数と、アルカリ土類金属原子のモル数の2.0倍のモル数との総モル数が1.5~6.0モルである、テレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、および水共存下、ポリブチレンテレフタレートまたはその組成物を180~350℃の温度を含む温度域で加溶媒分解する工程を有するテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法であって、ポリブチレンテレフタレート中のテレフタル酸単位1モルに対して、pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩のアルカリ金属原子のモル数と、アルカリ土類金属原子のモル数の2.0倍のモル数との総モル数が1.5~6.0モルである、テレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、水、およびアルコール共存下、ポリブチレンテレフタレートまたはその組成物を110~350℃の温度を含む温度域で加溶媒分解する工程を有するテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法であって、ポリブチレンテレフタレート中のテレフタル酸単位1モルに対して、pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩のアルカリ金属原子のモル数と、アルカリ土類金属原子のモル数の2.0倍のモル数との総モル数が1.5~6.0モルである、テレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【請求項3】
ポリブチレンテレフタレート100重量部に対し、溶媒を100~1000重量部含有する、請求項1または2に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【請求項4】
180~350℃の温度における圧力が1.2~30MPaである、請求項1に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【請求項5】
110~350℃の温度における圧力が0.1~30MPaである、請求項2に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【請求項6】
アルカリ金属塩がアルカリ金属水酸化物、およびアルカリ金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【請求項7】
アルカリ土類金属塩がアルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【請求項8】
1,4-ブタンジオールの収率が30%以上である、請求項1または2に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【請求項9】
ポリブチレンテレフタレートまたはその組成物が廃棄物である、請求項1または2に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法によって得られるテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールを重合する工程を含む、ポリエステルの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、テレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法、ポリエステルの製造方法、並びにポリエステルに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、海洋プラスチック問題をトリガーに地球環境問題に対する関心が高まり、持続可能な社会の構築が必要であるとの認識が広まってきている。地球環境問題には、地球温暖化をはじめ、資源枯渇、水不足などがあるが、その多くは産業革命以降の化石燃料の使用と工業の急速な発展による、資源消費量と地球温暖化ガス排出量の増大が原因にある。そのため、持続可能な社会構築のためには、プラスチックなどの化石資源循環利用、および地球温暖化ガス排出量低減に関する技術がますます重要となる。
【0003】
ポリブチレンテレフタレートを水熱分解する方法としては、ポリブチレンテレフタレートと高温高圧水を接触させて原料モノマーであるテレフタル酸と1,4-ブタンジオールの環化体であるテトラヒドロフランを回収する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。水のみによって解重合を行う方法は、触媒が不要であり、さらに石油由来の有機溶媒を利用しないことから、グリーンな再資源化方法であるという利点がある。
【0004】
この高温高圧水による解重合において、水に塩基を添加し、原料モノマーであるテレフタル酸と1,4-ブタンジオールを回収する方法が開示されている(例えば非特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-215676号公報
【非特許文献】
【0006】
POLYMER-PLASTICS TECHNOLOGY AND ENGINEERING,Vol.43,No.1,177-198(2004)
Chem.Eng.Technol.27,No.7,790-798(2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1から、ポリブチレンテレフタレートを高温高圧水にて解重合した場合、モノマーであるテレフタル酸と1,4-ブタンジオールの過反応物であるテトラヒドロフランが主生成物として回収される。そのため、特許文献1の方法では、ポリエステル原料である1,4-ブタンジオールとしてリサイクルすることができなかった。
【0008】
非特許文献1および2では、ポリブチレンテレフタレートの解重合が不十分であり、モノマー収率は低かった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の発明者らは鋭意検討を重ね、特定の金属塩、および水共存下、ポリブチレンテレフタレートまたはその組成物を特定条件にて加溶媒分解することで、生成モノマーである1,4-ブタンジオールの過反応を抑制し、テレフタル酸および1,4-ブタンジオールを高収率で得られることを見出した。
【0010】
即ち、本発明は以下の構成を有する。
(1)pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、および水共存下、ポリブチレンテレフタレートまたはその組成物を180~350℃の温度を含む温度域で加溶媒分解する工程を有するテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法であって、ポリブチレンテレフタレート中のテレフタル酸単位1モルに対して、pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩のアルカリ金属原子のモル数と、アルカリ土類金属原子のモル数の2.0倍のモル数との総モル数が1.5~6.0モルである、テレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(2)pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、水、およびアルコール共存下、ポリブチレンテレフタレートまたはその組成物を110~350℃の温度を含む温度域で加溶媒分解する工程を有するテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法であって、ポリブチレンテレフタレート中のテレフタル酸単位1モルに対して、pKa>4.0のアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩のアルカリ金属原子のモル数と、アルカリ土類金属原子のモル数の2.0倍のモル数との総モル数が1.5~6.0モルである、テレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(3)ポリブチレンテレフタレート100重量部に対し、溶媒を100~1000重量部含有する、上記(1)または(2)に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(4)180~350℃の温度における圧力が1.2~30MPaである、上記(1)に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(5)110~350℃の温度における圧力が0.1~30MPaである、上記(2)に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(6)アルカリ金属塩がアルカリ金属水酸化物、およびアルカリ金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種である、上記(1)または(2)に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(7)アルカリ土類金属塩がアルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種である、上記(1)または(2)に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(8)1,4-ブタンジオールの収率が30%以上である、上記(1)または(2)に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(9)ポリブチレンテレフタレートまたはその組成物が廃棄物である、上記(1)または(2)に記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法。
(10)上記(1)~(9)のいずれかに記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法によって得られるテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールを重合する工程を含む、ポリエステルの製造方法。
(11)上記(1)~(9)のいずれかに記載のテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールの製造方法によって得られるテレフタル酸および/または1,4-ブタンジオールを重合して得られる、ポリエステル。
(12)上記(11)に記載のポリエステルを加工して得られる、繊維、フィルム、または樹脂成形品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
織物
1か月前
東レ株式会社
織編物
9日前
東レ株式会社
吸着材料
1か月前
東レ株式会社
濾過方法
21日前
東レ株式会社
複合半透膜
8日前
東レ株式会社
積層フィルム
1か月前
東レ株式会社
多孔質構造体
1か月前
東レ株式会社
炭素繊維織物
4日前
東レ株式会社
CPUソケット
21日前
東レ株式会社
CPUソケット
21日前
東レ株式会社
不織布および衣料
1か月前
東レ株式会社
再生ポリエステル繊維
1か月前
東レ株式会社
車両用衝撃吸収構造体
8日前
東レ株式会社
多層積層複合断面繊維
1か月前
東レ株式会社
シート状物の検査方法
1か月前
東レ株式会社
浄水器用カートリッジ
1日前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
1か月前
東レ株式会社
濾過方法および濾過装置
2日前
東レ株式会社
樹脂フィルムの製造方法
今日
東レ株式会社
フィルム及びその製造方法
1か月前
東レ株式会社
積層体およびその製造方法
1か月前
東レ株式会社
炭素繊維シートの製造方法
1か月前
東レ株式会社
ポリエステル繊維の製造方法
1か月前
東レ株式会社
半導体モールド用離型フィルム
9日前
東レ株式会社
ポリプロピレン系樹脂フィルム
10日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムの製造方法
1か月前
東レ株式会社
不織布およびワイピング用シート
1か月前
東レ株式会社
人工皮革および人工皮革の製造方法
1か月前
東レ株式会社
感光性樹脂組成物、硬化物、表示装置
1か月前
東レ株式会社
人工皮革ならびに、乗物用内装材、座席
8日前
株式会社大林組
コンクリート補強工法
4日前
東レ株式会社
積層フィルム、センサー、およびテープ
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム、センサー、およびテープ
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム、センサー、およびテープ
1か月前
東レ株式会社
ガス分離方法、精製流体及びガス分離装置
1か月前
東レ株式会社
炭素シートおよびガス拡散電極の製造方法
4日前
続きを見る