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公開番号2025076026
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187639
出願日2023-11-01
発明の名称車両用衝撃吸収構造体
出願人東レ株式会社
代理人個人,個人
主分類F16F 7/12 20060101AFI20250508BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】衝撃を加えた際に荷重が略一定となる特性を得ることができる車両用衝撃吸収構造体を提供する。
【解決手段】衝撃荷重作用時に衝撃荷重入力側の端部からの変形もしくは破壊により衝撃エネルギーを吸収可能に構成された樹脂製の車両用衝撃吸収構造体であって、構造体外郭を形成する外装周辺部と該外装周辺部の内面間にわたって延びる外装リブ部を有する外装部と、前記外装周辺部と前記外装リブ部で囲まれた空間または前記外装リブ部のみで囲まれた空間内に設けられ、前記外装周辺部または前記外装リブ部に接続される内装接続部と、前記外装周辺部と前記外装リブ部との間もしくは前記外装リブ部間にわたって延びる内装リブ部を有する内装部とを備えていることを特徴とする車両用衝撃吸収構造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
衝撃荷重作用時に衝撃荷重入力側の端部からの変形もしくは破壊により衝撃エネルギーを吸収可能に構成された樹脂製の車両用衝撃吸収構造体であって、
構造体外郭を形成する外装周辺部と該外装周辺部の内面間にわたって延びる外装リブ部を有する外装部と、
前記外装周辺部と前記外装リブ部で囲まれた空間または前記外装リブ部のみで囲まれた空間内に設けられ、前記外装周辺部または前記外装リブ部に接続される内装接続部と、前記外装周辺部と前記外装リブ部との間もしくは前記外装リブ部間にわたって延びる内装リブ部を有する内装部とを備えていることを特徴とする車両用衝撃吸収構造体。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記内装部は、前記外装部よりも剛性が高い樹脂で構成されている、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項3】
前記内装部は、前記外装部の少なくとも一部と接着もしくは溶着されて接合している、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項4】
前記外装リブ部の少なくとも1つが衝撃荷重方向と垂直の方向に延びるように設置されている、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項5】
前記内装リブ部の少なくとも1つが衝撃荷重方向に沿った方向に延びるように設置されている、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項6】
前記内装リブ部の厚みが前記外装周辺部もしくは前記外装リブ部の厚みよりも薄い、請求項2に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項7】
前記外装部に前記外装周辺部と前記外装リブ部で囲まれた空間または前記外装リブ部のみで囲まれた空間が複数形成され、該複数の空間が衝撃荷重方向に沿った方向に配列されている、請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項8】
衝撃荷重方向に沿った方向に配列された前記複数の空間の全ての内部に前記内装部が設けられている、請求項7に記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項9】
前記外装部および前記内装部の一方もしくは両方が熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂により構成されている、請求項1~8のいずれかに記載の車両用衝撃吸収構造体。
【請求項10】
前記外装部および前記内装部の一方もしくは両方が熱可塑性樹脂組成物もしくは熱硬化性樹脂組成物により構成されている、請求項1~8のいずれかに記載の車両用衝撃吸収構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の衝撃吸収構造体に係り、特に、軽量化の効果的な実現と共に入力される衝撃エネルギーを有利に吸収し得るように改良された車両用衝撃吸収構造体に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
人と車両、とくに自動車との接触や車同士の正面衝突、側面衝突、後面衝突に備えて、車両の各部位には衝撃吸収構造体を設けておくことが望ましい。このような車両用衝撃吸収構造体においては、十分にエネルギーを吸収することが求められる。一方で、歩行者や乗員へ及ぼされる衝撃荷重が大きすぎると、人に傷害を発生させるおそれがあるため、衝撃荷重をある荷重以下に抑えつつエネルギー吸収量を確保するために、荷重を略一定に保つ(衝突時の荷重-変位線図を矩形波にする)ことが望ましい。
【0003】
このような中、金属製の中空部材と、前記中空部材の内面に各辺が接合され、該中空部材の内方空間を隔てるように該中空部材の部材長手方向に沿って間隔をおいて複数配置された、FRPからなる板状の補強部材とを備え、前記中空部材は、該中空部材の長手方向が車両進行方向と一致するように延びる部材であり、前記中空部材の部材長手方向に垂直な断面において、該中空部材の外形寸法上の最小幅は、該中空部材の外形寸法上の最大幅の30%以上であり、各補強部材は、該補強部材の板面が前記中空部材の部材長手方向に垂直となる向きで、かつ前記中空部材の部材長手方向の端部から、前記最小幅の0.74倍~1.84倍の間隔でもって3枚以上配置され、前記補強部材の板厚は0.7~3.0mmである、車両用構造部材が提案されている(特許文献1)。
【0004】
あるいは、車両取り付け時に部品Aと部品Bとの間で、かつ、部品Bとオフセットした位置に配置される、アウタ部およびインナ部を備えた衝撃エネルギー吸収体であって、前記アウタ部および前記インナ部は、それぞれ、前記部品A、前記衝撃エネルギー吸収体、前記部品Bの配列方向に延在している枠体と、前記枠体の内部に設けられ、前記配列方向に延在している格子状のリブとを有し、前記アウタ部および前記インナ部のうち、車両取り付け時に前記部品Bから離れた位置に配置される一方は、車両取り付け時に前記配列方向に前記部品Bと重なる位置にあたるリブが、間引かれた状態あるいは他のリブに比べて肉厚が薄い状態であることを特徴とする衝撃エネルギー吸収体が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6693605号公報
特開2010-6245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように、衝突時、衝撃荷重をある荷重以下に抑えつつエネルギー吸収量を確保するために荷重を略一定に保つことは、現状では難しい。
【0007】
例えば、特許文献1では、金属製の中空部材と、前記中空部材の内面に各辺が接合され、該中空部材の内方空間を隔てるように該中空部材の部材長手方向に沿って間隔をおいて複数配置されたFRPからなる板状の補強部材を、中空部材の長手方向の長さに対して0.74倍~1.84倍の間隔をもって3枚以上配置され、前記補強部材の板厚が0.7~3.0mmである構造が提案されている。これにより、側突時に、入力荷重が中空部材に効率よく伝達され、中空部材の先端から座屈が誘導されるため、効率的に衝撃エネルギーを吸収できる。そして、補強部材にFRPを用いることで軽量化にもつながり重量当たりの衝撃エネルギー吸収効率も高くなる。しかし、この車両用構造部材は中空部材が金属製でかつある程度の長尺な構造で効果を発揮するため、樹脂のみで構成されるクラッシュパッドのような短尺の衝撃吸収構造体では中空部材の剛性が低すぎて効果を発揮しない。また、衝撃方向に対して短尺の衝撃吸収構造体では、補強部材を指定の寸法で設置することができない。また、衝撃による負荷荷重の大半を負担するのは中空部材であり、中空部材が座屈したタイミングで負荷荷重が大幅に低下し、座屈していない中空部材部位に衝撃荷重が伝わったタイミングで次は負荷荷重が大幅に上昇するため、本構造においては、衝突時、衝撃荷重をある荷重以下に抑えつつエネルギー吸収量を確保するために荷重の変化を抑える効果は期待できない。
【0008】
特許文献2では、衝撃エネルギー吸収体は、車両取り付け時に部品Aと部品Bとの間で、かつ、部品Bとオフセットした位置に配置される、アウタ部およびインナ部を備えた衝撃エネルギー吸収体であり、アウタ部およびインナ部のうち、車両取り付け時に部品Bから離れた位置に配置される一方は、車両取り付け時に前記配列方向に前記部品Bと重なる位置にあたるリブが、間引かれた状態あるいは他のリブに比べて肉厚が薄い状態である。これにより、自動車衝突時、アウタ部およびインナ部のうちリブが間引かれているあるいは薄肉リブが設けられている側(以下、「間引き側」という)が座屈し、衝撃エネルギー吸収体全体としては部品B(フレーム等)を支点に間引き側のリブが有るあるいは厚肉リブがある方に回転し、さらに、アウタ部およびインナ部のうちリブが間引かれていないあるいはリブの肉厚が一定である側(以下、「間引かれていない側」という)が部品B(フレーム等)と接する部分で座屈する。そのため、大きな衝撃エネルギーをも吸収することができる。しかし、衝撃エネルギー吸収体の部品Aと部品Bはそれぞれ1種類の部材で構成されているため、リブの厚みや数を調整することでしか座屈を制御するしかなく、より剛性の高いもしくは低い材料を適材適所で配置して最適構造を設計することはできない可能性がある。また、オフセット衝突の場合に効率的に衝撃エネルギーを吸収することを目的としているため、この衝撃エネルギー吸収体は、エネルギー吸収の際の荷重を略一定に保つことを目的とした構造とは言い難いため、荷重を略一定に保つことについては実際には達成できない可能性がある。
【0009】
以上のように、従来の技術では、構造体の変形が進む過程においてエネルギー吸収特性を確保しつつ荷重が略一定となる特性を得ることができないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の課題は、とくに、衝撃を加えた際に荷重が略一定となる特性を得ることができる車両用衝撃吸収構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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