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公開番号2025076157
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187936
出願日2023-11-01
発明の名称高分子電解質膜、膜電極接合体、レドックスフロー電池用セル、レドックスフロー電池、及び巻回体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01M 8/103 20160101AFI20250508BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電流効率及び電圧効率がバランスよく優れ、かつ高い電力効率を有するレドックス電池用セルの得られる、高分子電解質膜、膜電極接合体、レドックスフロー電池用セル、レドックスフロー電池及び巻回体を提供する。
【解決手段】高分子電解質膜は、[CF2-CF(-(OCF2CXF)a-O-(CF2)b-SO2-NH-R1-(NR2-R3-)c-NR4R5)]で表される構造単位と、[CFX―CF2]で表される構造単位とを含む含窒素フルオロポリマー又はその塩を含む層L1と、[CF2-CF((-O-CF2-(CF(CF2X51)))a-(O)b-(CFR51)c-(CFR52)d-(CF2)e-X52)]で表される構造単位を含むフルオロポリマー又はその塩を含む層L2と、が少なくとも1層ずつ積層され、広角X線散乱測定によって測定される高分子電解質膜の膜面方向の配向比ORが、1.0以上1.1未満である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1-1)で表される構造単位と下記式(1-2)で表される構造単位とを含む含窒素フルオロポリマー又はその塩を含む層L1と、
-[CF
2
-CF(-(OCF
2
CXF)
a
-O-(CF
2

b
-SO
2
-NH-R
1
-(NR
2
-R
3
-)
c
-NR
4

5
)]- ・・・式(1-1)
(式中、
aは、0以上2以下の整数であり、
bは、1以上4以下の整数であり、
cは、0以上2以下の整数であり、
Xは、-F又は-CF
3
であり、

1
及びR
3
は、それぞれ同一でも異なってもよく、置換若しくは無置換の炭素数1以上10以下の2価の脂肪族炭化水素基、又は、置換若しくは無置換の炭素数6以上12以下の2価の芳香族炭化水素基であり、

2
は、水素原子、無置換の炭素数1以上10以下の1価の脂肪族炭化水素基、又は、置換若しくは無置換の炭素数6以上12以下の1価の芳香族炭化水素基であり、

4
及びR
5
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、無置換の炭素数1以上10以下の1価の脂肪族炭化水素基、又は、置換若しくは無置換の炭素数6以上10以下の1価の芳香族炭化水素基である。)
-[CFX―CF
2
]- ・・・式(1-2)
(式中、Xは、-F又は-CF
3
である。)
下記式(5-1)で表される構造単位を含むフルオロポリマー又はその塩を含む層L2と、
-[CF
2
-CF((-O-CF
2
-(CF(CF
2

51
)))
a
-(O)
b
-(CFR
51

c
-(CFR
52

d
-(CF
2

e
-X
52
)]- ・・・式(5-1)
(式中、

51
は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換若しくは無置換の炭素数1~10のパーフルオロアルキル基、又は、置換若しくは無置換の炭素数5~10の環状パーフルオロアルキル基であり、
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記層L1の厚さが10μm以下である、請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項3】
前記層L2の厚さが200μm以下である、請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項4】
前記含窒素フルオロポリマーにおける、前記式(1-1)で表される構造単位の割合が、モノマー単位全体に対して、1モル%以上50モル%以下であり、前記式(1-2)で表される構造単位の割合が、モノマー単位全体に対して、50モル%以上99モル%以下である、請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項5】
前記含窒素フルオロポリマーの単位面積当たりの質量が、0.01g/m
2
以上20g/m
2
以下である、請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の高分子電解質膜と、少なくとも1つの電極とが接合されている、膜電極接合体。
【請求項7】
レドックスフロー電池用である、請求項1~5のいずれか一項に記載の高分子電解質膜。
【請求項8】
レドックスフロー電池用である、請求項6に記載の膜電極接合体。
【請求項9】
第1のレドックス活物質を含む第1の電解液と、第2のレドックス活物質を含む第2の電解液と、前記第1の電解液と接触している第1の電極と、前記第2の電解液と接触している第2の電極と、前記第1の電解液と第2の電解液との間に配された隔膜とを含み、前記隔膜が、請求項1~5のいずれか一項に記載の高分子電解質膜である、レドックスフロー電池用セル。
【請求項10】
前記隔膜と、少なくとも1つの電極とが接合されている、請求項9に記載のレドックスフロー電池用セル。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子電解質膜、膜電極接合体、レドックスフロー電池用セル、レドックスフロー電池、及び巻回体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
レドックスフロー電池は、電気を備蓄、及び放電する二次電池である。レドックスフロー電池は、正極と正極レドックス活物質を含む正極電解液(正極セル)と、負極と負極レドックス活物質を含む負極電解液(負極セル)とを、隔膜で隔離した構造をしており、両レドックス活物質の酸化還元反応を利用して充放電を行う。該両レドックス活物質を含む電解液を、備蓄タンクから電解槽に流通させることで大容量化が可能である。
【0003】
電解液に含まれるレドックス活物質としては、例えば、鉄/クロム系、クロム/臭素系、亜鉛/臭素系や、電荷の違いを利用するバナジウム系等が用いられている。特に、バナジウム系レドックスフロー電池は起電力が高く、バナジウムイオンの電極反応が速く、副反応である水素発生量が少なく、出力が高い等の利点を有するため、開発が本格的に進められている。バナジウム系レドックスフロー電池では、負極セルにおけるバナジウムの2価(V
2+
)/3価(V
3+
)と、正極セルにおけるバナジウムの4価(V
4+
)/5価(V
5+
)の酸化還元反応を利用している。レドックス活物質が透過すると、蓄電された電荷が中和され、電流効率が低下することから、隔膜にはレドックス活物質の透過を極力抑制することが望まれている。レドックス活物質の透過を抑制し、高い電力効率を達成するために、高分子電解質膜が用いられる。
【0004】
特許文献1では、カチオン交換基層とアニオン交換基層とを交互に積層させることにより、初期の電力効率に優れることが開示されている。
【0005】
特許文献2では、スルホン化ポリマーと、複数の窒素を含有する複素環式分子と、を含む膜を用いることにより、プロトン面積抵抗率が低く、バナジウムイオン透過選択性に優れることが開示されている。
【0006】
特許文献3では、カチオン性金属を還元することにより形成される金属層であるクロスオーバー防止層が内部に備えられた高分子電解質膜を用いることにより、放電容量、電流効率、電圧効率、電力効率の少なくとも1つ以上において優れることが開示されている。
【0007】
特許文献4では、第1のイオン交換樹脂層と、アニオン交換性化合物を含むアニオン交換性樹脂層と、第2のイオン交換樹脂層と、をこの順で備えるレドックスフロー電池用隔膜を用いることにより、カールが抑制され、電力効率に優れることが開示されている。
【0008】
上述の膜を製造するにあたり、ポリマー溶液を調製し、膜を形成する技術がある。
例えば、特許文献5には、エタノールと、水との質量比が、50対50である溶媒に、酸性基を有するフルオロ樹脂を溶解した、5質量%溶液が開示されている。また、特許文献6には、酸性基を有するフルオロ樹脂を、親水、かつ高沸点な極性溶媒を含有する溶媒に溶解させた高分子電解質溶液を用いることで、高強度であり、基材と良好な密着性を有し、良好な薬品耐性を有する薄膜を得られることが開示されている。
【0009】
他方、上述の膜を製造するにあたって、2種のポリマーを共押出して膜を形成する技術がある。
例えば、特許文献7には、パーフルオロスルホン酸ポリマー前駆体を非相溶性ポリマーと共押出しすることで、非相溶性ポリマー層に支持された厚みが低減されたパーフルオロスルホン酸ポリマー前駆体層を有する多層フイルムを形成できること、また厚みが低減されたプロトン交換膜を得られることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平11-260390号公報
国際出願公開特許2017/155648号公報
国際出願公開特許2016/163773号公報
国際出願公開特許2021/215126号公報
特開平07-296634号公報
特開2004-164854号公報
国際出願公開特許2013/091073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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