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公開番号2025072012
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2023182493
出願日2023-10-24
発明の名称細胞培養物の濾過方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B01D 61/14 20060101AFI20250430BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】より低線速のタンジェンシャルフロー線速で、目詰まりなく、細胞を含む培養物と、酵素や抗体を含む生産物とを分離することができる、より安定な濾過方法の提供。
【解決手段】多孔質膜に、細胞、培地、生産物、及び消泡剤を含有する培養液を通過させて、該培養液から、該生産物を含むろ液を分離する濾過工程を含む濾過方法であって、該多孔質膜の被濾過液側表面の最表面から膜厚に対して0.12%までの厚みにおける空孔率と、該被濾過液側表面の開孔率との積が1800%・%以上であることを特徴とする、前記濾過方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
多孔質膜に、細胞、培地、生産物、及び消泡剤を含有する培養液を通過させて、該培養液から、該生産物を含むろ液を分離する濾過工程を含む濾過方法であって、該多孔質膜の被濾過液側表面の最表面から膜厚に対して0.12%までの厚みにおける空孔率と、該被濾過液側表面の開孔率との積が1800%・%以上であることを特徴とする、前記濾過方法。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記多孔質膜の被濾過液側表面の最表面から膜厚に対して0.12%までの厚みにおける空孔率が50%以上である、請求項1に記載の濾過方法。
【請求項3】
前記多孔質膜の被濾過液側表面の開孔率が30%以上である、請求項1又は2に記載の濾過方法。
【請求項4】
前記多孔質膜の被濾過液側表面の最表面から膜厚に対して0.12%までの厚みにおける空孔率の、該被濾過液側表面の開孔率に対する割合が1.70以上である、請求項1又は2に記載の濾過方法。
【請求項5】
前記多孔質膜の被濾過液側表面の最表面から膜厚に対して0.12%までの厚みにおける空孔率と、該被濾過液側表面の開孔率との積が2800%・%以上である、請求項1又は2に記載の濾過方法。
【請求項6】
前記多孔質膜の濾過液側表面の最表面から膜厚方向に300nmの厚みにおける空孔率と、該被濾過液側表面の開孔率との積が860%・%以上である、請求項1又は2に記載の濾過方法。
【請求項7】
前記多孔質膜の濾過液側表面の最表面から膜厚方向に300nmの厚みにおける空孔率が35%以上である、請求項6に記載の濾過方法。
【請求項8】
前記多孔質膜の濾過液側表面の開孔率が30%以上である、請求項7に記載の濾過方法。
【請求項9】
前記多孔質膜の被濾過液側表面の最表面から膜厚に対して0.12%までの厚みにおける断面孔径が1000nm以下である、請求項1又は2に記載の濾過方法。
【請求項10】
前記多孔質膜の被濾過液側表面の最表面から膜厚方向に300nmの厚みにおける断面孔径が300nm以下である、請求項1又は2に記載の濾過方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、概してプロセスろ過システムに関し、より具体的には被濾過液側表面に高い空孔率と開孔率を有する中空糸膜を利用する細胞培養物の濾過方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ろ過は、流体状の溶液、混合液、又は懸濁液を分離、浄化、改質、及び/又は濃縮するために利用される。これはしばしば、生物工学、製薬、及び医療の産業による薬物、診断薬、及び化学物質の生産、加工、及び分析ステージにおいて必要なステップである。ろ過は、例えば、溶液から所望の化合物を除去して、又は副産物を除去して、より濃縮された培地だけを残すために使用され得る。このようなプロセスは、多様なフィルター材料、細孔径、及び/又は他のフィルター変数を選択することで必要に応じて変更され得る。
【0003】
細胞培養物を生産する場合、育成培養物から老廃物を除去することがしばしば必要となる。現在、生物学的製造プロセスの進歩は、細胞培養物の大規模生産を可能にし、しばしば処理容器装置を使用して組換えタンパク質、ウイルス様粒子(VLP)、遺伝子治療粒子、及びワクチンの生産を可能にした。代謝老廃物を除去し、栄養分を追加して培養物を更新する細胞貯留装置は、広範囲に使用可能である。一般にこの貯留は、タンジェンシャルフローろ過(接線流ろ過ともいう。)を使用して、中空繊維膜を用いた処理容器培養物の灌流ろ過によって実施される。加えて、バイオプロセスの運転が長期にわたっており、連続培養が利用されている。そのような運転は、数日、数週間、又は数月に及び得る。フィルターなどの多くの代表的構成要素は、ファウリングなしに、又はそうでなくても保守又は交換の必要なく、そのような期間の間十分機能することが望ましい。
【0004】
中空糸膜は、細胞培養物の灌流及び生産物の分離にしばしば使用されるが、このような使用は、細胞破片等により膜がファウリングする可能性がある。次いでファウリングによって、所望の生成物は、膜を通過するのではなく、膜の中に保持され得る。中空糸膜は、一般に、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン、セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン及びその他の材料で作られており、ファウリング耐性があり、高固形分を含む溶液のろ過を可能にする膜は、継続的に要求される。
ポリエチレン(PE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂は、一般に産業用ろ過に使用されてきた疎水性材料であり、特定の分子は、あまり吸着されないことが知られている。具体的には、ポリフェノール、多糖類、及びタンニンは、より低レベルで吸着する。他方、膜の製造方法によって膜の構造が大きく異なり、同一の素材でもその膜の製造方法によって、膜へのファウリング現象は大きく異なる。
【0005】
以下の特許文献1には、タンジェンシャルフローろ過における透過液のろ過速度と培養液の流速に関する関係が記載されている。また、緻密層を含む多孔膜を使用することが記載されている。尚、図6に示すように、タンジェンシャルフローろ過は、別名クロスフローフィルトレーションとしても知られ、ろ過したい溶液サンプルを膜表面に対して平行方向に還流することで、膜に対して一定の圧力を生み出し、膜孔径よりも小さい粒子を透過させる方法である。これに反し、一般的な直接フローろ過は、シリンジフィルターや遠心ろ過フィルターのような膜面に対して上から下方向に向かって液体を通過させる方法であり、この場合、サンプル中に含まれる微粒子が膜表面や内部に捕捉され、堆積していき、目詰まりの原因となり、サンプルに対する過剰な圧力負荷を生み出す。これに反し、タンジェンシャルフローろ過では、膜面に対して平行方向にサンプルを常時還流するため、膜孔径よりも大きい粒子や分子は膜上流に滞留し、膜に微粒子が堆積することが抑制されるため、サンプルに対する負荷が低いという特徴がある。
【0006】
以下の特許文献2には、細胞生育阻害物質を除去し、高密度培養が行え、高価な高分子の培地成分である血清の成分の少なくとも一つを培養槽に戻すことができ、ランニングコストの低減が図れる細胞培養方法及び装置が記載されている。
【0007】
以下の特許文献3には、組換えタンパク質を発現する哺乳類細胞培養物における組換えタンパク質産生を増加させる方法が記載され、バイオリアクター内の無血清培養培地中に哺乳類細胞培養物を確立することと、5mM以下のL-アスパラギン濃度を有する無血清灌流培地での灌流によって細胞増殖停止を誘導することが記載されている。
【0008】
以下の特許文献4には、灌流培養において、濾過膜からの透過液の流量をモニタリング測定し、透過液の流量が、タンジェンシャルフロー濾過開始時の透過液の流量の少なくとも10%以上である時点で、濾過膜を切り替える工夫が記載されている。
【0009】
以下の特許文献5には、灌流培養におけるタンジェンシャルフローろ過運転方法で、効率よく生産物を分離する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2018-76291号公報
特開2000-32977号公報
特表2014-520534号公報
特開2014-024824号公報
国際公開第2015/188009号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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