TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025076561
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-16
出願番号
2023188159
出願日
2023-11-02
発明の名称
真空バルブ
出願人
株式会社東芝
,
東芝インフラシステムズ株式会社
代理人
弁理士法人スズエ国際特許事務所
主分類
H01H
33/662 20060101AFI20250509BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】予め設定した絶縁破壊の起点となり得る部分における電界電子の放出を抑制することが可能な低コストの真空バルブを提供する。
【解決手段】一定の真空状態に維持された内部空間1fを備え、誘電性を有する絶縁容器1と、絶縁容器の内部空間に収容され、電流の通電及び遮断を行うための各種の金属部材E1,E2,5,6,7,10,11,12,13と、を具備し、内部空間に露出した金属部材の全ての面のうち、予め設定した部分には、電界電子の放出を抑制するための溶融層5p,6p,7p10p,11pが設けられ、溶融層の表面粗さにおいて、溶融層が設けられた金属部材の面に直交する方向に突出した複数のピークの平均値である算術平均粗さをRaとし、溶融層が設けられた金属部材の面に沿った方向におけるピーク相互の平均間隔をRsmとすると、Ra<Rsmなる関係を満足する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
一定の真空状態に維持された内部空間を備え、誘電性を有する絶縁容器と、
前記絶縁容器の前記内部空間に収容され、電流の通電及び遮断を行うための各種の金属部材と、を具備し、
前記内部空間に露出した前記金属部材の全ての面のうち、少なくとも予め設定した部分には、電界電子の放出を抑制するための溶融層が設けられ、
前記溶融層の表面粗さにおいて、前記溶融層が設けられた前記金属部材の前記面に直交する方向に突出した複数のピークの平均値である算術平均粗さをRaとし、前記溶融層が設けられた前記金属部材の前記面に沿った方向における前記ピーク相互の平均間隔をRsmとすると、
Ra<Rsmなる関係を満足する真空バルブ。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
予め設定した前記部分は、電圧印加時に電界が高くなる高電界部分であり、
前記高電界部分には、電圧印加時に絶縁破壊の起点となり得る部分が含まれる請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項3】
前記金属部材は、
前記絶縁容器の前記内部空間に離接可能に収容された一対の電極と、
前記絶縁容器の前記内部空間に設けられ、一対の前記電極を囲むように前記離接方向に沿って延在した筒状のアークシールドと、を有し、
一対の前記電極は、
離接可能に対向させて配置された一対の接点と、
一対の前記接点にそれぞれ1つずつ接続された一対の通電軸と、を備え、
前記溶融層は、前記アークシールド、一対の前記接点、一対の前記通電軸の全ての前記面のうち、予め設定された前記部分に設けられている請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項4】
前記絶縁容器は、その両端が開口された中空円筒形状を成していると共に、前記両端の前記開口は、封着金具を介して、封着部材によって閉塞され、
前記金属部材は、前記封着金具を介在させた前記絶縁容器と前記封着部材との接合箇所への電界集中を緩和する電界緩和シールドを有し、
前記溶融層は、前記電界緩和シールドを含めた前記アークシールド、一対の前記接点、一対の前記通電軸の全ての前記面のうち、予め設定された前記部分に設けられている請求項3に記載の真空バルブ。
【請求項5】
前記溶融層は、前記絶縁容器の前記内部空間に露出した前記金属部材の全ての前記面のうち、予め設定した前記部分に対して高エネルギービームを照射して形成され、
前記高エネルギービームには、電子ビーム、レーザービーム、イオンビーム、高周波プラズマビームが含まれる請求項1に記載の真空バルブ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、真空バルブに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ビルや大型施設に設けられる受配電用の開閉装置として、例えば、遮断器や断路器などの開閉器を具備したスイッチギヤが知られている。スイッチギヤには、開閉器の構成要素として真空バルブが適用されている。真空バルブの内部は、絶縁容器によって一定の絶縁状態に維持され、この絶縁容器の内部に一対の電極が離接可能に収容されている。この場合、一対の電極を離接操作することで、事故電流の遮断や負荷電流の開閉が行われ、スイッチギヤから電力が安定して供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-089828号公報
特開2020-042906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、真空バルブ(絶縁容器)の内部には、例えば、電極やアークシールドなどの電界が高くなる部分(例えば、高電界となる金属部材の表面)が露出しており、電圧印加時に、この部分(即ち、金属表面)から電界放射による電界電子(1次電子)が放出される。特に、当該金属表面に凹凸や微小突起が存在すると、これら凹凸や微小突起を起点として、電界が局所的に高くなり、これにより、電界電子の放出が促進され、その結果、絶縁破壊に至る場合がある。
【0005】
絶縁破壊に至るリスクを低減するには、電界電子の放出を抑制することが必要である。これに応えるものとして、上記した金属表面に対する電圧コンディショニング処理がある。電圧コンディショニング処理では、意図的に絶縁破壊を繰り返すことで、耐電圧性能(絶縁性能)を向上させる。即ち、絶縁破壊に際し、金属表面に流れる放電電流によって凹凸や微小突起を溶融させて平滑化(面粗度を小さく)させる。これにより、電界電子の放出を起こり難くさせることで、破壊電流を抑制し、破壊電圧を上昇させる。この結果、耐電圧性能(絶縁性能)が向上する。
【0006】
しかしながら、電圧コンディショニング処理では、絶縁破壊を発生させる部位(場所、位置など)を制御することができない。このため、予め設定した部分(金属表面)に対して精度よく電圧コンディショニング処理を施すことができない。これにより、電圧印加時における電界電子の放出を充分に抑制することが困難になり、その結果、耐電圧性能(絶縁性能)の向上には一定の限界があった。
【0007】
電界電子の放出を充分に抑制する方法としては、例えば、真空バルブの製造工程において、絶縁破壊の繰り返し回数を増加させればよい。しかし、そうすると、繰り返し回数を増加させた分だけ真空バルブの製造コストが上昇してしまう。
【0008】
本発明の目的は、予め設定した絶縁破壊の起点となり得る部分における電界電子の放出を抑制することが可能な低コストの真空バルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、一定の真空状態に維持された内部空間を備え、誘電性を有する絶縁容器と、絶縁容器の内部空間に収容され、電流の通電及び遮断を行うための各種の金属部材と、を具備し、内部空間に露出した金属部材の全ての面のうち、予め設定した部分には、電界電子の放出を抑制するための溶融層が設けられ、溶融層の表面粗さにおいて、溶融層が設けられた金属部材の面に直交する方向に突出した複数のピークの平均値である算術平均粗さをRaとし、溶融層が設けられた金属部材の面に沿った方向におけるピーク相互の平均間隔をRsmとすると、Ra<Rsmなる関係を満足する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施形態に係る真空バルブの内部構成図。
電界電子放出電流の開始電圧の比較図。
溶融層の表面粗さの算術平均粗さRaと平均間隔Rsmとの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社東芝
センサ
2日前
株式会社東芝
回転電機
28日前
株式会社東芝
回転電機
28日前
株式会社東芝
回転電機
28日前
株式会社東芝
真空バルブ
6日前
株式会社東芝
真空バルブ
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
半導体装置
24日前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社東芝
静止誘導電器
8日前
株式会社東芝
配線支援装置
29日前
株式会社東芝
車両システム
6日前
株式会社東芝
電力変換装置
21日前
株式会社東芝
静止誘導電器
10日前
株式会社東芝
情報表示装置
28日前
株式会社東芝
スイッチギヤ
7日前
株式会社東芝
電子計算機装置
29日前
株式会社東芝
粒子線治療装置
9日前
株式会社東芝
電池モジュール
20日前
株式会社東芝
光注入同期装置
1か月前
株式会社東芝
加速器システム
1か月前
株式会社東芝
回転電機の回転子
28日前
株式会社東芝
磁気ディスク装置
1か月前
株式会社東芝
X線厚み測定装置
2日前
株式会社東芝
紙葉類処理システム
1か月前
株式会社東芝
空転・滑走学習装置
7日前
株式会社東芝
冷房能力指標推定装置
3日前
株式会社東芝
積層造形装置及び方法
20日前
株式会社東芝
改札装置、及び改札方法
1か月前
株式会社東芝
半導体装置及び製造方法
1か月前
株式会社東芝
鉄道車両向け床下搭載装置
9日前
株式会社東芝
蓄熱システム及び蓄熱方法
20日前
株式会社東芝
蓄熱システム及び蓄熱方法
20日前
株式会社東芝
蓄熱システム及び蓄熱方法
20日前
株式会社東芝
ケーブルコネクタ保護カバー
21日前
株式会社東芝
半導体装置及びその製造方法
1か月前
続きを見る
他の特許を見る