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公開番号2025077716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023190126
出願日2023-11-07
発明の名称耐摩耗部品
出願人株式会社小松製作所,日本製鉄株式会社
代理人個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250512BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】耐久性に優れた耐摩耗部品を提供する。
【解決手段】耐摩耗部品である履帯リンク7は、特定の成分組成の鋼からなり、57HRC以上60HRC以下の硬度を有し、マルテンサイト組織を有する高硬度部7Aと、高硬度部7A以外の領域であって、高硬度部7Aよりも硬度が低く、マルテンサイト組織を有する低硬度部7Bと、を備える。高硬度部7Aは、マルテンサイトから構成される母相と、母相のラス内に分散する炭化物92と、を含む。高硬度部7Aの断面における炭化物92の面積率は9%以上である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
0.41質量%以上0.44質量%以下のCと、
0.2質量%以上0.6質量%以下のSiと、
0.2質量%以上1.5質量%以下のMnと、
0.0005質量%以上0.0050質量%以下のSと、
0.6質量%以上2.0質量%以下のNiと、
0.7質量%以上1.5質量%以下のCrと、
0.1質量%以上0.6質量%以下のMoと、
0.02質量%以上0.04質量%以下のNbと、
0.015質量%以上0.03質量%以下のTiと、
0.0005質量%以上0.0030質量%以下のBと、
20質量ppm以上120質量ppm以下のNと、を含有し、残部が鉄および不純物からなる鋼からなり、
57HRC以上60HRC以下の硬度を有し、マルテンサイト組織を有する高硬度部と、
前記高硬度部以外の領域であって、前記高硬度部よりも硬度が低く、マルテンサイト組織を有する低硬度部と、を備え、
前記高硬度部は、
マルテンサイトから構成される母相と、
前記母相のラス内に分散する炭化物と、を含み、
前記高硬度部の断面における前記炭化物の面積率は9%以上である、耐摩耗部品。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
0.41質量%以上0.44質量%以下のCと、
0.2質量%以上0.6質量%以下のSiと、
0.2質量%以上1.5質量%以下のMnと、
0.0005質量%以上0.0050質量%以下のSと、
0.6質量%以上2.0質量%以下のNiと、
0.7質量%以上1.5質量%以下のCrと、
0.1質量%以上0.6質量%以下のMoと、
0.02質量%以上0.04質量%以下のNbと、
0.015質量%以上0.03質量%以下のTiと、
0.0005質量%以上0.0030質量%以下のBと、
20質量ppm以上120質量ppm以下のNと、を含有し、さらに、
0.05質量%以上0.20質量%以下のV、0.01質量%以上0.15質量%以下のZr、0.1質量%以上2.0質量%以下のCo、0.05質量%以上0.40質量%以下のCuおよび0.005質量%以上0.050質量%以下のAlからなる群から選択される少なくとも1種、を含有し、残部が鉄および不純物からなる鋼からなり、
57HRC以上60HRC以下の硬度を有し、マルテンサイト組織を有する高硬度部と、
前記高硬度部以外の領域であって、前記高硬度部よりも硬度が低く、マルテンサイト組織を有する低硬度部と、を備え、
前記高硬度部は、
マルテンサイトから構成される母相と、
前記母相のラス内に分散する炭化物と、を含み、
前記高硬度部の断面における前記炭化物の面積率は9%以上である、耐摩耗部品。
【請求項3】
前記高硬度部および前記低硬度部はM
23


で表され、Mは前記鋼を構成する金属元素であるM
23


炭化物を含まない、請求項1または請求項2に記載の耐摩耗部品。
【請求項4】
前記高硬度部の引張試験における絞りの値は40%以上である、請求項1または請求項2に記載の耐摩耗部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、耐摩耗部品に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
油圧ショベル、ブルドーザなどの履帯式作業機械の足回りを構成する部品である履帯リンク、履帯ブシュ、履帯ピン、スプロケットティース、下転輪、上転輪、シュープレートなどの履帯部品のほか、リッパーポイント、圧砕具の歯など、土砂や鉱石、コンクリートなどの硬質の物体と接触する環境で使用される耐土砂摩耗部品を含む耐摩耗部品には、耐摩耗性および強靭性の両立による耐久性の向上が要求される。
【0003】
耐摩耗性と強靭性との両立のため、耐摩耗部品において硬化層を適切な領域に形成する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、素材として適切な成分組成を有する鋼を採用するとともに、M
23


炭化物の形成を回避することで、耐摩耗性と強靭性とを両立する技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平01-165725号公報
特開2020-029610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示された履帯部品は、耐摩耗性と強靭性とを両立することが可能な耐摩耗部品であるといえる。しかし、作業機械の自動運転、無人運転の普及により、作業機械の運転は効率が重視され、高速走行などのより過酷な条件下で作業機械が運転される場合がある。その結果、耐土砂摩耗部品を含む耐摩耗部品には、さらなる耐久性の向上が求められる。
【0006】
耐久性に優れた耐摩耗部品を提供することが、本開示の目的の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の局面に従った耐摩耗部品は、0.41質量%以上0.44質量%以下のC(炭素)と、0.2質量%以上0.6質量%以下のSi(珪素)と、0.2質量%以上1.5質量%以下のMn(マンガン)と、0.0005質量%以上0.0050質量%以下のS(硫黄)と、0.6質量%以上2.0質量%以下のNi(ニッケル)と、0.7質量%以上1.5質量%以下のCr(クロム)と、0.1質量%以上0.6質量%以下のMo(モリブデン)と、0.02質量%以上0.04質量%以下のNb(ニオブ)と、0.015質量%以上0.03質量%以下のTi(チタン)と、0.0005質量%以上0.0030質量%以下のB(硼素)と、20質量ppm以上120質量ppm以下のN(窒素)と、を含有し、残部が鉄および不純物からなる鋼からなる。この耐摩耗部品は、ロックウェル硬さ57HRC以上60HRC以下の硬度を有し、マルテンサイト組織を有する高硬度部と、高硬度部以外の領域であって、高硬度部よりも硬度が低く、マルテンサイト組織を有する低硬度部と、を備える。高硬度部は、マルテンサイトから構成される母相と、母相のラス内に分散する炭化物と、を含む。高硬度部の断面における当該炭化物の面積率は9%以上である。
【0008】
本開示の第2の局面に従った耐摩耗部品は、0.41質量%以上0.44質量%以下のCと、0.2質量%以上0.6質量%以下のSiと、0.2質量%以上1.5質量%以下のMnと、0.0005質量%以上0.0050質量%以下のSと、0.6質量%以上2.0質量%以下のNiと、0.7質量%以上1.5質量%以下のCrと、0.1質量%以上0.6質量%以下のMoと、0.02質量%以上0.04質量%以下のNbと、0.015質量%以上0.03質量%以下のTiと、0.0005質量%以上0.0030質量%以下のBと、20質量ppm以上120質量ppm以下のNと、を含有し、さらに、0.05質量%以上0.20質量%以下のV(バナジウム)、0.01質量%以上0.15質量%以下のZr(ジルコニウム)、0.1質量%以上2.0質量%以下のCo(コバルト)、0.05質量%以上0.40質量%以下のCu(銅)および0.005質量%以上0.050質量%以下のAl(アルミニウム)からなる群から選択される少なくとも1種、を含有し、残部が鉄および不純物からなる鋼からなる。この耐摩耗部品は、57HRC以上60HRC以下の硬度を有し、マルテンサイト組織を有する高硬度部と、高硬度部以外の領域であって、高硬度部よりも硬度が低く、マルテンサイト組織を有する低硬度部と、を備える。高硬度部は、マルテンサイトから構成される母相と、母相のラス内に分散する炭化物と、を含む。高硬度部の断面における当該炭化物の面積率は9%以上である。
【発明の効果】
【0009】
上記耐摩耗部品によれば、耐久性に優れた耐摩耗部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、履帯式走行装置の構造を示す概略図である。
図2は、履帯の構造の一部を示す概略斜視図である。
図3は、履帯の構造を示す概略断面図である。
図4は、履帯リンクの製造工程の概略を示すフローチャートである。
図5は、炭化物の面積率を測定するためのSEM写真である。
図6は、炭化物の面積率を測定するためのSEM写真である。
図7は、炭化物の面積率を測定するためのSEM写真である。
図8は、炭化物の面積率と絞りとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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