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公開番号
2025078483
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-20
出願番号
2023191087
出願日
2023-11-08
発明の名称
電子写真ベルト及び電子写真画像形成装置
出願人
キヤノン株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
G03G
15/16 20060101AFI20250513BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】電気抵抗の低下の抑制と成形不良の抑制を両立できる電子写真ベルトの提供。
【解決手段】電子写真ベルトであって、該電子写真ベルトは少なくとも基層を有し、該基層は、ポリエーテルエーテルケトン及びカーボンブラックを含み、該基層の質量を基準とした、該カーボンブラックの含有量が、19.0~30.0質量%であり、該カーボンブラックは、熱分解温度が700℃未満の第1のカーボンブラックと、熱分解温度が700℃以上の第2のカーボンブラックと、を含み、該基層から切り出した試料を窒素雰囲気下で特定の条件で加熱して計算した該基層の含水率が、0.60質量%以上であり、かつ、該基層の示走査熱量測定において測定される降温結晶化温度が、295.0℃以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電子写真ベルトであって、
該電子写真ベルトは少なくとも基層を有し、
該基層は、ポリエーテルエーテルケトン及びカーボンブラックを含み、
該基層の質量を基準とした、該カーボンブラックの含有量が、19.0~30.0質量%であり、
該カーボンブラックは、
熱分解温度が700℃未満の第1のカーボンブラックと、
熱分解温度が700℃以上の第2のカーボンブラックと、を含み、
該基層から切り出した試料を窒素雰囲気下で温度30℃から100℃まで20℃/minで昇温し100℃で30分間保持したときの該試料の質量をX1とし、その後、100℃から30℃まで20℃/minの割合で冷却し、さらに大気下で温度23℃、相対湿度50%の環境に48時間置いたときの該試料の質量をX2としたとき、
基層の含水率=((X2-X1)/X2)×100
によって算出される該基層の含水率が、0.60質量%以上であり、かつ、
該基層の示走査熱量測定において測定される降温結晶化温度が、295.0℃以上である、ことを特徴とする電子写真ベルト。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記第1のカーボンブラックの熱分解温度が680℃以下である、請求項1に記載の電子写真ベルト。
【請求項3】
前記第2のカーボンブラックの熱分解温度が730℃以上である、請求項1に記載の電子写真ベルト。
【請求項4】
前記第1のカーボンブラックの一次粒子の個数平均粒径が、15nm以上35nm未満である、請求項1に記載の電子写真ベルト。
【請求項5】
前記第1のカーボンブラックの下記計算式(2)によって求められる水分吸収率が、0.70質量%以上である、請求項1に記載の電子写真ベルト:
前記第1のカーボンブラックを温度23℃、相対湿度50%の条件で48時間置いた後の質量を熱重量分析装置を用いて測定し、W0とする。W0を測定した前記第1のカーボンブラックを、窒素雰囲気下で30℃から120℃まで20℃/minで昇温し温度120℃で15分間保持したときの質量を熱重量分析装置を用いて測定し、W1とする。
水分吸収率=[(W0-W1)/W0]×100 ・・・(2)。
【請求項6】
前記第2のカーボンブラックの一次粒子の個数平均粒径が、15nm以上50nm未満である、請求項1に記載の電子写真ベルト。
【請求項7】
前記基層の質量を基準とした前記第1のカーボンブラックの含有量が、18.0質量%以上である、請求項1に記載の電子写真ベルト。
【請求項8】
前記基層の質量を基準とした前記第2のカーボンブラックの含有量が、0.5質量%以上である、請求項1に記載の電子写真ベルト。
【請求項9】
前記基層は、前記ポリエーテルエーテルケトンと前記カーボンブラックとを含む樹脂組成物の円筒押出成形物である、請求項1に記載の電子写真ベルト。
【請求項10】
前記基層の表面抵抗率が、1.0×10
3
Ω/□以上、1.0×10
14
Ω/□以下である、請求項1に記載の電子写真ベルト。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真ベルト及び電子写真ベルトを具備する電子写真画像形成装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置としては、トナー像を転写材に転写する方法として、感光体上に形成したトナー像をベルト状の中間転写ベルトの上に一次転写したのちに、該トナー像を転写材上に二次転写する中間転写方式を用いるものがある。
【0003】
上記中間転写ベルトに用いられる電子写真ベルトは、感光体表面のトナー像を正確に静電的に転写材上に転写するために、半導電性領域の体積抵抗率を有することに加えて、電子写真ベルトの場所による体積抵抗率のバラツキが小さいことが好ましい。そのため、画像形成に関わる面内が実質的に均一であることが求められている。中間転写ベルトの電気抵抗値としては、例えば、体積抵抗率が1×10
8
~1×10
13
Ω・cm、表面抵抗率が1×10
9
~1×10
15
Ω/□の範囲内に調整したものが多く使用される。電気抵抗値の目標範囲は、中間転写ベルトが使用される画像形成装置の転写部構成やトナー粒子の帯電特性に合わせて最適な範囲が選択される。
【0004】
特許文献1には、導電性フィラーを含むポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を管状フィルムに押出し、次いで軸方向と直角方向に切断して得られるベルトが開示されている。また、ベルト各部の体積電気抵抗値が10
8
~10
17
Ω・cmであることが開示されている。
【0005】
しかしながら、導電性フィラーを用いて導電性を発現させた電子写真ベルトを、例えば中間転写ベルトとして、長期にわたって電子写真画像の形成に供したところ、当該電子写真ベルトの電気抵抗が低下する場合があった。このような電気抵抗の低下は以下のようなメカニズムにより発生するものと考えられている。一次転写及び二次転写時の転写電界が中間転写ベルトに繰り返し長時間かかることによりポリエーテルエーテルケトン樹脂の部分的な絶縁破壊が起こり、内部に導電パスが形成されることで、中間転写ベルトの体積抵抗が低下するというメカニズムである。ポリエーテルエーテルケトン樹脂中のカーボンブラックの凝集体の近傍や大きいサイズの凝集体同士の微小な隙間に電界が集中することによって、樹脂の部分的な絶縁破壊が起こるものと考えられる。そこで、絶縁破壊の直接的な原因となるカーボンブラックの分散性を評価することが、電気抵抗の経時安定性評価として有効であると考えられる。
【0006】
すなわち、中間転写ベルトが一次転写ローラ及び二次転写ローラと離間する部位において放電が発生し、中間転写ベルトの内部に一度に過剰な電流が流れる。このとき、導電点であるカーボンブラック間に高電圧が印加され、カーボンブラックの粒子間に介在しているバインダー樹脂が加熱され、炭化する。その結果、本来的には電気絶縁性であったカーボンブラックの粒子間が導通化し、導電性が上昇する。特許文献2は、上記した電気抵抗の低下を、カーボンブラックのバインダー樹脂中における分散性の改善によって解決できることを開示している。そのために、特許文献2はカーボンブラックとPEEKとを繰り返し(2~6回)溶融混練することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平06-254941号公報
特開2012-177811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2が開示しているバインダー樹脂とカーボンブラックとの溶融混練の繰り返しは、電子写真ベルトの製造コストを上昇させる要因となりうる。また、高温での混練の繰り返しは、バインダー樹脂を熱劣化(熱分解や酸化による架橋)させ、電子写真ベルトの強度の低下を招来することが懸念される。さらに、カーボンブラックの分散性を高度に向上させても全てのカーボンブラックの粒子間距離を等しくすることは困難である。そのため、中間転写ベルトに過剰な電流が流れたときには、相対的に距離が近いカーボンブラックの粒子間に高電圧が印加される。そのため、当該カーボンブラックの粒子間に介在しているバインダー樹脂の炭化を完全に防ぐことは困難である。そこで、本発明者らは、カーボンブラックの分散性の向上以外の方法によってバインダー樹脂の炭化に起因する導電性の変化(向上)を抑制する技術の開発が必要であると認識した。
【0009】
さらに、カーボンブラックを含有させた電子写真ベルトにおいて、ベルト成形時にベルトの厚みが不安定となって成形不良が生じる場合があることもわかってきた。
本開示の少なくとも一つの態様は、電気抵抗の低下の抑制と成形不良の抑制を両立できる電子写真ベルトに向けたものである。また、本開示の少なくとも一つの態様は、中間転写ベルトとして該電子写真ベルトを備えた画像形成装置に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の少なくとも一つの態様によれば、電子写真ベルトであって、
該電子写真ベルトは少なくとも基層を有し、
該基層は、ポリエーテルエーテルケトン及びカーボンブラックを含み、
該基層の質量を基準とした、該カーボンブラックの含有量が、19.0~30.0質量%であり、
該カーボンブラックは、
熱分解温度が700℃未満の第1のカーボンブラックと、
熱分解温度が700℃以上の第2のカーボンブラックと、を含み、
該基層から切り出した試料を窒素雰囲気下で温度30℃から100℃まで20℃/minで昇温し100℃で30分間保持したときの該試料の質量をX1とし、その後、100℃から30℃まで20℃/minの割合で冷却し、さらに大気下で温度23℃、相対湿度50%の環境に48時間置いたときの該試料の質量をX2としたとき、
基層の含水率=((X2-X1)/X2)×100
によって算出される該基層の含水率が、0.60質量%以上であり、かつ、
該基層の示走査熱量測定において測定される降温結晶化温度が、295.0℃以上である電子写真ベルトが提供される。
(【0011】以降は省略されています)
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