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公開番号2025079353
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-22
出願番号2023191908
出願日2023-11-10
発明の名称液体組成物の製造方法、及びインクジェット記録方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 11/322 20140101AFI20250515BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】所望の色再現性を得るために2種以上の異なる結晶型の銅フタロシアニンブルー顔料を混合させた液体組成物における顔料の分散安定性を向上させることが可能な液体組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】α型銅フタロシアニンブルー、β型銅フタロシアニンブルー、及びε型銅フタロシアニンブルーから選ばれる顔料のうち、結晶構造が互いに異なる第1の顔料及び第2の顔料の少なくとも2種の顔料を含有する液体組成物の製造方法である。この液体組成物の製造方法は、第1の顔料及び第2の顔料の顔料混合物を得る混合工程と、樹脂を用いて顔料混合物を分散媒体に分散させる分散工程と、を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
α型銅フタロシアニンブルー、β型銅フタロシアニンブルー、及びε型銅フタロシアニンブルーから選ばれる顔料のうち、結晶構造が互いに異なる第1の顔料及び第2の顔料の少なくとも2種の顔料を含有する液体組成物の製造方法であって、
前記第1の顔料及び前記第2の顔料の顔料混合物を得る混合工程と、
樹脂を用いて前記顔料混合物を分散媒体に分散させる分散工程と、
を含むことを特徴とする液体組成物の製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記混合工程は、前記第1の顔料、前記第2の顔料、水溶性無機塩、及び有機溶剤を含む混合物を混練して混練物を得るソルトミリング法による混練工程を含む請求項1に記載の液体組成物の製造方法。
【請求項3】
前記混練工程における、前記水溶性無機塩の使用量が、前記第1の顔料及び前記第2の顔料の合計使用量に対する質量比率で、5.0倍以上10.0倍以下である請求項2に記載の液体組成物の製造方法。
【請求項4】
前記顔料混合物の平均一次粒子径が、50nm以下である請求項1に記載の液体組成物の製造方法。
【請求項5】
インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体組成物の製造方法により得られた液体組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体組成物の製造方法、及びインクジェット記録方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、普通紙などを記録媒体として用いるビジネス文書、光沢紙などを記録媒体として用いる写真画像の記録を行うのにインクジェット記録方法が利用されており、その使用頻度は格段に高まってきている。インクジェット記録方法を用いて画像を記録する際に使用する色材としては、高い堅牢性の点から顔料を用いることが主流となってきている。しかし、色材として顔料を含有するインクを用いる場合、色材として染料を含有するインクを用いる場合に比べて、色再現性の範囲が劣る。そこで、顔料を一次粒子径が20nm以上100nm以下程度まで粉砕して微粒子化した顔料を使用することが主流となりつつある。顔料を微細化する方法は数多く存在するが、ソルベントソルトミリングなどの湿式混練粉砕や、乾式粉砕などが広く行われている(特許文献1)。
【0003】
一方、目的とする色再現性を得るために、様々な顔料の組み合わせが提案されている。青色領域で主に使われている銅フタロシアニンブルー系有機顔料には、赤味青のα型結晶や緑味青のβ型結晶、赤味の強い赤青のε型結晶が存在している。それにも関わらず、鮮明性の観点から、β型の銅フタロシアニンブルー系有機顔料が広く使用されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6393257号公報
特開平11-143130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の提案のように青色領域においてβ型銅フタロシアニンブルーのみをインクとして使用した場合、所望の色相が得られない場合がある。そこで、2種の異なる結晶型を混合することで、所望の色再現性を得る方法が考えられる。しかし、顔料が液媒体中で分散されている液体組成物を複数種混合させた場合、混合後の液体組成物における顔料の分散安定性が、混合する前の個々の液体組成物における顔料の分散安定性よりも低下してしまう場合がある。本発明者らの検討の結果、特に、顔料の一次粒子径が50nm以下である、異なる結晶型の銅フタロシアニンブルー顔料が分散された液体組成物を混合させた場合、分散安定性が著しく低下する現象が確認された。
【0006】
したがって、本発明の目的は、所望の色再現性を得るために2種以上の異なる結晶型の銅フタロシアニンブルー顔料を混合させた液体組成物における顔料の分散安定性を向上させることが可能な液体組成物の製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の製造方法で得られた液体組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、α型銅フタロシアニンブルー、β型銅フタロシアニンブルー、及びε型銅フタロシアニンブルーから選ばれる顔料のうち、結晶構造が互いに異なる第1の顔料及び第2の顔料の少なくとも2種の顔料を含有する液体組成物の製造方法であって、前記第1の顔料及び前記第2の顔料の顔料混合物を得る混合工程と、樹脂を用いて前記顔料混合物を分散媒体に分散させる分散工程と、を含むことを特徴とする液体組成物の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所望の色再現性を得るために2種以上の異なる結晶型の銅フタロシアニンブルー顔料を混合させた液体組成物における顔料の分散安定性を向上させることが可能な液体組成物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記の製造方法で得られた液体組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
【0010】
銅フタロシアニンブルーは、同質異晶を示し、α型、β型、γ型、δ型、及びε型などの結晶構造がある。これらの結晶構造は、X線回折による結晶構造解析によって、格子定数や傾斜角が求められており、回折面に対する回折角の実測値と面間隔により、結晶型が定義される。特に、α型銅フタロシアニンブルーでは、X線回折スペクトルにより求められるブラッグ角2θは6.8°、7.4°、26.6°、27.5°を示す。β型銅フタロシアニンブルーのブラッグ角2θは、7.0°、9.0°、23.7°を示し、ε型銅フタロシアニンブルーのブラッグ角2θは、7.6°、9.2°、23.0°を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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