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公開番号2025086001
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023199748
出願日2023-11-27
発明の名称乾式打錠により製造した錠菓
出願人浜田食品工業株式会社
代理人個人,個人
主分類A23G 3/42 20060101AFI20250530BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】乾式打錠した錠菓でありながら、従来にない柔らかい食感の錠菓を提供すること。
【解決手段】アルファ化米粉の含有率が5~90重量%の錠菓で、錠菓の密度が1.1~1.7g/cm3で、硬度が8~22Nである、錠菓。アルファ化米粉の含有率が5~90重量%の錠菓で、アルファ化米粉を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、この粉体を乾式打錠してなる、錠菓。
本発明によれば、乾式打錠した錠菓でありながら、従来にない柔らかい食感の錠菓を提供できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルファ化澱粉の含有率が4~80重量%の錠菓で、
錠菓の密度が1.1~1.7g/cm

で、
硬度が8~22Nである、錠菓。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
アルファ化米粉の含有率が5~90重量%の錠菓で、
錠菓の密度が1.1~1.7g/cm

で、
硬度が8~22Nである、錠菓。
【請求項3】
アルファ化澱粉の含有率が4~80重量%の錠菓で、
打錠に供する、粉体の密度が0.2~0.7g/cm

で、
錠菓の密度が1.1~1.7g/cm

である、錠菓。
【請求項4】
アルファ化米粉の含有率が5~90重量%の錠菓で、
打錠に供する、粉体の密度が0.2~0.7g/cm

で、
錠菓の密度が1.1~1.7g/cm

である、錠菓。
【請求項5】
アルファ化澱粉の含有率が4~80重量%の錠菓で、
アルファ化澱粉を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、この粉体を乾式打錠してなる、錠菓。
【請求項6】
アルファ化米粉の含有率が5~90重量%の錠菓で、
アルファ化米粉を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、この粉体を乾式打錠してなる、錠菓。
【請求項7】
錠菓の製造方法で、
アルファ化澱粉4~80重量%を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、
該粉体を乾式打錠する、錠菓の製造方法。
【請求項8】
錠菓の製造方法で、
アルファ化米粉5~90重量%を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、
該粉体を乾式打錠する、錠菓の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式打錠により製造した錠菓に関する。さらに詳しくは、食感の柔らかい、乾式打錠により製造した錠菓に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
錠菓であるラムネ菓子は、ブドウ糖や粉砂糖などの糖類、澱粉、酸味料、結合剤などを混合して造粒し顆粒などの粉体とし、この粉体に残りの原料である滑沢剤や香料などを加えて高圧で打錠して、製造することができる。この方法で製造したラムネ菓子は、硬度の高いラムネ菓子で柔らかいものでなく、崩壊性の良いものでもない。
【0003】
上記のように乾いた粉体を高圧で打錠する乾式打錠に対し、湿った粉体を低圧で打錠し、打錠後に乾燥させる、湿式打錠で製造するラムネ菓子がある。この方法で製造したラムネ菓子は、一般的に、乾式打錠ラムネよりは柔らかく、かつ、崩壊性の良いものであるが、比重が小さく、表面に凹凸があり滑らかでないなど、乾式打錠したラムネ菓子とは、そもそも、異なるものである。また、湿式打錠は成形速度が遅いためラムネ菓子の生産性が低下する、乾燥設備を設ける必要がある、輸送中に割れ、欠けが起こりやすい、という問題点がある。
【0004】
一方、錠菓や錠剤の原料として、アルファ化澱粉や部分アルファ化澱粉を使用するものが存在する(特許文献1の例えば[0045]、特許文献2の例えば[0082])。これらアルファ化デンプンの使用は、結合剤や賦形剤としての使用と考えられ、錠菓や錠剤の硬度を高くするための使用で、アルファ化澱粉の含有量も比較的少ないと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-129776号公報
特許第6606287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、乾式打錠した錠菓でありながら、従来にない柔らかい食感の錠菓を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、錠菓の原料としてアルファ化澱粉を使用するとともに、打錠に供する粉体の製造方法に流動層造粒法を用いることで、従来にない柔らかい食感の乾式打錠した錠菓を製造できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.アルファ化澱粉の含有率が4~80重量%の錠菓で、
錠菓の密度が1.1~1.7g/cm

で、
硬度が8~22Nである、錠菓。
2.アルファ化米粉の含有率が5~90重量%の錠菓で、
錠菓の密度が1.1~1.7g/cm

で、
硬度が8~22Nである、錠菓。
3.アルファ化澱粉の含有率が4~80重量%の錠菓で、
打錠に供する、粉体の密度が0.2~0.7g/cm

で、
錠菓の密度が1.1~1.7g/cm

である、錠菓。
4.アルファ化米粉の含有率が5~90重量%の錠菓で、
打錠に供する、粉体の密度が0.2~0.7g/cm

で、
錠菓の密度が1.1~1.7g/cm

である、錠菓。
5.アルファ化澱粉の含有率が4~80重量%の錠菓で、
アルファ化澱粉を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、この粉体を乾式打錠してなる、錠菓。
6.アルファ化米粉の含有率が5~90重量%の錠菓で、
アルファ化米粉を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、この粉体を乾式打錠してなる、錠菓。
7.錠菓の製造方法で、
アルファ化澱粉4~80重量%を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、
該粉体を乾式打錠する、錠菓の製造方法。
8.錠菓の製造方法で、
アルファ化米粉5~90重量%を含む混合物から、流動層造粒法により粉体を製造し、
該粉体を乾式打錠する、錠菓の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乾式打錠した錠菓でありながら、従来にない柔らかい食感の錠菓を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
1.本発明の錠菓について
(1)錠菓の密度について
錠菓には、乾式打錠で製造されるものと湿式打錠で製造されるものがある。乾式打錠は乾いた粉体を高圧で打錠するもので、製造された錠菓は表面が平滑となり、密度が高い。乾式打錠で製造された錠菓はタブレットと呼ばれることもある。湿式打錠は湿った粉体を低圧で打錠後、乾燥させるもので、製造された錠菓は表面に凹凸があり、密度が低い。
実際、密度について、発明者が製造した乾式打錠で製造されたラムネ菓子と、市販されている湿式打錠で製造されたラムネ菓子の密度を比較したところ、乾式打錠した錠菓は1.2~1.5g/cm

の密度範囲(表1)であり、湿式打錠した錠菓は0.7~0.9g/cm

の密度の範囲(表2)あった。また、乾式打錠した錠菓の密度は1.1~1.7g/cm

、より限定すれば1.1~1.5g/cm

程度といわれている。さらに、実施例で示す本発明の錠菓の密度は、例えば、1.2g/cm

で上記乾式打錠した錠菓の密度範囲に入っていた(表4欄外)。
乾式打錠した錠菓は、湿式打錠した錠菓とは、密度、表面の平滑度など異なり、そもそも、別のものであるが、あえて湿式打錠した錠菓と比べれば、乾式打錠は、成形速度が速く錠菓の生産性が高い、打錠後に乾燥設備を設ける必要がない、輸送中に割れ・欠けが起こりにくいという利点がある。
【0010】
(2)錠菓の原料と硬度について
錠菓の原料は、澱粉の他に、より好ましくは糖類、酸味料、結合剤、滑沢剤、香料である。澱粉は澱粉そのものの他に、澱粉を含む各粉を用いてもよい。
本発明では、澱粉に、アルファ化澱粉を用いる。アルファ化澱粉の含有率は、4~80重量%、より好ましくは6~45重量%、特に好ましくは8~18重量%である。アルファ化澱粉を含む粉には、アルファ化米粉、アルファ化コーンスターチ、アルファ化タピオカスターチなど各種あるが、これらは純粋なものを原料としても、澱粉以外の成分も含まれてしまうので、例えばアルファ化米粉の含有量は、澱粉より多い、5~90重量%、より好ましくは7.5~50重量%、特に好ましくは10~20重量%とする。
米、コーン、タピオカのみを製粉した場合に、澱粉以外に含まれるものは、蛋白質、水などで、本発明で用いた各粉における澱粉の含有率はおよそ85重量%である。原料の種類や製造方法による澱粉含有率のバラツキを考慮し、実験で示唆された好ましいアルファ化米粉の重量%からアルファ化澱粉の重量%を規定することができる。
また、本発明で、アルファ化澱粉は澱粉そのもの、アルファ化米粉は米のみを原料として製粉したもので含有率を計算する。他の粉が混ざっていても、アルファ化澱粉、アルファ化米粉として称して販売されることもあるが、当然ながら、この場合その中に含まれるアルファ化澱粉、アルファ化米粉の量を計算して、含有率とする。
各成分の含有率は、配合時のものであるが、製造工程で多少の水分変化、篩を使ったダマ取りによる重量減少はあるものの、大きな変化はなく、製造された錠菓における含有率もほぼ同様と考えてよい。
一般に錠菓や錠剤の製造において、硬度を高くするために、結合剤や賦形剤としてアルファ化澱粉を少量混合することがあるが、驚くべきことに、本発明では、それより多めのアルファ化澱粉を混合することで、逆に、硬度が低くなるすなわち柔らかい食感の錠菓を製造することができることがわかった。本発明では、アルファ化澱粉を主原料の1つとして使用するので、その含有率は、結合剤や賦形剤として使用するときより、高いと考えられる。
さらにアルファ化澱粉に相当するものとして、アルファ化米粉を使用すると、より好ましい。アルファ化米粉を使用すると、アルファ化コーンスターチ、アルファ化タピオカスターチを使用したときと比べ、さらに硬度を低下させることができる(実施例1 結果(II))。
アルファ化米粉を用いる場合は、うるち米、もち米いずれを原料としたものでもよいし、米粉以外のアルファ化澱粉を共に用いることも可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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