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公開番号2025086434
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200386
出願日2023-11-28
発明の名称触媒層付電解質膜、膜電極接合体および燃料電池
出願人東レ株式会社
代理人
主分類H01M 8/1004 20160101AFI20250602BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】発電性能が高められた、炭化水素系高分子電解質膜を用いた触媒層付電解質膜を提供する。
【解決手段】
電解質膜の一方の面にカソード触媒層、他方の面にアノード触媒層を備えた触媒層付電解質膜であって、前記電解質膜は、炭化水素系高分子電解質を含み、その厚み(TM)は20μm未満であり、前記カソード触媒層の厚み(TC)と前記アノード触媒層の厚み(TA)との比率(TA/TC)が0.40未満である、触媒層付電解質膜。
【選択図】なし。
特許請求の範囲【請求項1】
電解質膜の一方の面にカソード触媒層を、他方の面にアノード触媒層をそれぞれ備えた触媒層付電解質膜であって、
前記電解質膜は、炭化水素系高分子電解質を含み、
前記電解質膜の厚み(TM)は20μm未満であり、
前記カソード触媒層の厚み(TC)と前記アノード触媒層の厚み(TA)との比率(TA/TC)が0.40未満である、触媒層付電解質膜。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記カソード触媒層の厚み(TC)が8μm以上20μm未満であり、前記アノード触媒層の厚み(TA)が0.3μm以上4μm未満である、請求項1に記載の触媒層付電解質膜。
【請求項3】
前記電解質膜の厚み(TM)と前記アノード触媒層の厚み(TA)との比率(TA/TM)が0.50以下である、請求項1に記載の触媒層付電解質膜。
【請求項4】
前記電解質膜の厚み(TM)と前記カソード触媒層の厚み(TC)との比率(TC/TM)が0.60以上である、請求項1に記載の触媒層付電解質膜。
【請求項5】
前記比率(TA/TC)が0.03以上である、請求項1に記載の触媒層付電解質膜。
【請求項6】
前記カソード触媒層および前記アノード触媒層がそれぞれ炭素粒子に白金が担持された白金担持炭素粒子を含む、請求項1に記載の触媒層付電解質膜。
【請求項7】
前記白金担持粒子の質量に対する白金質量の比率(白金担持率)が25質量%以上60質量%未満である、請求項6に記載の触媒層付電解質膜。
【請求項8】
前記カソード触媒層およびアノード触媒層がそれぞれさらに高分子電解質を含み、各触媒層について、前記白金担持炭素粒子における炭素粒子の質量を(C)、前記高分子電解質の質量を(I)とすると、両者の比率(I/C)が、前記カソード触媒層および前記アノード触媒層のいずれにおいても0.6~1.4である、請求項6に記載の触媒層付電解質膜。
【請求項9】
前記カソード触媒層に含まれる白金の単位面積当たり質量を(CPt)、前記アノード触媒層に含まれる白金の単位面積当たり質量を(APt)とすると、両者の比率(APt/CPt)が0.9未満である、請求項6に記載の触媒層付電解質膜。
【請求項10】
前記(CPt)が0.15mg/cm

以上1.3mg/cm

未満であり、前記(APt)が0.03mg/cm

以上0.3mg/cm

未満である、請求項9に記載の触媒層付電解質膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒層付電解質膜、膜電極接合体および燃料電池に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
燃料電池は、水素、メタノールなどの燃料を電気化学的に酸化することによって電気エネルギーを取り出す一種の発電装置であり、近年、クリーンなエネルギー供給源として注目されている。
【0003】
燃料電池は通常、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)がセパレータによって挟まれたセルをユニットとして構成されている。MEAは、電解質膜の両面に触媒層が積層された触媒層付電解質膜(Catalyst Coated Membrane:CCM)と、その両側にガス拡散層が配置された構成となっている。電解質膜を挟んで両側に配置された触媒層とガス拡散層とで一対の電極が構成され、そのうちの一方がアノード電極、他方がカソード電極となる。燃料電池では、アノード電極に水素などの燃料ガスが接触するとともに、カソード電極に酸素や空気が接触することにより電気化学反応によって電力が作り出される。このとき、カソード電極では電池反応によって水が生成する。
【0004】
従来、上記電解質膜として、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーなどのフッ素系ポリマーを使用したフッ素系高分子電解質膜が広く用いられており、触媒層もフッ素系高分子電解質膜に合わせた設計となっている。
【0005】
一方、フッ素系高分子電解質膜は、高価であること、ガスバリア性が低いこと、高温時機械的強度が比較的低いこと、などの課題があり、フッ素系高分子電解質膜に替えて炭化水素系高分子電解質膜の使用が検討されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-167820号公報
特開2016-195046号公報
特表2015-519681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
炭化水素系高分子電解質膜は、上記したようなフッ素系高分子電解質解質膜の課題解決が期待できる。しかし、一方、炭化水素系高分子電解質膜に従来の触媒層を単に適用しても、発電性能が十分に得られないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、発電性能が高められた、炭化水素系高分子電解質膜を用いた触媒層付電解質膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題が、炭化水素系高分子電解質膜はフッ素系高分子電解質膜に比べて水透過性が小さいことが関与していることを突き止め、本発明を成すに至った。本発明の触媒層付電解質膜は、上記目的を達成するために、以下の構成を採る。すなわち、
[1]電解質膜の一方の面にカソード触媒層を、他方の面にアノード触媒層をそれぞれ備えた触媒層付電解質膜であって、
前記電解質膜は、炭化水素系高分子電解質を含み、
前記電解質膜の厚み(TM)は20μm未満であり、
前記カソード触媒層の厚み(TC)と前記アノード触媒層の厚み(TA)との比率(TA/TC)が0.40未満である、触媒層付電解質膜である。
[2]前記カソード触媒層の厚み(TC)が8μm以上20μm未満であり、前記アノード触媒層の厚み(TA)が0.3μm以上4μm未満である、[1]に記載の触媒層付電解質膜。
[3]前記電解質膜の厚み(TM)と前記アノード触媒層の厚み(TA)との比率(TA/TM)が0.50以下である、[1]または[2]に記載の触媒層付電解質膜。
[4]前記電解質膜の厚み(TM)と前記カソード触媒層の厚み(TC)との比率(TC/TM)が0.60以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜。
[5]前記比率(TA/TC)が0.03以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜。
[6]前記カソード触媒層および前記アノード触媒層がそれぞれ炭素粒子に白金が担持された白金担持炭素粒子を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜。
[7]前記白金担持粒子の質量に対する白金質量の比率(白金担持率)が25質量%以上60質量%未満である、[6]に記載の触媒層付電解質膜。
[8]前記カソード触媒層およびアノード触媒層がそれぞれさらに高分子電解質を含み、各触媒層について、前記白金担持炭素粒子における炭素粒子の質量を(C)、前記高分子電解質の質量を(I)とすると、両者の比率(I/C)が、前記カソード触媒層および前記アノード触媒層のいずれにおいても0.6~1.4である、[6]または[7]に記載の触媒層付電解質膜。
[9]前記カソード触媒層に含まれる白金の単位面積当たり質量を(CPt)、前記アノード触媒層に含まれる白金の単位面積当たり質量を(APt)とすると、両者の比率(APt/CPt)が0.9未満である、[6]~[8]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜。
[10]前記(CPt)が0.15mg/cm

以上1.3mg/cm

未満であり、前記(APt)が0.03mg/cm

以上0.3mg/cm

未満である、[9]に記載の触媒層付電解質膜。
[11]前記電解質膜の下記条件で測定および算出された水蒸気透過率(WR)が、1.7×10
-5
cm

・cm/(cm

・cmHg・s)以下である、[1]~[10]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜。
<水蒸気透過率の測定条件および算出方法>
カソードを55%RH、アノードを0%RHとしたときの、85℃での水のカソードからアノードへの透過速度(cm

/s)を測定し、前記透過速度(cm

/s)と、電解質膜の厚み(cm)と、差圧(cmHg)と、透過面積(cm

)とから、下記算出式により求める;
<算出式>
水蒸気透過率(cm

・cm/(cm

・cmHg・s))=
{水蒸気透過速度(cm

/s)×電解質膜の厚み(cm)}/{(ガス圧力差(cmHg)×透過面積(cm

))}。
[12]前記炭化水素系高分子電解質の一部もしくは全部が芳香族炭化水素系ポリマーである、[1]~[11]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜。
[13]前記芳香族炭化水素系ポリマーの一部もしくは全部がポリエーテルケトン系ポリマーである、[12]に記載の触媒層付電解質膜。
[14]前記芳香族炭化水素系ポリマーがイオン性セグメントと非イオン性セグメントとのブロック共重合体である、[12]または[13]に記載の触媒層付電解質膜。
[15]前記電解質膜が多孔質基材を含む、[1]~[14]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜。
[16]前記電解質膜が、多孔質基材と高分子電解質を含む複合層の片面もしくは両面に高分子電解質層を有する、[1]~[15]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜。
[17][1]~[16]のいずれかに記載の触媒層付電解質膜の両面にそれぞれガス拡散層が配置されてなる、膜電極接合体。
[18][17]に記載の膜電極接合体を含む、燃料電池。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、発電性能が高められた、炭化水素系高分子電解質膜を用いた触媒層付電解質膜を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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