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公開番号2025086506
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200519
出願日2023-11-28
発明の名称金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法およびシステム
出願人横浜ゴム株式会社,国立大学法人 筑波大学
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類G01N 23/046 20180101AFI20250602BHJP(測定;試験)
要約【課題】X線透過画像での高分子材料製品の構造の情報を損なうことなく、金属部材に起因するノイズを低減できる高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法およびシステムを提供する。
【解決手段】金属部材Mを有するゴム製品RのX線透過画像データDをX線CT装置2によって取得し、パラメータを調節して入力部10から演算処理部7に入力する調節工程と、画像データDの所定の特徴を示す特徴量をパラメータに基づいて小さくする条件下で、画像データDとの誤差を最小化する出力画像データD1を演算処理部7により生成して出力部11に出力する生成工程とを繰り返して、出力画像データD1でのゴム製品Rを含む物体要素Raに対応する各画素の画素値が物体要素Ra以外の空間に対応する各画素の画素値よりも高くなるパラメータを特定し、特定したパラメータに基づいて生成した出力画像データD1をノイズ要素Zを低減した再構成画像データD2として出力部11に出力する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像データを取得し、演算装置により前記X線透過画像データを再構成してノイズを低減した再構成画像を出力する金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法において、
前記演算装置による前記X線透過画像データの再構成に用いるパラメータを調節する調節工程と、前記演算装置により、前記X線透過画像データの所定の特徴を示す特徴量を前記パラメータに基づいて小さくする条件下で、前記X線透過画像データとの誤差を最小化する出力画像データを生成して出力する生成工程と、を繰り返すことにより、
前記出力画像データでの前記高分子材料製品を含む物体要素に対応するそれぞれの画素の画素値が前記物体要素以外の空間に対応するそれぞれの画素の画素値よりも高くなる前記パラメータを特定し、この特定した前記パラメータに基づいて生成した前記出力画像データを再構成画像データとして出力する金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記生成工程では、前記X線透過画像データの隣接するそれぞれの前記画素どうしの画素値の差分を小さくする全変動正則化を用いて、前記パラメータとして前記全変動正則化に対する重み係数を用いる請求項1に記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
【請求項3】
前記生成工程では、フーリエ変換して得られるパワースペクトルでの周波数成分を小さくする周波数フィルタリングを用いて、前記パラメータとして前記周波数フィルタリングの前後のサンプリング比率を用いる請求項1に記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
【請求項4】
前記生成工程では、前記X線透過画像データの隣接するそれぞれの前記画素どうしの画素値の差分を小さくする全変動正則化と、フーリエ変換して得られるパワースペクトルでの周波数成分を小さくする周波数フィルタリングとを用いて、前記パラメータとして前記全変動正則化、前記周波数フィルタリングのそれぞれに対する重み係数と前記周波数フィルタリングの前後のサンプリング比率とを用いる請求項1に記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
【請求項5】
前記生成工程では、前記X線透過画像データの隣接するそれぞれの前記画素どうしの画素値の差分を小さくする全変動正則化と、前記X線透過画像データの全画素値の絶対値の合計を正規化するL1正規化と、フーリエ変換して得られるパワースペクトルでの周波数成分を小さくする周波数フィルタリングとを用いて、前記パラメータとして、前記全変動正則化、前記L1正規化、前記周波数フィルタリングのそれぞれに対する重み係数と前記周波数フィルタリングの前後のサンプリング比率とを用いる請求項1に記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
【請求項6】
前記生成工程では、前記全変動正規化、前記L1正規化、および、前記周波数フィルタリングを所定の順で個別に行う請求項5に記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
【請求項7】
前記生成工程では、前記全変動正規化、前記L1正規化、および、前記周波数フィルタリングを一つの式を用いて同時に行う請求項5に記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
【請求項8】
前記高分子材料製品がタイヤであり、前記X線透過画像データには前記タイヤのビード部またはベルト層の少なくとも一方の画像が含まれている請求項1、4または5のいずれかに記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
【請求項9】
1つの前記X線透過画像データの中の1つの限定領域または複数の限定領域の前記再構成画像データを出力し、複数の前記限定領域の前記再構成画像データを出力する場合は、それぞれの前記限定領域毎に、前記調節工程および前記生成工程を繰り返して前記パラメータを特定する請求項1、4または5のいずれかに記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
【請求項10】
過去に取得した多数の前記X線透過画像データと、そのX線透過画像データを再構成する際に特定した前記パラメータとの関係を示す学習データを前記演算装置に記憶しておき、
新たな前記X線透過画像データを再構成する際には、前記学習データに基づいて前記演算装置によりデータ処理することにより新たな前記X線透過画像データの再構成に用いる前記パラメータの初期値を設定する請求項1、4または5のいずれかに記載の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法およびシステムに関し、より詳しくは、X線透過画像での高分子材料製品の構造の情報を損なうことなく、金属部材に起因するノイズを低減できる金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法およびシステムに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
X線CT装置などにより取得されるX線透過画像は、物体内部の状態を非破壊で把握できるので医療分野をはじめとして様々な産業分野で利用されている。例えば、医療分野では、医用画像のノイズを低減する画像処理方法が種々提案されている(特許文献1参照)。医用画像ではノイズの発生源が少なく限定的であるので、特許文献1で提案されているように、ノイズの位置を単純に検出して所定の画像処理をすることにより、そのノイズが低減された医用画像を得ることができる。
【0003】
一方、タイヤ、コンベヤベルト、ゴムホースなどのゴム製品には、スチールコードなどの金属部材が広い領域および/または複数領域に存在している。このようにゴムなどの高分子材料製品には補強などを目的として金属部材が使用されている。金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像では、金属部材に起因するノイズ(例えば、放射状のメタルアーティファクト)が発生する。これに伴い、金属部材の周辺でハレーションが生じてその周辺の高分子材料製品などが暗くなったり、空気部分にノイズが生じて金属部材やその周辺の形状が不鮮明になったりする。金属部材に起因する様々なノイズが発生するX線透過画像には、特許文献1で提案されている方法を単純に適用することができない。また、このようなX線透過画像に対してガウシアンフィルタのような画像処理をすると、高分子材料製品の輪郭がぼやけて高分子材料製品の構造を正確に把握できない。それ故、X線透過画像での高分子材料製品の構造の情報を損なうことなく、金属部材に起因するノイズを低減して、高分子材料製品の構造を正確に把握できるX線透過画像を得るには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-069667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、X線透過画像での高分子材料製品の構造の情報を損なうことなく、金属部材に起因するノイズを低減できる金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法は、金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像データを取得し、演算装置により前記X線透過画像データを再構成してノイズを低減した再構成画像を出力する金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法において、前記演算装置による前記X線透過画像データの再構成に用いるパラメータを調節する調節工程と、前記演算装置により、前記X線透過画像データの所定の特徴を示す特徴量を前記パラメータに基づいて小さくする条件下で、前記X線透過画像データとの誤差を最小化する出力画像データを生成して出力する生成工程と、を繰り返すことにより、前記出力画像データでの前記高分子材料製品を含む物体要素に対応するそれぞれの画素の画素値が前記物体要素以外の空間に対応するそれぞれの画素の画素値よりも高くなる前記パラメータを特定し、この特定した前記パラメータに基づいて生成した前記出力画像データを再構成画像データとして出力することを特徴とする。
【0007】
本発明の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理システムは、金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像データを取得するX線コンピュータ断層撮影装置と、前記X線透過画像データを再構成するデータ処理を行ってノイズが低減された再構成画像を出力する演算装置とを備えた金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理システムにおいて、前記演算装置は、前記X線透過画像データの再構成に用いるパラメータを入力部と、前記X線透過画像データの所定の特徴を示す特徴量を前記パラメータに基づいて小さくする条件下で、前記X線透過画像データとの誤差を最小化する出力画像データを生成する演算処理部と、生成した前記出力画像を出力する出力部とを有し、前記入力部により前記パラメータを調節して入力する調節工程と、前記演算処理部により前記出力画像を生成して前記出力部に出力する生成工程と、が繰り返し行われて、前記出力画像データでの前記高分子材料製品を含む物体要素に対応するそれぞれの画素の画素値が前記物体要素以外の空間に対応するそれぞれの画素の画素値よりも高くなる前記パラメータが特定されて、この特定された前記パラメータに基づいて生成した前記出力画像データが再構成画像データとして前記出力部に出力される構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、前記パラメータを調節して、前記出力画像データでの前記金属部材に起因するノイズ(メタルアーティファクト)の特徴を示す特徴量の低減具合を調節することで、前記高分子材料製品を含む物体要素の特徴を示す特徴量を相対的に増加させる。そして、前記パラメータを調節する前記調節工程と、前記出力画像データを生成および出力する前記生成工程とを繰り返して、前記高分子材料製品を含む物体要素に対応するそれぞれの画素の画素値が、物体要素以外の空間(背景)に対応するそれぞれの画素の画素値よりも高くなるパラメータを特定する。特定したパラメータに基づいて生成された再構成画像データでは、前記ノイズが低減されつつ、物体要素と空間との境界がより明確になる。したがって、X線透過画像では、高分子材料製品の構造の情報が大きく損なわれることなく、前記ノイズが効果的に低減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
高分子材料製品のX線透過画像の画像処理システムの実施形態を例示する説明図である。
高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法の実施形態の手順を例示するフロー図である。
疑似的に作成したX線透過画像データを例示する説明図である。
数式(1)を用いて図3の画像データを再構成した再構成画像データを例示する説明図である。
数式(2)を用いて図3の画像データを再構成した再構成画像データを例示する説明図である。
数式(3)を用いて図3の画像データを再構成した再構成画像データを例示する説明図である。
数式(4)を用いて図3の画像データを再構成した再構成画像データを例示する説明図である。
別の実施形態の手順を例示するフロー図である。
学習データを例示する説明図である。
別の学習データを例示する説明図である。
さらに別の学習データを例示する説明図である。
実施例でのX線透過画像データを例示する説明図である。
図12のX線透過画像データの再構成画像データを例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の金属部材を有する高分子材料製品のX線透過画像の画像処理方法およびシステムを、図に示す実施形態に基づいて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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