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公開番号
2025087841
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-10
出願番号
2025035592,2022187671
出願日
2025-03-06,2016-04-07
発明の名称
抗ソルチリン抗体及びその使用方法
出願人
アレクトル エルエルシー
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C07K
16/28 20060101AFI20250603BHJP(有機化学)
要約
【課題】ソルチリン活性に関連する1つ以上の疾患、障害及び病態を治療するために、ソルチリンタンパク質に特異的に結合してソルチリンのそのリガンド(プログラニュリンなど)への結合を遮断するか、またはリガンドの有効濃度を調節する、治療用抗体及びその使用を提供する。
【解決手段】ソルチリンタンパク質、例えば、ヒトソルチリンまたは哺乳動物ソルチリン内の1つ以上のエピトープに特異的に結合する抗体、例えば、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体断片などを含む組成物、及びそれを必要とする個体での予防、危険性の低減または治療における当該組成物の使用が提供される。
【選択図】図9A
特許請求の範囲
【請求項1】
単離された抗ソルチリン抗体であって、前記抗ソルチリン抗体が、プログラニュリンの細胞外レベルの増加、プログラニュリンの細胞中レベルの増加、ソルチリンの細胞中レベルの減少、ソルチリンとプログラニュリンとの間の相互作用の阻害及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される特性を有する、前記単離された抗ソルチリン抗体。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
前記抗体が、ソルチリンの細胞表面レベルを減少させ、ソルチリンの細胞内レベルを減少させ、ソルチリンの総レベルを減少させ、またはこれらの任意の組み合わせを減少させる、請求項1に記載の抗ソルチリン抗体。
【請求項3】
前記抗ソルチリン抗体が、ソルチリン分解、ソルチリン切断、ソルチリン内在化、ソルチリン下方制御またはこれらの任意の組み合わせを誘導する、請求項1または2に記載の抗ソルチリン抗体。
【請求項4】
前記抗ソルチリン抗体が、ソルチリンの細胞中レベルを減少させ、ソルチリンとプログラニュリンとの間の相互作用を阻害しない、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗ソルチリン抗体。
【請求項5】
前記抗ソルチリン抗体が、ソルチリンの細胞中レベルを減少させ、ソルチリンとプログラニュリンとの間の相互作用を阻害する、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗ソルチリン抗体。
【請求項6】
前記抗ソルチリン抗体が、ソルチリンの細胞中レベルを減少させ、プログラニュリンの細胞中レベルを増加させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗ソルチリン抗体。
【請求項7】
前記抗ソルチリン抗体が、プログラニュリンの細胞中レベルを増加させ、ソルチリンとプログラニュリンとの間の相互作用を阻害しない、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗ソルチリン抗体。
【請求項8】
前記抗ソルチリン抗体が、ソルチリンとプログラニュリンとの間の相互作用を阻害し、プログラニュリンの細胞中レベルを増加させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗ソルチリン抗体。
【請求項9】
前記抗ソルチリン抗体が、in vivoでプログラニュリンのレベルを増加させる、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗ソルチリン抗体。
【請求項10】
前記抗ソルチリン抗体が、ソルチリンの細胞中レベルを減少させることなく、in vivoでプログラニュリンのレベルを増加させる、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗ソルチリン抗体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月7日に出願された米国仮特許出願第62/144,270号の利益を主張するものであり、その全体を参照により本明細書に援用する。
続きを表示(約 4,700 文字)
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。コンピュータ可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:735022000240SEQLIST.TXT、記録日:2016年4月6日、サイズ:345KB)。
【0003】
本開示は、抗ソルチリン抗体及びかかる抗体の治療的使用に関する。
【背景技術】
【0004】
ソルチリンは、I型膜貫通タンパク質であり、いくつかのリガンドの受容体として作用し、またトランスゴルジ網(TGN)からの指定積荷分子(cargo)の後期エンドソーム及びリソソームへの分解のための選別にも作用する。ソルチリンは、酵母VPS10Pと相同性のある、VPS10ファミリーの一部である大きな細胞外ドメインを有し、10枚羽根のβプロペラ構造及びシステインに富む10CCモジュールを含有する(Nykjaer,A et al.,(2012)Trends Neurosci 35:261-270、及びZheng,Y et al.,(2011)PLoS One 6:e21023)。ADAM10またはγセクレターゼ(<5%)の活性によって、ソルチリンのごく一部が放出され得る(Nykjaer,A et al.,(2012)Trends Neurosci 35:261-270、及びWillnow,TE et al.,(2011)Curr Opin Lipidol 22:79-85)。
【0005】
ソルチリンは、分泌タンパク質のプログラニュリン(PGRN)と結合し、PGRNをリソソーム分解へと標的化することから、PGRNの細胞外レベルを負に制御する(Hu,F er al.(2010)Neuron 68,654-667。これに伴い、ソルチリンの欠如は、in vivoマウスモデルとin vitroヒト細胞の両方において血漿PGRN濃度を有意に増加させる(Carrasquillo,M.M et al.,(2010)Am J Hum Genet 87,890-897、Lee,W.C et al.,(2014)23,1467-1478)。更に、ソルチリンの多型が、ヒトにおけるPGRN血清濃度と強く関連していることが示された(Carrasquillo MM e al.,2010),Am J Hum Genet.10;87(6):890-7)。
【0006】
プログラニュリン(PGRN)は、成長因子様の栄養性及び抗炎症の分泌タンパク質であり、食事誘発性肥満及びインスリン抵抗性に関与するアディポカインとしても作用する(Nguyen DA et al.,(2013)Trends in Endocrinology and Metabolism,24,597-606)。プログラニュリンの欠乏は、早期発症型の神経変性疾患である全ての遺伝型の前頭側頭型認知症(FTD)のほぼ25%を占める。PGRNにヘテロ接合性機能喪失型変異を持つ患者は、当該タンパク質の細胞外レベルが約50%減少し、例外なくFTDを発症することから、PGRNはこの疾患の原因遺伝子とされる(Baker,M et al.,(2006)Nature 442,916-919、Carecchio M et al.,(2011)J Alzheim0 ers Dis 27,781-790、Cruts,M et al.,(2008)Trends Genet 24,186-194、Galimberti,D et al.,(2010)J Alzheimers Dis 19,171-177)。加えて、PGRN変異対立遺伝子がアルツハイマー病患者で同定されている(Seelaar,H et al.,(2011).Journal of neurology,neurosurgery,and psychiatry 82,476-486)。重要なことに、PGRNは、PGRNレベルを増加させた複数の疾患モデルにおいて保護的に作用し、虚血からの行動回復を加速し(Tao,J et al.,(2012)Brain Res 1436,130-136、Egashira,Y.et al.,(2013).J Neuroinflammation 10,105)、パーキンソン病モデルにおける歩行障害を抑制し(Van Kampen,J.M et al.(2014).PLoS One 9,e97032)、筋萎縮性側索硬化症(Laird,A.S et al.,(2010).PLoS One 5,e13368.)及び関節炎(Tang,Wet al.,(2011).Science 332,478-484)のモデルにおける病状を緩和し、アルツハイマー病モデルにおける記憶障害を予防する(Minami,S.S et al.,2014).Nat Med 20,1157-1164)。
【0007】
ソルチリンはまた、プロドメインを有し、かつ典型的にアポトーシス促進性である、神経成長因子前駆体(pro-NGF)、pro-BDNF、プロニューロトロフィン-3などのプロニューロトロフィンに直接結合する。このようなプロニューロトロフィン前駆体はストレス下で放出されるが、その放出の制御、ならびに受容細胞への結合及びp75NTRと連係したアポトーシスの刺激にソルチリンが関与している(Willnow,TE et al.,(2008)Nat Rev Neurosci 9:899-909、Nykjaer,A et al.,Trends Neurosci 35:261-270、及びNykjaer,A et al.,(2004)Nature 427:843-848、Hiroko Yano et al.,(2009)J Neurosci.;29:14790-14802.Teng H.K.,et al.,J.Neurosci.25:5455-5463(2005))。ソルチリンはまた、p75NTRに直接結合する(Skeldal S et al.,(2012)J Biol Chem.;287:43798)。ソルチリンはまた、プログラニュリン結合と部分的に重複する領域でニューロテンシンに結合する(Quistgaard,EM et al.,(2009)Nat Struct Mol Biol 16:96-98、及びZheng,Y et al.,PLoS One 6:e21023)。更に、ソルチリンは、Trk受容体NTRK1、NTRK2及びNTRK3と相互作用し、その順行性軸索輸送及びシグナル伝達を制御し得る(Vaegter,CB et al.,(2011)Nat.Neurosci.14:54-61)。ソルチリンはまた、アミロイド前駆体タンパク質のプロセシング及び輸送、ならびにその結果としての異常なβアミロイドペプチドの産生と相互作用し、これを制御する(Gustafsen C et al.,(2013).J Neurosci.2;33(1):64-71。
【0008】
また、ソルチリンは、アポリポタンパク質及びリポタンパク質リパーゼに結合することが示されており、そのため、欠乏すると、肝臓からのVLDL放出が減少し、コレステロールが減少する(Willnow,TE et al.,(2011)Curr Opin Lipidol 22:79-85、Kjolby,M et al.,(2010)Cell Metab 12:213-223、Nilsson,SK et al.,(2007)Biochemistry 46:3896-3904.、Nilsson,SK et al.,(2008)J Biol Chem 283:25920-25927、及びKlinger,SC et al.,(2011)J Cell Sci 124:1095-1105)。最近では、ソルチリンは、APPに直接結合し(Gustafsen,C et al.,(2013)J.Neurosc.33:64-71)、APPプロセシング酵素BACE1にも結合する(Gustafsen,C et al.,(2013)J.Neurosc.33:64-71、及びFinan,GM et al.,J Biol Chem 286:12602-12616)ことが示唆されている。ソルチリンはまた、アポリポタンパク質E(APOE)、Aβペプチド(Carlo,AS et al.,(2013)J,Neurosc,33:358-370)及びPCSK9(Gustafsen et al,(2014)Cell Metab,19:310-318)に結合する。また、ソルチリンは、低密度リポタンパク質受容体をリソソームでの分解に導くPCSK9に結合し、その細胞外レベルを制御することにより、LDLコレステロール濃度を増加させることが示されている。(Gustafsen C et al.,(2014).Cell Metab.2014 Feb 4;19(2):310-8)。
【0009】
エンドソームなどの細胞内小胞に存在するとき、ソルチリンのアミノ末端細胞外ドメインは、小胞の積荷分子が存在する内腔側に向いている。一方、ソルチリンのカルボキシ末端にある細胞内/細胞質ドメインは、表面からの輸送及び細胞内区画内の輸送を制御する一連のアダプタータンパク質に結合する。これらには、AP2(細胞表面からのエンドサイトーシスを調節するクラスリンアダプター)及びレトロマー複合体/AP1(初期エンドソームからゴルジ体へのリサイクリングの動きを調節する)が含まれ、また、ゴルジ体から初期エンドソームへ直接移動させ、通常は、それに続くリソソームを介した分解のためのGGA(ゴルジ体局在性γ-ear含有ADPリボース化因子結合)ファミリータンパク質との相互作用を含む。したがって、ソルチリンは、その内腔ドメインでリガンドに結合することができ、更に、その行き先を決定する細胞質アダプターに結合して、プログラニュリン及び他の因子の分解などの細胞内運命を決定する。
【0010】
プログラニュリンなどのタンパク質との種々の相互作用を介して、ソルチリン及びその多数のリガンドは、種々の疾患、障害及び病態、例えば、前頭側頭型認知症、筋萎縮性側索硬化症、筋萎縮性側索硬化症-前頭側頭型認知症表現型、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、神経精神疾患、血管性認知症、痙攣発作、網膜ジストロフィー、加齢黄斑変性症、緑内障、外傷性脳損傷、老化、痙攣発作、創傷治癒、脳卒中、関節炎及びアテローム動脈硬化性血管疾患に関与することがわかっている。
(【0011】以降は省略されています)
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