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公開番号
2025087929
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-11
出願番号
2022025930
出願日
2022-02-22
発明の名称
うつ病および/またはうつ状態の治療および/または予防用医薬
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
個人
,
個人
主分類
A61K
31/13 20060101AFI20250604BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】うつ病および/またはうつ状態の治療、治療の補助、および/または予防のための、新たな医薬、医薬組成物、および方法を提供する。
【解決手段】ケタミンまたはその製薬上許容される塩、および、アリピプラゾールまたはその製薬上許容される塩、を組み合わせることを特徴とする、うつ病および/またはうつ症状の治療、治療の補助、および/または予防用医薬。
【選択図】図3A
特許請求の範囲
【請求項1】
1)ケタミンまたはその製薬上許容される塩、および、
2)アリピプラゾールまたはその製薬上許容される塩、
を組み合わせることを特徴とする、うつ病および/またはうつ症状の治療、治療の補助、および/または予防用医薬。
続きを表示(約 830 文字)
【請求項2】
1)ケタミンまたはその製薬上許容される塩、および、2)アリピプラゾールまたはその製薬上許容される塩を含有する医薬組成物である、請求項1記載の医薬。
【請求項3】
ケタミンまたはその製薬上許容される塩の副作用の低減のための、請求項1または2記載の医薬。
【請求項4】
ケタミンまたはその製薬上許容される塩の抗うつ作用が維持または増強され、かつ、ケタミンまたはその製薬上許容される塩の副作用が低減された、請求項1~3のいずれかに記載の医薬。
【請求項5】
ケタミンまたはその製薬上許容される塩による副作用のリスクが低い、請求項1~4のいずれかに記載の医薬。
【請求項6】
ケタミンまたはその製薬上許容される塩と組み合わせて投与するための、
アリピプラゾールまたはその製薬上許容される塩を含有する、うつ病および/またはうつ症状の治療、治療の補助、および/または予防のための医薬組成物。
【請求項7】
ケタミンまたはその製薬上許容される塩の抗うつ作用を維持または増強し、かつ、ケタミンまたはその製薬上許容される塩の副作用を低減するための、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
アリピプラゾールまたはその製薬上許容される塩を含有する、ケタミンまたはその製薬上許容される塩の副作用低減剤。
【請求項9】
請求項6~8のいずれかに記載の組成物または剤、および、ケタミンまたはその製薬上許容される塩を組み合わせて投与する、うつ病および/またはうつ症状の治療および/または予防のための医薬。
【請求項10】
請求項6~9のいずれかに記載の組成物または剤、および、ケタミンまたはその製薬上許容される塩を含有する、うつ病および/またはうつ症状の治療および/または予防のための医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、うつ病および/またはうつ状態の治療、治療の補助、および/または予防のための、新たな医薬、医薬組成物、および方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
現代社会においてうつ病は深刻な社会問題となっている(非特許文献1、2)。現在、うつ病患者の治療にはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)が用いられているが、その最大薬効発現までに4週間以上の期間を要する。またその治療薬が有効である患者率は全体の50-70%であり、寛解率については30%に留まっている(非特許文献3)。そのため、うつ病患者の治療においては、即効性や、難治性および治療抵抗性(Treatment-resistant depression:TRD)患者に対する治療効果を示す新規治療法が強く求められている。
【0003】
ケタミンは、NMDA受容体アンタゴニストである。ラセミ体のケタミンは、麻酔薬として承認されている(非特許文献4、5)。ラセミ体のケタミンを静脈内投与することで、TRDが即効的かつ持続的に改善されることが報告されている(非特許文献6~8、19~21、特許文献1)。しかしながら、ラセミ体のケタミンはうつ病を適応とした承認は取得されておらず、うつ病患者への使用については、副作用リスクを含め、より詳細な検証が必要である(非特許文献9)。
S体ケタミン(エスケタミン)の点鼻薬(SPRAVATO(登録商標))は、TRDの治療を適応として、2019年2月に米国で承認された。エスケタミンにはいくつかの副作用が確認されており、使用にあたっては、REMS(Risk Evaluation and Mitigation Strategy)に基づき、少なくとも投与後2時間の医師による経過観察等が義務付けられている(非特許文献10)。なお、エスケタミンの臨床試験においては、エスケタミンとSSRIまたはSNRIとを併用しており、抗精神病薬(antipsychotics)との併用は禁止されている(非特許文献11)。日本では、2021年6月時点において、エスケタミンの承認は取得されていない。
また、R体ケタミンが、抗うつ作用を有するとの報告もある(特許文献2)。
【0004】
アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用、ドパミンD3受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用及びセロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用を併せ持つ抗精神病薬である(非特許文献12、13)。
日本において、アリピプラゾール(製品名:エビリファイ(登録商標))は、統合失調症、双極性障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性を効能・効果として承認されている。ここで、エビリファイ(登録商標)添付文書の「使用上の注意」によれば、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)の効能・効果に関連して、「選択的セロトニン再取り込み阻害剤又はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤等による適切な治療を行っても、十分な効果が認められない場合に限り、本剤を併用して投与すること。」とされており、臨床試験においては、SSRI又はSNRIとの併用のみが試験されている。また、「うつ病・うつ状態に対して本剤単独投与での有効性は確認されていない」旨が記載されている(非特許文献12)。
【0005】
ブレクスピプラゾールは、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用及びドパミンD2受容体部分アゴニスト作用を併せ持つ抗精神病薬である(非特許文献14、15。非特許文献4~15および19~21に記載の内容は、本出願に参照として組み込まれる)。
【0006】
非特許文献16には、抗うつ作用について記載も示唆もされていない。また、幻覚、解離等について記載も示唆もされていない。
非特許文献17には、ドパミンD2受容体部分アゴニストについて記載も示唆もされておらず、ケタミンの副作用について記載も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2007/111880
WO2015/037248
WO2013/139322
【非特許文献】
【0008】
JAMA. 2003;289:3095-105.
Gen. Hosp. Psychiatry. 2007;29:409-16.
Psychiatr. Clin. North Am. 2003;26:457-94.
ケタラール(登録商標)日本添付文書
KETALAR(登録商標)米国添付文書
Ment Health Clin. 2018;23:16-23.
Am J Psychiatry. 2016;173:816-26.
Journal of Affective Disorders 225 (2018) 709-714
The Lancet Psychiatry Volume 5, Issue 1, January 2018, Pages 65-78
SPRAVATO(商標)米国添付文書
Am J Psychiatry 176(6):428-438 (doi:10.1176/appi.ajp.2018.18070824)および当該論文のData Supplement
エビリファイ(登録商標)錠1mg、3mg、6mg、12mg、エビリファイ(登録商標)散1%、エビリファイ(登録商標)持続性水懸筋注用300mg、400mg 日本添付文書
ABILIFY(登録商標)米国添付文書
レキサルティ(登録商標)日本添付文書
REXULTI(登録商標)米国添付文書
European Journal of Pharmacology 578 (2008) 222-227
Behavioural Brain Research 279 (2015) 100-105
A Study of Brexpiprazole Plus Ketamine in Treatment-Resistant Depression(NCT03149991、ClinicalTrials.gov)およびhttps://clinicaltrials.gov/ProvidedDocs/91/NCT03149991/Prot_SAP_000.pdf
The British Journal of Psychiatry (2019) 214, 20-26.
Journal of Clinical Psychiatry(2019) 80; 3 Oral Ketamine for Depression: A Systematic Review
Biological Psychiatry September 15, 2016; 80:424-431
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
うつ病および/またはうつ状態の治療、治療の補助、および/または予防のための、新たな医薬、医薬組成物、および方法を提供する。好ましくは、うつ病および/またはうつ状態の治療、治療の補助、および/または予防のための、安全性の高い、新たな医薬、医薬組成物、および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、うつ病および/またはうつ状態の治療、治療の補助、および/または予防のための、新たな医薬、医薬組成物、および方法を鋭意検討した結果、好適な有効成分の組み合わせ、投与量等を見出した。
(【0011】以降は省略されています)
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