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公開番号
2025042914
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-28
出願番号
2023150115
出願日
2023-09-15
発明の名称
もやもや病の発症を予測する方法
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C12Q
1/686 20180101AFI20250321BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】もやもや病の発症原因となる遺伝子変異を保有する対象においてもやもや病の発症を予測するための、方法、組成物およびキットを提供する。
【解決手段】本開示は、RNF213遺伝子のp.R4810K変異を保有する対象から採取された試料におけるGATA2発現レベルを測定することを含む、もやもや病の発症を予測する方法;並びにGATA2発現レベルを測定するための試薬を含む、RNF213遺伝子のp.R4810K変異を保有する対象においてもやもや病の発症を予測するための組成物またはキットを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
RNF213遺伝子のp.R4810K変異を保有する対象から採取された試料におけるGATA2発現レベルを測定することを含む、もやもや病の発症を予測する方法。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
GATA2発現レベルを基準値と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
GATA2発現レベルが基準値より高い場合に対象がもやもや病を発症すると予測する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
対象のもやもや病の臨床的重症度を予測することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
GATA2発現レベルの測定がGATA2 mRNAの測定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
試料が血液試料である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
血液試料が末梢血試料である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
GATA2発現レベルを測定するための試薬を含む、RNF213遺伝子のp.R4810K変異を保有する対象においてもやもや病の発症を予測するための組成物。
【請求項9】
GATA2発現レベルを測定するための試薬を含む、RNF213遺伝子のp.R4810K変異を保有する対象においてもやもや病の発症を予測するためのキット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、もやもや病の発症予測に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
もやもや病は、脳血管が狭窄して脳梗塞を来し、脳出血を起こす希少性難病である。もやもや病の発症原因となる遺伝子変異が同定され、親から子へと受け継がれていき特定の家系においてもやもや病を高頻度で発症することが知られている。ところが、遺伝子変異を保有するヒトの全てがもやもや病を発症する訳ではなく、同じ家系であってもやもや病を発症するヒトと発症しないヒトが存在する。もやもや病を発症するヒトと発症しないヒトとを判別する技術は見出されておらず、もやもや病の遺伝子変異を保有する家系の人々は自らがもやもや病を発症する可能性があることを知りながら、心配しつつ日々の生活を送らなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、もやもや病の発症原因となる遺伝子変異を保有する対象においてもやもや病の発症を予測するための、方法、組成物およびキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本開示は、RNF213遺伝子のp.R4810K変異を保有する対象から採取された試料におけるGATA2発現レベルを測定することを含む、もやもや病の発症を予測する方法を提供する。
【0005】
一態様において、本開示は、GATA2発現レベルを測定するための試薬を含む、RNF213遺伝子のp.R4810K変異を保有する対象においてもやもや病の発症を予測するための組成物を提供する。
【0006】
一態様において、本開示は、GATA2発現レベルを測定するための試薬を含む、RNF213遺伝子のp.R4810K変異を保有する対象においてもやもや病の発症を予測するためのキットを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示により、もやもや病の発症原因となる遺伝子変異を保有する対象がもやもや病を発症するかを予測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、不完全浸透性を示す4つのもやもや病家系の家系図を示す。黒塗りの記号:もやもや病(MMD)、点を含む記号:非発症RNF213 p.R4810K変異キャリア、1/4黒塗りした記号:両側中大脳動脈狭窄。記号の下に発症時の症状(TIA:一過性脳虚血発作、CI:脳梗塞、seizure:てんかん発作、No symptom:無症候)、発症年齢、p.R4810K変異の遺伝子型(ヘテロ接合体:GA)を示す。相対的GATA2発現量をその下に示す。SAS = 睡眠時無呼吸症候群; PCA inv = 後大脳動脈狭窄/閉塞; 43 LOC: 43歳時に意識消失。ダイヤ型は複数人をまとめて表記したもので、中の数字はその人数を示す。
図2は、GATA2発現レベルによるもやもや病患者と非発症変異キャリアの判別を示す。(左)年齢および性別をマッチさせた、患者(MMD)、非発症変異キャリア(Carrier)、および対照者(Control)の間のGATA2発現レベルの比較。(右)GATA2発現量の患者およびキャリアの間のROC解析。
図3は、p.R4810Kヘテロ変異症例におけるもやもや病患者と他の脳血管狭窄の患者のGATA2発現レベルの比較を示す。(左)p.R4810Kヘテロ変異症例のみ。U-:片側、B-:両側、Carrier:変異があるが血管狭窄を認めない、ICAD:もやもや病の診断基準を満たさない脳血管狭窄、MMD:もやもや病。(右)全症例(p.R4810K変異の有無によらない)。Control:血管障害を認めない、family: もやもや病の血縁者がいるが、血管障害がない、ICAD:もやもや病の診断基準を満たさない脳血管狭窄、MMD:もやもや病。
図4は、GATA2発現レベルと疾患重症度の関係を示す。(左上)対照者のGATA2発現レベルと年齢の関係。(右上)発症年齢。(左下)片側性(Unilateral)または両側性(Bilateral)病変の割合。(右下)無症候者の割合。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特に具体的な定めのない限り、本明細書で使用される用語は、有機化学、医学、薬学、分子生物学、微生物学等の分野における当業者に一般に理解されるとおりの意味を有する。以下にいくつかの本明細書で使用される用語についての定義を記載するが、これらの定義は、本明細書において、一般的な理解に優先する。
【0010】
もやもや病は、脳血管が狭窄して脳梗塞を来し、脳出血を起こす希少性難病である。もやもや病の発症原因となる遺伝子変異として、RNF213(Mysterinとも呼ばれる)遺伝子のp.R4810K(c.14429G>A)変異、すなわち、RNF213の4810番目のアルギニンのリシンへの置換(RNF213のコーディングDNAの14429番目のグアニンのアデニンへの置換)が知られている。ヒトRNF213の代表的アミノ酸配列(NP_001243000.2)を配列番号1に、mRMA配列(NM_001256071.3)を配列番号2(160~15783番目がRNF213をコードする)に示す。
(【0011】以降は省略されています)
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