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公開番号2025088058
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202494
出願日2023-11-30
発明の名称ベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体およびその製造方法
出願人DOWAエレクトロニクス株式会社
代理人個人
主分類B22F 1/102 20220101AFI20250604BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】磁性粒子の構成元素であるFeと反応することによる鉄イオン発生の心配がなく、かつ酸素原子を含まない化学構造を有する物質で被覆された磁性粒子で構成される、大気中での保存安定性に優れたSm-Fe-N系磁性粉体を提供する。
【解決手段】上記課題は、表面がベンゾトリアゾールで覆われたSm-Fe-N系磁性粒子で構成される、ベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体によって達成される。この粉体に占めるベンゾトリアゾールの質量割合は、例えば0.2質量%以上10.0質量%以下とすることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
表面がベンゾトリアゾールで覆われたSm-Fe-N系磁性粒子で構成される、ベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
粉体に占めるベンゾトリアゾールの質量割合が0.2質量%以上10.0質量%以下である、請求項1に記載のベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体。
【請求項3】
Sm/Feモル比が0.09以上0.25以下であり、ベンゾトリアゾール構成原子を含めないN/Feモル比が0.06以上0.30以下である、請求項1に記載のベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体。
【請求項4】
Sm-Fe-N系磁性体の粒子からなる粉体、ベンゾトリアゾールおよびベンゾトリアゾールが可溶である溶媒を非酸化性雰囲気中で混合して、前記Sm-Fe-N系磁性体の粒子の表面をベンゾトリアゾールで覆うコーティング工程、を有するベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項5】
前記ベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体に占めるベンゾトリアゾールの質量割合が0.2質量%以上10.0質量%以下である、請求項4に記載のベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。
【請求項6】
前記Sm-Fe-N系磁性体の粒子からなる粉体は、Sm/Feモル比が0.09以上0.25以下、N/Feモル比が0.06以上0.30以下である、請求項4に記載のベンゾトリアゾール被覆Sm-Fe-N系磁性粉体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大気雰囲気中での保存安定性に優れるSm-Fe-N系磁性粉体、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
Sm

Fe
17
金属間化合物に窒素を導入した物質(代表的な組成式はSm

Fe
17


)は優れた硬磁性を呈する強磁性体であることが知られている。本明細書では、Sm

Fe
17
の化学量論組成またはその周辺組成におけるSm-Fe系合金に窒素を導入した物質の粉体であって、強磁性体であるものを「Sm-Fe-N系磁性粉体」と呼ぶ。Sm-Fe-N系磁性粉体は、ボンド磁石の素材として有用である。
【0003】
Sm-Fe-N系磁性粉体は通常、大気に触れると容易に酸化し、保磁力が大幅に低下してしまう。Sm-Fe-N系磁性粉体を用いてボンド磁石を製造する際には、当該粉体が樹脂に埋め込まれるまでの間、大気による酸化を防止するための措置が必要となる。
【0004】
Sm-Fe-N系磁性粉体に、大気に対する耐酸化性を付与する手法として、磁性粉体の粒子表面にリン酸塩の被膜を形成することが知られている(例えば特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-7521号公報
特開2003-297618号公報
特開2004-111515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大気に触れたときに良好な耐酸化性を呈し、保磁力の低下が抑制される性質、すなわち大気中での「保存安定性」に優れる性質が付与されたSm-Fe-N系磁性粉体は、取扱い性に優れることから、Sm-Fe-N系ボンド磁石の製造に供する磁性素材として極めて有用である。
【0007】
ボンド磁石の製造時には、磁性粉体の粒子は、樹脂と混合されて外部からの酸化性ガスによる酸化の心配がなくなった状態において、200℃程度の加熱を受けるのが一般的である。樹脂の種類によっては300℃程度への昇温が想定される場合もある。また、製造されたボンド磁石の使用時にも、用途によっては数十℃以上の温度に長期間曝されることも考えられる。
【0008】
リン酸塩の被膜を有する従来のSm-Fe-N系磁性粒子では、そのリン酸塩被膜が、大気など外部の酸化性ガスに対するバリア層としての役目を担っている。しかし、ボンド磁石成形後には、その役目を終えたリン酸塩被膜あるいはそれに由来する物質が、磁性粒子近傍に残存している。
【0009】
上記のリン酸塩は、リン酸と、磁性粒子の構成元素であるFeとが反応して生成したリン酸鉄(III)を主成分とするものであると考えられる。そのリン酸鉄(III)は、ボンド磁石の製造時やボンド磁石製品の使用時に、Smにより還元されナノサイズのαFe相となることがある。αFe相の生成はボンド磁石の磁気特性を低下させる要因となる。
【0010】
また、リン酸は化学式H

PO

で示されるように、分子中に多量の酸素を含む物質である。リン酸塩を使用したSm-Fe-N系ボンド磁石では、磁性粒子の近傍に、リン酸由来の酸素原子が多く存在した状態となっている。その酸素原子は、ボンド磁石の製造時やボンド磁石製品の使用時に、条件によってはSm-Fe-N系磁性粒子のSmと反応して酸化物を形成し、磁気特性の低下を招く要因となり得る。
(【0011】以降は省略されています)

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