TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025089209
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2023214306
出願日2023-12-01
発明の名称くまステッキ
出願人個人
代理人
主分類F41B 15/02 20060101AFI20250605BHJP(武器)
要約【課題】 現在の熊対策は、複数行動、会話、鈴、ラジオなどの音響で人間の存在を顕示し、熊に早期警戒を促し、熊の自主的な退去を期待するというものであり、熊が期待に反して襲撃する方針を固めた場合は何も打つ手が無いという、不確実かつ不完全なものである。
【解決手段】 山歩きの定番アイテムであるステッキに、歩行補助機能に加えて、熊の襲撃に応戦する防御力と攻撃力を付加するため、鉄、または軽金属などの、硬度、強度の高い材質で形成加工して、熊の攻撃を受けても破壊されず、振り下ろした際に、熊を撲殺する打撃能力を発揮する機能を設けたことを特徴とする熊撃退ステッキ。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金槌の柄を、一般に普及している歩行補助用のステッキと同じ程度の長さと直径にしてステッキに見立て、熊出没圏内における山歩き、散歩、徒歩外出時に、自然に携行できるようにし、柄の部分の強度を、熊が口牙で咬んだり、鈎爪の腕(前足)で殴っても、破損しない程度の耐久力(防御力)、および比較的体格・体力の劣る者であっても、振り下ろせば撲殺できる程度の打撃力(攻撃力)を兼ね備え、同時に可能な限り携行荷重・使用負荷を軽減できるような強度、硬度、密度の鉄、軽金属、その他の素材、または複数の素材の組合わせで形成加工した、棒状またはパイプ状の柄と、先端の打撃具によって構成される護身器具の機能を設けたことを特徴とする熊撃退ステッキ。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
非常時におけるステッキの持ち手の付近に、鍔(つば)を付けて防御力を強化する機能を設けたことを特徴とする請求項1の熊撃退ステッキ。
【請求項3】
ステッキの端面にネジ穴を設け、当該ネジ穴に適合するネジの付いた各種のアタッチメントを、使用者の必要および趣向に応じて、金槌以外でも装着可能とし、打撃力の強化、携行荷重の軽減など、多様な機能を設けたことを特徴とする請求項1・請求項2の熊撃退ステッキ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、山間部あるいは人間の生活圏で熊と遭遇して、熊が襲いかかって来たとき、致命傷を受けることなく、死亡事故、重傷事故を抑制する、熊撃退ステッキに関するものである。
続きを表示(約 5,400 文字)【背景技術】
【0002】
現在の標準的な熊対策は、鈴やラジオなどの音響で人間の存在を顕示し、熊に早期警戒を促して退去させる。接近して来たら、ゆっくりと後ずさりする。更に接近して来たら、忌避スプレーを噴霧する。最後は地面に伏せて防御姿勢を取る…という方法である。また火薬を使用した轟音玉なども使用される。これらの器具に共通した特徴は、熊に自主的な退去を促すことを目的としていて、熊が襲撃に転じた場合は対処できないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平09-243295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、次のような欠点があった。
人間が熊と遭遇した現場では、熊は退去と襲撃の二つの選択肢があるのに対し、人間は退去しかない。熊は人間を襲撃するか否か、更に捕食するか否かの決定権を持っている。熊が現場を掌握し、支配し、生殺与奪の権限を行使する強い立場にある。人間は熊に襲撃を思い留まるよう促し、襲撃する方針を固めた場合は、撤回するよう促す。言語を理解できない熊に、口頭で退去命令や命乞いをする。あくまでも熊の自主的な退去を期待し、望み、願い、祈り、運を天に任せる…という熊対策が、有史以来、連綿と続いている。
そして、熊が退去せずに襲撃するオプションを選択する原因は、冬眠明けか否か、空腹か否か、子連れか否か、発情期か否か、また、遭遇場面での恐怖、驚愕、興奮、イライラなど、熊のストレスと感情に左右され、これらが複合して、判断、意思決定、行動のプロセスに作用する。つまり、人間は「熊の気分に命を委ねている」ことになる。このような不確実かつ不安定な熊対策は、動物界の頂点に君臨する万物の霊長であり、あまたの動物を奴隷化・家畜化して支配・管理している人間として、あまり名誉なことではない。
熊対策がこのような現状に陥っている原因は、熊の襲撃を強制的かつ確実に阻止できる対処方法が、稀有な例外を除いて、現在のところ確立されていないからである。
人間が、鈴やラジオなどで熊に自主的な退去を促す現在の熊対策は、もし、熊が自主的に退去せず、襲撃する方針を固めた場合は、人間はそれに対処できない。最終的には熊を相手に素手で闘わざるを得ない破目になる。当然ながら人間が倒されて、場合によっては捕食される。さらに人間を捕食対象とすることを学習した熊は、いわゆる「人喰い熊」となって、深刻な二次被害を引き起こす。これが社会的な課題である。
【0005】
人間と熊が遭遇した現場で、熊がどうしても退去してくれず、襲いかかって来たなら、人間は、黙って食べられるか、それとも対戦するかを決断しなければならない。
しかし、熊は分厚い皮下脂肪、弾力に富んだ皮膚、深い剛毛に覆われているから、散弾銃では効果が低く、ライフル銃でなければ仕止められない。刃物で致命傷を負わせることも困難で、中途半端な傷を負わせると怒り狂う。そもそも、偶発的に熊と遭遇した普通の市民は、銃器も刃物も持っていいない。たとえ農作業用の刃物を持っていたとしても、熊には刃が立たない。接近すると、凄まじい破壊力の腕から繰り出す鈎爪で、頭部・顔面を攻撃されて、軟組織から骨まで砕かれる高エネルギー外傷を負う。
一般に、殺害方法には銃殺、刺殺、斬殺、扼殺、絞殺、殴殺、撲殺…があるが、銃器や刃物を所持しておらず、腕力も非力な普通の人間が、熊と対戦して互角に渡り合える唯一の方法は、「長物」を使用することである。運が良ければ熊を撃退できる可能性がある。
もし、ゴルフのプレー中に、突然コースに熊が出現して向かって来たら、おそらくゴルファーは、咄嗟に5番アイアンを取り出して応戦するだろう。キャンプ場の空き地で野球をしているグループだったら、木製でも金属製でもバットで応戦する。牧場の作業員ならフォーク状の干し草スコップで応戦する。山間部の工事現場の作業員なら、角スコップ、つるはし、鉄筋、鉄パイプで応戦する。
そこで、山歩きや散歩をしている普通の人が所持している長物は「ステッキ」だから、熊が襲いかかって来たら、ステッキで応戦すればいい。
しかし、ステッキは確かに「長物」には違いないが、素材に強度が全く無いから、熊の手が少し触れただけで簡単に折れ曲がり、破壊されてしまう。あるいは、ステッキで熊を叩いたところで何のダメージも与えられず、熊に笑われる。
【0006】
既存のステッキは、歩行を補助するための器具だから、熊と戦うために必要な、防御力も攻撃力も備えていない。よって、既存のステッキに、熊の爪や牙を防御し、熊に致命的な打撃を加えることが可能な機能を提供することを課題とする。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1 護身器具は、最悪の事態を想定して、殺傷能力を備えたものでなければならない。
その理由は、熊に退去を促すだけの器具は、熊が退去せずに襲いかかって来た場合、対処できないからである。熊が殺意を持って殺傷能力のある鈎爪や牙を使うのだから、応戦する側も、未必の殺意を持って殺傷能力のある器具を使わなければ互角に渡り合えない。
2 ステッキの素材を金属にして強度を高める。金属の中でも破壊力の大きい鉄製が最適である。頭部・顔面を守るために顔前に構えると、鈎爪の付いた腕が当たっても、折れることなく防御機能を果たす。また、振り下ろして頭部にクリーンヒットさせれば、容易に撲殺するほどの打撃能力を発揮する。頭部以外でも、当たれば脅威になるから、熊は戦意喪失して現場から立ち去る。
3 ステッキは、取っ手の先に鍔(つば)を付ける。これは、日本刀と同じように、対戦中に握り拳を保護するためである。
4 ステッキは、棒状またはパイプ状の標準的な形状をしているが、必要に応じて、打撃のインパクトを高めるために、グリップに各種アタッチメントを装着できるようにする。
本発明は」、以上のような構造である。
【発明の効果】
【0008】
1 高齢者は、「老眼鏡」、「入れ歯」、「補聴器」、「尿漏れパット」、「腹巻」、「薬ケース」、そして「ステッキ」を定番アイテムとして使用している者が多い。高齢者が徒歩で外出する際にステッキを使用することは、日常生活に馴染んだ、ごく普通の風景である。もし、山歩きや散歩の途中で熊と遭遇したなら、直ぐに持っているステッキで応戦できるから、歩行の邪魔になる護身器具を、わざわざ携行する不便さ、煩わしさが解消できる。
2 熊による人身事故が多発する時代において、ステッキという生活に密着した道具が、高齢者の歩行を補助する機能だけでなく、熊の襲撃から身を守る機能も兼ねるようになると、高齢者に限らず、すべての老若男女が、違和感なく、自然に、手軽に使用できる。
3 現在(21世紀の第1四半期)の熊対策の定番は、複数行動、会話、鈴、ラジオなどの音響で人間の存在を顕示し、熊に早期警戒を促し、熊の自主的な退去を期待するというものである。接近して来たら、背中を向けて逃げたりせず、熊の眼を見ながら、ゆっくりと後ずさりする。更に接近して来たら、忌避スプレーを噴霧する。それでも接近してきたら、最後は地面に伏せて、丸くなって頭部をガードした防御姿勢を取る。次のステップは示されていないが、運を天に任せましょう…という方法である。このように、熊が期待に反して襲撃する方針を固めた場合は何も打つ手が無いという、不確実かつ不完全な、現在の熊対策の最大の欠点を補うことができる。
4 拳銃や刀剣の所持が法律で禁止されている国家の国民が、山間部、あるいは山間部と隣接した居住地域で、熊に襲撃される痛ましい人身事故を減少させることができる。またたとえ、熊と遭遇しなかったとしても、遭遇するかもしれないという心理的な不安が解消される。結果として、国民の安全・安心を増進する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の平面図である。
本発明の実施図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
1 護身器具は、最悪の事態を想定して、殺傷能力を備えたものでなければならない。
その理由は、熊に退去を促すだけの器具は、熊が退去せずに襲いかかって来た場合、対処できないからである。熊が殺意を持って殺傷能力のある鈎爪や牙を使うのだから、応戦する側も、未必の殺意を持って殺傷能力のある器具を使わなければ互角に渡り合えない。
2 ステッキの素材を金属にして強度を高める。金属の中でも破壊力の大きい鉄製が最適である。頭部・顔面を守るために顔前に構えると、鈎爪の付いた腕が当たっても、折れることなく防御機能を果たす。また、振り下ろして頭部にクリーンヒットさせれば、容易に撲殺するほどの打撃能力を発揮する。頭部以外でも、当たれば脅威になるから、熊は戦意喪失して現場から立ち去る。
ここで最大の課題となるのは、金属は重いということである。打撃力は重さに比例するが、重さは携行の不便さに比例する。一般的なステッキが、木製、または、内部が空洞の化学繊維(カーボン)、プラスチック、樹脂などで重さは200~500g程度である。従って、アルミニウム、ジュラルミンなどの、硬度と軽量を兼ね備えた軽金属を素材とした棒状のステッキが適している。鉄製の場合は小径または中空にする。いずれにしても、コンクリートブロック、レンガなどを叩き割れる程度の打撃力があれば十分である。
打撃力は、素材の材質と重量だけでなく、慣性モーメントという要素も関連する。簡単に言うと棒の長さである。例えば、柄の長さが20cmの金槌と、柄の長さが1mの金槌(現実には存在しない)では、打撃面に作用する力は大きく異なる。熊との対戦は屋外戦だから、長尺が効果的であることは言うまでもない。理想的な長さは使用者の身長と同じ程度である。山岳修験者が使用する「錫杖」は、銅などの金属製の杖で、上部に音響発生装置を搭載して、熊に警戒を促すと同時に、防御具、打撃具としての機能を備えている。しかし、修験者でない者には、長過ぎ、重過ぎる。ステッキは、通常の長さ(1m前後)とし、必要最低限の打撃力を確保して、可能な限り軽量化を追求する。
3 ステッキは、取っ手の先に鍔(つば)を付ける。これは、日本刀と同じように、対戦中に握り拳を保護するためである。
銃砲が発明される以前の古代から中世の時代、西洋の戦場では、兵士は左手に大きな盾を持ち、右手に剣を持って戦っていた。盾を大きくするほど防御力が高まる反面、攻撃力が低下する。日本には古来から、攻撃力を極大化するために、防御力を極小化するという武士道のコンセプトがある。盾をどこまでも小さくして、最終的に剣に装着したものが鍔である。日本刀の対戦では、通常、相手は右上段から斜めに、頚動脈、肩、胸のラインに袈裟斬りに振り下ろして来るから、それを刀で振り払うときの角度が浅いと、相手の刀が自分の刀の刀身を擦りながら下に向かって、鍔にぶつかる。もし鍔が無ければ右手の指を全部落とす。だから、鍔は必要最低限の盾として、攻撃を続行するために必要であって、それ以外の大きな盾はいらない。命を守ることを考えずに攻撃に専念する「命知らず」を鍔者(つばもの)と呼び、それが強者(つわもの)の語源になった。太平洋戦争で、米軍の戦闘機は、乗員の命を守るために操縦席の周囲を厚い鉄板で覆い、機体が重く空中戦の飛行性能が鈍化したが、日本のゼロ戦は防御を捨て、飛行性能を鋭敏化した。
熊撃退ステッキは、頭部・顔面を守るために正面に構えたとき、振り下ろした熊の腕の先端の鈎爪が、握り拳に当たって手が破壊されないように、ステッキに鍔を付ける。
4 ステッキは、棒状またはパイプ状の標準的な形状をしているが、必要に応じて、打撃のインパクトを高めるために、先端に各種アタッチメントを装着できるようにする。
アタッチメントは、標準は金槌であるが、初心者が熊に殺傷されるリスクの軽減、上級者の過剰ハンディの不満解消、携行中の両手フリーなど、使用者の要望で各種用意する。
ステッキの手元にネジ穴を設け、アタッチメントの後部にネジを設ける。通常はネジ穴を保護するために、ネジの付いた蓋をはめ込んでいる。アタッチメントの種類は、円錐タイプの金槌、鉄球、突起タイプ鉄球、超小型の斧・鉈、バリ…である。また、熊の鈎爪と等しいサイズ、強度の金属性鈎爪は、対戦の公平性という観点からすると適している。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
弓用の弦
29日前
個人
くまステッキ
1か月前
東レ株式会社
防刃材
6か月前
個人
低反動銃火器
5か月前
個人
超強力磁石付き刺股。
7か月前
株式会社東京マルイ
玩具銃
8か月前
株式会社東京マルイ
玩具銃
2か月前
個人
防犯用カラーボウル付きの指す叉
1か月前
パテントフレア株式会社
遠赤外レーザー銃
7か月前
株式会社ライト光機製作所
光学照準器
4日前
株式会社 MULE
発火カートリッジ
11日前
個人
弾倉、気体収容部材及び玩具銃
6か月前
アイ・コーポレーション株式会社
刺股
5か月前
個人
フェイズドアレイテスラコイル防空システム
11日前
株式会社LIXIL
防犯フェンス
4か月前
三菱重工業株式会社
装甲車
6か月前
株式会社カブール
防刃・防刺・防弾用具
2か月前
個人
ライフル銃、ピストルおよびそれらの位置調整機構
2か月前
合同会社IPマネジメント
RWSによるアクティブ防御システム
2か月前
株式会社国際電気
射撃訓練システム
5か月前
京北産業有限会社
射撃訓練システム
3か月前
NECネットワーク・センサ株式会社
水中航走体射出装置および射出方法
5か月前
株式会社モダンビル管理
体動訓練システム、訓練方法及び訓練アプリケーション
7か月前
三菱重工業株式会社
照準投射システム及び照準投射方法
3か月前
株式会社エイテック
標的システム
8か月前
株式会社ナイト工芸
飛沫拡散防止機能付ブローライフル
6か月前
株式会社LIXIL
防犯フェンス
4か月前
東芝電波プロダクツ株式会社
現示器、現示システム、および現示方法
6か月前
東芝電波プロダクツ株式会社
着弾方位の音響現示装置、方法、およびプログラム
6か月前
株式会社東芝
無人航空機対処システム、中央装置、および、無人航空機対処方法
4か月前
三菱電機ディフェンス&スペーステクノロジーズ株式会社
射撃訓練装置、射撃訓練方法、及び射撃訓練プログラム
3か月前
イオテック,エルエルシー
テーパー状のハウジングを備える武器照準器
1か月前
ビーエーイー システムズ ハッグルンズ アクチエボラグ
弾薬を武器に供給するための装置
26日前
シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
ツール不要ゼロ点調節を備えたライフルスコープターレット
26日前
ケーエヌディーエス・フランス
ストレッチャー上の発射体を位置決めし、その位置に保持するためのアセンブリ、およびそのようなアセンブリを含む装填補助装置
今日
シェルタード ウィングス, インコーポレイテッド
光学照準装置用の二重焦点面レチクル
4日前
続きを見る