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公開番号
2025090022
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-16
出願番号
2024209255
出願日
2024-12-02
発明の名称
ポリエステルフィルムロール、およびポリエステルフィルムロールの製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C08J
5/18 20060101AFI20250609BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】ポリエステルフィルムが巻き取られてなるポリエステルフィルムロールであって、かかるポリエステルフィルムロールが輸送に伴う振動、温度変化および長期保管による表層シワを発生しにくい、ポリエステルフィルムロールを提供する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とするフィルムを、コアに巻き取ってなるフィルムロールであり、前記フィルムロールのフィルム表面の電位について、最表層の幅方向5点と、R/100の位置における幅方向5点の電位がそれぞれ-0.5~+0.5kVの間の値であるポリエステルフィルムロール。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とするフィルムを、コアに巻き取ってなるフィルムロールであり、前記フィルムロールのフィルム表面の電位について、最表層の幅方向5点と、R/100の位置における幅方向5点の電位がそれぞれ-0.5~+0.5kVの間の値であるポリエステルフィルムロール。
なお、R/100の位置、とは、前記フィルムロールの直径をR(mm)とした際、ロール直径が99R/100(mm)となるよう切開した際の表層位置をいう。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記フィルムロールの、最表層および最表層からR/100の位置におけるフィルムの中心面平均粗さSRaの幅方向5点の平均値が両面とも10nm以上50nm以下であり、フィルム厚みが15~50μmである請求項1に記載のポリエステルフィルムロール。
【請求項3】
前記フィルムロールの幅方向を10分割、最表層からR/100までのフィルムを流れ方向に10分割したフィルムにおいて、分割交点を斜めに結んだフィルム端部を起点とする斜め方向の厚みムラr(max-min)が1.0μm以下である、請求項1または2に記載のポリエステルフィルムロール。
【請求項4】
前記フィルムの最表層の硬度H1、表層からR/100の硬度H2、巻き芯からR/100の硬度H3について、下式の値が20~50である請求項1または2に記載のポリエステルフィルムロール。
(H2-H1)÷(H3-H1)×100 ・・・式
【請求項5】
積層セラミックコンデンサの成型用基材として用いられる、請求項1または2に記載のポリエステルフィルムロール。
【請求項6】
自動車用積層セラミックコンデンサの成型用基材として用いられる、請求項5に記載のポリエステルフィルムロール。
【請求項7】
請求項4に記載のポリエステルフィルムロールの製造方法であって、R/100におけるスリット速度の減速傾斜が2m/min/sec以上5m/min/sec以下である、ポリエステルフィルムロールの製造方法。
【請求項8】
前記ポリエステルフィルムロールの製造方法において、R/100における巻取張力の上昇傾斜が0.005kg/m/sec以上0.02kg/m/sec以下である、請求項7に記載のポリエステルフィルムロールの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はポリエステルフィルムを巻き取ってなるポリエステルフィルムロールに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステルフィルムは、機械特性や熱特性、コシの強さやコストの観点から、工業材料用途として多様に用いられており、最近では、各種の離型用途に広く用いられている。例えば、電子部材関連の工程用離型フィルムとして、積層セラミックコンデンサのグリーンシートの成型用基材や、液晶偏光板のセパレータ、ドライフィルムレジスト用基材などに用いられている。
【0003】
昨今のスマートフォンの機能高度化や、スマートウォッチ、ウェアラブル機器の普及に伴い、積層セラミックコンデンサの小型高容量化が更に進んでいる。積層セラミックコンデンサの製造に用いる離型フィルムに関しては、グリーンシートの薄膜化に伴い、平滑性が高く、フィルム表面および内部に欠陥の無く、フィルムの平面性に優れたポリエステルフィルムの需要が伸び続けている。自動車に搭載される積層セラミックコンデンサは、自動車のIoT(Internet Of Things)化や、自動運転機能の搭載により、需要が急速に拡大している。これら自動車用積層セラミックコンデンサに対しては、従来の要求より更に厳しく信頼性を求められている。特に、積層セラミックコンデンサの誘電体部品となるグリーンシートの成型においては、フィルムが起因となって発生するスラリーの欠陥や、厚みの不均一さ、シワに対する要求がより厳しくなっている。加えて、コストダウンの観点から製膜・スリット速度の増速、フィルムロール長の加尺、フィルム厚みの薄膜化、フィルム幅の広幅化が進められている。
【0004】
フィルムの厚みムラは、特許文献1に示すように、長手方向に15mの測定を実施し判定することや、1m長を5mm毎に測定して判定する手法が公知の手法として知られている。また、特許文献2に示すように、偏光板を検査するクロスニコル法において偏光板から漏れる光の強度のムラが強くなり、検査の障害となることから、厚みムラを所定の範囲にする必要がある。特許文献3に示すように、同時二軸延伸を実施し、面配向を高めることで達成することが知られている。特許文献4では硬度の増加率を一定の範囲とすることで、長期保管時の加工適性に優れた熱収縮性フィルムを提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-246685号公報
特開2017-007175号公報
特開2004-291240号公報
特開2014-73688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年のコンデンサに対する要求は、コストダウン、小型化、大容量化に加え、高信頼性化の傾向にある。
【0007】
本発明者らが、鋭意検討を行った結果、広幅、薄膜、平滑なポリエステルフィルムロールにおいて、特許文献4記載の巻き条件で巻き取ったとしても、ポリエステルフィルムロールの温度変化および長期保管に伴う巻状態の変化により、フィルムロール表層でシワが発生することが判った。
【0008】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであり、温度変化および長期保管に伴う巻き状態変化による、フィルムロール表層シワが発生しにくいポリエステルフィルムロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のフィルムは、上記課題を解決するために次の構成を有する。すなわち、
(1)ポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とするフィルムを、コアに巻き取ってなるフィルムロールであり、前記フィルムロールのフィルム表面の電位について、最表層の幅方向5点と、R/100の位置における幅方向5点の電位がそれぞれ-0.5~+0.5kVの間の値であるポリエステルフィルムロール。
なお、R/100の位置、とは、前記フィルムロールの直径をR(mm)とした際、ロール直径が99R/100(mm)となるよう切開した際の表層位置をいう。
(2)前記フィルムロールの、最表層および最表層からR/100の位置におけるフィルムの中心面平均粗さSRaの幅方向5点の平均値が両面とも10nm以上50nm以下であり、フィルム厚みが15~50μmである(1)に記載のポリエステルフィルムロール。
(3)前記フィルムロールの幅方向を10分割、最表層からR/100までのフィルムを流れ方向に10分割したフィルムにおいて、分割交点を斜めに結んだフィルム端部を起点とする斜め方向の厚みムラr(max-min)が1.0μm以下である、(1)または(2)に記載のポリエステルフィルムロール。
(4)前記フィルムの最表層の硬度H1、表層からR/100の硬度H2、巻き芯からR/100の硬度H3について、下式の値が20~50である(1)~(3)のいずれかに記載のポリエステルフィルムロール。
(H2-H1)÷(H3-H1)×100 ・・・式
(5)積層セラミックコンデンサの成型用基材として用いられる、(1)~(4)のいずれかに記載のポリエステルフィルムロール。
(6)自動車用積層セラミックコンデンサの成型用基材として用いられる、(5)に記載のポリエステルフィルムロール。
(7)(1)~(4)のいずれかに記載のポリエステルフィルムロールの製造方法であって、R/100におけるスリット速度の減速傾斜が2m/min/sec以上5m/min/sec以下である、ポリエステルフィルムロールの製造方法。
(8)前記ポリエステルフィルムロールの製造方法において、R/100における巻取張力の上昇傾斜が0.005kg/m/sec以上0.02kg/m/sec以下である、(7)に記載のポリエステルフィルムロールの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
温度変化および長期保管に伴う巻き状態変化による、フィルムロール表層シワが発生しにくいポリエステルフィルムロールを提供することができる。かかるポリエステルフィルムロールは、在庫期間に左右させず、安定して積層セラミックコンデンサの成型用基材として用いることができ、得られる積層セラミックコンデンサの積層精度を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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