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公開番号
2025090580
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-17
出願番号
2025017934,2023122227
出願日
2025-02-05,2014-03-17
発明の名称
ヘテロ二量体タンパク質
出願人
ゼンコア インコーポレイテッド
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
16/00 20060101AFI20250610BHJP(有機化学)
要約
【課題】全長抗体様の形態から作製された二重特異性抗体の欠点である、多価性に、抗原を共捕捉してしまうことを解決したヘテロ二量体抗体を提供する。
【解決手段】1つの態様において、本発明は、第一の変異Fcドメイン及び第一の抗原結合ドメインを含有する第一の重鎖定常ドメインを含有する第一のモノマー、及び第二の変異Fcドメイン及び第二の抗原結合ドメインを含有する第二の重鎖定常ドメインを含有する第二のモノマー、を含有するヘテロ二量体抗体を開示する。さらなる態様において、ヘテロ二量体抗体は、第一のFcドメイン及び第一の抗原に結合する一本鎖Fv領域(scFv)を含有する重鎖を含有する第一のモノマーを含有し、ここで、scFvは荷電scFvリンカーを含有する。ヘテロ二量体抗体はさらに、第二のFcドメイン及び第一の可変重鎖、及び第一の軽鎖を含有する第一の重鎖を含有する第二のモノマーをさらに含有する。
【選択図】図1-1
特許請求の範囲
【請求項1】
以下を含有するヘテロ二量体抗体:
a)以下を含有する第一のモノマー:
i)第一の変異Fcドメインを含有する第一の重鎖定常ドメイン;及び
ii)第一の抗原結合ドメイン;並びに
b)以下を含有する第二のモノマー:
i)第二の変異Fcドメインを含有する第二の重鎖定常ドメイン;及び
ii)第二の抗原結合ドメイン;
ここで、前記第一及び第二の変異Fcドメインのうちの1つは、図6に示されるものからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数含む)を含有する。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記第一の抗原結合ドメインは、前記第一の重鎖定常ドメインに共有結合されたscFvである、請求項1に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項3】
前記ヘテロ二量体抗体が、図1B~1L、及び2A~2Mの構造から選択される構造を有する、請求項1に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項4】
前記第一及び/又は第二のFcドメインが、434A、434S、428L、308F、259I、428L/434S、259I/308F、436I/428L、436I又はV/434S、436V/428L、252Y、252Y/254T/256E、259I/308F/428L、 236A、239D、239E、332E、332D、239D/332E、267D、267E、328F、267E/328F、236A/332E、239D/332E/330Y、239D、332E/330L、236R、328R、236R/328R、236N/267E、243L、298A及び299Tからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数含む)をさらに含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項5】
前記第一及び前記第二の変異Fcドメインのうちの1つが、アミノ酸置換364K/E357Qを含有し、並びに、他の前記第一及び前記第二の変異Fcドメインが、アミノ酸置換368D/370Sを含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項6】
前記第一及び/又は第二のFcドメインが、図7に列記されるものからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数含む)をさらに含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項7】
前記第一のモノマーが、scFvに共有結合された重鎖定常ドメインを含有し、及び前記第二のモノマーが、重鎖及び軽鎖を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項8】
前記モノマーのうちの1つが、N208D/Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項9】
請求項1に記載の前記第一及び第二のモノマーをコードする核酸を含有する、核酸組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の核酸組成物を含有する宿主細胞。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2014年1月14日に出願された国際特許出願PCT/US14/11549、2014年1月14日に出願された米国特許出願公開14/155,334、2014年3月11日に出願された14/205,248、及び2014年3月12日に出願された14/207,489の一部継続出願である。さらに、本出願は、2013年5月1日に出願された米国特許出願公開61/818,513、2013年5月1日に出願された61/818,344、2013年3月15日に出願された61/794,896、2013年5月1日に出願された61/818,401、2013年12月9日に出願された61/913,879、2013年12月9日に出願された61/913,832、2014年2月10日に出願された61/938,095、及び2013年12月9日に出願された61/913,870の優先権を主張し、それらすべては、特に、それらに開示された図面及び関連説明文、並びにアミノ酸変異に関して、その全体で参照により本明細書に明示的に援用される。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
抗体ベースの治療剤を用いて、癌及び自己免疫疾患/炎症性疾患を含む様々な疾患を治療することに成功している。しかしながら、特に、臨床効果の増強に関し、この種の薬剤に対するさらなる改善が未だ必要とされている。研究されている1つの手段としては、1つのイムノグロブリン分子が2つの異なる抗原を共捕捉するように、抗体ベースの薬剤に、追加の新規抗原結合部位を操作することである。そのような2つの異なる抗原を捕捉する非天然型又は代替抗体の形式は一般的に二重特異性抗体と呼ばれる。抗体可変領域(Fv)はかなりの多様性があるため、事実上、すべての分子を認識するFvを産生することが可能であり、典型的な二重特異性抗体の製造方法は、新たな可変領域の抗体への導入である。
【0003】
二重特異性の標的化に関し、多くの代替抗体の形式が開発されてきた(Chames & Baty, 2009, mAbs 1[6]:1-9; Holliger & Hudson, 2005, Nature Biotechnology 23[9]:1126-1136;Kontermann, mAbs 4(2):182 (2012)。それらすべては参照により本明細書に援用される)。当初、二重特異性抗体は、各々が1つのモノクローナル抗体を産生する2つの細胞株を融合することにより作製されていた(Milstein et al., 1983, Nature 305:537-540)。得られたハイブリッドのハイブリドーマ又はクアドローマは二重特異性抗体を産生したが、ほんの少数の群のみであり、所望の抗体を単離するためには大掛かりな精製が必要であった。これを解決する方法が、二重特異性抗体を作製するための抗体断片の使用であった。そのような断片は全長抗体の複雑な四次構造を欠落しているため、可変軽鎖及び重鎖を、1つの遺伝子構築物に連結することができる。ダイアボディ、単鎖ダイアボディ、タンデムscFv、及びFab
2
二重特異性抗体等、多くの異なる形態の抗体断片が作製された(Chames & Baty, 2009, mAbs 1[6]:1-9; Holliger & Hudson, 2005, Nature Biotechnology 23[9]:1126-1136。本明細書に参照により明示的に援用される)。これらの形式は、細菌において高レベル発現することができ、小さなサイズであるため、浸透という有益な利点を有する一方で、in vivoでは速やかに除去されてしまい、並びに、製造及び安定性に関連した製造上の難点がある。これら欠点の主な原因は、通常、その抗体断片が、その機能的特性(サイズを大きくすること、安定性を高くすること、及び血清半減期を長く維持する(すなわち、新生児Fc受容体FcRn)、又は精製のための結合部位として役に立つ(すなわち、プロテインA及びプロテインG)、様々なFc受容体及びリガンドに対する結合、が挙げられる)に関連した抗体の定常領域を欠いていることにある。
【0004】
さらに最近になって、二重結合を全長抗体様の形式へと操作することにより、断片をベースとした場合の二重特異性抗体の欠点に対処する試みがなされている(Wu et al., 2007, Nature Biotechnology 25[11]:1290-1297; USSN12/477,711; Michaelson et al., 2009, mAbs 1[2]:128-141; PCT/US2008/074693; Zuo et al., 2000, Protein Engineering 13[5]:361-367; USSN09/865,198; Shen et al., 2006, J Biol Chem 281[16]:10706-10714; Lu et al., 2005, J Biol Chem 280[20]:19665-19672; PCT/US2005/025472;それらすべては参照により本明細書に明示的に援用される)。これらの形式により、抗体断片二重特異性抗体の欠点の一部が克服された(主に、Fc領域を含有することによる)。ただし、これら形態の1つの顕著な難点としては、同種二量体の定常鎖の頂点に新たな抗原結合部位を築くために、新たな抗原への結合が常に二価性になるということである。
【0005】
治療用二重特異性形式の共標的として魅力的な多くの抗原に関し、望ましい結合は、二価性ではなく一価性である。多くの免疫受容体に対し、細胞活性化は、一価性の結合相互作用の架橋により行われる。架橋のメカニズムは多くの場合、抗体/抗原の免疫複合体により調節されているか、又は標的細胞とエフェクター細胞の結合を介して調節されている。たとえば、低いアフィニティのFcγ受容体(FcγR。例えば、FcγRIIa、FcγRIIb及びFcγRIIIa)は、抗体Fc領域に一価性で結合する。一価性の結合は、これらFcγRを発現する細胞を活性化しないが、免疫複合体が形成されると、又は細胞と細胞が接触すると、受容体が架橋され、及び細胞表面上にクラスター化され、それにより活性化が導かれる。細胞殺傷の調節に与する受容体に関しては、例えばナチュラルキラー細胞(NK)上のFcγRIIIaは、エフェクター細胞がより強く標的細胞を捕捉した際に、受容体の架橋及び細胞の活性化が発生する(Bowles & Weiner, 2005, J Immunol Methods 304:88-99。参照により明示的に援用される)。同様に、B細胞上では、阻害性受容体であるFcγRIIbが、細胞表面のB細胞受容体(BCR)と共に免疫複合体を形成する際にのみ、B細胞活性化が下方制御され、そのメカニズムは、可溶性IgGとBCRにより認識される同抗原の免疫複合体により調節される(Heyman 2003, Immunol Lett 88[2]:157-161; Smith and Clatworthy, 2010, Nature Reviews Immunology 10:328-343。参照により明示的に援用される)。他の例としては、T細胞のCD3活性化は、その関連T細胞受容体(TCR)が、非常に強力な細胞と細胞のシナプスにおいて、抗原提示細胞上で抗原を担持するMHCを捕捉する場合にのみ、発生する(Kuhns et al., 2006, Immunity 24:133-139)。実際には、抗CD3抗体を用いた非特異的な二価性のCD3の架橋により、サイトカインストームと毒性が誘導される(Perruche et al., 2009, J Immunol 183[2]:953-61; Chatenoud & Bluestone, 2007, Nature Reviews Immunology 7:622-632。参照により明示的に援用される)。ゆえに、実際の臨床応用のためには、標的細胞殺傷転換に対する、CD3の共捕捉の好ましい様式は一価性の結合であり、それにより、共捕捉された標的が捕捉される場合にのみ、活性化がもたらされることとなる。
【0006】
ゆえに、抗体断片から作製された二重特異性抗体には生物物理的、薬物動態的なハードルがある一方で、全長抗体様の形態から作製されたものの欠点は、主要標的抗原が存在しない状況下では、多価性に、抗原を共捕捉してしまうことであり、それによって、非特異的な活性化が発生し、毒性が発生する可能性が生じる。本発明は、異なる標的抗原を多価性に共捕捉することができる新規な二重特異性形態のセットを導入することにより、この問題を解決するものである。さらに、本発明により、抗体を含むヘテロ二量体タンパク質の形成及び精製がより可能となる、新規ヘテロ二量体変異が開示される。
【発明の概要】
【0007】
1つの態様において、本発明により、第一の変異Fcドメイン及び第一の抗原結合ドメインを含有する第一の重鎖定常ドメインを含有する第一のモノマー、及び第二の変異Fcドメイン及び第二の抗原結合ドメインを含有する第二の重鎖定常ドメインを含有する第二のモノマー、を含有するヘテロ二量体抗体が開示される。
【0008】
さらなる態様において、ヘテロ二量体抗体は、第一のFcドメイン及び第一の抗原に結合する一本鎖Fv領域(scFv)を含有する重鎖を含有する第一のモノマーを含有し、ここで、当該scFvは、荷電scFvリンカーを含有する。ヘテロ二量体抗体はさらに、第二のFcドメイン及び第一の可変重鎖及び第一の軽鎖を含有する第一の重鎖を含有する第二のモノマー、を含有する。さらなる態様において、この荷電リンカーは、3~8の正電荷、又は3~8の負電荷のいずれかを有しており、及び図9に示されるリンカーからなる群から選択される。
【0009】
さらなる態様において、本発明により、ヒトFcドメインと比較して、第一の変異Fcドメイン;及び第一の抗原に結合する第一の抗原結合ドメインを含有する第一の重鎖配列;並びに、ヒトFcドメインと比較して第二の変異Fcドメイン;及び第二の抗原と結合する第二の抗原ドメインを含有する第二の重鎖配列、を含有する第一のモノマーを含有し、ここで、当該第一及び第二のFcドメインは、図3に示されるアミノ酸セットからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを含有する、ヘテロ二量体抗体組成が開示される。
【0010】
さらなる態様において、本発明により、ヒトFcドメインと比較して第一の変異Fcドメインを含有する第一の重鎖配列;及び第一の抗原に結合する第一の抗原結合ドメイン;及びヒトFcドメインと比較して第二の変異Fcドメインを含有する第二の重鎖配列;及びCD19に結合する第二の抗原結合ドメイン、を含有する第一のモノマーを含有するヘテロ二量体抗体組成物が開示される。第二の抗原結合ドメインは、H1.227(配列番号X)のアミノ酸配列を含有する可変重鎖ドメイン、及びL1.198(配列番号X)のアミノ酸配列及び図21に示される1.199(配列番号X)のアミノ酸配列からなる群から選択される可変軽鎖を含有する。
(【0011】以降は省略されています)
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