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公開番号
2025091878
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207402
出願日
2023-12-08
発明の名称
黒鉛坩堝、SiC単結晶製造方法及び黒鉛坩堝の再生方法
出願人
SECカーボン株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
C30B
29/36 20060101AFI20250612BHJP(結晶成長)
要約
【課題】製造するSiC単結晶の欠陥や割れを抑制する。
【解決手段】黒鉛坩堝は、種結晶基板の主面上に、昇華再結晶法によりSiC単結晶を成長させるための黒鉛坩堝であって、前記黒鉛坩堝の内部空間は、前記主面と、前記主面を除く内面とに囲まれ、前記内面のうち、主面の近傍に、可撓性黒鉛シートが貼り付けられている。SiC単結晶製造方法は、主面が内部空間に露出するように種結晶基板を黒鉛坩堝に固定する、種結晶取付け工程と、前記内部空間が接する内面のうち前記主面の近傍に可撓性黒鉛シートを貼り付ける、シート配置工程と、前記黒鉛坩堝に原料を投入する、原料投入工程と、前記原料を投入した前記黒鉛坩堝を加熱して、前記内部空間にSiCの昇華ガスを形成し、露出した前記主面にSiC単結晶を成長させる、加熱工程と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
種結晶基板の主面上に、昇華再結晶法によりSiC単結晶を成長させるための黒鉛坩堝であって、
前記黒鉛坩堝の内部空間は、前記主面と、前記主面を除く内面とに囲まれ、
前記内面のうち、主面の近傍に可撓性黒鉛シートが貼り付けられていることを特徴とする、黒鉛坩堝。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記可撓性黒鉛シートが貼り付けられている前記主面の近傍は、前記内部空間の中心に向かって突出する内凸部の側面であることを特徴とする、請求項1に記載の黒鉛坩堝。
【請求項3】
前記可撓性黒鉛シートが貼り付けられている前記主面の近傍は、前記種結晶基板の側面の少なくとも一部を含むことを特徴とする、請求項2に記載の黒鉛坩堝。
【請求項4】
前記可撓性黒鉛シートが貼り付けられている前記主面の近傍は、前記種結晶基板の側面と前記種結晶基板を取り付けるための台座の側面とに跨って配置されることを特徴とする、請求項3に記載の黒鉛坩堝。
【請求項5】
前記内凸部の側面の少なくとも一部に、前記内凸部の前記側面から外方向に延びる突出部を有し、前記外方向は前記種結晶基板の主面に沿う面上で前記種結晶基板の中心から放射方向へ向かう方向であることを特徴とする、請求項2に記載の黒鉛坩堝。
【請求項6】
前記可撓性黒鉛シートが貼り付けられている前記主面の近傍は、前記内部空間の中心に向かって突出する内凸部の周囲の天井面であることを特徴とする、請求項1に記載の黒鉛坩堝。
【請求項7】
主面が内部空間に露出するように種結晶基板を黒鉛坩堝に固定する、種結晶取付け工程と、
前記内部空間が接する内面のうち前記主面の近傍に可撓性黒鉛シートを貼り付ける、シート配置工程と、
前記黒鉛坩堝に原料を投入する、原料投入工程と、
前記原料を投入した前記黒鉛坩堝を加熱して、前記内部空間にSiCの昇華ガスを形成し、露出した前記主面にSiC単結晶を成長させる、加熱工程と、
を含むSiC単結晶製造方法。
【請求項8】
前記シート配置工程において、有機系接着剤を使用して前記可撓性黒鉛シートを貼り付けることを特徴とする、請求項7に記載のSiC単結晶製造方法。
【請求項9】
請求項7又は請求項8のSiC単結晶製造方法で製造した後、前記種結晶基板を含むSiC単結晶を前記黒鉛坩堝から取り外すとともに、前記可撓性黒鉛シートを貼り付けた面から前記可撓性黒鉛シートを離脱させることにより、使用後の前記黒鉛坩堝を再生することを特徴とする、黒鉛坩堝の再生方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒鉛坩堝、SiC単結晶製造方法及び黒鉛坩堝の再生方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、昇華再結晶法によりSiC単結晶インゴットを製造する方法が広く知られている。例えば、特許文献1には、炭素原料と珪素原料を加熱合成して得られる炭化珪素を黒鉛坩堝に入れて当該黒鉛坩堝を加熱して炭化珪素を昇華させ、種結晶基板上にSiC単結晶を成長させて、SiC単結晶インゴットを得ることが記載されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-314217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SiC単結晶の成長過程で、SiC単結晶に欠陥や割れが発生することがある。欠陥には結晶の原子配列のずれ等を含み、割れには形状の欠損を含む。本発明は、製造するSiC単結晶の欠陥や割れを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の黒鉛坩堝は、種結晶基板の主面上に、昇華再結晶法によりSiC単結晶を成長させるための黒鉛坩堝であって、
前記黒鉛坩堝の内部空間は、前記主面と、前記主面を除く内面とに囲まれ、
前記内面のうち、主面の近傍に、可撓性黒鉛シートが貼り付けられている。
【0006】
上記黒鉛坩堝が、SiC単結晶(以下、単に「単結晶」ということがある。)の欠陥や割れを抑制できる理由について説明する前に、単結晶に欠陥や割れが生じる機序について説明する。
【0007】
種結晶基板の主面を除く、黒鉛坩堝の内面には、SiC多結晶(以下、単に「多結晶」ということがある。)が成長する。多結晶は製造の目的ではない。それどころか、多結晶が成長すると、種結晶基板上で成長する単結晶と連絡することになる。本明細書でいう、多結晶と単結晶の間の連絡とは、多結晶と単結晶が接触するのみならず、多結晶と単結晶が互いに結合している状態をいう。そうなると、単結晶は、多結晶を介して間接的に、黒鉛坩堝と結合されることになる。単結晶の熱膨張係数と多結晶の熱膨張係数の差はそれほど大きくないが、単結晶の熱膨張係数と坩堝を構成する黒鉛の熱膨張係数の差は大きい。単結晶を成長させる高温状態から室温まで降温すると、単結晶と黒鉛との熱膨張係数差により生じる寸法変化の差異が、多結晶を挟んで結合される、単結晶と黒鉛坩堝の一方に圧縮応力を与え、他方に引張応力を与える。その結果、単結晶内に欠陥や割れを引き起こす。これが、単結晶に欠陥や割れが生じる機序である。
【0008】
本発明者らの鋭意研究の結果、単結晶の欠陥や割れの発生を抑制し、この機序を妨げるためには、可撓性黒鉛シートを、黒鉛坩堝の内部空間を囲う内面のうち、基板の主面の近傍に、可撓性黒鉛シートを貼り付けることが有効であることを見出した。
【0009】
基板の主面の近傍に、可撓性黒鉛シートを貼り付けることが、単結晶の欠陥や割れ発生の抑制につながることを説明する。可撓性黒鉛シート上では多結晶が核生成し難い。可撓性黒鉛シート上で核生成した場合でも、可撓性黒鉛シート上では多結晶の成長速度が遅い。基板の主面の近傍に、可撓性黒鉛シートを貼り付けることで、基板の主面の近傍において多結晶の成長を抑制し、多結晶が単結晶に連絡しないようにする。
【0010】
本明細書において、種結晶基板の主面とは、他の面(基板の側面)よりも大きな面積を持つ面をいう。単結晶基板の表面と裏面の二面が主面に該当する。ここで、裏面は黒鉛坩堝(台座)に固定される主面である。そして、表面は、内部空間に露出する主面である。本明細書において、種結晶基板の主面の近傍とは、その位置を起点として成長した多結晶が、種結晶基板の主面又は成長した単結晶に連絡し得る範囲をいう。つまり、多結晶が成長しても、成長した多結晶が種結晶基板の主面(表面又は裏面)や単結晶に連絡しないように、可撓性黒鉛シートを配置する。具体的には、発明を実施するための形態として開示する第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態、第四実施形態、第五実施形態、第六実施形態、及び第七実施形態において示される可撓性黒鉛シートの配置は、種結晶基板の主面の近傍に該当する。可撓性黒鉛シートの配置された場所が、「種結晶基板の主面の近傍」に当たるか否かの判定基準として、当該場所に可撓性黒鉛シートを配置しない黒鉛坩堝を10回使用した場合に、当該場所から種結晶基板の主面又は成長した単結晶まで多結晶が連絡する黒鉛坩堝が1回でも発生すれば、当該場所は「種結晶基板の主面の近傍」であると判別できる。
(【0011】以降は省略されています)
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