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公開番号2025098732
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023215061
出願日2023-12-20
発明の名称ノイズフィルタ
出願人株式会社豊田中央研究所,株式会社豊田自動織機
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H03H 7/09 20060101AFI20250625BHJP(基本電子回路)
要約【課題】ノイズフィルタを提供する。
【解決手段】ノイズフィルタは、第1および第2端子を備え、互いに重複している第1および第2領域を備える巻線を備える。ノイズフィルタは、第1および第2の配線端部を備える分岐配線を備える。第1の配線端部が第1領域に接続され、第2の配線端部が基準電位部位に接続されている。ノイズフィルタは、分岐配線に配置されているコンデンサを備える。ノイズフィルタは、第1および第2領域と、分岐配線の一部と、を取り囲む磁性体を備える。巻線は、第1端子から第1の配線端部が接続されている中間部までを接続している第1導電線と、中間部から第2端子までを接続している第2導電線と、を備える。第1領域は、磁性体に取り囲まれている特定領域を備える。第1の配線端部は、特定領域内に位置している。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
第1端子および第2端子を備えるとともに、同一方向に電流が流れるように互いに重複している第1領域および第2領域を備える巻線と、
第1の配線端部と第2の配線端部を備える分岐配線であって、前記第1の配線端部が前記第1領域に接続されており、前記第2の配線端部が基準電位部位に接続されている、前記分岐配線と、
前記分岐配線の経路上に配置されているコンデンサと、
前記第1領域および前記第2領域の少なくとも一部を取り囲むとともに、前記分岐配線の一部を取り囲むように配置されている磁性体と、
を備え、
前記巻線は、前記第1端子から前記第1の配線端部が接続されている中間部までを接続している第1導電線と、前記中間部から前記第2端子までを接続している第2導電線と、を備えており、
前記第1領域は、前記磁性体に取り囲まれている特定領域を備えており、
前記第1の配線端部は、前記特定領域内に位置している、
ノイズフィルタ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記磁性体は、前記第1導電線と前記第2導電線を磁気結合させ、これらの間に生じる相互インダクタンスによって前記コンデンサの等価直列インダクタンスと前記分岐配線の寄生インダクタンスを減ずるように構成されている、請求項1に記載のノイズフィルタ。
【請求項3】
前記第1の配線端部が前記第1領域に接続される位置を、前記第1領域の長手方向において変更することが可能に構成されている、請求項1に記載のノイズフィルタ。
【請求項4】
前記磁性体は、第1の磁性体部と第2の磁性体部とを備えており、
前記第1の磁性体部は、対向配置されている第1柱状部および第2柱状部と、前記第1柱状部の一端および第2柱状部の一端の間を接続している接続部と、を備えており、前記第1柱状部と第2柱状部との間に、第1方向に延びる溝部が形成されており、
前記第2の磁性体部は、前記第1柱状部の他端および前記第2柱状部の他端と対向して配置されており、
前記第2の磁性体部で塞がれている前記溝部の内部に、前記第1領域および前記第2領域の少なくとも一部、および、前記第1の配線端部が配置されており、
前記分岐配線は、前記磁性体に取り囲まれている部分である特定配線部分を有しており、
前記特定配線部分は、前記第1の配線端部から前記第1方向と直交する第2方向に向かって延びているとともに、前記第1柱状部の他端と前記第2の磁性体部とが対向している領域を通過している、請求項1に記載のノイズフィルタ。
【請求項5】
前記第1柱状部の他端に位置する第1端面に垂直な方向から見たときに、前記第1端面の一部は、前記特定配線部分と重複しており、
前記第1端面の前記特定配線部分と重複していない領域の面積は、前記第2柱状部の他端に位置する第2端面の面積と略同一である、請求項4に記載のノイズフィルタ。
【請求項6】
前記分岐配線の前記特定配線部分は、前記第2方向以外の方向へ延びている部分を含んでいる、請求項4に記載のノイズフィルタ。
【請求項7】
前記第1柱状部の他端に位置する第1端面と前記第2の磁性体部との間にはギャップが形成されており、
前記特定配線部分は、前記ギャップに配置されている、請求項4に記載のノイズフィルタ。
【請求項8】
前記ギャップに配置されている絶縁性のスペーサをさらに備え、
前記スペーサは、前記第1端面に垂直な方向から見たときに、前記第1端面内の領域のうち前記特定配線部分が存在しない領域内に配置されている、請求項7に記載のノイズフィルタ。
【請求項9】
前記第1柱状部の他端に位置する第1端面には、前記第2方向へ延びているガイド溝が形成されており、
前記ガイド溝の内部に、前記特定配線部分が配置されている、請求項4に記載のノイズフィルタ。
【請求項10】
前記ノイズフィルタは、2つの貫通孔を備えた基板をさらに備えており、
前記基板は、前記第2方向に並んで配置された2つの貫通孔であって、前記第1領域および前記第2領域を挟んで対向する位置に配置されている前記2つの貫通孔を備えており、
前記第1の磁性体部と前記第2の磁性体部は、前記2つの貫通孔を介して組み合わされており、
前記分岐配線は、前記基板上に配置されている、請求項4に記載のノイズフィルタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、ノイズフィルタに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
導電線に重畳する電磁ノイズを抑えるために、ノイズフィルタの開発が進められている。この種のノイズフィルタの多くは、電磁ノイズを導電線からグラウンドにバイパスさせるためのコンデンサを備えている。しかしながら、コンデンサには等価直列インダクタンス(ESL:Equivalent Series Inductance)と称される寄生インダクタンスが存在しており、さらに、そのコンデンサが接続する配線にも寄生インダクタンスが存在している。このため、このようなノイズフィルタは、これら寄生インダクタンスの影響により、高周波帯域の電磁ノイズに対して良好なフィルタ性能を発揮できないことが知られている。
【0003】
特許文献1には、入力側導電線と出力側導電線の磁気結合により発生する相互インダクタンスによって、コンデンサおよびグラウンド側導電線の寄生インダクタンスを低減するノイズフィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2020/246028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、コンデンサおよびグラウンド側導電線の寄生インダクタンスと、入力側導電線と出力側導電線とで発生する相互インダクタンスと、のバランスが崩れてしまう場合がある。この場合、寄生インダクタンスが大きい場合と同様にして、フィルタ性能が悪化してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示するノイズフィルタの一実施形態は、第1端子および第2端子を備えるとともに、同一方向に電流が流れるように互いに重複している第1領域および第2領域を備える巻線を備える。ノイズフィルタは、第1の配線端部と第2の配線端部を備える分岐配線を備える。第1の配線端部が第1領域に接続されており、第2の配線端部が基準電位部位に接続されている。ノイズフィルタは、分岐配線の経路上に配置されているコンデンサを備える。ノイズフィルタは、第1領域および第2領域の少なくとも一部を取り囲むとともに、分岐配線の一部を取り囲むように配置されている磁性体を備える。巻線は、第1端子から第1の配線端部が接続されている中間部までを接続している第1導電線と、中間部から第2端子までを接続している第2導電線と、を備えている。第1領域は、磁性体に取り囲まれている特定領域を備えている。第1の配線端部は、特定領域内に位置している。
【0007】
上記実施形態のノイズフィルタでは、第1導電線および第2導電線の磁気結合により生じる相互インダクタンスによって、コンデンサの等価直列インダクタンスと分岐配線の寄生インダクタンスを減ずることができる。そして、特定領域の一端から中間部までの距離と、中間部から特定領域の他端までの距離と、を異ならせることで、相互インダクタンスを調整することができる。換言すると、相互インダクタンスは、特定領域の一端を中間部とした場合には小さくでき、特定領域の多端を中間部とした場合には大きくすることができる。よって、特定領域の一端から他端までの範囲内で中間部の位置を変えることで、相互インダクタンスを変化させることができる。これにより、等価直列インダクタンスおよび寄生インダクタンスと、相互インダクタンスと、のバランスを適宜調整することが可能となる。フィルタ性能の悪化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
LCL構成のT型のノイズフィルタのノイズ伝達特性を説明する図である。
LCL構成のT型のノイズフィルタのノイズ伝達特性を説明する図である。
実施例1に係るノイズフィルタ1の斜視図を模式的に示す図である。
実施例1に係るノイズフィルタ1の分解斜視図である。
磁性体コア70の拡大斜視図である。
インダクタLLの等価回路である。
巻き数n

に対する相互インダクタンスMの変化を示すグラフである。
実施例2に係るノイズフィルタ201の分解斜視図を模式的に示す図である。
磁性体部271の変形例を示す斜視図である。
磁性体部271の変形例を示す斜視図である。
実施例3に係る磁性体部271の下面図である。
実施例4に係る磁性体部271の下面図である。
実施例4に係る磁性体部271の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(ノイズ低減効果の原理)
本願明細書が開示するノイズフィルタを説明する前に、図1を参照し、LCL構成のT型のノイズフィルタ1のノイズ伝達特性について説明する。ノイズフィルタ1は、電力導電線に直列接続されている一対のインダクタL1、L2と、電力導電線と基準導電線の間に接続されているコンデンサCと、を備えている。インダクタL1のインダクタンスがL

であり、インダクタL2のインダクタンスがL

である。なお、これらインダクタL1、L2は、電力導電線の寄生インダクタであってもよい。コンデンサCは、一端が一対のインダクタL1、L2の間の分岐部に接続されており、他端が基準導電線に接続されている。インダクタL3のインダクタンスL

は、コンデンサCのESLと、コンデンサCが接続する配線の寄生インダクタンスとの和である。Z

は、ノイズ源の内部インピーダンスであり、Z

は負荷回路のインピーダンスである。このノイズフィルタ1では、インダクタL1とインダクタL2が磁気結合している。インダクタL1、L2のそれぞれを流れる電流I

、I

が図中の向きに流れるとし、これらインダクタL1、L2の間に正の相互インダクタンスMが生じているとする。ノイズ電圧をV
noise
とすると、負荷回路に加わるノイズ電圧V

は、以下の式で表される。
【0010】
TIFF
2025098732000002.tif
15
170

L1
:インダクタL1のインピーダンス(jω(L
1
+M))

L2
:インダクタL2のインピーダンス(jω(L
2
+M))

L3
:コンデンサCの等価直列インダクタとコンデンサCが接続される配線の寄生インダクタの和からなるインピーダンス(jω(L
3
-M))


:コンデンサCのインピーダンス(1/jωC)
ω:角周波数(2πf)
(【0011】以降は省略されています)

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