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公開番号2025100163
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023217333
出願日2023-12-22
発明の名称ヨウ化水素ガスの製造方法
出願人株式会社合同資源
代理人個人,個人
主分類C01B 7/13 20060101AFI20250626BHJP(無機化学)
要約【課題】簡便な装置で、かつ装置破損等の恐れがなく、高純度のヨウ化水素を工業的に有利に製造できる方法を提供する。
【解決手段】ホッパーと、固体ヨウ素を所定量排出する吐出部を備え、前記吐出部が不活性ガスの導入口及び排出口を有する振動フィーダーを用いて、前記吐出部に不活性ガスを流通させながら、ナフタレンの水素化物を含む液体に固体ヨウ素を添加する、ヨウ化水素の製造方法。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
ホッパーと、固体ヨウ素を所定量排出する吐出部を備え、前記吐出部が不活性ガスの導入口を有する振動フィーダーを用いて、前記吐出部に不活性ガスを流通させながら、ナフタレンの水素化物を含む液体に固体ヨウ素を添加する、ヨウ化水素の製造方法。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
少なくとも第1の弁と第2の弁の2つが直列的に具備され、両弁の間に固体ヨウ素を保持して定量的に反応器に固体ヨウ素を添加するための空間部を有し、かつ前記第1の弁と前記第2の弁の間には不活性ガス送入口及び前記第1の弁と前記第2の弁の間を脱圧するための脱気口を備えた固形物装入装置を有する反応器に、ナフタレンの水素化物を含む液体を装填し、前記固形物装入装置の前記空間部に、前記振動フィーダーを用いて前記吐出部に不活性ガスを流通させながら固体ヨウ素を添加する、請求項1に記載のヨウ化水素の製造方法。
【請求項3】
前記固形物装入装置の前記第1の弁及び前記第2の弁を制御して、ナフタレンの水素化物を含む液体に一定時間内に固体ヨウ素を添加する、請求項2に記載のヨウ化水素の製造方法。
【請求項4】
ナフタレンの水素化物を含む液体に固体ヨウ素を添加することによって生成したヨウ化水素ガスを0℃~-30℃に冷却し、生じた凝縮物又は固化物を前記ヨウ化水素ガスより分離する工程を含む、請求項1に記載のヨウ化水素の製造方法。
【請求項5】
生成したヨウ化水素ガスを、ゼオライト及び活性炭と接触させる工程を含む、請求項1に記載のヨウ化水素の製造方法。
【請求項6】
前記ゼオライト及び前記活性炭の少なくとも一方が、予めヨウ化水素ガスと接触させて前処理されている、請求項5に記載のヨウ化水素の製造方法。
【請求項7】
前記ナフタレンの水素化物を含む液体の温度を120~210℃に維持して前記固体ヨウ素の添加を行い、添加終了後に、混合物の温度を前記添加時の温度+5~+30℃に昇温して熟成をさらに行う、請求項1に記載のヨウ化水素の製造方法。
【請求項8】
反応終了後の残留物中のナフタレン含有量を30質量%以下に制御する、請求項7に記載のヨウ化水素の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨウ化水素の製造方法に関する。詳細には、本発明は、高純度のヨウ化水素の工業的に有利な製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ヨウ化水素は各種ヨウ化物の合成原料、医薬用中間体、還元剤等の種々の用途に有用である。中でも、高純度ヨウ化水素ガスは半導体分野における高性能のエッチング剤として、特にITOのドライエッチング用途に用いられている。
高純度のヨウ化水素を製造する方法として、例えばヨウ化水素を製造するに際して工業的に適した装置(特許文献1参照)や、ヨウ素の全部をナフタレンの水素付加物の一部に予め溶解させ、この溶液をナフタレンの水素付加物の残りに連続的又は間欠的に添加しながら反応させ、次いでゼオライトと接触させる方法(特許文献2~3参照)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-301362号公報
特開平09-025103号公報
特開平10-087301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工業的な観点からは、ヨウ素をナフタレンの水素付加物の一部に予め溶解させて添加する特許文献2又は特許文献3の方法に対し、特許文献1の方法が有利である。特許文献1には、腐食性ガスが発生している反応系に、良好な作業環境で安全に固体を制御された量で添加する観点から、固体ヨウ素の定量添加装置として、ロータリーバルブが具体的に開示されている。ここでロータリーバルブは、SUS等の母材のヨウ素による腐食を防ぐために、例えばPVC樹脂でライニングされたSUS等の材料を用いる必要がある。
しかし、ロータリーバルブはローター(弁体)がケーシング内において回転する構造であるため、固体ヨウ素の連続的な排出性の点では優れるが、ローターとケーシングとの間に設けられているクリアランスに固体ヨウ素が噛み込みやすいため、当該箇所のライニングが破損しやすく、ロータリーバルブの損傷や摩耗等が生じやすく装置寿命が短いという問題がある。また、ロータリーバルブが損傷すると製造設備全体を停止し修繕する必要があり、ヨウ化水素の生産効率が悪く、設備の修繕費用等も考慮すると、プロセスになお問題点を有し、改善の余地があった。
本発明の目的は、装置等のトラブルが少なく、簡易な操作で実施できる、ヨウ化水素の工業的に有利な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、振動フィーダーを用いた特定の構成により、ナフタレン水素化物を含む液体に固体ヨウ素を添加することで、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の態様を有する。
[1] ホッパーと、固体ヨウ素を所定量排出する吐出部を備え、前記吐出部が不活性ガスの導入口を有する振動フィーダーを用いて、前記吐出部に不活性ガスを流通させながら、ナフタレンの水素化物を含む液体に固体ヨウ素を添加する、ヨウ化水素の製造方法。
[2] 少なくとも第1の弁と第2の弁の2つが直列的に具備され、両弁の間に固体ヨウ素を保持して定量的に反応器に固体ヨウ素を添加するための空間部を有し、かつ前記第1の弁と前記第2の弁の間には不活性ガス送入口及び前記第1の弁と前記第2の弁の間を脱圧するための脱気口を備えた固形物装入装置を有する反応器に、ナフタレンの水素化物を含む液体を装填し、前記固形物装入装置の前記空間部に、前記振動フィーダーを用いて前記吐出部に不活性ガスを流通させながら固体ヨウ素を添加する、[1]に記載のヨウ化水素の製造方法。
[3] 前記固形物装入装置の前記第1の弁及び前記第2の弁を制御して、ナフタレンの水素化物を含む液体に一定時間内に固体ヨウ素を添加する、[2]に記載のヨウ化水素の製造方法。
[4] ナフタレンの水素化物を含む液体に固体ヨウ素を添加することによって生成したヨウ化水素ガスを0℃~-30℃に冷却し、生じた凝縮物又は固化物を前記ヨウ化水素ガスより分離する工程を含む、[1]~[3]のいずれかに記載のヨウ化水素の製造方法。
[5] 生成したヨウ化水素ガスを、ゼオライト及び活性炭と接触させる工程を含む、[1]~[4]のいずれかに記載のヨウ化水素の製造方法。
[6] 前記ゼオライト及び前記活性炭の少なくとも一方が、予めヨウ化水素ガスと接触させて前処理されている、[5]に記載のヨウ化水素の製造方法。
[7] 前記ナフタレンの水素化物を含む液体の温度を120~210℃に維持して前記固体ヨウ素の添加を行い、添加終了後に、混合物の温度を前記添加時の温度+5~+30℃に昇温して熟成をさらに行う、[1]~[6]のいずれかに記載のヨウ化水素の製造方法。
[8] 反応終了後の残留物中のナフタレン含有量を30質量%以下に制御する、[7]に記載のヨウ化水素の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ヨウ化水素を工業的に有利に、かつ高純度で製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の製造方法を実施するための反応装置の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ホッパーと、固体ヨウ素を所定量排出する吐出部を備え、前記吐出部が不活性ガスの導入口を有する振動フィーダーを用いて、前記吐出部に不活性ガスを流通させながら、ナフタレンの水素化物を含む液体に固体ヨウ素を添加する、ヨウ化水素の製造方法(以下、「本製造方法」と記す。)である。本製造方法によれば、簡便な装置で、かつ装置破損等の恐れがなく、高純度のヨウ化水素を工業的に有利に製造できる。
【0009】
本製造方法で用いるナフタレンの水素化物としては、ナフタレンに水素原子が2個又は4個付加した、ジヒドロナフタレン(1,2-ジヒドロナフタレン、1,4-ジヒドロナフタレン)、又はテトラヒドロナフタレン(テトラリン、或いは1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンとも称される)が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、反応性、反応制御の容易さ、及び高純度のヨウ化水素を収率よく得やすい観点から、テトラヒドロナフタレンが好ましい。テトラヒドロナフタレンは25℃及び本製造方法を実施する後述する好適な温度範囲(120~210℃)において液体であるため、溶媒等を添加せずとも、それ自体でナフタレンの水素化物を含む液体として扱うことができる。
ナフタレンの水素化物の使用量は、本製造方法の実施の際の生産性や、後述する、反応終了後の残留物の取扱いを容易としやすい観点から、反応させるヨウ素に対し0.1~2モル倍の範囲であるのが好ましく、0.14~1.4モル倍の範囲がより好ましい。ナフタレンの水素化物の使用量を前記範囲とすると、反応終了後の反応液、すなわち残留物中のナフタレン含有量を30質量%以下に制御するのが容易となり、好ましい。
【0010】
本製造方法で用いる固体ヨウ素の形状に特に限定はなく、粉状、粒状、フレーク状等のものを使用できる。中でもフレーク状又は粒状で、平均粒子径が1~5mm、好ましくは2~3mmである固体ヨウ素が、振動フィーダー及び固形物装入装置における流動性に優れるため、反応器に定量的に添加しやすい観点から好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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