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公開番号2025110582
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004493
出願日2024-01-16
発明の名称汚泥処理システム、および、汚泥処理方法
出願人株式会社東芝
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類C02F 11/04 20060101AFI20250722BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】汚泥処理システムにおいて、従来よりも消化ガスを有効活用する。
【解決手段】実施形態の汚泥処理システムは、水処理施設における下水処理で発生した初沈汚泥と余剰汚泥とをそれぞれ濃縮して混合して得た濃縮汚泥を消化槽に投入して嫌気性消化し、発生した消化ガスを燃料として水加熱装置で水を加熱して加熱水を生成し、前記消化槽から引き抜いた消化汚泥に凝集剤を添加して凝集脱水することで脱水汚泥と脱水ろ液を排出し、前記排出された脱水ろ液を前記水処理施設に返送する。汚泥処理システムは、前記加熱水を用いて前記余剰汚泥を濃縮した濃縮余剰汚泥を加熱する第1加熱部と、前記加熱水を用いて前記消化槽を加熱する第2加熱部と、前記加熱水を用いて前記消化汚泥を加熱する第3加熱部と、前記第1加熱部と、前記第2加熱部と、前記第3加熱部と、をそれぞれ制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水処理施設における下水処理で発生した初沈汚泥と余剰汚泥とをそれぞれ濃縮して混合して得た濃縮汚泥を消化槽に投入して嫌気性消化し、発生した消化ガスを燃料として水加熱装置で水を加熱して加熱水を生成し、前記消化槽から引き抜いた消化汚泥に凝集剤を添加して凝集脱水することで脱水汚泥と脱水ろ液を排出し、前記排出された脱水ろ液を前記水処理施設に返送する汚泥処理システムであって、
前記加熱水を用いて前記余剰汚泥を濃縮した濃縮余剰汚泥を加熱する第1加熱部と、
前記加熱水を用いて前記消化槽を加熱する第2加熱部と、
前記加熱水を用いて前記消化汚泥を加熱する第3加熱部と、
前記第1加熱部と、前記第2加熱部と、前記第3加熱部と、をそれぞれ制御する制御部と、
を備える汚泥処理システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記水加熱装置として、前記消化ガスを燃料として水を加熱して温水を生成する温水ヒーター、および、前記消化ガスを燃料として水を加熱して蒸気を生成するボイラーの少なくともいずれかを備える、請求項1に記載の汚泥処理システム。
【請求項3】
前記水加熱装置として、さらに、前記消化ガスを燃料としてガス発電して電力を生成するガス発電機、および、前記ガス発電機による廃熱を利用して水を加熱して温水または蒸気を生成する廃熱ボイラーの組み合わせを備える、請求項2に記載の汚泥処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記消化ガスの量に応じて、前記第1加熱部と、前記第3加熱部と、のそれぞれに対する前記加熱水の供給量を制御する、請求項1に記載の汚泥処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1加熱部について、前記濃縮余剰汚泥を50℃以下の温度で15分間加熱するように制御する、請求項1に記載の汚泥処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第3加熱部について、前記消化汚泥を70℃未満の温度で加熱するように制御する、請求項1に記載の汚泥処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第3加熱部で加熱後の前記消化汚泥から抽出されたEPS(Extracellular Polymertric Substance)のTOC(Total Orfanic Carbon:全有機体炭素)の測定値に基づいて、前記第3加熱部での前記消化汚泥の加熱温度を調節する、請求項1に記載の汚泥処理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第3加熱部で加熱後の前記消化汚泥に凝集剤が添加されて凝集脱水されて前記脱水汚泥と前記脱水ろ液が排出されるときに前記排出された脱水ろ液のTOCの測定値に基づいて前記第3加熱部での前記消化汚泥の加熱温度を調節する、請求項1に記載の汚泥処理システム。
【請求項9】
水処理施設における下水処理で発生した初沈汚泥と余剰汚泥とをそれぞれ濃縮して混合して得た濃縮汚泥を消化槽に投入して嫌気性消化し、発生した消化ガスを燃料として水加熱装置で水を加熱して加熱水を生成し、前記消化槽から引き抜いた消化汚泥に凝集剤を添加して凝集脱水することで脱水汚泥と脱水ろ液を排出し、前記排出された脱水ろ液を前記水処理施設に返送する汚泥処理システムによる汚泥処理方法であって、
制御部が、前記加熱水を用いて前記余剰汚泥を濃縮した濃縮余剰汚泥を加熱する第1加熱部を制御するステップと、
前記制御部が、前記加熱水を用いて前記消化槽を加熱する第2加熱部を制御するステップと、
前記制御部が、前記加熱水を用いて前記消化汚泥を加熱する第3加熱部を制御するステップと、
を備える汚泥処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、汚泥処理システム、および、汚泥処理方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
下水汚泥からエネルギーを回収する手段の1つに嫌気性消化がある。一般に、下水汚泥には約80%の有機物が含まれ、嫌気性消化することでメタンを約60%含む消化ガスが生成される。嫌気性消化を行う従来の汚泥処理システムでは、濃縮汚泥を注入された消化槽で汚泥中の有機物の一部を嫌気性消化により消化ガスに変換する。そして、例えば、消化ガスを燃料として温水ヒーターによって温水を生成し、その温水によって熱交換器を介して消化槽へ循環する消化汚泥を加熱することにより、消化槽を嫌気性消化に適した温度に加温する。
【0003】
また、消化槽の加温に必要な熱量は外気温に影響され、変動する。その必要な熱量は、気温が高い夏季には小さくなり、反対に気温が低い冬期には大きくなる。このため、夏季には消化ガスの消費も小さくなる。消化ガスの発生量は、消化槽に投入される濃縮汚泥の量および有機物濃度に依存し、具体的には、濃縮汚泥の量と有機物濃度の積に比例する。濃縮汚泥の量と有機物濃度は、水処理施設への流入下水の量と有機物濃度に由来し、かつ、流入下水の量と有機物濃度は変動する(いわゆる季節変動する)ことから、濃縮汚泥の量と有機物濃度も変動する。したがって、消化ガス発生量も変動する。消化槽の加温等に必要な熱量を超えて消化ガスが発生した場合、消費されなかった消化ガスは、例えば、余剰ガスとして余剰ガス燃焼装置で処分される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-117801号公報
特開2021-154225号公報
特開2019-103952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術の汚泥処理システムでは、消費されなかった消化ガスは、処分されていて、有効活用されていないという問題がある。消化ガスは化石燃料に由来しないカーボンニュートラルな燃料であることから、消化ガス由来の電力や熱(温水、蒸気)は再生可能エネルギーとなり、温室効果ガスを増加させない。再生可能エネルギーを使用することで化石燃料由来のエネルギーの使用量を低減でき、これにより温室効果ガスの削減に寄与する。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも消化ガスを有効活用することが可能な汚泥処理システム、および、汚泥処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の汚泥処理システムは、水処理施設における下水処理で発生した初沈汚泥と余剰汚泥とをそれぞれ濃縮して混合して得た濃縮汚泥を消化槽に投入して嫌気性消化し、発生した消化ガスを燃料として水加熱装置で水を加熱して加熱水を生成し、前記消化槽から引き抜いた消化汚泥に凝集剤を添加して凝集脱水することで脱水汚泥と脱水ろ液を排出し、前記排出された脱水ろ液を前記水処理施設に返送する。汚泥処理システムは、前記加熱水を用いて前記余剰汚泥を濃縮した濃縮余剰汚泥を加熱する第1加熱部と、前記加熱水を用いて前記消化槽を加熱する第2加熱部と、前記加熱水を用いて前記消化汚泥を加熱する第3加熱部と、前記第1加熱部と、前記第2加熱部と、前記第3加熱部と、をそれぞれ制御する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、第1実施形態の汚泥処理システムの概要構成ブロック図である。
図2は、濃縮余剰汚泥の加熱処理実験の結果を示すグラフである。
図3は、凝集脱水実験の結果を示すグラフである。
図4は、第2実施形態の汚泥処理システムの概要構成ブロック図である。
図5は、第3実施形態の汚泥処理システムの概要構成ブロック図である。
図6は、第4実施形態の汚泥処理システムの概要構成ブロック図である。
図7は、加熱後の消化汚泥から抽出したEPSのTOC測定の結果を示す表である。
図8は、加熱後の温度とEPS抽出液のTOCとの関係を示すグラフである。
図9は、加熱後の温度とS-EPS抽出液のTOCとの関係を示すグラフである。
図10は、第5実施形態の汚泥処理システムの概要構成ブロック図である。
図11は、従来技術の汚泥処理システムの概要構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の汚泥処理システム、および、汚泥処理方法の実施形態(第1実施形態~第5実施形態)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態以降では、それまでの実施形態で説明した事項については、説明を適宜省略する。
【0010】
(従来技術)
実施形態の理解を容易にするために、従来技術についてあらためて説明する。図11は、従来技術の汚泥処理システムの概要構成ブロック図である。図11の説明では、説明を簡潔にするために、温度計、バルブ、流量計、システムコントローラなどの説明を適宜省略する。
(【0011】以降は省略されています)

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