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公開番号
2025116065
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-07
出願番号
2025086907,2023188894
出願日
2025-05-26,2019-01-17
発明の名称
フルオレセイン結合エーテルリン脂質(FL-PLE)で標識された腫瘍に対して最適なT細胞機能を示すフルオレセイン特異的CAR
出願人
シアトル チルドレンズ ホスピタル ディー/ビー/エイ シアトル チルドレンズ リサーチ インスティテュート
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
47/54 20170101AFI20250731BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】腫瘍細胞の表面上に提示されたフルオレセイン含有リガンドに対して特異性および親和性を有する遺伝子組換えキメラ抗原受容体(CAR)、およびその組成物を提供する。
【解決手段】キメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体(TCR)を含む複合体であって、前記CARまたはTCRが、標的部分を含む脂質に結合するように構成されており、前記脂質への前記CARの結合が、前記標的部分との相互作用を介したものであり、前記CARまたはTCRが、特定のアミノ酸長のスペーサードメインを含み、前記CARまたはTCRが、特定の配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ/または、前記スペーサードメインが、CH3ドメインに連結されたCH2ドメインに連結されたIgG4ヒンジである、複合体を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
対象の固形腫瘍の治療、抑制または緩和に使用するための、リン脂質およびフルオレセインまたはフルオレセイン誘導体を含む組成物であって、
前記固形腫瘍の標的細胞の細胞膜に組み込むことが可能であり、
前記対象への投与により前記標的細胞を標識することを特徴とし、
前記対象の血流が、キメラ抗原受容体(CAR)を含む組換えT細胞を含み、該CARが、フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体に特異的に結合することができるリガンド結合ドメインおよび12~250アミノ酸長のスペーサーを有するスペーサードメインを含み、前記リガンド結合ドメインが、配列番号1~6のいずれかに示されるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
前記対象への投与により、フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体に特異的に結合する前記CARと前記組成物とを含む複合体を形成することを特徴とする、組成物。
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【請求項2】
前記リガンド結合ドメインが、配列番号1~6のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
前記リガンド結合ドメインが、配列番号1、2または5に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1または2に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
前記リン脂質が、極性頭部基、疎水基およびリンカーを含み、該リンカーが、前記極性頭部基と前記フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体との間に位置している、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項5】
エーテルリン脂質を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記リン脂質が、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、ホスホエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスホコリンおよびトリメチルアルセノ-エチル-ホスファートからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
前記組成物が、式(I):
JPEG
2025116065000008.jpg
65
153
[式中、nは0~16であり、xは10~20である]
に示される構造を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項8】
マスキング部分を含み、該マスキング部分が、切断可能な部分を介して標的部分に連結されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用のための組成物。
【請求項9】
前記切断可能な部分が、活性酸素種(ROS)または前記固形腫瘍の腫瘍微小環境に存在する酸性環境によって切断可能に構成されている、請求項8に記載の使用のための組成物。
【請求項10】
前記マスキング部分が、キサンテン部分のヒドロキシル基に結合したフェノール性水酸基を含む、請求項8または9に記載の使用のための組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月6日に出願された「FL-PLEで標識された腫瘍に対して最適なT細胞機能を示すフルオレセイン特異的CAR」という名称の米国仮特許出願第62/627,147号の優先権を主張するものであり、この出願は参照によりその全体が本明細書に明示的に援用される。
続きを表示(約 9,000 文字)
【0002】
配列表の参照
本願は電子形式の配列表とともに出願されたものである。この配列表は、SCRI163WOSEQLISTのファイル名で2019年1月17日に作成された約42kbのファイルとして提供されたものである。この電子形式の配列表に記載の情報は、参照によりその全体が本明細書に明示的に援用される。
【0003】
本明細書で述べる実施形態は、腫瘍細胞の表面上に提示されたフルオレセイン含有リガンドに対して特異性および親和性を有する遺伝子組換えキメラ抗原受容体(CAR)およびその組成物に関する。したがって、本発明は、このような組成物ならびに該組成物の製造方法および使用方法を提供する。
【背景技術】
【0004】
腫瘍細胞上に発現された表面分子に特異的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように、遺伝子移入により遺伝子組換えされたヒトTリンパ球の養子移入は、効果的にがんを治療できる可能性がある。キメラ受容体は、細胞外リガンド結合ドメインを含む合成受容体である。この細胞外リガンド結合ドメインは、最も一般的には、モノクローナル抗体の一本鎖可変領域断片(scFv)が細胞内シグナル伝達領域に連結されたものである。細胞内シグナル伝達領域は、最も一般的にはCD3ζ単独であるか、あるいは1種以上の共刺激ドメインと組み合わせたCD3ζである。キメラ抗原受容体の設計に関する研究の多くでは、生体に重要な正常組織に対して重大な毒性を引き起こすことなく、悪性細胞を標的とするscFvおよびその他のリガンド結合因子を見出すこと、およびT細胞のエフェクター機能を活性化することが可能な、細胞内シグナル伝達モジュールの最適な構成を決定することに焦点が当てられている。したがって、特定の標的に対して選択的であり、有害な副作用を最小限に抑えることが可能な、CAR T細胞を使用した治療法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、キメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体(TCR)を含む複合体であって、
前記CARまたはTCRが、標的部分を含む脂質に結合するように構成されており、該脂質への該CARの結合が、該標的部分との相互作用を介したものであり;
前記CARまたはTCRが、1~22アミノ酸長、23~50アミノ酸長、51~100アミノ酸長、100~150アミノ酸長、もしくは151~250アミノ酸長のスペーサードメイン、またはこれらの長さのいずれか2つによって定義される範囲内の長さのスペーサードメインを含む、
複合体を提供する。
いくつかの実施形態において、前記CARまたはTCRは、配列番号1~6のいずれかで示される配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、CH3ドメインに連結されたCH2ドメインに連結されたIgG4ヒンジである。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号7で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、CH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジである。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、IgG4ヒンジのみからなる。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号9で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態は、配列番号1~9のいずれかをコードする核酸を含み、この核酸は、ベクターに組み込まれてもよく、かつ/または細胞(たとえばT細胞)に導入されてもよい。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、229アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記脂質は、極性頭部基および疎水基を含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、コリン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、ホスホエタノールアミン基、オリゴ糖残基、糖残基、ホスファチジルセリンまたはホスファチジルイノシトールを含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、ホスホコリン、ピペリジン部分またはトリメチルアルセノ-エチル-ホスファート部分を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、脂肪鎖などの脂肪酸である。いくつかの実施形態において、前記脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、ステロイドまたはコレステロールなどのテルペノイド脂質を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、前記極性頭部基と前記脂肪鎖の間にエーテル結合を含む。いくつかの実施形態において、前記糖残基はグリセロールである。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、アルキル炭素鎖を含み、該アルキル炭素鎖は、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個もしくは20個の炭素原子、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の数の炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、前記アルキル炭素鎖は18個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質はエーテルリン脂質である。いくつかの実施形態において、前記標的部分は、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノールまたはフルオレセインである。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、ポリエチレングリコール(PEG)スペーサー、(2個の)ハプテンからなるスペーサー、またはアルカン鎖を含む。いくつかの実施形態において、前記PEGスペーサーは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個もしくは16個のPEG分子、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の数のPEG分子を含む。いくつかの実施形態において、前記CARまたはTCRは、細胞またはT細胞で発現される。いくつかの実施形態において、前記CARまたはTCRは、細胞またはT細胞の表面上に発現される。いくつかの実施形態において、前記細胞は前駆T細胞である。いくつかの実施形態において、前記前駆T細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記脂質は、標的細胞の脂質二重層に挿入される。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は腫瘍細胞である。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は免疫細胞である。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞はT細胞またはB細胞である。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は、腫瘍微小環境に存在する。
【0006】
第2の態様において、本発明の実施形態のいずれか1つに記載の複合体を含む細胞であって、
キメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体(TCR)を含み、
前記CARまたはTCRが、標的部分を含む脂質に結合するか、または結合するように構成されており、該CARを含む細胞が、該脂質の該標的部分に結合し、前記CARまたはTCRが、スペーサードメインを含む、
細胞を提供する。
いくつかの実施形態において、前記複合体は、キメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体(TCR)を含み、
前記CARまたはTCRは、標的部分を含む脂質に結合するか、または結合するように構成されており、該脂質への該CARの結合は、該標的部分との相互作用を介したものであるか、該CARが、該標的部分との相互作用を介して該脂質に結合するように構成されており、
前記CARまたはTCRは、1~22アミノ酸長、23~50アミノ酸長、51~100アミノ酸長、100~150アミノ酸長、もしくは151~250アミノ酸長のスペーサードメイン、またはこれらの長さのいずれか2つによって定義される範囲内の長さのスペーサードメインを含む。
いくつかの実施形態において、前記CARまたはTCRは、配列番号1~6のいずれかで示される配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、CH3ドメインに連結されたCH2ドメインに連結されたIgG4ヒンジである。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号7で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、CH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジである。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、IgG4ヒンジのみからなる。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号9で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記細胞は、配列番号1~9のいずれかをコードする核酸を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、229アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、前記脂質は、極性頭部基および疎水基を含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、コリン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、ホスホエタノールアミン基、オリゴ糖残基、糖残基、ホスファチジルセリンまたはホスファチジルイノシトールを含む。いくつかの実施形態において、前記極性頭部基は、ホスホコリン、ピペリジン部分またはトリメチルアルセノ-エチル-ホスファート部分を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、脂肪鎖などの脂肪酸である。いくつかの実施形態において、前記脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、ステロイドまたはコレステロールなどのテルペノイド脂質を含む。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、前記極性頭部基と前記脂肪鎖の間にエーテル結合を含む。いくつかの実施形態において、前記糖残基は、グリセロールまたは糖アルコールである。いくつかの実施形態において、前記疎水基は、アルキル炭素鎖を含み、該アルキル炭素鎖は、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個もしくは20個の炭素原子、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の数の炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、前記アルキル炭素鎖は18個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、前記脂質はエーテルリン脂質である。いくつかの実施形態において、前記標的部分は、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノールまたはフルオレセインである。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、ポリエチレングリコール(PEG)スペーサー、(2個の)ハプテンからなるスペーサー、またはアルカン鎖を含む。いくつかの実施形態において、前記PEGスペーサーは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個もしくは16個のPEG分子、またはこれらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の数のPEG分子を含む。いくつかの実施形態において、前記CARまたはTCRは、細胞またはT細胞で発現される。いくつかの実施形態において、前記CARまたはTCRは、細胞またはT細胞の表面上に発現される。いくつかの実施形態において、前記細胞は前駆T細胞である。いくつかの実施形態において、前記前駆T細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記脂質は、標的細胞の脂質二重層に挿入される。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は腫瘍細胞である。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は免疫細胞である。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞はT細胞またはB細胞である。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は、腫瘍微小環境に存在する。いくつかの実施形態において、前記細胞は前駆T細胞である。いくつかの実施形態において、前記前駆T細胞は造血幹細胞である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD8+T細胞、セントラルメモリーCD8+T細胞、エフェクターメモリーCD8+T細胞およびバルクCD8+T細胞からなる群から選択されるCD8+細胞傷害性Tリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記細胞は、ナイーブCD4+T細胞、セントラルメモリーCD4+T細胞、エフェクターメモリーCD4+T細胞およびバルクCD4+T細胞からなる群から選択されるCD4+ヘルパーTリンパ球である。いくつかの実施形態において、前記脂質は、標的細胞の脂質二重層に挿入される。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は腫瘍細胞である。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は免疫細胞である。いくつかの実施形態において、前記免疫細胞はT細胞またはB細胞である。いくつかの実施形態において、前記標的細胞は、腫瘍微小環境に存在する。
【0007】
第3の態様において、対象において、がんを治療、緩和または抑制する方法であって、
a)マスキング部分に結合された標的部分を含む脂質を含む組成物を対象に導入、提供または投与する工程;
b)前記マスキング部分が除去された前記標的部分に特異的であり、スペーサードメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体(TCR)を含む細胞を前記対象に導入、提供または投与する工程;
c)前記標的部分から前記マスキング部分を除去することにより、前記細胞上に存在する前記CARに前記標的部分を結合させる工程;
d)工程a)~c)の後に、任意で、前記CARを含む前記細胞の前記脂質への結合を測定または評価する工程;
e)工程a)~d)の後に、任意で、がんの治療、緩和または抑制を測定または評価する工程;および/または
f)工程a)~c)の前に、任意で、がんの治療が必要な対象を特定する工程
を含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、前記複合体または前記細胞は、前記組成物の投与と同時に前記対象に提供されるか、前記組成物を投与する1時間前、2時間前、3時間前、4時間前、5時間前、6時間前、7時間前、8時間前、9時間前、10時間前、11時間前、12時間前、15時間前、20時間前、24時間前、36時間前もしくは48時間前、もしくは前記組成物の投与より、これらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の時間分早い時点で前記対象に提供されるか、または前記組成物を投与した1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、7時間後、8時間後、9時間後、10時間後、11時間後、12時間後、15時間後、20時間後、24時間後、36時間後もしくは48時間後、もしくは前記組成物の投与から、これらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の時間が経過した後に前記対象に提供される。いくつかの実施形態において、前記細胞は、前記組成物を投与する1時間前、2時間前、3時間前、4時間前、5時間前、6時間前、7時間前、8時間前、9時間前、10時間前、11時間前、12時間前、15時間前、20時間前、24時間前、36時間前もしくは48時間前、または前記組成物の投与より、これらの数値のいずれか2つによって定義される範囲内の時間分早い時点で前記対象に提供される。いくつかの実施形態において、前記組成物を前記対象に提供した後、数秒以内または数分以内、たとえば1時間が経過する前に、前記細胞が該対象に提供される。いくつかの実施形態において、前記細胞および/または前記組成物のブースト投与が前記対象に提供される。いくつかの実施形態において、低分子(たとえば化合物)、抗体療法(たとえば放射性核種、毒素もしくは薬物に結合されたヒト化モノクローナル抗体、またはこれらに結合されていないヒト化モノクローナル抗体)、外科手術、および/または放射線療法などの別のがん療法が提供される。いくつかの実施形態において、前記がんは、大腸がん、乳がん、卵巣がん、肺がん、膵臓がん、前立腺がん、悪性黒色腫、腎臓がん、膵臓がん、神経膠芽腫、神経芽腫、髄芽腫、肉腫、肝臓がんなどの固形腫瘍;または白血病、多発性骨髄腫などの非固形腫瘍である。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、CH3ドメインに連結されたCH2ドメインに連結されたIgG4ヒンジである。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号7で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、CH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジである。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサードメインは、IgG4ヒンジのみからなる。このような実施形態のいくつかにおいて、前記スペーサードメインは、配列番号9で示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、前記スペーサーは、配列番号7に示される配列を含む。いくつかの実施形態において、前記細胞上に存在するCARに前記標的部分が結合することによって、少なくとも1種のサイトカインの産生が誘導される。いくつかの実施形態において、前記少なくとも1種のサイトカインは、IL-2、TNF-αおよび/またはINF-αを含む。
【0008】
第4の態様において、医薬品グレードのフルオレセイン結合エーテルリン脂質(FL-PLE)を含むキットを提供する。いくつかの実施形態において、医薬品グレードの前記FL-PLEはハプテンを含む。いくつかの実施形態において、医薬品のグレードの前記FL-PLEはフルオレセイン(たとえばFITC)を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
スペーサーが異なる様々なCAR T細胞を示す概略図である。図1Aは、(i)第2世代CARの一例を示す。抗原認識部分(図に示した分子の最上部の部分)が、短いスペーサードメインを介して細胞表面から所望の距離に提示されている。このスペーサーは膜貫通ドメインに連結されており、膜貫通ドメインは2つのシグナル伝達ドメインに連結されている。(ii)中程度の長さのスペーサーを有するCARでは、前述の短いスペーサーに別のドメインが付加されている。(iii)長いスペーサーを有するCARでは、前述の中程度の長さのスペーサーにさらに別のドメインが付加されている。図1Bは、CAR T細胞上に露出した様々なスペーサーの一例を示す。いくつかの実施形態において、長いスペーサーは、配列番号7に示される配列を含んでいてもよく、中程度の長さのスペーサーは、配列番号8に示される配列を含んでいてもよく、短いスペーサーは、配列番号9に示される配列を含んでいてもよい。
【0010】
スペーサーの長さおよび腫瘍細胞の表面に対するスペーサーの方向性の一例を示す概略図である。腫瘍指向性CAR T細胞標的化剤(CTCT)で表面が標識された腫瘍細胞を示す。腫瘍の表面には、腫瘍の表面から突出したタンパク質やその他の細胞残屑が存在し、これらは、腫瘍指向性CAR T細胞標的化剤(CTCT)を認識するCTCT特異的CARの能力に影響を及ぼしうる。パネルA~Cは、脂質膜に埋め込まれたPLE-CTCTの実施形態の一例を示し、パネルD~Eは、表面タンパク質に結合した腫瘍指向性CAR T細胞標的化剤(CTCT)の実施形態の一例を示す。パネルAでは、長いスペーサーを有するCARが、PLE-CTCTに到達して、このPLE-CTCTにより活性化されている。パネルBでは、短いスペーサーを有するCARが、腫瘍指向性CAR T細胞標的化剤(CTCT)に到達することができず、活性化されていない。パネルCでは、長いスペーサーを有するCARにおいて、認識ドメインが別の方向に配置されているが、このCAR は、腫瘍指向性CAR T細胞標的化剤(CTCT)を認識できない。パネルDおよびパネルEでは、パネルCに示した長いスペーサーを有するCARおよびパネルBに示した短いスペーサーを有するCARがいずれも、表面タンパク質に結合した腫瘍指向性CAR T細胞標的化剤(CTCT)を認識することができ、このCTCTにより活性化可能であることが示されている。
(【0011】以降は省略されています)
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