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公開番号
2025117190
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-12
出願番号
2024011917
出願日
2024-01-30
発明の名称
坩堝および炭化ケイ素単結晶の製造方法
出願人
Sakura Technologies株式会社
代理人
弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類
C30B
29/36 20060101AFI20250804BHJP(結晶成長)
要約
【課題】液相法により炭化ケイ素を成長させるコストを低減可能な技術を提供すること。
【解決手段】坩堝は、坩堝底と、第1坩堝壁と、を備えている。坩堝底は、グラファイト製である。第1坩堝壁は、多結晶炭化ケイ素製であり、中心軸を備える円筒形状を有している。坩堝底の上部に、第1坩堝壁が分離可能に接続している。第1坩堝壁は、中心軸の一方側に位置する第1端面と、中心軸の他方側に位置する第2端面と、を備えている。第1端面が坩堝底に接続している第1の状態と、第2端面が坩堝底に接続している第2の状態と、の間で状態を変更可能に構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
炭化ケイ素単結晶の引き上げ用の坩堝であって、
前記坩堝は、坩堝底と、第1坩堝壁と、を備えており、
前記坩堝底は、グラファイト製であり、
前記第1坩堝壁は、多結晶炭化ケイ素製であり、中心軸を備える円筒形状を有しており、
前記坩堝底の上部に、前記第1坩堝壁が分離可能に接続しており、
前記第1坩堝壁は、前記中心軸の一方側に位置する第1端面と、前記中心軸の他方側に位置する第2端面と、を備えており、
前記第1端面が前記坩堝底に接続している第1の状態と、前記第2端面が前記坩堝底に接続している第2の状態と、の間で状態を変更可能に構成されている、
坩堝。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記第1端面および前記第2端面は、前記中心軸に垂直な平面を備えており、
前記坩堝底は、前記第1端面と密着可能に構成されているとともに前記第2端面と密着可能に構成されている平面を備えている、
請求項1に記載の坩堝。
【請求項3】
前記第1坩堝壁は、前記中心軸の一方側に位置する第1らせん溝と、前記中心軸の他方側に位置する第2らせん溝と、を備えており、
前記第1らせん溝と前記第2らせん溝とは、同一形状を有しており、
前記坩堝底は、前記第1らせん溝とねじ係合することが可能であるとともに前記第2らせん溝とねじ係合することが可能な坩堝底らせん溝を備えている、
請求項1に記載の坩堝。
【請求項4】
前記第1坩堝壁は、前記第1端面の外周に配置されており前記第1端面から前記中心軸の方向へ突出している円筒形状の第1フランジと、前記第2端面の外周に配置されており前記第2端面から前記中心軸の方向へ突出している円筒形状の第2フランジと、を備えており、
前記第1フランジの内周には、前記第1らせん溝が形成されており、
前記第2フランジの内周には、前記第2らせん溝が形成されており、
前記坩堝底は、前記中心軸を中心とした円盤形状を有しており、前記坩堝底の外周側面には、前記坩堝底らせん溝が形成されている、
請求項3に記載の坩堝。
【請求項5】
前記第1坩堝壁は、前記第1端面に配置されている第1係合部と、前記第2端面に配置されている第2係合部と、を備えており、
前記第1係合部と前記第2係合部とは、同一形状を有しており、
前記坩堝底は、前記第1係合部と係合可能であるとともに前記第2係合部と係合可能な坩堝底係合部を備えている、
請求項1に記載の坩堝。
【請求項6】
前記第1係合部および前記第2係合部は、前記中心軸を中心としたリング状の突起で構成されており、
前記坩堝底係合部は、前記中心軸を中心とした溝で構成されている、
請求項5に記載の坩堝。
【請求項7】
前記第1端面および前記第2端面は、前記中心軸を中心とする円錐面で構成された第1テーパ面および第2テーパ面を備えており、
前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とは、同一形状を有しており、
前記坩堝底は、前記第1テーパ面および前記第2テーパ面に平行な坩堝底テーパ面を備えており、
前記坩堝底テーパ面は、前記第1テーパ面と密着可能に構成されているとともに前記第2テーパ面と密着可能に構成されている、
請求項6に記載の坩堝。
【請求項8】
前記坩堝は、第2坩堝壁をさらに備えており、
前記第2坩堝壁は、第1坩堝壁と前記中心軸を共通とする円筒形状を有しており、前記第1坩堝壁の上部に分離可能に接続しており、
前記第1の状態では、前記第2坩堝壁の下端面が、前記第1坩堝壁の前記第2端面に接続しており、
前記第2の状態では、前記第2坩堝壁の下端面が、前記第1坩堝壁の前記第1端面に接続している、請求項1に記載の坩堝。
【請求項9】
前記第2坩堝壁の上端面に配置されている坩堝蓋をさらに備えている、請求項8に記載の坩堝。
【請求項10】
前記第1坩堝壁を構成している前記多結晶炭化ケイ素は、空隙率が1%以下であり、純度が99.95%よりも高い、
請求項1に記載の坩堝。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化ケイ素の製造の技術分野に関し、具体的には、坩堝と、液相法により炭化ケイ素単結晶を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の炭化ケイ素単結晶を成長させる液相法に関し、反応容器および炭素原子の供給源としてグラファイト坩堝を採用し、種結晶として炭化ケイ素ウェハを採用するのは、一般的である。グラファイト坩堝の中に、多結晶シリコンおよびコソルベントが成長原材料として入れられ、種結晶が頂部の種結晶保持軸上に固定され、トップシード溶液成長法(TSSG法)を使って、種結晶を引き上げて成長させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この時、比較的に高温の状態であるグラファイト坩堝の底部は、溶解して炭素原子として溶液中に入る。反応式は、C(S)→C(L)である。比較的に低温の状態である種結晶エリアは、炭素原子を吸収して炭化ケイ素単結晶に成長する。同時に、余剰の炭素原子は、同じ低温であるグラファイト坩堝壁に自由に核生成し、多数の夾雑物を含む炭化ケイ素多結晶となる。この多結晶エリアは成長速度が速く、長時間成長すると溶液ゾーンの形状を変化させ、流れおよび温度分布を初期状態から逸脱させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で開示する坩堝は、炭化ケイ素単結晶の引き上げ用の坩堝である。坩堝は、坩堝底と、第1坩堝壁と、を備えている。坩堝底は、グラファイト製である。第1坩堝壁は、多結晶炭化ケイ素製であり、中心軸を備える円筒形状を有している。坩堝底の上部に、第1坩堝壁が分離可能に接続している。第1坩堝壁は、中心軸の一方側に位置する第1端面と、中心軸の他方側に位置する第2端面と、を備えている。第1端面が坩堝底に接続している第1の状態と、第2端面が坩堝底に接続している第2の状態と、の間で状態を変更可能に構成されている。
【0005】
本明細書の技術では、多結晶炭化ケイ素とグラファイト素材とを合わせて結合する仕様を採用して坩堝を設計する。本明細書の技術では、グラファイト素材を坩堝底として成長システムに炭素を供給し、多結晶炭化ケイ素素材を第1坩堝壁として溶液を取り囲む。本明細書の坩堝を使用する際に、第1坩堝壁を頻繁に交換する必要がなく、第1坩堝壁の向きを変えることで、第1坩堝壁の自己修復を実現することができ、液相法により炭化ケイ素を成長させるコストを大幅に低減することができる。
【0006】
坩堝は、多結晶炭化ケイ素製の第1坩堝壁を備えるように設計されている。第1坩堝壁は、溶融後の溶液を取り囲む。結晶成長工程では、第1坩堝壁の高温エリアで、SiC(S)→Si(L)+C(L)という反応式で表される、溶解反応が起こる。また第1坩堝壁の低温エリアで、Si(L)+C(L)→SiC(S)という反応式で表される、析出反応が起こる。両者は互いに対して逆過程である。従って、第1の状態と第2の状態との間で状態を変更し、第1坩堝壁を上下反転させて次回の結晶成長に使用すれば、第1坩堝壁の自己修復を実現することができる。溶液ゾーンの形状の変化を抑制することができるため、溶液流れおよび温度分布を一定に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施形態または技術案をより明確に説明するために、実施形態または技術案の説明に使用する必要のある図面に対し、以下に簡単に説明する。これらの図面に基づいて、創作的な労力を要することなく他の図面を得ることができることは、当業者にとって明らかである。
実施例1の結晶成長装置100の断面概略図である。
炭化ケイ素単結晶を成長させる方法を説明するフローチャートである。
坩堝の構造を示す概略図である。
坩堝の構造を示す概略図である。
坩堝の構造を示す概略図である。
実施例2の坩堝を示す概略図である。
実施例3の坩堝を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
当業者が本明細書に記載の技術案をよりうまく理解できるために、以下では、本明細書の実施形態の図面と関連付けて本明細書の実施形態の技術案を、明確かつ全面的に説明する。明らかに、説明された実施形態は、本明細書に係る技術の実施形態の一部に過ぎず、実施形態の全てではない。本明細書の実施形態に基づいて、当業者が創造的な労力をすることなく得られる他のすべての実施形態は、本明細書に係る技術の保護範囲に属するものとすべきである。
【0009】
第1端面および第2端面は、中心軸に垂直な平面を備えていてもよい。坩堝底は、第1端面と密着可能に構成されているとともに第2端面と密着可能に構成されている平面を備えていてもよい。
【0010】
第1坩堝壁は、中心軸の一方側に位置する第1らせん溝と、中心軸の他方側に位置する第2らせん溝と、を備えていてもよい。第1らせん溝と第2らせん溝とは、同一形状を有していてもよい。坩堝底は、第1らせん溝とねじ係合することが可能であるとともに第2らせん溝とねじ係合することが可能な坩堝底らせん溝を備えていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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