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公開番号2025122061
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-20
出願番号2025082478,2022570018
出願日2025-05-16,2021-12-14
発明の名称積層フィルム及び包装材料
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B32B 27/08 20060101AFI20250813BHJP(積層体)
要約【課題】ポリプロピレンフィルムを主体とした環境負荷が少ないほぼ単一の樹脂種から構成されたラミネート構成を形成することができるフィルムであるとともに、包装材料に求められるガスバリア性や接着性、さらには加工適性等の必要性能を有する積層フィルムを提供することを課題として掲げた。
【解決手段】基材フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール系共重合体および無機層状化合物を有する被覆層を設けた積層フィルムであって、前記積層フィルムが下記(a)~(d)の要件を満足することを特徴とする積層フィルム。
(a) 前記基材フィルムが、プロピレン系樹脂を用いた延伸フィルムであること。
(b) 前記被覆層の付着量が0.10g/m2以上0.50g/m2以下であること。
(c) 前記積層フィルムの全反射赤外吸収スペクトルにおいて、1040±10cm-1の領域に吸収極大を持つピーク強度(P1)と3300±10cm-1の領域に吸収極大を持つピーク強度(P2)の比(P1/P2)が3.0~25.0の範囲内であること。
(d)前記積層フィルムの150℃×5分の加熱収縮率がMD方向、TD方向いずれも10%以下であること。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材フィルムの少なくとも片面にポリビニルアルコール系共重合体および無機層状化合物を有する被覆層を設けた積層フィルムであって、前記積層フィルムが下記(a)~(f)の要件を満足することを特徴とする積層フィルム。
(a) 前記基材フィルムが、プロピレン系樹脂を用いた延伸フィルムであること。
(b) 前記被覆層の付着量が0.10g/m

以上0.50g/m

以下であること。
(c) 前記積層フィルムの全反射赤外吸収スペクトルにおいて、1040±10cm
-1
の領域に吸収極大を持つピーク強度(P1)と3300±10cm
-1
の領域に吸収極大を持つピーク強度(P2)の比(P1/P2)が3.0~25.0の範囲内であること。
(d)前記積層フィルムの150℃×5分の加熱収縮率がMD方向、TD方向いずれも8%以下であること。
(e)前記積層フィルム上の被覆層の2μm四方における算術平均粗さが2.0~8.0nmの範囲内であること。
(f)前記積層フィルムの23℃×65%RH環境下における酸素透過度が50ml/m

・d・MPa以下かつ40℃×90%RH環境下における水蒸気透過度が4g/m

・d以下であること。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記積層フィルムの120℃×5分の加熱収縮率がMD方向、TD方向いずれも1%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
前記被覆層の無機層状化合物がモンモリロナイト系化合物を構成成分として含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルムの片面にオレフィン系シーラント層を積層してなる包装材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリア性積層フィルムに関する。更に詳しくは、製造上、及び、廃棄時の環境負荷が少なく、かつ、優れたガスバリア性能と包装用材料として十分な接着強度、二次加工時の寸法安定性を兼ね備えるガスバリア性コートフィルムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、欧州はじめ世界各国において、使い捨てプラスチック使用削減に向けた規制が強化されている。その背景には、資源循環への国際的な意識の高まりや新興国におけるごみ問題の深刻化がある。そのため、食品、医薬品等に求められるプラスチック製包装材料についても、3R(recycle, reuse, reduce)の観点から環境対応型の製品が求められている。
【0003】
前述の環境に優しい包装材料に求められる性能として、(1)リサイクル可能な材料から成ること、(2)各種ガスを遮断し賞味期限を延長できるガスバリア性能を有すること、(3)環境負荷が少ないラミネート構成にすること(例えば有機溶剤を使用しないことや材料の使用量自体が少ないこと、モノマテリアル化によるリサイクルが可能であること)等が挙げられる。
【0004】
近年、前記(2)、(3)を可能とするために、ポリプロピレンフィルムの使用に注目が集まっている。ポリプロピレンフィルムは、食品や様々な商品の包装用、電気絶縁用、表面保護用フィルムなど広範囲な用途で汎用的に用いられる。ポリプロピレンフィルムはその分子構造から高い水蒸気バリア性を発現することが可能である。さらに、表基材フィルムと貼り合わせるシーラントとしては、ポリプロピレン系やポリエチレン系のヒートシール樹脂が一般的であることから、例えば表基材にポリプロピレンフィルム、シーラントに未延伸ポリプロピレンシートを用いることで、ガスバリア性を有しつつ包材全体としてのモノマテリアル化が達成でき、リサイクルしやすい等、環境にやさしい包材設計が可能となる。
【0005】
しかし、前記(2)のガスバリア性に関し、ポリプロピレンフィルムは水蒸気バリア性を有するものの、例えば一般的にするに水蒸気バリア性が優れるとされる透明無機蒸着ポリエステルフィルムに比べると十分な値ではなく、また酸素バリア性に関しては非常に悪いという問題点があった。これに対し、ポリプロピレンフィルムにポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリルなど一般に酸素バリア性が比較的高いと言われる高分子樹脂組成物を積層させたフィルムが使用されてきた(例えば、特許文献1~3参照)。
【0006】
しかしながら、上記のポリビニルアルコールやエチレンビニルアルコール共重合体の高分子樹脂組成物を用いてなるガスバリア性コートフィルムは湿度依存性が大きいため、高湿下においてガスバリア性の低下が見られた。またポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリルは、湿度依存性が低いが、絶対値としてのバリア値が不十分であること、さらには廃棄・焼却の際に有害物質が発生する危険性が高いという問題があった。
【0007】
ビニルアルコール系樹脂の湿度依存性を改善する方法として、ビニルアルコール系樹脂にシラン系架橋剤を混合した塗布層を積層したガスバリア性コートフィルムが提案されている。この場合、ビニルアルコール系樹脂がシラノール基により架橋しているため、湿度依存性が低く、良好なガスバリア性を示す(例えば、特許文献4、5参照)。
【0008】
しかしながら、これらのガスバリア性コートフィルムは、架橋させるために十分な加熱処理が必要で、基材がポリプロピレンフィルムの場合、機械特性の劣化や加工時の熱ジワにより包装材料として十分な特性を満足できない他、加工時の加熱処理の際、多くの熱エネルギーが必要なため、環境負荷の観点でも好ましくなかった。さらに、水蒸気バリア性能に関しては未だ不十分であった。
【0009】
一方、バリア性能をさらに向上させる手段として、ビニルアルコール系樹脂に特定の粒径およびアスペクト比の無機層状粒子を含有する樹脂層を積層したガスバリア性コートフィルムが提案されている。この場合、樹脂層中に分散して存在する無機層状粒子によって気体分子の迂回効果が生じ、良好なガスバリア性を示す(例えば、特許文献6、7参照)。
【0010】
しかし、これらのガスバリア性コートフィルムは、無機層状粒子が塗膜に均一分散されていないことが多く、結果的に基材フィルムとの接着性を阻害し、ラミネート強度が低下することがあった。また、酸素バリア性、水蒸気バリア性とも向上させることについては、十分満足できる性能は得られていなかった。
(【0011】以降は省略されています)

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