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公開番号2025130446
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-08
出願番号2024027609
出願日2024-02-27
発明の名称カーボンナノチューブの精製方法および精製装置、ならびに、これらによって製造されるカーボンナノチューブの集合体
出願人学校法人早稲田大学
代理人弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類C01B 32/17 20170101AFI20250901BHJP(無機化学)
要約【課題】塩素ガスや臭素ガスに変わり、より安全なヨウ素蒸気を用いたカーボンナノチューブの精製方法および精製装置、ならびに、これらによって製造されるカーボンナノチューブの集合体を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブを不活性ガス雰囲気で600~1400℃に加熱し、ヨウ素蒸気と接触させて、カーボンナノチューブからヨウ化金属として金属を除去する。カーボンナノチューブの集合体は、ヨウ素でドープされ、炭素殻を閉じた状態に残したまま触媒金属粒子が除去されたカーボンナノチューブおよび中空炭素粒子を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
カーボンナノチューブを不活性ガス雰囲気で600~1400℃に加熱し、ヨウ素蒸気と接触させて、前記カーボンナノチューブからヨウ化金属として金属を除去する、カーボンナノチューブの精製方法。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記カーボンナノチューブが、触媒金属を用いて合成された触媒金属含有カーボンナノチューブである、請求項1に記載のカーボンナノチューブの精製方法。
【請求項3】
除去される前記金属が、Fe、Co、Ni、Mg、および、Alである、請求項1に記載のカーボンナノチューブの精製方法。
【請求項4】
内部にカーボンナノチューブが供給される反応器と、
前記カーボンナノチューブを不活性ガス雰囲気で600~1400℃に加熱する加熱手段と、
ヨウ素蒸気を供給するヨウ素蒸気供給手段と、を備え、
前記反応器内で、加熱された前記カーボンナノチューブを前記ヨウ素蒸気と接触させて、前記カーボンナノチューブからヨウ化金属として金属を除去する、カーボンナノチューブの精製装置。
【請求項5】
前記カーボンナノチューブが、触媒金属を用いて合成された触媒金属含有カーボンナノチューブである、請求項4に記載のカーボンナノチューブの精製装置。
【請求項6】
除去される前記金属が、Fe、Co、Ni、Mg、および、Alである、請求項4に記載のカーボンナノチューブの精製装置。
【請求項7】
ヨウ素でドープされたカーボンナノチューブの集合体であって、末端の炭素殻を閉じた状態に残したまま触媒金属粒子が除去されたカーボンナノチューブ、および、炭素殻を残したまま触媒金属粒子が除去されて中空状で閉じた形状を有する中空炭素粒子のうち、少なくとも1つを含み、前記末端の炭素殻を残したまま触媒金属粒子が除去されたカーボンナノチューブの数、前記炭素殻を閉じた状態に残したまま触媒金属粒子が除去されて中空状で閉じた形状を有する中空炭素粒子の数、末端の炭素殻に触媒金属粒子が内包されたカーボンナノチューブの数、および、炭素殻に触媒金属粒子が内包された金属粒子の数の合計に対する、前記末端の炭素殻を閉じた状態に残したまま触媒金属粒子が除去されたカーボンナノチューブの数、および、前記炭素殻を残したまま触媒金属粒子が除去されて中空状で閉じた形状を有する中空炭素粒子の数の合計の比率が、50%以上100%以下である、カーボンナノチューブの集合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はカーボンナノチューブの精製方法および精製装置、ならびに、これらによって製造されるカーボンナノチューブの集合体に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは、リチウムイオン電池(LIB)の電極導電材として本格的に実用化し、欠かせないものとなっている。カーボンナノチューブの合成に用いられるFe、Co、Niなどの触媒金属粒子がカーボンナノチューブに混入するため、電池応用にはその除去が不可欠である。
【0003】
不純物としての触媒金属粒子の多くはグラファイトカーボンや非晶質炭素などの炭素殻に覆われた状態で混入しているため、従来、炭素殻を酸化してその全部または一部を除去する工程と金属を酸で溶解する酸溶解工程とを繰り返す精製方法が一般的である。しかし、これらの工程を繰り返す過程で、カーボンナノチューブが損傷することに加え、酸による処理の際に溶液に浸すため、精製後の乾燥時に溶液の表面張力によりカーボンナノチューブが緻密に凝集し、再分散が困難になるなど、多くの課題を抱えている。
【0004】
近年、触媒金属粒子を含有する触媒金属含有カーボンナノチューブを乾燥状態のまま加熱し、塩素ガス(Cl

ガス)と接触させることで、触媒金属を金属塩化物として除去するカーボンナノチューブの精製方法が提案されている(例えば、特許文献1および非特許文献1)。
【0005】
また、本発明者らは、常温常圧(25℃、1気圧)で液体である臭素(Br

)ガスを用いたカーボンナノチューブの精製方法を開発した(例えば、特許文献2)。当該方法は、触媒金属粒子を含有する触媒金属含有カーボンナノチューブを乾燥状態のまま加熱し、臭素ガスと接触させることで、触媒金属粒子を金属臭化物として除去する精製方法である。
【0006】
さらに、本発明者らは、FeCl

蒸気を用いたカーボンナノチューブの精製方法も開発した(例えば、特許文献3および非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
G. Mercier, et al., New Journal of Chemistry, 2013, 37, 790-795.
H. Tanaka, et al., Carbon, 2023, 212, 118171.
【特許文献】
【0008】
特許第5424481号公報
特許第7044372号公報
特許第7278539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1および非特許文献1に開示される塩素ガスによるカーボンナノチューブの精製方法では、塩素ガスの毒性が高いため、設備が煩雑になりコストが増大したり、塩素ガスが漏洩した場合には重大な事故につながる虞があるなど、特に設備および運用の安全面から、量産設備の実用化には課題があった。
【0010】
特許文献2に開示される臭素ガスによるカーボンナノチューブの精製方法では、臭素は常温常圧で液体であるため、常温常圧で気体である塩素に比べて漏洩時の対応がしやすいが、臭素は常温25℃でも30.4kPaと蒸気圧が高く、漏洩時に蒸気が拡散される虞があり、より安全な精製方法が望まれていた。
(【0011】以降は省略されています)

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