TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025154728
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024057895
出願日
2024-03-29
発明の名称
窒化ケイ素粉末、及びその製造方法
出願人
デンカ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
21/068 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約
【課題】α化率がそれほど高くない窒化ケイ素粉末であって、曲げ強度に優れる窒化ケイ素焼結体を調製可能な窒化ケイ素粉末を提供すること。
【解決手段】
本開示は、α化率が96.0質量%以下であり、レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置で測定される体積基準の粒子径の累積分布において、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をD97としたとき、D97が2.25μm以下である、窒化ケイ素粉末を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
α化率が96.0質量%以下であり、
レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置で測定される体積基準の粒子径の累積分布において、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をD97としたとき、D97が2.25μm以下である、窒化ケイ素粉末。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記累積分布において、小粒径からの積算値が全体の10%に達したときの粒子径をD10とし、小粒径からの積算値が全体の50%に達したときの粒子径をD50とし、小粒径からの積算値が全体の90%に達したときの粒子径をD90としたときに、
(D90-D10)/D50が1.70以下である、請求項1に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項3】
酸素含有量が0.65~1.60質量%である、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項4】
α化率が96.0質量%以下である原料窒化ケイ素粉末を、レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置で測定される体積基準の粒子径の累積分布において、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をD97としたとき、D97が2.25μm以下となるように、粒度を調整する工程を含む、窒化ケイ素粉末の製造方法。
【請求項5】
前記粒度を調整する工程は、気流分級器を用いて、旋回気流速度が100~300m/sで前記原料窒化ケイ素粉末を分級して粒度を調整する、請求項4に記載の窒化ケイ素粉末の製造方法。
【請求項6】
前記粒度を調整する工程は、前記累積分布において、小粒径からの積算値が全体の10%に達したときの粒子径をD10とし、小粒径からの積算値が全体の50%に達したときの粒子径をD50とし、小粒径からの積算値が全体の90%に達したときの粒子径をD90としたときに、
(D90-D10)/D50が1.70以下となるように粒度を調整する、請求項4又は5に記載の窒化ケイ素粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、窒化ケイ素粉末、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
窒化ケイ素は、強度、硬度、靭性、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性等に優れた材料であることから、ダイカストマシン及び溶解炉等の各種産業用の部品、及び自動車部品等に利用されている。また、窒化ケイ素は、高温における機械的特性にも優れることから、高温強度、高温クリープ特性が求められるガスタービン部品に用いることが検討されている。特許文献1では、常温における熱伝導率が100~300W/(m・K)であり、常温における3点曲げ強度が600~1500MPaであることを特徴とする窒化珪素質焼結体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-262756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
窒化ケイ素焼結体には、機械的特性の更なる向上が求められている。窒化ケイ素焼結体は窒化ケイ素粉末を焼結することで得られるため、窒化ケイ素粉末の性状が窒化ケイ素焼結体の曲げ強度に影響を及ぼすと考えられる。
【0005】
窒化ケイ素粉末を焼結させる際には、焼結助剤の融液に対して窒化ケイ素の粒子が一旦溶解し、再析出及び粒成長を行う過程で、熱的により安定なβ相への相変態が生じる。この相変態を伴う窒化ケイ素の粒成長によって窒化ケイ素粉末は焼結し、焼結体となる。この際、熱的に不安定なα相の割合が多い窒化ケイ素を使用することによって、得られる焼結体の性状(例えば、曲げ強度等)を高めることができる。しかし、α化率(窒化ケイ素全質量に対するα相の割合)の高い窒化ケイ素は、イミド熱分解法による化学合成法や高温での結晶成長によって自形粒子を形成させる高温気相法によるものであり、副生成物の発生が多いことや、装置の腐食対策等が必要となるために生産性が低く、得られる窒化ケイ素粉末及び窒化ケイ素焼結体は高価なものとなる傾向にある。したがって、α化率がそれほど高くない窒化ケイ素粉末であって、優れた曲げ強度を発揮する焼結体を提供できるような窒化ケイ素粉末を提供できれば有用である。
【0006】
金属シリコンを出発原料とする直接窒化法は、急激な発熱を伴う発熱反応であることから、反応速度の制御が難しく、結果として化学合成法及び高温気相法に対してα化率が低くなるが、副生成物の生成がないため収率が高く、生産性が良い。しかし、β相を含むことから、直接窒化法によって生産される窒化ケイ素粉末をそのまま焼結体原料とした場合には、焼結体の性状の点で改善の余地がある。
【0007】
本開示は、α化率がそれほど高くない(α化率が96.0質量%以下)窒化ケイ素粉末であって、曲げ強度に優れる焼結体を調製可能な窒化ケイ素粉末を提供することを目的とする。本開示はまた、上述のような窒化ケイ素をより安価に製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面は、以下の窒化ケイ素粉末を提供する。
【0009】
[1]α化率が96.0質量%以下であり、
レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置で測定される体積基準の粒子径の累積分布において、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をD97としたとき、D97が2.25μm以下である、窒化ケイ素粉末。
【0010】
上記[1]の窒化ケイ素粉末は、α化率が96.0質量%以下であり、上記D97が2.25μm以下である。α化率のそれほど高くない窒化ケイ素粉末の場合、焼結体製造の過程で熱的に比較的安定なβ相を有する窒化ケイ素が溶融せずに残存し、結晶成長の核として優先して粒成長が進行して、焼結体中に粗大粒子が含まれることとなる。焼結体が粗大粒子を含むなどの不均一な組織を有する場合、外部から力が加わった際に応力集中が起き、曲げ強度は低くなる傾向にある。α化率の高い窒化ケイ素粉末の場合には、焼結体製造の過程で容易に溶融することから原料の粒子径は大きな問題とならないものの、α化率を抑えた場合には、問題となり得る。一方で、上記[1]の窒化ケイ素粉末は、D97が所定値以下となるように調整された粒径の小さなものとなっており、従前の方法で焼結体を製造する場合であっても、窒化ケイ素の溶融を十分なものとすることができ、β相を有する窒化ケイ素が溶融せずに粒成長を開始したとしても再析出によって生じた新たな窒化ケイ素粒子との粒径の差を抑制することが可能である。そのため、得られる焼結体は、窒化ケイ素の粗大粒子の割合が低減され、外部から力が加わった際の応力集中が低減されることとなり、優れた曲げ強度を発揮できる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
デンカ株式会社
容器
11日前
デンカ株式会社
窓構造
3日前
デンカ株式会社
蛍光体
5日前
デンカ株式会社
モルタル材料
3日前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
1か月前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
1か月前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
1か月前
デンカ株式会社
窒化ケイ素粉末
3日前
デンカ株式会社
人工毛髪用繊維束
24日前
デンカ株式会社
継手及び継手付管
5日前
デンカ株式会社
窓構造およびシート
3日前
デンカ株式会社
磁性ビーズの製造方法
10日前
デンカ株式会社
ゴム組成物及び架橋物
1か月前
デンカ株式会社
ゴム組成物及び架橋物
1か月前
デンカ株式会社
シート及び食品包装容器
3日前
デンカ株式会社
容器およびその製造方法
11日前
デンカ株式会社
放熱部材および電子装置
3日前
デンカ株式会社
放熱部材および電子装置
3日前
デンカ株式会社
蛍光体、及びインク組成物
3日前
デンカ株式会社
窒化ケイ素粉末の製造方法
3日前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末の製造方法
4日前
デンカ株式会社
インフルエンザワクチン製剤
26日前
デンカ株式会社
有機酸又はその塩の製造方法
1か月前
デンカ株式会社
セラミックス粉末の製造方法
3日前
デンカ株式会社
積層シート及び食品包装容器
3日前
デンカ株式会社
接合基板、及びその製造方法
1か月前
デンカ株式会社
熱伝導性組成物及び電子機器
4日前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
24日前
デンカ株式会社
重症筋無力症のバイオマーカー
1か月前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
24日前
デンカ株式会社
サイアロン蛍光体粉末の製造方法
1か月前
デンカ株式会社
粉体急結材料及びコンクリート材料
4日前
デンカ株式会社
窒化ケイ素粉末、及びその製造方法
3日前
デンカ株式会社
接合基板、及び接合基板の製造方法
24日前
デンカ株式会社
蛍光体粉末、複合体および発光装置
14日前
デンカ株式会社
蛍光体粉末、複合体および発光装置
4日前
続きを見る
他の特許を見る