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公開番号2025140106
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024039284
出願日2024-03-13
発明の名称混和材料、セメント組成物、セメント硬化体およびセメント硬化体の製造方法
出願人株式会社安藤・間,国立大学法人愛媛大学,学校法人静岡理工科大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20250919BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】強度発現にさほど影響を与えず、且つ従来よりも効率的に資化可能な有機高分子を含むセメント組成物用の混和材料を提供すること
【解決手段】セメントと混合して使用される混和材料であって、好気性微生物と、生物工学的手法により製造されたポリヒドロキシアルカン酸(PHA)と、を含む、セメントとの混合用の混和材料である。これによれば、生物工学的手法により製造されたPHAは化学合成されたPLAよりも比表面積が大きく、好気性微生物により効率的に資化される。また、PHAはグルコースのように水に溶解して溶出、分解する懸念もなく、セメント硬化体の強度発現にさほど影響しない。さらに、本発明は、混和材料を含むセメント組成物、セメント硬化体、およびセメント硬化体の製造方法に関する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
セメントと混合して使用される混和材料であって、
好気性微生物と、
生物工学的手法により製造されたポリヒドロキシアルカン酸(PHA)と、
を含むことを特徴とするセメントとの混合用の混和材料。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)が海洋分解性を有することを特徴とする請求項1に記載の混和材料。
【請求項3】
前記好気性微生物が、バチルス属細菌であることを特徴とする請求項1に記載の混和材料。
【請求項4】
前記好気性微生物が、Bacillus subtilisおよびBacillus altitudinisからなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の混和材料。
【請求項5】
さらに還元剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の混和材料。
【請求項6】
請求項1に記載の混和材料と、セメントと、水と、を含むセメント組成物。
【請求項7】
鋼材が請求項6に記載のセメント組成物に埋設された状態で該セメント組成物が硬化されてなるセメント硬化体。
【請求項8】
請求項6に記載のセメント組成物に鋼材を埋設させる埋設工程と、
前記セメント組成物を養生し、セメント硬化体を得る養生工程と、
を有することを特徴とする、鋼材の腐食が抑制されたセメント硬化体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、混和材料、セメント組成物、セメント硬化体およびセメント硬化体の製造方法に関し、特に、セメントと混合して使用される混和材料、混和材料を含むセメント組成物、セメント組成物を硬化したセメント硬化体、およびセメント組成物に鋼材を埋設させた、鋼材の腐食が抑制されたセメント硬化体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリートやモルタル等のセメント硬化物は建築用途などに広く使用されており、特に、コンクリート中に鉄筋などの鋼材が埋設された鉄筋コンクリートは、建築用構造体として広く用いられている。
【0003】
鉄筋コンクリート中の鋼材の腐食は、以下の式
Fe→Fe
2+
+2
e-
…… アノード反応
1/2O

+H

O+2
e-
→2OH

…… カソード反応
で示されるように、アノード反応で鋼材(鉄)から電子が奪われ、この電子により水中に溶存した酸素のカソード反応が進行し、OH

イオンを生成することですすむ。
【0004】
したがって、鋼材の腐食を抑制するためには、アノード反応および/またはカソード反応を抑制する方策が考えられる。
【0005】
また、セメント硬化物は時間が経つとひび割れが生じ、そこに水や酸素が侵入することで上記アノード反応およびカソード反応を促進して鋼材の腐食が進むという問題もある。よって、セメント硬化物のひび割れを修復することも、鋼材の腐食を抑制するために重要である。
【0006】
特許文献1は、好気性微生物の代謝を活用してコンクリート中の溶存酸素を消費させてカソード反応を停滞させることにより、鋼材の腐食を防止する方法を開示する。同時に、微生物代謝により二酸化炭素が放出することで、この二酸化炭素がセメント硬化物から水に溶解したカルシウムと反応して炭酸塩を析出させてひび割れが修復され、ひび割れへのさらなる水や空気の侵入を抑制し、鋼材の腐食を間接的に防ぐことができる。
【0007】
かかる好気性微生物の代謝を活用した鋼材の腐食抑制、およびセメント硬化物のひび割れの修復の効果を高めるためには、微生物の活性を高めることが重要であり、したがって、好気性微生物と共に微生物の栄養源を混和材として添加することが効果的である。
【0008】
特許文献1では、微生物の栄養源として、糖類、特にグルコースを添加している。しかし、グルコースは、多量に添加するとセメントの水和反応(硬化反応)を阻害してセメント硬化物の強度発現を遅延させるため、セメント組成物に多量に添加することができない。また、水に溶解して溶出、分解してしまうことや、微生物により直ぐに資化されて使い切られてしまうなどの問題があり、長期的な栄養源としての適正も低い。
【0009】
非特許文献1は、アルカリ親水性胞子形成性バチルスの細菌胞子と、栄養源としてのPLA(ポリ乳酸)とを含むセメント混和材であるConcrete Healing Agent-PLA based (CHA-PLA)を開示する。CHA-PLAを生コンクリート製造時に添加することで、練り混ぜ水中でポリ乳酸はセメント組成物中のカルシウムと反応して乳酸カルシウムに変化する。そして、得られたセメント硬化物に経時的なひび割れが発生すると、侵入してくる水や酸素によってpHが下がり、細菌が活動を開始する。そして、ひび割れ内に侵入する酸素および乳酸カルシウムを摂取しながら代謝活動によりひび割れ内に炭酸カルシウムを排出してひび割れを修復すると共に、セメント硬化物内の酸素量を減少させる。ひび割れが完全に閉塞すると、水や酸素の供給が絶たれることで細菌は再び休眠状態を保ち、次のひび割れ発生に備えることとなる。
【0010】
上述のとおり、セメント硬化体中でPLA(ポリ乳酸)は乳酸カルシウムとして存在するので、多量にPLAを添加してもセメントの水和反応に目立った悪影響を与えることはなく、セメント硬化体中で乳酸が乳酸カルシウムの形で存在するので、セメント硬化体からの溶出も少ない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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