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公開番号2025141669
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024041699
出願日2024-03-15
発明の名称酸素飽和度判定装置、酸素飽和度判定方法及び酸素飽和度判定プログラム
出願人オムロン株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類A61B 5/1455 20060101AFI20250919BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】消費電力を抑制できる酸素飽和度判定装置を提供する。
【解決手段】酸素飽和度判定装置は、第二脈波信号の強度と波形の振幅とを算出し、第二脈波信号の波形の振幅と予め設定された酸素飽和度の基準値とに基づいて第一脈波信号の波形の振幅についての第一閾値を算出し、取得される第一脈波信号の振幅が算出される第一閾値以下である場合、動脈の酸素飽和度が基準値以上である、と判定すると共に、取得される第一脈波信号の振幅が算出される第一閾値超である場合、動脈の酸素飽和度が基準値未満である、と判定する、プロセッサを備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
動脈に対して赤色光を投光する第一投光素子と、前記赤色光よりも酸化ヘモグロビンの吸収係数が高い波長を有する参照光を動脈に対して投光する第二投光素子と、
投光された前記赤色光と前記参照光とのそれぞれに対応する透過光又は反射光を受光光として受光し、前記赤色光の前記受光光の光強度に応じた第一脈波信号と、前記参照光の前記受光光の光強度に応じた第二脈波信号とを出力する受光素子と、
前記受光素子に電気的に接続され、前記第一脈波信号と前記第二脈波信号とを取得し、前記第二脈波信号の強度と波形の振幅とを算出し、前記第二脈波信号の波形の振幅と予め設定された酸素飽和度の基準値とに基づいて前記第一脈波信号の波形の振幅についての第一閾値を算出し、取得される前記第一脈波信号の振幅が算出される前記第一閾値以下である場合、前記動脈の酸素飽和度が前記基準値以上である、と判定すると共に、取得される前記第一脈波信号の振幅が算出される前記第一閾値超である場合、前記動脈の酸素飽和度が前記基準値未満である、と判定する、プロセッサと、
を備える、酸素飽和度判定装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記プロセッサは、前記第一脈波信号の振幅を取得する処理において、前記第二脈波信号の波形のピークタイミングにおける前記第一脈波信号の強度と、前記第二脈波信号の波形のバレータイミングにおける前記第一脈波信号の強度と、に基づいて前記第一脈波信号の振幅を推定し、前記推定される振幅を前記第一脈波信号の振幅として取得する、
請求項1に記載の酸素飽和度判定装置。
【請求項3】
前記参照光は、赤外光である、
請求項1又は2に記載の酸素飽和度判定装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第一閾値を算出する処理の前に、前記参照光の前記第二脈波信号の振幅と予め設定された第二閾値とを比較し、前記参照光の前記第二脈波信号の振幅が前記第二閾値以上である場合に、前記第一閾値を算出する、
請求項1又は2に記載の酸素飽和度判定装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第二脈波信号の振幅が第二閾値未満である場合、前記第二投光素子の投光量を増加させる、
請求項4に記載の酸素飽和度判定装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第一閾値を算出する処理の前に、前記第一脈波信号及び前記第二脈波信号のうち少なくとも一方にフィルタリング処理を施す、
請求項5に記載の酸素飽和度判定装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、取得される前記第一脈波信号の振幅が前記第一閾値以下である場合、前記酸素飽和度が前記基準値以上であるとの判定結果として、前記酸素飽和度が正常である、と算出すると共に、
取得される前記第一脈波信号の振幅が前記第一閾値超である場合、前記酸素飽和度が前記基準値未満である判定結果として、前記酸素飽和度が非正常である、と算出する、
請求項1又は2に記載の酸素飽和度判定装置。
【請求項8】
動脈に対して、赤色光と、前記赤色光よりも酸化ヘモグロビンの吸収係数が高い波長を有する参照光とを投光し、
投光された前記赤色光と前記参照光とのそれぞれに対応する透過光又は反射光を受光光として受光し、
前記赤色光の前記受光光の光強度に応じた第一脈波信号と、前記参照光の前記受光光の光強度に応じた第二脈波信号とを取得し、
前記第二脈波信号の強度と波形の振幅とを算出し、
前記第二脈波信号の波形の振幅と予め設定された酸素飽和度の基準値とに基づいて前記第一脈波信号の波形の振幅についての第一閾値を算出し、
取得される前記第一脈波信号の振幅が算出される前記第一閾値以下である場合、前記動脈の酸素飽和度が前記基準値以上である、と判定すると共に、取得される前記第一脈波信号の振幅が算出される前記第一閾値超である場合、前記動脈の酸素飽和度が前記基準値未満である、と判定する、
酸素飽和度判定方法。
【請求項9】
動脈に対して、赤色光と、赤色光よりも酸化ヘモグロビンの吸収係数が高い波長を有する参照光とを投光する処理と、
投光された前記赤色光と前記参照光とのそれぞれに対応する透過光又は反射光を受光光として受光する処理と、
前記赤色光の前記受光光の光強度に応じた第一脈波信号と、前記参照光の前記受光光の光強度に応じた第二脈波信号とを取得する処理と、
前記第二脈波信号の強度と波形の振幅とを算出する処理と、
前記第二脈波信号の波形の振幅と予め設定された酸素飽和度の基準値とに基づいて前記第一脈波信号の波形の振幅についての第一閾値を算出する処理と、
取得される前記第一脈波信号の振幅が算出される前記第一閾値以下である場合、前記動脈の酸素飽和度が前記基準値以上である、と判定すると共に、取得される前記第一脈波信号の振幅が算出される前記第一閾値超である場合、前記動脈の酸素飽和度が前記基準値未満である、と判定する処理と、をプロセッサに実行させる、
酸素飽和度判定プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、酸素飽和度判定装置、酸素飽和度判定方法及び酸素飽和度判定プログラムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、動脈血中の酸素飽和度(SpO

)を測定する方法の一例として特許文献1のような技術が知られている。具体的には、互いに異なる波長を有する赤色光と赤外光とが動脈血に対して投光されると共に、それぞれの光に対応する透過光又は反射光が、受光素子によって受光される。なお、以下、説明の便宜のため、透過光及び反射光のように受光素子によって受光される光をまとめて「受光光」と称する。
【0003】
特許文献1では、赤色光と赤外光とのそれぞれの受光光の脈波信号と、予め入力された情報とから酸素飽和度を算出するパルスオキシメータが開示されている。特許文献1では、算出された酸素飽和度と所定数の過去の酸素飽和度の算出値とを比較することによって中央値が選択される。また、選択された中央値と所定数の過去の中央値の平均値とを用いて算出された最新の中央値が、酸素飽和度の測定値として表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3238813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年、手首や上腕等の皮膚上に測定機器が装着された状態を継続させつつ、酸素飽和度を医療機器レベルの精度で日常的に測定可能な装置の需要が高まっている。しかし、手首や上腕における測定では、装置によって取得される脈波信号の振幅が、指先等に比べて非常に低くなる。
【0006】
動脈血中の酸素飽和度が比較的高い場合、ヘモグロビンによる赤色光の吸収は、赤色光よりも酸化ヘモグロビンの吸収係数が高い波長を有する他の光と比べて小さくなる。このため、動脈血の拍動による赤色光の受光光の強度の変化が小さくなり、結果、取得される脈波信号の波形の振幅も小さくなる。よって、赤色光の脈波信号の波形の振幅が小さくなることに起因して、酸素飽和度の測定精度が低くなるという問題がある。しかし、特許文献1では、酸素飽和度によって赤色光のヘモグロビンの吸収係数が低下することについて何ら検討されていないため、赤色光の脈波信号が検出できない場合、酸素飽和度の測定が不可能になる懸念がある。
【0007】
また、酸素飽和度の測定精度を向上させるため、赤色光の投光量を増加させることによって、赤色光の受光量を増加する方法、すなわち、脈波信号の強度を高める方法が考えられる。その他、赤色光の脈波信号の波形の振幅が小さくなっても、脈波信号の取得頻度を増加させることによって、測定精度を向上させる方法も考えられる。しかし、脈波信号の強度を高める方法や取得頻度を増加させる方法等を特許文献1のような従来のパルスオキシメータに単に適用したとしても、装置の消費電力が増大するという問題が生じる。
【0008】
本開示は、上記に着目して為されたものであって、消費電力を抑制できる酸素飽和度判定装置、酸素飽和度判定方法及び酸素飽和度判定プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1の態様に係る酸素飽和度判定装置は、動脈に対して赤色光を投光する第一投光素子と、前記赤色光よりも酸化ヘモグロビンの吸収係数が高い波長を有する参照光を動脈に対して投光する第二投光素子と、投光された前記赤色光と前記参照光とのそれぞれに対応する透過光又は反射光を受光光として受光し、前記赤色光の前記受光光の光強度に応じた第一脈波信号と、前記参照光の前記受光光の光強度に応じた第二脈波信号とを出力する受光素子と、前記受光素子に電気的に接続され、前記第一脈波信号と前記第二脈波信号とを取得し、前記第二脈波信号の強度と波形の振幅とを算出し、前記第二脈波信号の波形の振幅と予め設定された酸素飽和度の基準値とに基づいて前記第一脈波信号の波形の振幅についての第一閾値を算出し、取得される前記第一脈波信号の振幅が算出される前記第一閾値以下である場合、前記動脈の酸素飽和度が前記基準値以上である、と判定すると共に、取得される前記第一脈波信号の振幅が算出される前記第一閾値超である場合、前記動脈の酸素飽和度が前記基準値未満である、と判定する、プロセッサと、を備える。
【0010】
上記の構成によれば、酸素飽和度の状態を判定するに際し、酸素飽和度が高まる状態に応じて赤色光のヘモグロビンの吸収係数が低下するため波形の振幅を取得し難くなる赤色光の第一脈波信号の強度を単に高めることなく、波形の振幅を取得し易い参照光が用いられる。このため、酸素飽和度の状態を判定する際、例えば脈波信号の強度を単に高める方法や取得頻度を単に増加させる方法が用いられる場合に比べ、装置の消費電力を全体的に抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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